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いつもありがとうございます。

現代文の読解問題(太宰治の富嶽百景の一部)です。
文章は、

 河口局から郵便物を受け取り、またバスに揺られて峠の茶屋に引き返す途中、
私のすぐ隣に、濃い茶色の被布を北青白い端正な顔の、六十歳くらい、私の母とよく似た老婆がしゃんと座っていて、
女車掌が、思い出したように、みなさん、今日は富士がよく見えますね、
と説明ともつかず、また自分ひとりの詠嘆ともつかぬ言葉を、突然言い出して、
リュックサックしょった若いサラリーマンや、大きい日本髪結って、口もとを大事にハンケチで覆い隠し、絹物まとった芸者風の女など、
からだをねじ曲げ、いっせいに車窓から首を出して、いまさらのごとく、その変哲もない三角の山を眺めては、やあ、とか、まあ、とか間抜けた嘆声を発して、車内はひとしきり、ざわめいた。
けれども、私の隣のご隠居は、胸に深い憂悶でもあるのか、
他の遊覧客と違って、富士には一瞥も与えず、かえって富士と反対側の、山道に沿った断崖をじっと見つめて、
私にはそのさまが、からだがしびれるほど快く感ぜられ、
私もまた、富士なんか、あんな俗な山、見たくもないという、高尚な虚無の心を、その老婆に見せてやりたく思って、
あなたのお苦しみ、わびしさ、みなよくわかる、と頼まれもせぬのに、共鳴の素振りを見せてあげたく、
老婆に甘えかかるように、そっとすり寄って、老婆と同じ姿勢で、ぼんやり崖の方を、眺めてやった。

という文です。

問題は、
私にはそのさまが、からだがしびれるほど快く感ぜられ、
の「そのさま」についてなのですが、

「そのさま」とは、誰のどのような様子か。
「~の~様子」という形で書け。  です。


わたしは
「私」の隣のご隠居の、他の遊覧客と違って富士には一瞥も与えず、
かえって富士の反対側の山路に沿った断崖をじっと見つめる様子。
と書きました。

それで答えは
老婆の、富士には一瞥も与えず、反対側の断崖をじっと見つめている様子。

だったのですが、[「ご隠居」ではだめで、老婆の様子であることがおさえられていなければいけない。]とかいてあったのですが、
やっぱりこれも[「私」の隣のご隠居]ではぴったりでないからということになるんでしょうか。

文の続き方からいったら、その部分だけ他のところから「老婆」をもってくるのって私にはむずかしいなあと思ったし、そもそもご隠居より老婆のほうが適当かどうかも理由がわかりませんでした。

教えていただけたらうれしいです。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

この文には,私,女車掌,若いサラリーマン,芸者風の女,老婆がでてきます(ほかに明示的に書かれていない運転手もいます)。

そのだれかが特定できれば,「老婆」と答えようが,「ご隠居」と答えようが,正解だと思います。

しいていえば,「ご隠居」は太宰がこの老婆に親近感をもって使った「心の中での尊称」でしょうから,解答としては脚色されない「老婆」のほうが適切だというコメントなんだろうと,ぼくは思います。しかし,「だめ」と決めつけるのはいきすぎであり,採点者が模範解答にしたがった採点しかできない木偶の坊だ,というだけだと思います。
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この回答へのお礼

こんばんは☆
お返事ありがとうございます。

前に、他の問題なのですが、具体的な内容を答えなさい、とかいう問題だったときに、少し具体的でないけど近くにある言葉と、遠くにある言葉で、正解は遠くにある具体的な言葉だった、ということがありました。

今回もなんでそんな遠くから?みたいに不思議に思ったのですが、
解答としては脚色されない「老婆」のほうが適切だったということなんですよね!
教えていただけてうれしいです。
ありがとうございました☆

お礼日時:2009/11/20 19:58

 ちゃんと問題文読みなさい


1行目「河口局から郵便物を受け取り、またバスに揺られて峠の茶屋に引き返す途中、私のすぐ隣に、濃い茶色の被布を北青白い端正な顔の、六十歳くらい、私の母とよく似た老婆がしゃんと座っていて、女車掌が、思い出したように、みなさん、今日は富士がよく見えますね、」
8行目「けれども、私の隣のご隠居は、胸に深い憂悶でもあるのか、
他の遊覧客と違って、富士には一瞥も与えず、かえって富士と反対側の、山道に沿った断崖をじっと見つめて、私にはそのさまが、からだがしびれるほど快く感ぜられ、」
12行目「私もまた、富士なんか、あんな俗な山、見たくもないという、高尚な虚無の心を、その老婆に見せてやりたく思って、
あなたのお苦しみ、わびしさ、みなよくわかる、と頼まれもせぬのに、共鳴の素振りを見せてあげたく、
老婆に甘えかかるように、そっとすり寄って、老婆と同じ姿勢で、ぼんやり崖の方を、眺めてやった。」

 まず、登場人物は、私・老婆・女車掌や若いサラリーマンのみです。

(回答のヒント)
 御隠居とは、お年寄りや老人の事。つまり、陰でひそひそ生きるのは年寄りです。
 「私の隣の御隠居」は「私の母とよく似た老婆がしゃんと座っていて、」で分かるように、隣は老婆の身です。
簡単に図式化します。

座席→私 老婆
 で他の客はどこに乗っているとは書いてないので、隣ではない8と断定。

 だから、隣は老婆のみです。

 後、若いサラリーマンは、どこに座っているか分からないから省く。

 御隠居は老婆のみです。爺が書いてあれば悩みますがね。でも書いてないからすぐ1人に限定できます。

 だから、「老婆が富士には一瞥も与えず、かえって富士と反対側の、山道に沿った断崖をじっと見つめている様子」が正解です。

 問題文からそのままひっぱり回答するから、「御隠居の」を誰かなとも思わず第三者の登場人物を生んでいるからです。だから、老婆です。

 それと、高校生として恥ずかしくないですか。国語の解釈を誤るのは慌てている。いや、日本語が読めないし書けないとも思われますよ。だから、問題文をしっかり読みなさい。
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この回答へのお礼

こんばんは☆
お返事ありがとうございます。

>御隠居は老婆のみです。
>問題文からそのままひっぱり回答するから、「御隠居の」を誰かなとも思わず第三者の登場人物を生んでいるからです。

はい。あまり変えると間違えてしまうのではないかと思っていつも問題文からなるべくひっぱっていました。
今度から気をつけます。
あと問題文をしっかり読むようにしたいと思います。

教えてくださってありがとうございました☆

お礼日時:2009/11/20 23:07

この文章、わたくし個人的に心から愛しております。


それはさておき、回答なのですが、別に「ご隠居」という言葉を使っても誤りではありません。文中に出て来る「老婆」と「ご隠居」は同一人物だからです。言い方が違うので別人かと思われそうですが、「老婆」は客観的な呼び方として、また「ご隠居」は作者が特に思い入れのある人物として親しみを込めた呼び方をした、ということです。他にも登場人物はいますが、私のすぐ隣に座っていたのは「老婆」「ご隠居」に絞り込めると思います。
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この回答へのお礼

こんばんは☆
お返事ありがとうございます。

「老婆」は客観的な呼び方として、また「ご隠居」は作者が特に思い入れのある人物として親しみを込めた呼び方をした、ということで、どっちでもいいっていうことでしょうか。誤りということでもないんですね。ありがとうございます。

>この文章、わたくし個人的に心から愛しております。
というところを読んで、なんかこの話を読んでみたくなって借りてきました。
太宰治って中学の教科書に走れメロスが載っていて、話がそうなのか、教科書の載せ方で思ったのかよくわからないけれどあまり興味がなかったのですが、
少し前にTVかもしれないんですけど太宰治って走れメロスとか書いてるけれど、実は友達とどこかにとまった時にお金が足りなくなって友達を人質においたままで帰ってこなくて、その友達が探しに行ったら待つほうと待たせるほうとどっちのほうがつらいか??見たいな事を言ったんだ、という話を聞いたことがあって、「教科書にのっている走れメロス」というイメージとのギャップで興味を持っていました。
それでまだ富嶽百景は全部は読んでないのですが、ちょうど

「おや、月見草」

というところが、ちょうどそのページの中でほんとの花が咲いているみたいで目を引きました。
後で読んでみます。あとは短い話で「桜桃」という話をさっき読みました。面白かったです。
この質問でポイントのつけかたがむずかしくて、今回は#1さんと#3さんにつけさせていただくことにしたのですが、とてもわかりやすかったです。
ありがとうございました☆

お礼日時:2009/11/20 22:59

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