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背景:20℃で1Lの水に20gのHCl(分子量36.46)を溶解しているとき、その気相中の塩化水素の分圧は4.4×10-5mmHgである。
(1)塩化水素の分圧は2.2×10-5mmHgのとき、これと平衡にある塩酸水溶液のモル濃度を求めよ。
(2)1Lの水の中に20gの塩化水素と20gの塩化ナトリウム(分子量58.44)が含まれているとき、これと平衡にある気相中の塩化水素の分圧を求めよ。
上記の2項目の解法が思いつかないので、ご教示願います。

A 回答 (1件)

 ヘンリーの法則ですね。

この法則は「揮発性の溶質を含む希薄溶液が気相と平衡にあるときには、 気相内の溶質の分圧pは溶液中の濃度cに比例する」というものですが、「揮発性」というところがミソです。
 塩酸は強酸なので一般に解離度=1として扱われることが多いですが、実際には解離平衡が存在し、したがって塩酸水溶液中には解離していないHClが存在します。この濃度と、気相中のHClの分圧が比例するわけです。
 二問とも20℃での話だとして、塩化水素の解離定数をKとします。すると背景の部分の平衡は
[H+][Cl-]/[HCl]=K
と表わされます。また、溶液全体として電荷はゼロなので
[H+]=[Cl-]   であり、この溶液の濃度から
[Cl-]+[HCl]=20/36.46  
です。これらを連立させると各化学種の濃度をKを用いて表わすことができます。この時の気相中のHCl分圧が4.4*10^-5mmHgです。

(1)では背景に比べてHCl分圧が半分になっています。よって[HCl]も半分になっているはずです。このときの平衡は
[H+]’[Cl-]’/[HCl]’=K
であり、
[HCl]’=[HCl]/2
なので背景のところで求めた[HCl]の値(Kを用いた式)を代入し、さらに[H+]’=[Cl-]’を使うと[H+]’および[Cl-]’をKを用いて表わすことができます。[HCl]’+[Cl-]’がこの溶液の濃度になるわけです。きちんとやるにはKの値が必要になるはずですが、恐らく近似を使って答えを出すのだと思います。

(2)も基本的には同じで、
[H+]”[Cl-]”/[HCl]”=K
が成り立つのですが、この[Cl-]”にはNaClの電離(全量電離します)に起因する塩化物イオンの濃度が上乗せされています。よって
[Cl-]”+[HCl]”=20/36.46+20/58.44
であり、
[H+]”+[Na+]”=[H+]”+20/58.44
            =[Cl-]”
となります。これらを使って[HCl]”をKで表わし、背景の場合と比較するとHClの分圧が判ります。

 **実際には溶液全体として電荷がゼロになる式には[OH-]が登場するはずですがこの濃度だと[H+]>>[OH-]なので省略しています。
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この回答へのお礼

gohtraw殿
お返事遅れて申し訳ありません。
弊方の質問に対し丁寧に解法を教えて下さり
誠に感謝いたします。(&勉強し直します)

ご迷惑かと思われますが、今後ともよろしく
お願いします。

以上

お礼日時:2010/01/14 23:22

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