dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

物理化学。クラジウスの式(融解の時)を使う問題について質問です。

問題:ある気体のモル体積は1.00atm 370.75Kで161.0cm3/mol
     液体のモル体積は1.00atm 370.75Kで163.3cm3/mol(370.75Kは融解温度)
   100atmに圧力を変えると融解温度は351.26Kになる。このときの融解エンタルピーを計算せよ
   という問題です。

クラウジウスの式よりΔP/ΔT=ΔfusS/ΔfusV 。
          ΔfusS=ΔfusH/Tより、
          ΔP/ΔT=ΔfusH/TΔfusV・・・?
          というところまで導いたのですが、?式における「T」は、
          370.75Kと351.26Kのどちらを入れればよいのでしょうか?
          このTが毎回どのように定義されるのかいまいちよく分からないです。

宜しければどちらがをいれればいいのかとその理由、この式の場合のTは何を指すかを教えてくだされば幸いです。
   

A 回答 (2件)

蛇足かも知れませんが...


dP/dT=ΔH/(TΔV)をつかってΔHをもとめよというのですから、圧を1気圧から100気圧にしても液体と固体(本文中の気体→液体、液体→固体)と読み替えてよろしいですね。)のエンタルピーがそれぞれ変化が小さく、差も小さいと考えているわけですね。この時もし圧による体積変化が無視できないならばこちらはカウントして計算する必要があります。たとえば液体→理想気体ならばVvap>>Vliqを考慮し、Vvapをあらためてvと書いて
dP/dT=ΔH/(TΔV)=ΔH/(Tv)=ΔH/{T(RT/P)}=ΔHP/(RT^2)
即ち
dP/P=(ΔH/R)dT/T^2
より
lnP=-ΔH/RT+const
の関係から1/TとlnPのグラフの勾配から求められます。実際は熱膨張係数をα、圧縮係数をκとおいて凝集相(液・固)の体積v(T,P)は
v=v(0,0)(1+αT-κP)
h=h(0,0)+∫Cp(T,0)dT+Pv(T,0)(1-αT)(1-(1/2)κP)
の程度です。hの固相と液相が圧が上がったときの固相と液相のhの差の変化を無視されたのでvの差の変化も無視してよいのでしょう。即ち考えている変化の間においてΔH/ΔVが一定となります。よって
dP/dT=(ΔH/ΔV)/T...(1)
とかけます。以下計算の建前どおりにやれば変数分離し、積分して
dP=(ΔH/ΔV)dT/T
P=(ΔH/ΔV)lnT+C
となります。ここでTo(370.75)の時Po(1.013x10^5 Pa)とすれば
C=Po-(ΔH/ΔV)lnTo
となります。よって
P-Po=(ΔH/ΔV)ln(T/To)...(2)
です。これに得られた値を代入すると
1.003x10^7={ΔH/(-2.3x10^(-6))}ln(351.26/370.75)
ΔH=427 J
となります。
(2)に戻って。
ln(T/To)=ln(T+ΔT/To)=ln(1+ΔT/To)≒ΔT/To...(3)
と置けます。これを(2)に代入すれば
ΔP=(ΔH/ΔV)(ΔT/To)
ΔP/ΔT=ΔH/(ToΔV)...(4)
で結局TにはToをいれればよいことになります。これで計算すると
1.003x10^7/(-19.49)=ΔH/{370.75*(-2.3x10^(-6))}
ΔH=439 J
となります。
    • good
    • 0

370.75Kを入れます。

ΔfusVが370.75Kでの値だからです。

ΔP/ΔT=ΔfusS/ΔfusVという式からクラウジウスの式まで一旦戻って考えます。
クラウジウスの式は dP/dT=ΔfusS/ΔfusV ですから、ΔfusVに370.75Kのときの値を使うならば、右辺のΔfusSもまた370.75Kのときの値でなければなりません。これらの比から計算される左辺のdP/dTは、Pを縦軸にTを横軸にとったときの融解曲線の傾きを表しますが、これも370.75Kのときの傾きになります。

融解曲線を直線とみなせるような温度範囲では、圧力差ΔPは温度差ΔTに比例します。式で書けば、ΔP=(dP/dT)ΔTという形になります。dP/dTは比例係数です。つまり融解曲線を直線とみなせるならば、dP/dTは370.75Kでも351.26Kでも同じ値になります(dP/dTが370.75Kと351.26Kで異なる値になるならば、融解曲線の傾きが二つの温度で異なるので、融解曲線は直線ではなくなります)。

dP/dTは、問題文に与えられているΔPとΔTから求めることができます。このdP/dTとΔfusVをクラウジウスの式に代入すれば、ΔfusSを求めることができます。上で述べたように、ΔfusVが370.75Kのときの値なのですから、ここで求めたΔfusSは370.75Kのときの値です。融解エンタルピーを求める式 ΔfusS=ΔfusH/T の左辺が370.75Kのときの値なので、これから右辺のTには370.75Kを入れなければならないことが分かります。このようにして求められるΔfusHもまた、370.75Kのときの値になります。


ところで、与えられた数値(加圧で融点が下がっていることから、固体のモル体積を163.3cm3/mol、液体のモル体積を161.0cm3/molと仮定)からΔfusSを求めてみると
 ΔP=(100-1)atm=99atm≒99×10^5Pa
 ΔT=(351.26-370.75)K=-19.49K
 ΔfusV=(161.0-163.3)cm3/mol=-2.3cm3/mol=-2.3×10^(-6)m3/mol
より
 ΔfusS
  =(ΔP/ΔT)*ΔfusV
  =(99×10^5Pa/19.49K)*(2.3×10^(-6)m3/mol)
  =1.2(J/K)/mol
となって、融解エントロピーとしては、かなり小さな値になります。私が計算間違いをしている可能性もありますが、与えられた問題文を確認してみて下さい。数値が間違っていないとすれば、固相→液相の相転移じゃなくて、固相→固相の相転移のような気もします。
    • good
    • 1

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!