私は現在ある大学の哲学科に在籍しています。
入学してから今まで受けてきた大学の哲学の授業は、主に教授の話すことを聞いているだけの、講義形式のものがほとんどでした。
しかし、これから進級するにつれて、哲学書などを読んで、自分の考えを発表したり、他の学生たちと議論したりする、学生主体の演習が増えてきます。
そして私は、これから受けることになるであろう、この演習形式の授業に不安を覚えています。
なぜかというと、私は自分の考えを言うことが苦手だからです。
自分の考えを言うことが苦手だというのは、自分の考えに自信がなかったり、恥ずかしかったりするからではなく、そもそも自分の考えというのが頭に思い浮かばないからだと思うのです。
不安を覚え始めたのは、以前、授業のときに教授に「価値って何だと思う?」とか、「理性って何だと思う?」とか、「自分って何だと思う?」ということを聞かれたときからです。
私はこのとき、質問に対して自分の考えが全く思い浮かばず、何も答えることができませんでした。
哲学のなかでは初歩的な質問なのかもしれませんが、私には十分難しく感じました。
他の学生たちも私と同じように答えることはできないだろうと思っていたのですが、予想に反して、しっかり自分の意見を言っていました。
また、「ニヒリズムを克服するためにはどうすればよいか、自分の意見を述べよ」という授業がありました。
このときも私は、「私たちの行いが無意味だと言われれば確かにそうかもしれないし、克服なんてできるのだろうか」と思うだけで、何の考えも思い浮かびませんでした。
なんとなく面白そうだなという安易な考えで、大学の哲学科を専攻してしまったのですが、哲学という学問の難しさに非常に戸惑っています。
哲学は自分には合わないのかなと不安になってしまいます。
こんな私でも、哲学を学び、過去の哲学者たちの様々な思想に触れていくうちに、哲学的な問題に対して自分の考えを持てるようになるのでしょうか?
それとも哲学ができるかどうかは生まれ持ったセンスの問題なのでしょうか?
何かアドバイス等ございましたら、よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
私は少しばかり哲学を齧った程度の者だが、少なくとも「哲学とは何か?」ぐらいは感じることができたと思う。
その程度の話でよければ。
如何にも哲学的な「価値とは何か?」という問いに答えられなくても、高校で小論文の題材になるような「あなたはゆとり教育の見直しに賛成ですか、それとも反対ですか?」とか、「調査捕鯨の是非について論ぜよ」というような問いには、意見(それを支える根拠も含めて)を持てるのではないだろうか?
もしそうだったら、質問者に足りないのは「抽象的概念に対する慣れ」なのだろう。ゆとり教育や捕鯨については、しばしばテレビや新聞の報道で取り上げられるために、比較的自分の意見を持ちやすい。一方、価値だの理性だのはNHK教育でもなかなか扱われない。この扱われ方の差が、質問者の意見の持ち易さに反映されているのである。
この場合、解決方法は簡単である。質問者の仰る様に過去に哲学者が何を考えてきたのかを(批判的に)学び、それらを自分自身受容するか拒絶するか、そしてその理由は何か、よく考えていけば、自ずと自分の意見は醸成されるものだと思う。
要は、自分の考えの「核」がないだけなのである。提示された問いについての過去の思想を、学部の内なら新書でもよいので何冊文か貪り読むことが解決に繋がる。
さて、質問者がゆとり教育や捕鯨についても意見を持っていないのであれば、これは「哲学が難しい」以前の問題である。文学部か教養学部か分からないが、そうした学部にいる意義が分からない。大学生として最小限必要な、自分自身の意見の立て方が身に付いていないのだから。
でも、その場合もまだ悲嘆するには及ばない。もっとも、この場合は、高校生向け小論文の参考書に立論の方法を学ぶところからやり直すことになりかねないのだが・・・。
とりあえず、今回はここで切るので、まだ問題があったら御返答を頂きたい。
抽象的概念に対する慣れが足りないというご指摘には、ハッとしました。
確かに今まで抽象的な言葉を目にすると、頭に言葉のイメージがはっきり思い浮かばず、理解しづらいので、深く考えようとすることを避けていたように思います。
ありがとうございました。
No.13
- 回答日時:
NHKの番組で、プロジェクトジャパンという番組があります。
http://www.nhk.or.jp/japan/index.html
http://www.nhk.or.jp/japan/archives/archive_2010 …
植民地統治下の台湾
http://www.nhk.or.jp/japan/asia/090617.html
http://www.nhk.or.jp/japan/asia/090722.html
http://www.nhk.or.jp/japan/rerun/index.html
本日再放送の番組です。
幕末の「篤姫」「竜馬伝」、明治時代の「坂の上の雲」など、ドラマで日本が西洋列強(帝国主義の植民地、対外拡張)に追いつく番組があります。
平行して、ドキュメンタリー番組で、プロジェクトJAPANなど、歴史的資料を集めた番組も放送されています。
すこし、生なましすぎる、現実政治の話ですが、これから日本と世界が向かう21世紀は、もうこれまでの大量生産、大量消費が続けられるとは思えません。大きな変化が起きています。
哲学は、こういう激動の時代に、未来をさししめす羅針盤になってほしいのです。
ryusenkei さんが、どんな問題意識をもっていらっしゃるかわかりませんが、世界史的な課題が山積しています。
昔読んだ、青木書店「自由と愛と」真下信一著、という本が、手元にあります。最近、哲学の本を読んだのは、「ソフィーの世界」くらいで、あと何冊読めるかわかりません。
大いにお励みください。坂本竜馬にとっての、「勝海舟」「吉田松陰」「横井小楠」のような、指導者と出会えるとよいですね。
No.11
- 回答日時:
昨夜、NHKプロジェクトジャパン「日韓併合」を見ました。
日本が世界に認められる、ベルサイユ条約。幕末から明治維新、明治政府と富国強兵政策、条約改正など西洋列強に追いつけとばかり、走ってきました。どこが、日本のターニングポイントだったのか、まだわかりません。
今夜は、こころの遺伝子
http://www.nhk.or.jp/idenshi/?from=tp_pc01
を見る予定です。
名古屋大学物理学教室には、坂田昌一博士がおられた。
岩波講座哲学6「自然の哲学」の編集者の一人が、坂田昌一さんです。
是非、視聴してみてください。
ソクラテスが、青年に議論をしかけて、相手の無知をしらせていく。問答法、産婆術、弁証法といいます。
昨夜は、NHK大河ドラマ「竜馬伝」のなかで、勝海舟と竜馬が、討論をしました。最初の口頭試問では、落第ですが、二度目の「なんでも聞きなさい」といいながら、竜馬の考えをうまく聞きだします。
抽象的な禅問答ではなくて、現実の日本がおかれた1860年代の大問題を討論します。
それは、今の日本がかかえる、普天間基地移転問題、もっと根本的には、安全保障の問題、日本の独立の問題に直結します。
すべてのことを疑うこと。ものごとを、根本から考えること。自由に討論すること。できることを実際にやってみること。
大いにお励みください。
ありがとうございます。
2度も回答していただき、非常に嬉しく思っています。
すべてのことを疑うい、根本から考える・・・哲学には重要ですね。
No.10
- 回答日時:
哲学もそうですが、普段から考えなければ出てこないと思いますよ?
大学までは受身で勉強をしていたと思いますが
これからは自分からテーマを持って探求するステージだと思います。
その考えを改めないとどの学部に行っても同じ事の繰り返しですよ?
哲学は生きていれば人それぞれ大なり小なりあるものです。
あとは、その考えをわかりやすく人に伝える
能力が必要なのです。
そのためには色々と触れる経験する必要があるでしょう。
目で見たり触れたり五感で感じるすべてです。
他人から正解といわれる勉強では無いと思いますが、
どれだけ深く考えたかが大事だと思います。
自分の引き出しのキャパ以上には物事は語れないので、
今の時期にどれだけ貯められるかが大事だと思います。
ご参考までに。
No.9
- 回答日時:
大前提として、無知はダメです。
哲学は論理レベルでは、パズルに近いものです。
たとえば、
太平洋戦争という言葉と
大東亜戦争という言葉があります。
言葉が、「理解の文脈」を如実に表す具体例です。
Textureという考え方を突き詰め、議論の分析が出来るようになるのが、はや道です。
たとえば、
genos
genus
で違いがありますよね。
「道」もtaoとdouでは、体系内での位置づけが違います。
「体系」と「断片」の違いを理解できなければ、哲学からは方向転換するべきかもしれません。
数学と物理学がどう違うかとか、体系の形相と質料について、
簡単に説明していくように工夫していきましょう。
No.8
- 回答日時:
#5回答様が的確な説明をされています。
*
日本語で言うところの 哲学は 西洋におけるフィロソフィーとはずれて捉えられていることが多々あるように感じられます
*
どう生きるか その思考 その思想 それら考え方の実践が 哲学なのでしょう
*
つまりは 人生の生きる指針を 言語という記号体系により 実現していく方法論を通して 構造主義のツールとして数学等を用いながら 常日頃意識して 行動し 振る舞えるようになることを目指す 一種の エセ学問かもしれませんね
*
高尚な 哲学の重鎮の 遺産を解読するまでもなく 自分自身の存在という 意識活動の上に認識する世界観の中での 身の処し方を 世間の 厳しさや 時に感じる温かさ に揉まれて包まれながら 人生哲学は 己の中に 自然と形成されていきます
*
哲学という学問は 参考程度に付き合うのが吉
そんな想いをいだきました
No.7
- 回答日時:
自分自身の考えであってこそ考える行いなので、教えを請う姿勢を改める事です。
、「私たちの行いが無意味だと言われれば確かにそうかもしれないし、克服なんてできるのだろうか」
この姿勢のうち「確かにそうかもしれない」という受け止め方が自らの思考を阻んでいます。
確かのそうかもしれない。
という考えから、より理解しようとするだけでも自らの哲学です。(熟慮)
それから人生は哲学者にとって無意味なんだそうだ、「あーそーですか」「そんなわけねーだろ」こうすると反論もできます。
質問者様は今まで謙虚な姿勢で学んできたので、自らの意見を言う他の学生に驚きがあるかもしれませんが、慰めでお話すれば、所詮学生程度では意見は正当な哲学に照らすと「マジギレ」「ぶち切れ」の見当違いの考え方のハズです。ですからその若さゆえのマジギレをはずかしげも無く前面に出せばいいのです。
No.5
- 回答日時:
あなたの考える「哲学」とは何でしょう?
ふだんから目の前のものの意味や、やっている事の意味について
考えていれば、その中の何かについて聞かれても、すぐに答える
ことができるのです。
『質問に答えられるように(何か特別な「哲学」というような
ものを)勉強しよう』と思った時点で、姿勢を誤っています。
ありがとうございました。
自分の哲学に対する姿勢を見直さなければならないなと思いました。
私には普段からさまざまなものの意味を考えるという習慣がついていないので、よく考える癖をつけていきたいです。
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