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国際商事仲裁判断をいただいた場合の、被申立人に対するその判断の執行強制力についてです。
ニューヨーク条約には、相手方締結国の裁判所は相手方当事者に対して仲裁判断に従う旨が規定されている伺いました。そこで、日本での仲裁判断は、相手方の国においても判決と同じだけの効力を有していると考えます。
しかしながら、その強制力についてはどうなっているでしょうか。
例え日本で仲裁判断を得ることが出来たとしても、相手方の国でその執行がなされないと、わざわざ仲裁をしていただいた意味というのが無くなってしまうのではないかと恐れるのです。
もしも相手方の国での執行力が充分信頼に足るものなのでしたら、仲裁制度は、スピード面、コスト面、その他様々なメリットから、企業にとって裁判よりも随分有用な制度に思われるのです。
会社の売買契約書の裏面には仲裁合意も記されております。それなのに、仲裁制度を利用せずに外国での裁判に、時間もコストも掛けられているというのはとても残念に思います。
ただ、この仲裁制度というのは現在の日本ではあまり利用されていない制度なんですよね?つまり、何か欠点があるはずです。私はその欠点が、執行の相手方への強制力の欠如にあると推測するのですが、いかがなものでしょうか。
このようなこと、どなたにお聞きしたらよいか分かりませんので、ご存知の方、どうかお教えの程、宜しくお願い致します。

A 回答 (2件)

お礼拝見しました、恐縮です。


先の当方の回答が的はずれのものだったと後で気づき、まとめたものあるので、とりあえず送信します。
こちらもだいぶ勉強になりました。

いずれにしろ、新版「国際取引」同文館出版にきわめて詳細に説明されています。たとえば、

先進国では、いずれの国にも仲裁の手続きなどを定める仲裁法が存在する。
わが国は公示催告手続及び仲裁手続に関する法律に仲裁の規定があるものの、
これらの規定は1890年(明治23年)民事訴訟法制定以来その後民事訴訟法から分離された後も改正されたことがなく、今日の国際取引の状況下でこれらの規定を国際商亊仲裁に適用するには不十分。

内国仲裁判断は公示催告手続及び仲裁手続に関する法律が適用され、
外国仲裁判断はニューヨーク条約が適用される。よってその仲裁判断が内国仲裁判断なのか外国仲裁判断なのかも問題となることがある。

UNCITRALモデル法などを参考にして新仲裁法の検討が進んでおり、2003年半ばまでには成立の見通し、とのこと(2003年2月現在)=司法制度改革推進本部仲裁検討会。
(なお、gooで「仲裁検討会」と検索すると、トップに出てきます。
13回目のものを読んでみると、まだ時日がかかる感じです。)

仲裁の短所:一審制であって(上訴できない)、結果が予測しにくい。
訴求額2億円程度を分岐点として、小額なら訴訟の方が費用安い(一審で確定した場合)、それを超えると仲裁の方が安い。(あくまで一例)

ちなみに各国の仲裁機関の年間利用状況(国際仲裁に限る)は、
日本国際商事仲裁協会     10数件
ICC国際仲裁裁判所(パリ)360件超
ロンドン国際仲裁裁判所    40件以上
中国国際経済貿易仲裁委員会 900件以上
ただし、わが国でも仲裁は今後は利用が急増するものと思われる。

以上同書からの抜粋。289~321ページにわたって詳しく説明されております。ただ、貴方のケースは外国における執行力でしたよね。これまた、すみません。ただ、その場合でも、相手国によって執行力の扱いが異なるのでやっかいなこと、日本と同じかも。
それだったら始めから裁判の方が、ということでしょうか。
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勉強中の身であり専門家ではありませんが、ご参考になれば。


新版「国際取引」(唐沢宏明著)同文館出版平成15年3月12日新版発行のp306~316にかなり詳しく説明されてあります。(外国仲裁判断の承認と執行)
国際取引では訴訟より仲裁の方が、迅速、経費負担軽い、専門的かつ公平な判断が得やすいことは間違いないと思います。仲裁判断の強制執行は、執行地で執行判決を得ることが必要です。ニューヨーク条約で容易になっていると思います。貿易取引等では、まず仲裁ありき、ではないでしょうか。
以上、あくまで勉学途上の人間の意見ですので、上記書籍参照、また、直接日本商事仲裁協会でお聞きになるのが確実かと思います。専門家の的確な回答が得られることを望んでおります。
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この回答へのお礼

アドバイス、どうもありがとうございます。まずはお教えくださいました書籍を拝見したいと思います。
仲裁制度が便利なのはよく分かります。ただし、その執行判決を相手方の国で得たとしても、そのことを相手方企業がどれだけ真摯に捉えるか、つまり、現実的に執行することが可能なのか…。もっと勉強しないといけませんね。今の所の私の感覚では、まだ使うには時期尚早かな、制度の更なる拡充を待つべきかな…と思ってしまいます。使えたら、コスト面、スピード面等々、絶対にいいと思うのですが。
また、アドバイスいただいたように、実は既に日本商事仲裁協会に問い合わせをさせていただきました。さすがに協会の方自ら「あまり使えませんよ…」とはおっしゃられませんでしたが、それでも行間を読むに、相手方の国の内国法次第、つまり執行力は保障されておらず、その強制力はどうも弱いように感じられました。
執行が強制力を持つには、例えば履行しなければ逮捕される、国内での移動の自由がなくなる、裁判所の権限で差し押さえてくれる、等があればよいと思うのですが・・・。
もう少し仲裁、その他の方法について調べてみます。また後ほど質問させていただくかもしれません。その時はどうかまたよろしくお願い致します。ありがとうございました。

お礼日時:2003/07/03 22:43

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