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航空力学の翼について

翼っていろいろと意味があることを大学で習いましたが、次の2つの性能が分かりません。

(1)テーパー比

テーパー比=翼端の翼弦長/翼中央部の翼弦長
と計算できて、翼の先がどれだけ細くなるかを示すことは分かりましたが、これが分かるとどのような影響が出るのですか??

(2)平均翼弦長
普通の翼弦の時とは違うことは分かって
c'=∫(c^2)dy/S
c':平均翼弦長、c:翼弦長、S:翼面積
という計算式までは分かるのですが、普通の翼弦長と何が違うのですか??

A 回答 (5件)

こんにちは。


まずNo3さんの回答の補足や訂正をまずしたいと思います。

>迎角はどこも一緒と思ってはいけないことです。

迎え角には幾何迎え角、絶対迎え角、有効迎え角の三種類があります。
幾何迎え角は翼弦と気流がなす角です。
絶対迎え角はゼロ揚力線と気流がなす角です。
キャンバーの付いた翼では幾何迎え角が0でも揚力が発生します。
ゼロ揚力線というのはその線を気流と平行にすると揚力がゼロになる線のことです。
幾何迎え角や絶対迎え角はどこも一緒ですが有効迎え角は違います。
ここで言っている迎え角は後で説明されている有効迎え角のことです。

>翼が揚力を生み出すために様々な物理現象が利用されています。
>ここでは、そのひとつのコアンダ効果というものを説明します。

ここでコアンダ効果を出すのは不適切な気がします・・・
一般的にはクッタジューコフスキーの定理とベルヌーイの定理とヘルムホルフの渦保存則で説明します。
本題ではないので説明は省略します。

>迎角とは水平に対する翼弦の角度のことですよね。

翼に関する角度は気流との角度が重要なので、一般的にこのような角度は定義しません。
しいて言うなら姿勢角だと思います。

>有効迎角とは『流体の吹き下ろしに対する角度』のことなのです。

吹き下ろしによって経路が曲げられた気流に対する翼の実際の角度です。

>吹き下ろしによって揚力が得られているので、航空力学では吹き下ろし角を考慮した迎角が必要になる
>のです。

吹き下ろしによって揚力が発生しているのではなく、揚力を発生した結果吹き下ろしが発生します。
吹き下ろしによって幾何迎え角や絶対迎え角では正確な気流に対する角度は表せないので有効迎え角というものが重要になります。
揚力の発生には迎え角がとても重要だからです。

>有効迎角は簡単に言えば吹き下ろし角が大きいところは大きくなり、吹き下ろし角が小さいところでは
>小さくなる迎角のことです。

吹き下ろし角は本来の気流の向きと吹き下ろしによって経路が曲げられた気流の向きがなす角度です。
有効迎え角は吹き下ろし角が大きいところでは小さくなり、吹き下ろし角が小さいところでは大きくなります。

>翼端の方が吹き下ろしが強いので

そうとは限りません。
たとえば楕円翼では吹き下ろし速度はどこも等しいです。
だから有効迎え角もどこでも等しいのです。

>翼根で生まれる揚力(これを局部揚力という)

翼根だけに限りません。

>Bの翼弦の方がAの翼弦よりも長くなる(楕円翼の翼端は長さ0ですが、ここではテーパ翼の翼幅の位
>置と同じ部分の翼弦のこと)

面積(S)が等しくアスペクト比(A)がも等しいなら翼幅(b)も等しくなります。
A=b^2/Sだからです。

No3さんは定義が間違っているために「ここで、楕円翼はどこも有効迎角が等しいので、ある迎角に達
すると翼全体が失速することを意味します。それに対して翼根
では有効迎角が小さいので、翼根はなかなか失速せずに、先に
翼端の方が失速してしまうのです。」の部分はあっていますがその結論に至るまでの議論が矛盾しています。


テーパー比について

楕円翼は誘導抗力(吹き下ろしによる抗力)が最小になるという良い特徴を持っているが作るのが面倒だったりするために、近似的に直線で構成されたテーパー翼で代用しようと考えました。
実際テーパー比をしっかり調整すれば楕円翼とほぼ等しい性能を示す翼が出来ます。
ですから空力的な意味では楕円翼に近づくためにはどんなテーパー比にしたら良いかという点でテーパー比が重要です。


平均翼弦について。

普通の翼弦というのは幾何平均翼弦のことだと思いますが、これは単純にその翼の翼弦の平均の長さで図形的な意味しか持ちません。
ですから
単純にS/b
で求められます。

空力平均翼弦は質問者様の式は少し間違っていて、2/S*c^2の0~2/bまでの積分で求められます。(2/sと積分範囲が抜けています。)
これは、空力的な要素から決められるものです。
翼はそれぞれの場所によって空力的に違う性質を示していますがそれらを平均した時に、それを代表させられるような翼弦を空力平均翼弦と呼びます。

分からないところがあったら補足します。
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>(1)テーパー比


>これが分かるとどのような影響が出るのですか??

もともとのテーパー翼の意味は、片持ち式の場合の揚力による曲げモーメントを翼端になるに
従って少なくするという強度上の理由と、誘導抗力を少なくするには本当は楕円翼が理想形な
のですが、翼の前・後縁を直線にして近似させた形でも十分だという製作上の理由でこの形に
なっています。例えば前者の理由で、翼中間に「支持梁」のある小型飛行機では矩形翼を採用
していたりします。テーパーにする必要を削ったのです。他には楕円翼の失速特性が好ましく
ないこともテーパー翼にする理由です。
「どのような影響」かは既出のとおり、失速特性が変わってきます。極端に翼端が尖ったような、
ほぼ三角形のような翼では翼端から失速し、中間的な(テーパー比0.4程度)ものでは翼端と
翼根の中間から失速します。(この辺は「局部揚力係数」を持ち出したややこしい話になるので
説明しきれません。)


>(2)平均翼弦長
>普通の翼弦長と何が違うのですか??
「普通の翼弦長」が何を指すのか解りませんが、平均翼弦長の意味は「その翼を代表する翼弦」
です。現在の大型旅客機を見れば解るとおり、「テーパー翼であり後退翼」では翼根と翼端では
「前方から何%」といっても、胴体長に当ててみれば前後位置が全く違ってきます。
このため、縦軸安定を考えるときのモーメント計算や、特に重心位置表示などのためにこの
「空力平均翼弦 = MAC (mean aerodynamic cord)」を使います。
実際の飛行機では「この飛行機の許容重心範囲は15%~40%MACである」といった使い方
になり、飛行前の重量・重心計算(weight & balance 、略称ウエバラとも)ではこのMACを重心
位置表示に使います。コックピットの操作表示にCG(重心)がある場合も全てこのMAC上の
位置(前縁からの%長)を意味しています。
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アスペクト比とテーパ比は違うものです。

アスペクト比が無限大とは翼幅が無限大のことと同じです。テーパ比は最大でも1(矩形翼)、最小でも0(デルタ翼など)になります。

この質問に対する回答をするうえで、最も重要となるのが翼の迎角はどこも一緒と思ってはいけないことです。翼根の迎角=翼端の迎角にならないのです。空力によって翼が曲げられているわけでもないのに翼根の迎角と翼端の迎角は一緒になりません。
迎角が増えることで失速することはご存知ですよね?負の失速角というのもありますが、ここでは取り扱わないことにします。
ここで、仮定として矩形翼の翼根部の方が翼端部よりも迎角が大きいとします。すると、翼根部の方が翼端部よりも早く失速迎角に達することは容易に想像できると思います。
逆にテーパ比の小さいテーパ翼では翼端部の方が翼根部よりも迎角が大きいと仮定します。そうすれば翼端部の方が先に失速迎角に達します。

ここでは、まだただの仮定でしかありませんが、これを順を追って証明していきます。

まず、翼の場所によって迎角が違うという理由を説明する必要があります

翼が揚力を生み出すために様々な物理現象が利用されています。ここでは、そのひとつのコアンダ効果というものを説明します。
コアンダ効果とは『流体を凸曲面に沿って高速で流してやると、流体はその曲面に沿って流れてゆく』という内容のものです。
ご存じかとは思いますが、飛行機の翼の表面はただの板ではなくて湾曲していますよね?これが、ここで言う凸曲面のことです。ここに高速で流体を流すと、曲面に沿って流体(空気)は流れ水平に翼にあたった流体は水平に対して負の角度をとって流れを変えます。この現象が揚力を得るのにどう関係するのかを示すためには流線曲率の定理を利用しますが、ここではコアンダ効果によって流体の流れ方が変わることだけを理解しておいてください。

コアンダ効果を理解したら次は迎角の話です
何度も言いますが、翼根の迎角と翼端の迎角は一緒ではありません。ここで必要になる考え方が『有効迎角』というものです。通常、迎角とは水平に対する翼弦の角度のことですよね。水平に対する翼弦の角度は翼根でも翼端でも同じです。しかし、有効迎角はそうはなりません。
水平に対する翼弦の角度が迎角ですが、有効迎角とは『流体の吹き下ろしに対する角度』のことなのです。どうして、わざわざこんな考え方をするのかと言いますと、吹き下ろしによって揚力が得られている(吹き下ろしだけではありませんが)ので、航空力学では吹き下ろし角を考慮した迎角が必要になるのです。
有効迎角は簡単に言えば吹き下ろし角が大きいところは大きくなり、吹き下ろし角が小さいところでは小さくなる迎角のことです。この有効迎角というのをしっかりと覚えておいてください

つづいて、翼端渦のことについて話をします
翼端渦とは、翼端を中心としてできる渦のことです。翼の上下面には圧力差があるのをご存知ですよね。下面の方が圧力が高く、上面の方が圧力が低くなっています。すると、翼端では、翼の下面から上面に流体(空気)が流れ込む現象が起きます。すると、流れ込んでくる空気は翼上面に当たり、新たな吹き下ろし角を与えます。すると、有効迎角も変化します。翼端の方が吹き下ろしが強いので翼端と翼根では有効迎角に差が出ます

さて、上記のことが理解できたらいよいよ本題のテーパ翼に入ります

まず、テーパ比の大きいテーパ翼Aと、翼Aとアスペクト比、面積、翼幅が等しい楕円翼Bを考えます。なぜ楕円翼を考えるかと言うと、楕円翼の有効迎角はどこも等しいからです。これは理論的に証明されているので、そのまま使います。
ここで、Aの翼根の長さはBの翼根の長さよりも短くなります。しかし、翼根で生まれる揚力(これを局部揚力という)はAもBも同じ。すると、Aの有効迎角の方がBよりも小さくなります。
逆に翼端部を考えると、Bの翼弦の方がAの翼弦よりも長くなる(楕円翼の翼端は長さ0ですが、ここではテーパ翼の翼幅の位置と同じ部分の翼弦のこと)ので翼端での局部揚力はAもBも同じであるため、Aの有効迎角の方が大きくなります。
ここで、楕円翼はどこも有効迎角が等しいので、ある迎角に達すると翼全体が失速することを意味します。それに対して翼根では有効迎角が小さいので、翼根はなかなか失速せずに、先に翼端の方が失速してしまうのです。

矩形翼の場合は全く逆の現象が起きます

かなりの長文になってしまいましたが、いかがでしょうか。自分は説明下手だし、まだまだ未熟なので間違ったところもあるかもしれませんが、わからないところがありましたら、また気軽に質問してくださいな
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No,1です



簡単に言いますと、迎角を大きくしていくにつれてテーパー比の大きい翼の方が翼端から失速迎角に達するということです。
矩形翼のような翼の場合は翼根から失速迎角に到達するのです。

この説明だけでは不満かもしれませんが、詳しく説明しようとするとかなりの長文投稿になり、より専門的になります。もし、この先も知ろうという気があるならばご説明いたしますよ~(@^^)/~~~

理解を深めてみたい場合は、また言ってくださいな。
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この回答へのお礼

解答のほうをありがとうございます。

つまり、翼の揚力係数をアスペクト比で変化させると、アスペクト比が大きくなると(2次元状態だと無限大)失速角がより小さくでてくることと同じ考え方でいいというわけですか?

お礼日時:2010/07/21 01:13

(1)について



おっしゃるとおり、テーパ比は翼がどれくらい細くなるかを示す値です。
このテーパ比を使うと揚力分布の計算ができます
揚力分布というのは、翼にどのような揚力のかかり方をしているかを知るもので、この揚力分布から翼のどこの強度を強くすればいいかなどの情報が得られます

(2)について

翼の断面の形がどこをとっても同じな長方形翼のときは、平均翼弦長も翼弦長も等しくなります
しかし、普段目にする旅客機や、普段は見ないまでも実用化している戦闘機等はほとんどが長方形翼ではなくデルタ翼やら後退翼などを使っていますよね?
それらは翼にひねりを加えていたり、翼の断面をとるところによって翼弦が違いますので、その平均値が平均翼弦長です。
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この回答へのお礼

解答のほうありがとうございました。
テーパー比についてですが、テーパー比が多いほど翼端失速をしやすい(例えば、テーパー翼だと翼端から、矩形翼は翼の付け根)とききましたが、それはどういうことでしょうか?

解答してくださったのに余計な質問をすみません…

お礼日時:2010/07/20 16:25

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