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ある資格試験学習書の解答に疑義があって、詳しい方のご意見を伺いたく書き込みします。

「被保佐人が、保佐人の同意を得ることなく土地の贈与を受ける行為」について、
その解答では、「取り消し得ない。被保佐人の行為のうち重要な財産上の行為で一定のもの(民12(1)各号)は、被保佐人の同意がなければすることができない。贈与をなすことはこれに含まれるが、贈与を受ける行為はこれに含まれない(民12(1)五参照)。」
としています。

私も、民法12条1項5号については確かにその通りで、贈与を受ける行為はこれに含まれているとは思いませんが、「土地の贈与を受ける行為」については、同3号「不動産其他重要ナル財産ニ関スル権利ノ得喪ヲ目的トスル行為ヲ為スコト」に当たるのではないかという気がするのです。
土地はまさに「不動産」であって、贈与を受ける行為は「得喪」の「得」にあたり、保佐人の同意が必要なのではないかと思われるのです。

確かに、贈与を受けるだけのような単に権利を得るに過ぎない行為は保佐人の同意がなくても、被保佐人に不利益はないのでしょうが、未成年者について、単に権利を得、または義務を免れる行為について法定代理人の同意を要しないと定められた民法4条を保佐人にも準用するといった規定が設けられていない限りは、単に権利を得、または義務を免れる行為といえども保佐人の同意が必要ではないと考えますが、いかがでしょうか?

民法に造詣の深い方に、ご回答をいただきたく存じます。

A 回答 (2件)

ひょっとしたらその問題は平成11年の民法改正前のもの、というオチではありませんか?



旧法下で、問題文が「取り消せるか、取り消せないか」になっているのでしたら、やはり「取り消せない」で間違いないと思います。

旧法の条文上では、保佐人の同意については規定されていましたが、取消権については何ら規定されていませんでした(つまり現在の12条4項に相当する規定が無かった)。従って条文に忠実に解釈すれば、一方的に利益を受ける行為であっても取り消せないことになりました。実際、過去の判例にはこのように解したものがありました。

しかし、準禁治産制度の実効性を高めるために、保佐人に取消権を認めるのが学説の大勢でした。この場合、もともと条文に根拠のない権能を解釈によって創設的に認めるわけですから、その範囲は狭まいほど良いでしょう。したがって「一方的に受益するもの」にまで取消を認める説はありませんでした。

したがって旧法のもとでは、はっきりとその回答は間違い無いと申し上げることが出来ます。


新法下の問題でしたら#1さんの仰るように、制度趣旨から4条1項但書を類推適用するのが一番スマートのように思います。それにしても、類推適用規定が無いというのは立法のミスでしょうか。
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この回答へのお礼

残念ながら(?)禁治産制度が成年後見制度に変わった後、改正後のものです。

私が質問中に「資格試験」と書いたのは司法書士試験のことなのですが、基本的に解答は条文と判例から導かれているようですので、法文上からは保佐人の同意を要すると読めるにもかかわらず、「制度趣旨から4条1項但書を類推適用」できるので取り消せないというのでは、根拠としていかにも弱いのではないかと思われるわけです。
それとも、(成年後見制度はそれほど使われているとは思えないんですが)既に「不動産の贈与は取り消せない」という判例でもあるのでしょうか。

>それにしても、類推適用規定が無いというのは立法のミスでしょうか。
12条が、9条但書を挙げているだけに同感です。

お礼日時:2003/07/23 22:51

 自信のある答えではありません。



 思うに,被保佐人の一定の行為に保佐人の同意が必要なのは,被保佐人の事理の弁識能力が低いため,重要な財産の得喪を生じる行為については,監督者のチェックを必要としたということの,根本の意味は,被保佐人が,合理的な判断ができないことにより,高額な財産を失ったり,多額の負債を抱え込む恐れがあるというところにあろうと考えられます。

 そうすると,単純な贈与であって,被保佐人に何らの負担をも生じさせないものについては,保佐人の同意を必要としないと理解されます。

 ですから,単純に答えれば,被保佐人に利益のみを生じる行為については保佐人の同意は必要がないということになるでしょう。

 教科書レベルではそういえるのではないかと思うのですが,現実にはどうでしょうか。不動産を取得すると,各種の税金がかかって,不動産がただでも結構な負担になるものです。そのような場合にどう考えればよいかは,私には分かりません。
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この回答へのお礼

お早い書き込みありがとうございます。

私も、条理から言えば、
「単純な贈与であって,被保佐人に何らの負担をも生じさせないものについては,保佐人の同意を必要としない」
というのが本来あるべき姿だとは思うのですが、不動産の贈与の場合、条文を読めば読むほど、どうしても第12条1項3号に引っかかってしまうんじゃないかと思えてならないんです。

あるいは、おっしゃるように、不動産の場合、租税公課等の軽からぬ負担がありますから、立法者は既にこれを考慮して、不動産その他の重要なる財産に関してはこのような措置がとられているのではないか、という見方もあり得るのかもしれません。うーん。

お礼日時:2003/07/23 22:18

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