中国人民銀行による為替介入は、どうやって元資金を調達しているのでしょうか。
日本の場合は、政府が短期国債や政府短期証券を発行し、その資金で財務省が日銀に委託して日銀が為替介入を行うと聞いております。なぜ短期資金なのかというのもわけがわかりません。まさか、円を売った後2~3ヶ月後に円を買い戻すという話ではないと思いますが。為替介入のたびに国の借金が増えているのでしょうか。一方中国では外貨準備が2.45兆ドルと巨額です。調達する元資金も半端ではありません。中国が日本と同じ方法で行っているとすると、外貨準備が増えると同時に「国の借金」が増えているのでしょうか。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
お邪魔します。
補足拝見しました。いゃ~あ、私の想像以上でしたね。実は、中国に為替市場などはほとんど存在しない、と、書きたかったのですが、後で間違いと分かると、大恥をかいてしまいますから自制したのですが。私も、中国政府の、変動率限度調整という言葉に、騙されていました。
>中央銀行が外貨を買い取るということは、その引き替えに新しい人民元が市中に出て行くこと>を意味していて、「お金を刷った」ことになりますね。その総額が約200兆円でしょう。
ただ、これは間違っていると思いますよ。中国国内にいきなり外貨が入ってくるわけではなく、貿易等の商品販売の対価として、外貨が入ってくるわけで、それ以前に、国内的に商品生産のための経費がかかっているはずですね。そこで、対価として入ってきた外貨を中国政府が一手に引き受けて、決まったレートで、中国元と交換しているわけです。なにをするか分からない中国ですが、IMFにも参加しているのですから、無条件で「お金を刷って」市中に放り込むような事は出来ないでしょう。中国の外貨準備は殆んどが米ドルで、それをアメリカ国債にしてもっているはずです。
ご紹介頂いた、大和総研のレポートの最後にこう書かれています。
『付け加えれば、このような中国政府の姿勢を非難するのは的外れである。中
国の漸進主義が、これまで良好なパフォーマンスを示してきたことは事実であ
るし、こと国際資本取引の自由化が慎重に進められるべきことは、アジア通貨
危機の最も重要な教訓の一つだからである。』
日本は戦後、1ドル360円という固定レートで、経済復興の基礎づけを達成しました。確かに多くの人々の努力も見逃せませんが、通貨が安定してたという幸運を見逃す事は出来ません。中国が現在、経済発展のため、自国通貨を安定させる努力を批判するのは、筋違いでしょうね。
いま、IMFが中心となって、世界中で採用されている通貨制度が正しくて、中国のように政府が管理する通貨制度が不正であるという根拠は、何処にも無いのです。それどころか、国際通貨安定のための、IMFを中心とした、現行の通貨制度が、制度疲労に陥っていると、考えた方が良いのではないでしょうか。
経済学に関心を持つ、同学の士に申し上げます。敵は中国でも、中国政府でも、中国国民でもありません。「敵は本能寺にあり」、明智光秀は一先ず敵を見つけたようですが、わたしたちは本当の敵を見つけられるのでしょうか。
再度の回答の必要性があったか、悩むところですが、回答者としてはこの質問からすでに脱線しており、これ以上何も申し上げる事はございません。お気に触りましたら、年寄りの戯言と、スルーしておいてください。宜しくお願いします。
この回答への補足
丁寧なコメントに大変感謝しております。ますますこの問題に興味が沸いてきて、神田の三省堂でこの問題に関連したことが書かれた本が無いか探してみました。『国際金融危機後の中郷経済』朱炎著 という本を見つけ買ってきました。この本の56頁に
『中国人民銀行所有の国外資産残高は2008年9月末の15兆7909億元から2009年11月の18兆3652億元に増加した』
と書いてあります。
1元=12.5炎で換算すると
15兆7909億元=197兆円
18兆3652億元=230兆円
となります。この数字をどう解釈したらよいでしょう。人民銀行が元を刷って外貨を買っていると考えると丁度つじつまが合うような気がするのですが。1年余りで33兆円刷って、外貨を買った。このような為替介入をずっと続けている。国内にあふれた元で不動産投資が加熱しないよう規制をしている。そんな気がするのですが・・・。
No.1
- 回答日時:
興味深い質問で、私も回答がつかないかと、待っていたのですが、なかなか回答がつきませんね。
そこで少し調べましたが、ハッキリした事は分かりませんね。但し、以下の、産経新聞の記事を見つけましたが、これを拡大解釈して想像すると、中国の為替介入の手法を推理することができそうです。
『中国紙、上海証券報は16日付1面で、野田佳彦財務相が記者団に囲まれる写真とともに、「耐えかねた日本政府がついに手をくだした」と、日本の為替介入を伝えた。だが、市場動向ではなく中国人民銀行(中央銀行)がその日に通知する基準値で人民元の為替相場が決まる中国は、「単独介入」がいわば常態化しているともいえ、日本の為替介入を異端視する論調はみられない。むしろ、「人民元の上昇圧力を軽減する可能性がある」と中国への“波及効果”に触れている。』
ここで、為替介入について、整理しておきます。
為替介入の手法は、一般には、今回の日本のように、直接市場で、『円売り』を行なう、または逆に、『円買い』を行なうことですが、それ以外に、SDRによる介入もありますし(但し、SDRは、厄介な金融工学上の貨幣もどきの代物で、通貨安に介入できるかもハッキリしませんが)、さらには、市場の管理による介入、情報操作による介入等々も可能ではないでしょうか。
記事を読んでみると、中国の為替介入は、どうやら、市場を管理している、といった形式の為替介入が中心になっているようですね。
最近、ニュースで、日本の某証券会社が、元立ての証券商品の開発を始めたと聞きましたが、その際、元立ての証券を、中国の香港か上海にある、米国系金融機関から調達して、日本で商品化するといった、手間をかけているようです。
この事から、中国の元に対する、投資・投機の窓口が、政府によって規制されている、ということが想像できます。つまり、ドル・ユーロ・円のように、民間投資家が投機的に元を買える様なシステムが整っていない、何処かの金融機関がこのような投機を仲介した途端に、免許停止と言う事になるかもしれませんし、想像ですけど。
この回答への補足
ご回答有り難うございました。回答がなかなか来ないので私も調べておりましたら次のサイトが見つかりました。
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/capi …
中国の外国為替市場は、市中銀行が人民銀行に外貨を受け渡す場であるに過ぎない。人民銀
行、従って政府が圧倒的な価格決定力を握っており、それはいくら値幅制限を緩めても同じ
である。しかし同時に、値幅制限の緩和という「制度改革」を通じて、政府は「レートは市場
で決まっている」と主張することが可能になる。
これを読むと、中国に集まってきた外貨は銀行に集められ、その外貨は中央銀行である人民銀行が一定の値幅内で無制限に全部買い取るという仕組みだと解釈すべきでしょう。中央銀行が外貨を買い取るということは、その引き替えに新しい人民元が市中に出て行くことを意味していて、「お金を刷った」ことになりますね。その総額が約200兆円でしょう。日本だと財務省が短期国債等を発行して資金を調達してドルを買いますからその際に国の借金が増える仕組みになってます。中国流だと、お金を刷って外貨を買ってますから借金は増えませんね。これでは中国はどんどん経済発展をし、日本経済は借金ばかり増えて衰退していく。日本も中国流に日銀がどんどん外貨を直接買うべきだと思うようになりました。そうしないと余りにも不平等です。
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