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ソローモデルでは貯蓄率が上昇すると定常状態における一人あたりの所得sf(k)が上昇するようですが、貯蓄のパラドックスによりf(k)が貯蓄率の上昇により減少し結果sf(k)は単純に上昇しないのではないかと思います。しかし教科書ではsf(k)は上方シフトすると書いてあります。どういうことでしょうか?

A 回答 (2件)

・ソローモデルでは「貯蓄のパラドックス」はないということについて敷衍しておきます。

ある時点(あるいはある期間)において貯蓄率がsからs'へジャンプしたとすると、ケインジアンのモデルとは違って、(その期の)所得はf(k)から減少することはない、その期の所得に関する限り、f(k)で一定です。貯蓄がsf(k)からs'f(k)へ増加し、消費が反対に(1-s)f(k)から(1-s')f(k)へ減少するのです。貯蓄s'f(k)に等しい投資が自動的に生み出されて経済は均衡する。ソローモデルには、ケインジアンのモデルとは違って貯蓄関数とは独立の投資関数は存在せず、貯蓄に等しい投資がたえず自動的にに生み出される経済なので、貯蓄のパラドックスは存在しないのです。
・以上のようにして、貯蓄率sがジャンプし、s'になったとすると、kを横軸にとったときのsf(k)関数は上方へシフトし、資本ストックがkで与えられたときの貯蓄の値はs'f(k)によって与えられるのです。
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・「貯蓄のパラドックス」はケインジアンのマクロ経済学で起きる現象です。

ケインジアンのマクロ経済学を勉強したとき古典派のマクロ経済学というのを勉強したでしょうか?古典派マクロでは貯蓄のパラドックスは起きません。ソローの成長モデルはある意味で古典派モデルですから、貯蓄のパラドックスは生じないのです。

・sf(k)が上方にシフトするとは、sが上昇し、s'という値をとったとき、それぞれのkの値に対してs'f(k)>sf(k)となることをいうのです。つまり、kを横軸にとり、sf(k)を縦軸にとったとき、s'f(k)のグラフがsf(k)のグラフより上方に位置することをいうのです。これは「貯蓄のパラドックス」とは関係なく、正しい。

・「貯蓄のパラドックス」を考えるために簡単なケインジアンマクロモデルを考えてみよう。横軸に所得Yをとり、縦軸に貯蓄S、投資Iをとってみよう。いま、貯蓄関数として簡単化のために貯蓄は所得の一定割合、つまりS=sYとしてみよう。投資はI=a+bYで、a>0、 b<s<1で表わされるとする。いま、貯蓄率(貯蓄性向)sが上昇したとすると、貯蓄関数は「上方にシフトする」。しかし、上方にシフトした貯蓄関数と投資関数はより低い所得Yの値のところで交わり、したがって均衡の貯蓄額Sは貯蓄率sの上昇前(貯蓄関数の上方シフト前)より小さくなる、つまり「貯蓄パラドックス」が起きる。このように、上方へシフトということは均衡においてより大きい値をとるということとは別のことです。あなたのステートメントはこれら2つのことを混同しているようです。
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