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女房と女官は何が違うのですか?
それとも同じですか?

A 回答 (3件)

◇ネットで百科『世界大百科事典』


http://www.mypaedia.jp/netencyhome/
「女房」項目(橋本義彦)などによれば、

天皇に仕えた者は「上の女房」、皇后に仕えた者は「宮の女房」と言われ、
「女房」とは一人住まいに房(部屋)を与えられた上級女官の総称で、
出身によって上﨟(小上﨟)・中﨟・下﨟の3種に分けられ、
平安中期以降一般化した呼称で、
上皇以下諸院宮や摂関以下貴族の家に仕える女性も、
上級の者は女房と称されたようです。

ただし、紫式部や清少納言など「宮の女房」ではあったものの、
彼女達は実際には皇后の実家である藤原家に雇われた、
私設の高級秘書官的な存在であって、厳密に言えば、律令の規定で、
天皇、皇后に公的に奉仕した女官たちとは立場を異にしていたようです
(『ミカドと女官-菊のカーテンの向う側/小田部雄次/恒文社/2001』)。

順徳天皇撰著『禁秘抄(禁中抄・建暦御記とも)』などによれば、
宮中の女房は、役職や出身によって上役・小上役・中役・下役に分けられ、
上役は二位・三位の典侍、尚侍(事実上消滅)や大臣の女など、
小上役は公縁の女、中役は掌侍・命婦で殿上人・諸大夫の女、
下役は侍や神官などの女で、これらの区別により服装や職務に差が設けられた。

また女房は本名をもってよばれず、官名や国名などをつけてよばれたが、
それにも上記の身分に応じて差があった。
すなわち大納言・左衛門督などは上役、
中将・少納言などは小上役や中役、
伊予・播磨などの国名は中役や下役のよび名で、
これらは父や夫などの官名にちなむ場合もある。
なお一条、近衛、春日など京の路による小路名は、内裏では用いられず、
院や摂関家などの上役の女房につけられたものである。

上記で見る限りでは、天皇、皇后に仕えた者のほか、
上皇以下諸院宮や摂関以下貴族の家に仕える女性も
上級の者が「女房」と呼ばれたようです。

◇同様に、ネットで百科『世界大百科事典』
「女官(にょかん)」項目(玉井力)によれば、

女官は大別すると2種あり、
一つは、律令制下において後宮十二司(内侍司・蔵司・書司・薬司・兵司・闈司・
殿司・掃司・水司・膳司・酒司・縫司)に勤仕する女性の総称。
この称が史上にあらわれるのは8世紀末以降。
律令用語の令文には「宮人(きゅうじん・くうにん)」の語が用いられたが、
これは後宮の諸司が内廷的要素を強く含み、
厳密な意味で「官」と称しえなかったためである。
女官の語の出現は宮人の地歩の上昇と律令制の動揺による用字法の混乱を意味する。

もう一つは、平安時代において、
諸司、所々等に配された下級官人の称で、「女官(にょうかん)」ともいう。
10世紀の儀式書である『西宮記』には主水司女官、御匣殿女官、主殿女官、掃部女官、
糸所女官、書女官、薬女官、神梢女官、縫殿女官等の例があげられている。
それぞれの官司の末端部にあり、女性の勤仕を必要とする場合に置かれたものと思われる。
後宮十二司の女孺とは一応区別される存在であったと思われる。

上記で見る限り、一応「女房」の語は限定的であるのに対し、
「女官(にょかん)」の語は後宮十二司に勤仕する女性の総称で、
あと下級官人の称としての「女官(にょうかん)」も含め、
幅広い意味合いに捉えられます。

以上からすると、私設の者も含めた「女官」などの中の
上級の者が「女房」と呼ばれていたといえそうです。
なお、武士の妻妾などにもいうようになったのは室町期で、
町人・百姓の妻など一般婦人の呼称となったのは江戸時代。

ただし、下記URLなどでは、少し違った見解が示されていますので、
未読でしたら御確認下さい。

◇『日本文化論叢 第17号/愛知教育大学日本文化研究室/2009』
(53-63頁)「「女房」考/安藤重和」
http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/handle/ …

ここでは、和田英松説とか、
「上級後宮職員(尚・典・掌)=女房」「下級後宮職員(女嬬)=女官」と位置づけ
「階級としての上下の関係」を主張する加藤重文氏見解などを紹介した上で、

一、女房と女官(狭義)の相違を「階級の上下の関係」であると主張する説があるが、
「女房」を身分の高い宮仕え女性に限定する論は再考すべきで、
「女房」と「女官(狭義)」は対立しない概念と思われること、
二、「女房」は「男房」と対比的に用いられ、宮中に於いては「女房」が
「清涼殿の台盤所」を指し「男房」が「清涼殿の殿上間」を指して用いられていること、
三、「女房の簡」の存在から、「女房」は勤務に関する場所と知られ、
「女房」は台盤所の如き宮仕え女性の勤務詰め所を本来意味したものであって、
宮仕え女性が主家から与えられる居室たる「局」を本来意味したものではないと思われること、
四、人物を「女房」と称するのは、「女房の人」を省略した言い方と思われること、
五、「天皇付き女房」即ち「女官」と考えてはならないこと、
などの見解が示されています。

ほか、下記URLなども参考になるかもしれません。

◇『和洋女子大学紀要 家政系編 38/1998-03』(157-167頁)
「『紫式部日記』に見る女房の服装と官位について/高島めぐみ」
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000472326

◇『禁秘抄 巻ノ上・中・下/順徳天皇(1197-1242)[撰]/書写年不明』
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/i04/i …
<61~68/105>
「禁秘抄巻下」尚侍・典侍・掌侍・女房(上﨟・小上﨟・中﨟・下﨟)・得選・
采女・刀自・女官・主殿司・女孺など

◇『禁秘抄講義[第2冊]中(第5版)/関根正直/六合館/大正14』
「四十 女房<66~70/75>、 四十四 女官<72/75> ほか」
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/914167/66

以上 少しでも解決の糸口に繋がれば幸いです^^
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女房とは宮中などや貴人に仕える女性のうち


身分の高い者で、宮中では一室(房)を賜って
いたのでそう言われた。

宮中などの朝廷に仕える女房は女官(にょくわん)
と呼ばれることもあった。

官位を貰った者だけが女官と呼ばれたのかは
わからない。

 「古語辞典」などより。
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女房のうち、宮中で天皇に仕えるのが女官



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E6%88%BF

「尚、内裏で働く女房のうち、天皇に仕えるのは「上の女房」(内裏女房)と呼ばれる女官で、後宮の妃(ひいてはその実家)に仕える私的な女房とは区別される。」

現代の政治で言うと、
公設秘書 = 女官
秘書全体 = 女房

という感じ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%A8%AD% …

ある政治家の秘書群を見ると、どれが公設秘書なのか私設秘書なのかは外見ではわからないが、国家から給料をもらっているのが公設秘書
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