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時代も江戸時代になると、結構田舎の百姓の子弟でさえ字を読める人間の数がだいぶ多かったという話を聞いたことがあります

そのため当時の草紙や瓦版などは多くの読者が居たことを想像させます

ところで平安期の作品、例えば源氏物語などは、実際当時においてはどの程度の人間に読まれていたのでしょうか?

識字率や、当時の知識階級層の人口などから推察されるのかともおもうのですが。

私の質問文内の前提などに間違いがあったらご指摘いただくとともに、いろいろな参考になるお話をうかがえればと思います

A 回答 (3件)

平たく言えば、後宮に仕える女性たちの社交的な文化サロンが形成されて教養を競い合い、その中から『源氏物語』『枕草子』ほか多くの女流文学が誕生したと教科書には書いてあります。


だから、源氏物語を読む機会を得たのは、紫式部や清少納言など後宮に仕える女性たちだと思います。
紫式部も宮廷勤務のかたわら6,7年かけて書き上げたわけですね。

以下、まったくの想像で書いていますから「でしょう」が多くなります。
紫式部は、中宮・彰子に仕えていたから紙の入手は容易だったのでしょう。しかし、紙は貴重ですから、多分、1巻ごとに2部作って1部は最大のパトロンである中宮に差し上げたのでしょう。
中宮・彰子に仕えた女官は紫式部日記によれば40名ほどですから、全員が読み終えると他の中宮に回ったのでしょう。
その途中で誰かが書写したかもしれません。

さて、源氏物語が書き上げられるはたから読むことができた幸せな女性は何人くらいでしょうか。

律令政府には、蔵司、内侍司、膳司など合わせて800人ほどの女性が働いていたそうです。
ほかに、皇后・中宮に仕える女性、上流男性貴族に仕える女房や、さらにそれらの女房に仕える女性たちを合わせると、1500人近いだろうとPHP刊の山口博著『古典でたどる日本サラリーマン事情』にあります。
だから、私の回答は当初は1500人ほどだったと思います。
その後、どれくらいの人びとに読まれたのか、想像できません。
平安末期は世の中が騒然としてきますしね。

同書には、室町期の話ですが、肥後の鹿子木親員が三条西実隆から源氏物語一揃いを約150万円(1988年当時の額に換算して)で購入したと書いてあります。零落した公家のアルバイトですが54巻の書写は大変だったでしょう。
読みたいからといって、すぐ手に入るものではなかったのですね。

男性も読んだでしょうが、宮仕えの男は、日の出前に起きて職場に出て、日没で帰宅する生活で、夜は読書するような明かりがありませんからね。
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この回答へのお礼

推測の概算とは言われますが、具体的で説得力のあるお答えで、参考になりました
ありがとうございました

お礼日時:2006/10/26 13:12

読者が当時の貴族階級だけだったとして、


平安時代といっても、結構長い時代ですからばらつきはあるとして、
平安京におおよそ12~3万人(20万人説もあり)。
そのうち貴族は1.2~3万人。地方に国司として赴いた貴族達は
(1国あたり家族も含め平均30人とすると30×68で)おおよそ0.2万人。
合計して約1.5万人。貴族達が全て読み書きができたとして、
男女問わず読んだとしても最大そのぐらいでは。

ただ、その他に、準官僚、商人、インテリ侍、僧侶でも読み書きが
できたので、当時の日本中の人口は約600~700万人の10%、
約60万人は「読むことができた」とは思いますが、彼ら全員が
「女子供の読む、ひらがなメロドラマ小説」を読んだとは思えません
ね。

でも、当時、仮に5万人の日本人が読んだとしたら、現在の人口比率で
換算すると100万人に値しますので、立派な「ミリオンセラー」には
なります。
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この回答へのお礼

具体的数字を挙げて下さっていることで、非常に参考になります

また、ひらがなメロドラマという視点は気がつきませんでした
ありがとうございました

お礼日時:2006/10/24 18:41

私がイロイロ知っているわけではありませんが、


この当時は識字率も問題ですが、
印刷技術がありません。

すべて、写本です。
つまりは文字が読めたとしても、オリジナルを手に入れて借用すること事態が一番のネックではないでしょうか?

お金があれば、紙は手に入る。
商業をするなら、多少の読み書きはできるでしょう。
そのための、ひらがなです。

でも、オリジナルをどうやって、あるいは、ソノ写本をどうやって手に入れるかが一番のネック。

そういう意味では、「読者」というのは、ほとんど貴族階級のみではないかと推察されます。
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この回答へのお礼

印刷がないということで、読者数はさらに少なくなるでしょうね

ありがとうございました

お礼日時:2006/10/24 18:39

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