定義と定理の違いがわかりません。
学校の図形の授業で定理は「証明しなくてはいけなくて、それに当てはまっていても必ずしもその図形ではない。図形の性質を述べたもの」と習いました。
定義は、定まっていて、その図形の必要条件、その図形の約束事」と習いました。
・・・・二等辺三角形を例にして:
二等辺三角形の定理→底角はそれぞれ等しい
頂角の二等分線は、底辺を垂直に二等分する
二等辺三角形の定義→二つの辺が等しい
二等辺三角形の「二つの辺が等しい」はわかります。これに当てはまっている三角形は必ず二等辺三角形ですよね。
でも、定理のほうに「底角はぞれぞれ等しい」と書いてありますが、それに当てはまっている三角形は必ず二等辺三角形ですよね?それに当てはまっていても二等辺三角形ではない三角形なんてないですよね?これは定義のはずなのに、なぜ定理にされているんですか??
もう意味わかりません。こうなると定義も定理も一緒じゃないんですか?
教えてください、お願いします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>もう意味わかりません。
こうなると定義も定理も一緒じゃないんですか?この感覚は正しいです.
名前なんかはある意味どうでもいいんだけど,
最初のうちはとりあえず
「定義とはこういうもの」「定理とはこういうもの」という
前提がないとややこしいのです.
けど,ある程度の技量があると
この説明が逆に混乱を招きます.
ちょうどあなたのように.
定義ってのは,
証明の土台になるようなもので
いわば言葉の説明です.
二等辺三角形であるとは
三辺のうち二辺の長さが等しいものをいう.
これが二等辺三角形の一般的な「定義」です.
一方,いろいろな議論を経て
二等辺三角形であれば
その底角が等しい
という性質が導かれます.これは「定理」です.
#ここで「底角」という言葉がでていますが
#別のところで「三角形の底角」という言葉の「定義」がなされていることにも注意.
さらに議論をすれば
底角が等しい三角形は二等辺三角形である
という「定理」が導かれます.
ここで,あなたの疑問が出てくるんですね.
二等辺三角形というものを
底角が等しい三角形であると定義してもいいじゃないか!
その通りです.
三角形を考えたとき
「二つの辺が等しい」と「二つの角が等しい」というのは
どっちも本質的に同じことなのです.
つまり
(1)三角形において二つの辺が等しい
(2)三角形において二つの角が等しい
としたときに
「(1)を満たす三角形を二等辺三角形という」
と二等辺三角形を定義した場合は
(2)は「定理」になります.
一方,「(2)を満たす三角形を二等辺三角形という」
とと二等辺三角形を定義した場合は
(1)は「定理」になります.
まあ「二等辺」という名前があるので
普通は(1)を定義にしますが
論理的にはどっちを定義にしてもかまいません.
#しかし,学校教育ではみょうなローカルルールがあるので
#教師でもここら辺のことを理解してない人はいますので
#注意してください
そしてどっちを定義にしても
「(1)であれば(2)が成り立ち,(2)であれば(1)が成り立つ」
というのは「定理」になります.
こういうことは結構たくさんあります.
ある事柄を定義して,いろいろ議論していくと
別の性質を使っても同じことがいえるということです.
こういう場合はどっちを定義にしてもいいのです.
どれを定義に採用するかは流派みたいなもんです.
ただしいつでも「定義」と同じ意味をなしえる
「定理」があるとは限りません.
「定義」ってのは議論の前提となるもので
「定理」ってのは定義をもとに議論の結果求められた
有用な結果のことというくらいです.
なお,
>学校の図形の授業で定理は「証明しなくてはいけなくて、それに当てはまっていても必ずしもその図形ではない。図形の性質を述べたもの」と習いました。
これはあなたの感覚が正しくて
授業で習ったというこの「定理の定義」は誤りです.
No.3
- 回答日時:
>これは定義のはずなのに、なぜ定理にされているんですか??
あるものについて、AとBという性質があるとします。
どちらかを定義とすれば、もう一方は定義としなくても、証明できてしまうということは、よくあります。
Aを定義とすれば、Bは証明できる。Bを定義とすれば、Aは証明できる。でも、AなしにBは証明できず、BなしにAは証明できない。
A、Bは互いに重複する部分があるけど、両方無しでも元のあるものが言い表せない。
このとき、A、B両方を定義とはしないのです。
定義(数学以外の理学では原理と言うことが多い)は少ない方がいい、というのは理論における習慣です。
そのほうが、理論が使いやすいことが多いと言う、経験的な知恵です。
>もう意味わかりません。こうなると定義も定理も一緒じゃないんですか?
二等辺三角形で、2辺の長さが等しいのを定義とするか、2角の角度が等しいとするか、どちらかを定義とすれば、他方は証明できます。
ユークリッド幾何学では、二等辺三角形の定義に2辺の長さが等しいことを定義として、採用したわけです。
それに、理屈上の理由はありません。2角が等しいでも良かった。ただ、どちらかを選ばないといけないので、やむを得ず、2辺の長さが等しいほうを定義に採用したのです。
そうして、ユークリッド幾何学という理論を作ったわけです。理屈はなく、約束事だということです。ですから、そこに理屈を求めても、何もありません。
まあ、市長選挙で全く互角の2人の候補の一方が、投票の結果、落選したようなものです。落選した方に実力が無かったわけではなく、市長は単に1人で良かったから、やむを得ず、もう1人は落選したというようなことです。
落選した人を支持していた人もいたでしょう。しかし、投票結果を重んじて、当選した人を市長と認めたわけです。心中では、落選した人でも同じようにやれる、と思いながらも、でしょうか。
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