民主政治が遠いエジプトの謎・イスラムの不思議

大統領選結果に反発…エジプトで大規模デモ
イスラム穏健派ムスリム同胞団のモルシ候補と、ムバラク政権下で最後の首相を務めた軍出身のシャフィーク候補が決選投票に進むことが決まりました。この結果に不満を持つ数千人の有権者が抗議デモを行ったほか、一部がシャフィーク候補の事務所に放火しました。
　有権者：「民主的統治のために人々は身を捧げた。シャフィーク候補も宗教支配も受け入れられない」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=201 …

多大な犠牲を払って旧特栽体制を駆逐したエジプトですが、
新大統領は、宗教政治家か、元首相。
ありえない。
国民が政治をまかせられる民主主義政党が躍進しなかったのは
何故ですか？
宗教の足かせが大きいのでしょうか。

よろしくお願いします。

No.1 回答者： kuroneko3 回答日時： 2012/05/29 16:43

　敬虔なイスラム教徒は，投票権を与えられても，自分は誰に投票すべきか自分で判断せず，ウラマー（イスラム教における知識人）に聞きに行ってしまいます。

そして，ウラマーから「自分に投票しなさい」と言われれば，そのとおりに投票してしまいます。別に強制されているからではなく，神の教えに従って生きることが最大の幸福だと信じているからです。
　したがって，イスラム教国で民主主義を導入しても，実質的には宗教指導者同士の勢力争いになってしまいます。最近は，イスラム教の影響が少しずつ薄れ始め，自分の判断で投票する有権者も少しずつ増えているようですが，そのような人が多数派になり民主主義が機能するようになるのは，まだ当分先の話だろうと思います。

No.2 回答者： trajaa 回答日時： 2012/05/29 16:49

理由その1

　今回の大統領選挙には、候補者の事前審査があった。
　届け出た23人の内で審査を通過して正式な候補になれたのは13人。
　国民が選択する以前に審査会という微妙な組織で審査された。

その２
　過去ず～と、与党に対する信任選挙のようなことが続いてきた。
　その結果、選挙を戦えるような組織が存在しない。
　存在したのが、旧与党系とか宗教を基盤とした組織程度。
　先の民主化運動は、とにかく現状打破という一点のみを共有して動いたが、実際に現状を打破した後はそれぞれの思想信条
がバラバラなので、統一的な行動は取れない。
　ツイッターやＦＢなどＩＴを活用した民主化運動は、組織を作り上げるのが非常に容易に出来るようになったという利点がある一方
　組織を作り上げていく過程での闘争や挫折が無いために、運動の求心力を失った瞬間に瓦解しやすいという特徴がある。

No.3 回答者： mekuriya 回答日時： 2012/05/29 17:23

決選投票に挑むだけの得票を得るには強固な支持基盤が必要です。

それが宗教団体と軍しかなかったということです。民主制を導入したばかりで、民主政治の歴史が無い国は必ずそうなります。少数政党乱立、泡沫候補乱立になるのです。個人商店や地域政党が雨後のたけのこのように乱立し泡沫候補を立てたところで、全国的組織を支持基盤とする候補には到底勝てません。民主主義政党とは、個人商店や地域政党でも立候補できますよというだけです。ただし、それで国全体の過半数の支持を獲得できることにはなりません。大統領選はたった一人を選ぶだけの選挙です。議会と違って、得票に応じて議席を分けるということはできません。民主主義な選挙とは民意を集約する選挙というほどの意味です。その民意がばらばらなまま集約されなければ、当選は到底おぼつかない。エジプトには主要政党だけでも30から40も存在しています。超乱立の極致というほかない。

No.4 回答者： hekiyu 回答日時： 2012/05/29 17:36

”国民が政治をまかせられる民主主義政党が躍進しなかったのは

何故ですか？”
　　↑
国民が欧米流の民主制を望まなかったからです。
イスラムの民衆の多くは反欧米です。
だから、国民の意思が反映される政治では
欧米に習うような民主主義政党は敬遠された
のでしょう。

ここに、欧米のジレンマがあります。
欧米流の民主制に変えたいのですが、変えれば
反欧米、反イスラエルになります。

尚、民主制は最高究極の政治体制なんかでは
ありませんよ。
質問者さんは何か誤解していませんか。
民主政治は問題無く良い政治制度だ、と
思っていませんか？
民主主義もただのイデオロギーの一つに
過ぎませんし、各国の民情や歴史を考慮した
政治制度でなければ、成功しません。
エジプトの学生は、そいうことが解って
いないのです。
彼らは、民主制を敷けば、欧米のように自由で豊かに
なれると信じているようですが、
とんでもない間違いです。
若い人は、こういうことが解らないのです。

No.5 ベストアンサー 回答者： DieMeute 回答日時： 2012/05/29 18:46

その問題なら選挙前の5月23日にNHKのクローズアップ現代でとり上げられていました。

「アラブの春はどこへ～揺れるエジプト大統領選～」
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3202 …

簡単に言うと、各々が身近な勢力に期待しているのだけど、その中でも若者を中心とする民主化勢力は有力な候補の擁立に失敗した。誰もが支持するような有能で民主化の旗印となるような人材がいなかったという事です。

現在のエジプトで一番の問題は治安の安定と経済の建て直しです。
前政権を倒したまでは良かったですが、その結果、治安は悪化し観光客の激減等もあり経済は急速に悪化しました。
そのため失業者も大勢出ています。
そのためエジプト国民の誰もが治安の安定と経済の回復を求めており、今回の選挙もそこが大きな争点の一つになっています。

シャフィーク氏は元軍人であり前政権にもいましたから国家の運営に明るいし経験もあります。
そのため治安の安定と経済の回復を求める企業家などの経済界の支持と、軍などの保守層の支持を受けて勢力を大きくしました。

ムスリム同胞団は以前より政府の助けの手がなかなか届かない貧しい農民や貧困層に医療や食料を援助しており、その長年の地道な活動の結果、貧困層を中心に今回の選挙で支持勢力を増大させています。

この二つの勢力に対抗できるような民主化の旗印となるような中心人物が民主化勢力には遂に出現しませんでした。
エジプトの民主化勢力は、日本のかつての新左翼勢力と同じで、それぞれが主張を押し通そうとするために分裂気味で大きな組織として一つにまとまる事ができませんでした。そのため有力な統一候補が立てられませんでした。
それぞれがバラバラな候補者を押していましたし、その候補者達も経済問題や政府の運営能力については疑問符がつきます。特に経験豊富な人はいません。
そのため民主化運動に熱を上げていた人達の中からも、生活の安定を望み前政権の人物やムスリム同胞団を支持する人達が少なからず出ているという状況です。

全ては信頼に足る政権を任せても大丈夫だと思える能力のある人材を民主化勢力が見出せなかった事に原因があります。

No.6 回答者： bismarks0507 回答日時： 2012/05/29 19:02

ほえ？『民主主義政党』って何？

ムスリム同胞団の影響がある政党は、民主主義政党じゃないの？

そもそも、宗教性が強いと、民主主義から乖離するのけ？

言っちゃ悪いが、質問の妥当性は多く枠で説得力がない


国際政治の教養・政治学の基礎知識として、民主主義について再検証したほうがいいと思われ

そもそも、なにをもって「民主主義」になりえるのか？

ムスリム同胞団が、民主的過程を経て支持されても、それは民主主義政党じゃないのかね？

いい加減な政治概念で国際政治について意見しないので欲しいのだが・・・

というか、ムスリム同胞団の主導になるのは、ムバラク体制崩壊後からすでに既定路線。

断言してもいい。ある程度の中東社会の知識があれば、ムスリム同胞団が隆盛するのは、自明の理だったし、不思議でもなんでもない
そして、それが民主主義的過程によって為されることが問題であって、民主主義政党なる主観的かつ無意味な概念で評論される価値など皆無であろう

ああ・・国際政治の教養のない「おめでたい」人間には、”民主主義政党”なる概念が重要なのか・・・そりゃ、申し訳ない・・今後は自重するので許してくれ