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P→Qの真偽について下のように定義すると言われます。

  P  Q  P→Q

【1】真 真  真
【2】真 偽  偽
【3】偽 真  真
【4】偽 偽  真

これは日常の言語(命題)の真偽とは無関係に定義した、形式的なパズルのようなもの、と理解してよいのでしょうか?

日常言語に対応させると、おかしなことが生じるようです。

たとえば、Pを4の倍数として、Qを2の倍数とすると、
------------------
【1】4の倍数ならば、2の倍数である。
・・・これは全面的に真

【2】4の倍数ならば、2の倍数でない。
・・・これは全面的に偽

【3】4の倍数でないならば、2の倍数である。
・・・これは部分的に真かつ部分的に偽。2、3、5、6、7、9、10などは2の倍数の時もあるし、2の倍数でない時もある。

【4】4の倍数でないならば、2の倍数でない。
・・・これも部分的に真かつ部分的に偽。2、3、5、6、7、9、10などは2の倍数の時もあるし、2の倍数でない時もある。
----------------------
【1】が真で、【2】が偽であることは分かります。分からないのは【3】と【4】です。

もし【3】が真な命題なのであるとしたら、【3の対偶】も真であるはずです。
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【3の対偶】2の倍数でないならば、4の倍数である。
・・・これは明らかに間違っていて、偽です。
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日常言語と関係させるのがそもそもの間違いなのでしょうか?

真理関数表は日常の言語(命題)の真偽とは無関係に定義した、形式的なパズルのようなもの、と理解してよいのでしょうか?

A 回答 (7件)

 「部分的に真かつ部分的に偽」とおっしゃっていますが、まずここから認識が間違っています。

真理「関数」とあるように、古典論理学で扱える文は真か偽に一意に定まるもののみです。よって「部分的に真かつ部分的に偽」と思っている限り真理表は使えません。
 しかし、No.4の方も言及されていますが、議論の俎上に上がっている【3】と【4】の命題は量化(量を導入)することによって真偽を一意に定められます。正しく書き直すならば、
【3】全ての数に関して、4の倍数でないならば2の倍数である。
【4】全ての数に関して、4の倍数でないならば2の倍数でない。
 を意図した命題でしょう。たとえば「三角形の内角の和は180度である」という命題を思い出して下さい。これは「全ての三角形の~」という意味ですね。これと同じことです。
 さて、これを真理表にあてはめると命題【3】は真でしょうか、偽でしょうか。これを検討するにあたって、例に挙げられた2、3、5、6、7、9、10を個別例として取り上げます。まず、2は4の倍数でなく2の倍数ですね。したがって真理表の【1】にあたり、命題は真です。しかし、我々が検討しているのは全ての数ですので、残りの数にも当てはまるかどうか確かめましょう。すると3は4の倍数でなく2の倍数でもありません。したがって真理表の【2】にあたり、命題は偽です。【3】は全ての数に関しての命題ですので、ひとつの個別例にでも偽があれば偽になります。よってこれ以上の検討なしに【3】は偽であることがわかります。
 以上の検討によって、【3】は偽であることがわかりました。その対偶が明らかに偽であっても、もはやなにもおかしくはありませんね。【4】に関しても同様の手順で偽であることがわかります。
 このように、真理表は適切に使用すれば日常の言語に対応させることができます。とくに質問者さんが挙げられたような数学的な命題にはかなり正確に対応します。もちろん、数学以外の日常言語では一対一には対応しませんが、それでも無関係ではありません。日常言語における表現をきわめて厳密に定義したものが真理表であると理解すべきでしょう。

※なお、この分野の入門書としてはこの戸田山和久『論理学をつくる』がおすすめです。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。返答が遅くなり申し訳ありません。

述語論理の記号の使い方がよくわからない状態なのですが、wikipediaを参考にしつつ、なんとかそれっぽく書いてみると…

【1】∀x∈4の倍数 , 2の倍数

・・・これは無条件に真。

【2】∀x∈4の倍数 , ¬(2の倍数)

・・・これは無条件に偽。
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次に、【3】は「∀x∈4の倍数」の否定なので、「∃x∈(¬(4の倍数))」として、
------------------

【3】∃x∈(¬(4の倍数)) , 2の倍数

・・・この【3】の論理式を成立させるようなxが存在する場合もある。という意味では真。

 「4の倍数でないようなある数xについて・・・」といった場合、1,3,5,7,9,…などの奇数もあるので、奇数だと2の倍数ではないので、【1】や【2】のように無条件に真とはいえませんが、「この論理式を成立させるようなxは存在するか」という意味で捉えるならば、真とは言えます。しかし、【1】や【2】のように、無条件に真というのとは違っていて、【1】や【2】とは、正しさのレベルが違うように思えてなりません。

 たとえば【1】の論理は、「すべての数xが4の倍数であるという事は、直ちに、2の倍数であることを意味する」と言い換えて良いと思われます。この【1】の論理では、4の倍数の集合の中から人為的に数を選択するといった人為的操作が入り込む余地はありません。人為的に選択する余地なく全ての数(4の倍数)が2の倍数なのですから。同様に【2】にも人為的選択の余地はありません。

 しかし【3】の論理は、「『ある数xがあって、それが4の倍数でないならば、2の倍数である。』という論理を人為的に成立させるような、ある数xを人為的に選ぶ。」という論理構造になっていないでしょうか。この【3】の論理では、【3】の論理式を人為的に成立させるために、人為的に2,6,10,14…などを選択している。人為的に1,3,5,7,9…などは排除している。こういったら言い過ぎでしょうか?
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【4】∃x∈(¬(4の倍数)) , ¬(2の倍数)

・・・これも【3】の場合と同様です。この【4】の論理式を成立させるようなxが存在する場合もある。という意味では真。
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 長々と書き込みしてすいません。なぜ真理値表に興味と疑問を持ったかというと、2004年の慶応大学入試問題で、真理値表が正しいことを前提にしなければ解けない問題が出題されたからです。

補足日時:2013/01/16 12:16
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補足です。



> 命題「叱られないと、勉強しない」
> 対偶「勉強すると、叱られる」

これは原因と結果(因果)とP→Qを混同している例ですよね。

 暴動が起きれば機動隊が出動する。

が真なら、その対偶は

 機動隊が出動しなければ暴動はおきない。

とするのと似てます(^^;
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 命題が偽であるということが問題なのではないかと思います。

いろいろ説明があり得ると思いますが、集合で考えてみると、命題が偽であるとは、その命題が表す(部分)集合のの要素が無い、つまり空集合と考えるとよいでしょう。

 空集合はどんな集合の要素、あるいは部分集合となり得ます。空集合は空集合の要素、ないしは部分集合としてもよいです。

「AならばB」を集合で言えば、集合Aは集合Bに含まれるとなりますから、空集合は空集合を含むどんな集合にも含まれます。

 すると、偽の命題は偽の命題でも真の命題にも含まれることになり、『偽の命題ならば任意の命題』は真となります。

 もし部分集合「4の倍数でない(数の集合)」を偽としようとするなら、元となる集合が自然数や偶数の集合などであっては、6などが要素となる集合となり、空集合とならない、すなわち偽となりません。

 最も簡単には、「Pならば」のPの元となる集合を4の倍数の集合としてしまうことでしょうか。それならば「4の倍数でない」集合は空集合となります。

 そうするなら、

>【3】4の倍数でないならば、2の倍数である。
→空集合は2の倍数の集合の要素である。

>【4】4の倍数でないならば、2の倍数でない。
→空集合は2の倍数でない集合の要素である。

はどちらも真となります。その「2の倍数の集合」を空集合でない「偶数の集合」としても、たとえば「奇数となる2の倍数の集合」という空集合としても、どちらでも同じように真になります。

P.S.

 英語での仮定法過去によく似ていると言えるかもしれません。「もし俺が天才なら、世界を征服してやるんだが」(If I were a genius, I would conquer the world.)。

 それでも、このことに限らず、機械的な論理操作は、仰るように自然言語と齟齬を起こすことがあります。三段論法と言われるものですと、以下のようなものがあります。

 数学では、無いことを0で表す。
 数学では、0で割った答えは無い。
 ゆえに、数学では0で割った答えを0で表す。

 英語の有名な例(日本語訳にすると、切れ味が悪いのでそのままで)。

 Nothing is better than my wife.
 A penny is better than nothing. (ペニー:少額硬貨で1円玉みたいなもの)
 Therefore, a penny is better than my wife.

 真の命題の対偶は真である(偽→偽も同じく成り立つ)、というのは論理学では保証されていますが、自然言語で単純にやると、意味がおかしくなることがあります。

 命題「叱られないと、勉強しない」
 対偶「勉強すると、叱られる」
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P→Q



とは

(¬P)∨Q

のことです。

ここで”¬”は「否定」、”∨”は「または」
を表す記号です。

>分からないのは【3】と【4】です。

限定子(∀や∃)が抜けているからおか
しくなっているようです。

「∀xP(x)」の否定は
「∃x¬P(x)」であって
「∀x¬P(x)」ではありません。

ここに留意して見なおしてみてください。
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ギーチのパラドクスのことを言っているのかな、と思いましたけど、そうでもないようですね。



真理表の使い方が間違っています。

真理表には色々な真理表があります。

■条件の真理表
 P  Q  P⊃Q
 1  1   1
 1  0   0
 0  1   1
 0  0   1
お使いの真理表はこれですね。

P:Xは2の倍数である
Q:Xは4の倍数である
と定義します。
(逆は不可です。明らかに、P⊃Qです。)

1.Xが4の倍数であり、Xが2の倍数ならば、   Xの存在は真です。
2.Xが4の倍数であり、Xが2の倍数でなければ、Xの存在は偽です。
3.Xが4の倍数でなく、Xが2の倍数であれば、Xの存在は真です。
3.Xが4の倍数でなく、Xが2の倍数でなければ、Xの存在は真です。

一般に、真理表は、別に新しいことを何か言ってくれるわけではありません。
至極当たり前の結果を提示ただけの表です。

ちなみに、PとQの真偽から、P→Qについて何かいうことはできません。
ソクラテスは人間である これを真とします。
ハチは犬である これも真とします。
しかし、ここから
ソクラテスは人間である 「ならば」 ハチは犬である
という因果関係については、我々は何も言うことができません。

Pの真偽がわかっていて、P→Qの真偽も分かっているなら、Qについて何かいうことは、できます。
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うーん、命題論理に慣れていないだけだとは思いますが・・・



>【1】真 真  真
>【2】真 偽  偽
>【3】偽 真  真
>【4】偽 偽  真

これは P という前提条件が成り立たない時は、Qの真偽は問わず「命題」を真とする
という意味で、常識的な論理を表しています。

ちょっと数学的ではない言い方ですが、
物事を判断するとき、前提条件外の真偽も考えに入れなければならないとしたら
困るでしょう?

条件を狭め、その中で考えましょうというのが「ならば」の基本的な用法です。

>【3】4の倍数でないならば、2の倍数である。

これは「ならば」を使った全く別の命題ですよ。
そもそも真理表の一部を命題と考えてはいけません。

【3】は n が4の倍数でない時でnが2の倍数の場合は真。

という命題関数の結果を述べているだけです。
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P:「元日の天気はよい」


Q:「私は外出する」
で考えたとき、
P⇒Qが偽になるのは「元日の天気がよいにもかかわらず、私が外出しない」ことでありますから、
お書きになった真理値表で何ら問題ないと思います。
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