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塩酸は「弱い還元力がある酸である」。これって正しいですか?

A 回答 (2件)

酸化・還元反応は対になる反応です。

起こるときも対になっています。
酸化だけとか還元だけとかが起こることはありません。
酸化剤、還元剤も同様です。対になって存在します。
反応に関係する物質の働きを酸化・還元に対応させるからです。
反応において酸化剤だけしか存在しないとか還元剤だけしか存在しないということはありません。
同じ物質が相手によっては酸化剤になる場合も還元剤になる場合もあります。
塩酸も同じです。
「塩酸は酸化剤として働くことのできる酸である」と言うこともできるのです。
Mg+2HCl → MgCl2+H2
Mgは酸化されています。HClは酸化剤です。

「弱い還元力がある」というのは「相手が強い酸化剤であれば酸化されることがある」という意味になります。還元剤として積極的に他の物質に働きかけていくということはないという意味でもあります。受身的に還元剤として働くということです。その場合、HClの中のClが酸化されます。Hは酸化されませんから可能性はClしかありません。
Clの酸化状態の違いを化合物の化学式で示してみます。
(上ほど酸化の程度が高いです。)
HClO4
HClO3
HClO2
HClO
Cl2
HCl

上から下に行けば還元、逆に行けば酸化です。
HClはいちばん下にありますからClの酸化状態に変化が起こるとすれば上に行くしかありません。
酸化状態に変化を生じさせるためには必ず相手が必要です。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてしまいました。すみません。
酸化・還元は相対的なものなのですね。
Clの酸化状態の違いを化合物の化学式で並べたもの解りやすかったです。
ありがとうございました。

>HClはいちばん下にありますからClの酸化状態に変化が起こるとすれば上に行くしかありません。
Clの電子配置が不活性ガスと同じだからこれ以上は還元されない、ということでしょうか。??

お礼日時:2013/08/25 12:42

間違いではありませんけど、誤解を招き易い表現ですので、「強い酸化剤により酸化される酸である」くらいの、よりマイルドな表現にとどめておくのが無難でしょう。

他の汎用される還元剤でなく、あえて塩酸を還元剤として使わなければならない場面というのは、皆無ではないかもしれませんけど、私にはちょっと思い当たりません。

例1:酸化還元滴定
過マンガン酸カリウム水溶液を別の溶液Aに滴下して酸化還元滴定を行うとき、溶液Aを酸性にしておく必要があります。このとき酸として塩酸を使うと、HClがMnO4-に酸化されてCl2が生成し、生成したCl2は溶液Aから少なからず揮発してしまいます。そうなると何を滴定しているのか分からなくなってしまいます。つまり、塩酸は「強い酸化剤により酸化される」ため、この酸化還元滴定には使えません。

例2:塩素Cl2の製法
濃塩酸を酸化マンガン(IV) とともに加熱すると、塩素Cl2が発生します。ここでは、HClが MnO2 により酸化されています。KMnO4には及びませんが、MnO2もわりと強い酸化剤ですし、反応を進めるには加熱が必要です。つまり、塩酸は「強い酸化剤か、若しくはそこそこ激しい条件下でそこそこ強い酸化剤を使わないと酸化されない酸である」といえます。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてしまいました。すみません。
表現によりイメージが異なりますね。例示も解りやすかったです。ありがとうございました。
例1で溶液Aを強塩基性にしたら、過マンガン酸カリウムは酸化剤として作用しますか?

お礼日時:2013/08/25 12:29

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