No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>素朴な疑問なんですけど、「無条件降伏」と言うからには、植民地どころかハワイみたいに完全にアメリカの領土に組み込まれていてもおかしくなかったのに、何で日本は独立国として普通に存続してこられたのですか?
日本は無条件降伏をしたつもりはありませんでした。
そもそも、ポツダム宣言の受諾=無条件降伏 ではありません。(動画参照)
ポツダム宣言には、「Following are our terms」(我々の条件は次の通り)となっており、
それには「日本国政府は直ちに全日本軍の無条降伏を宣言」となっています。
これは、軍隊の無条件降伏=武装解除であって、軍組織の解体や消滅ではありません。
そして、軍=国家・政府 ではない以上、ポツダム宣言によって、日本という国家が無条件降伏したという事にはなりません。
ところが、この宣言の調印時に、連合国は国際法上「休戦協定(条件付降伏)」である文書を「降伏文書」と名付け、「休戦」を「降伏」に摩り替えました。
更にその後、米国政府は「日本との関係は、契約基礎の上に立っているので無く、無条件降伏を基礎とするものである」という通達を発表しました。
これは、米国は正式に締結した国際条約を反故にしたことになります。
日本はこれに抗議しましたが、軍が降伏し武装解除されていた為に、抵抗できず、
結果として、国家そのものが無条件降伏したことにされてしまいました。
ドイツは無条件降伏していますが、これは戦争によって政府が消滅してしまったからです。(しかし植民地にはなっていません)
一方で、日本のポツダム宣言に調印は、日本政府の決定としてのもので、両者は全く異なるものです。
日本が植民地にならなかった理由は、↓が考えられます。
1:太平洋戦争は、日中戦争を日本による侵略として批難したことが原因です。
である以上、日本を植民地支配する事は、連合国の戦争の大儀と矛盾します。
2:日本が戦ったのは、「連合国」であって、アメリカだけではありません。
アメリカ-ハワイ のような2国間の問題とは次元が異なります。
また、ハワイの時の国際法では「侵略」は犯罪ではありません。
(今でも、「戦争」自体は犯罪ではありません)
3:植民地化や併合をした場合に起る日本人の抵抗。
これは、最悪の場合、ソ連が介入して、日本がベトナムや朝鮮戦争のような内戦状態になります。
連合国の占領政策がスムーズにできたのは、日本人が天皇の権威を認め、その意志(終戦)に従ったからです。
なので、その天皇を否定し、日本という国家を消滅させた場合、どのような抵抗運動が起るかわかりませんでした。
更に、伝統による権威を消滅させた場合、精神的な支柱がなくなった日本人を、共産主義者が「自由」や「平等」の美名の下に洗脳する怖れがあります。
実際、世界ではそうなっています。
共産主義の最終的な目的は、世界を共産主義による一つの組織に統合することです。
そして、その思想を広めるには、既存の文化による固有の国家の伝統による権威が邪魔になります。
これは、共産主義以外の権威や権力の否定=検閲や弾圧による思想統制に行き着きます。
実際に、中国の文化大革命では多くの文化財が破壊され、知識人が処刑されています。
4:日本の地政学的な価値は、戦後の東西のパワーバランスに大きな影響を与えるので、他の一国が支配するのは、他の国にとって望ましくない。
3、4ですが、日本がアメリカの領土(基地化)になることは、東側(共産圏)には非常に不利になります。
同じ理由で、日本を撤退させ、支配する国家の存在しない空白遅滞になった朝鮮半島やドイツは、東西の都合で分断されています。
逆に、日本の一部でも得られれば、太平洋に出る拠点になり、大きなアドバンテージになります。
実際に、ソ連は戦後の勢力拡大の為に、ポツダム宣言を受け入れ、停戦した日本に侵攻し、千島列島と北方領土を占拠しています。(ソ連兵は国際法など全く守らず、現地の民間人もソ連兵に虐殺されています。)
この時のソ連の最終的な目的は、北海道の占領し、既成事実として領土化することでした。
しかし、現地の日本軍が独自の判断で応戦(命令違反ですが)した為に、北海道への上陸は阻止されています。
(動画も参照)
【もう一つの硫黄島戦 「占守島の戦い」】
以上から、植民地化や併合より、↓のような教育(というか洗脳)でアメリカ拠りにして、間接的に支配した方が利益があると判断したのだと思います。
【嗚呼 大和 PART2】
http://www.youtube.com/watch?v=twxtQ6_qTIU
http://www.youtube.com/watch?v=DN5NDgNA4UY
回答ありがとうございました。実に複雑な事情が絡んでいたことがよく分かりました。今でも共産主義勢力は、軍事の代わりに手を変え品を変え色々な方法で日本を滅ぼそうとしているかもしれないと危機感を持ちました。
No.8
- 回答日時:
#7です。
ちょっと気になる一節があったもので。>自国の言語や文化を頑なに守る気概のない国家はいずれ衰退していく事が分かりました
本題とはズレますが、もう少し歴史を深く勉強してみてください。むしろ自国の文化などに固執している国のほうが時代の変化についていけずに衰退していきます。
戦争などの歴史の転換点の時代になると、異文化がやってきてその国の文化などは大きく揺さぶられます。しかしそのときが、その国が飛躍するチャンスでもあるんですよ。
例えばよくいわれることですが、太平洋戦争になったとき、日本は英語は敵国の言葉であるから学んではならないと野球のストライクやボールという言葉にもかみついたのは有名です。一方、アメリカは軍人に日本語を学ばせて日本を知ろうとしました。アメリカにおける、というか世界における日本文化研究の第一人者であるドナルド・キーン氏は戦争中に軍隊で日本語を学んだことは有名です。
明治維新の志士たちの多くは、幕末時代には尊王攘夷を唱えていました。攘夷ってのは「夷荻を打ち払う」って意味で、要するに外国人は殺せってことです。今のイスラムテロリストとたいして変わらないです。
ところが西欧列強と戦争をして敗北したり、上海を視察したりして西欧列強の優れているところを見るともうさっさと攘夷論なんて引っ込めて「文明開化」に走るんですね。「西洋の優れたところを学ばないと駄目だ」と言い出すのです。
イスラム文化に固執するアフガニスタンでは、バーミヤン大仏を破壊してしまいました。昔のことであっても、かつてアフガニスタンに住んでいた先人の偉大な遺跡です。それを「イスラムの教えに反するから」という理由で破壊してしまう。確かに日本でも明治維新で廃仏毀釈運動というのが起きたけど、とても愚かしい行為だと思いませんか。
明治維新では西洋文明を受け入れて日本を近代化することに成功しました。一方、清朝(中国)では「中華文化は優れており、西欧は学ぶに足らず」と自国の文化文明にこだわり列強によって植民地化されました。
確かに最近の若い人の日本文化の再評価は素晴らしいことだと思います。後継者難で悩んでいた伝統工芸などを学びたいという若者が増えてきたというのは単純に喜ばしいことだと思います。
しかしだからといって自国の文化文明に固執するのもまた愚かしいことです。日本は明治維新といい、戦後復興といい、外国ではちょっとあり得ないような劇的な変化を見せる国です。私はその理由は「変節することを躊躇しない国民性」だからだと思っています。鬼畜米英とかいってたのに、すぐ親米国家になったんですからね。だから私は、日本が内向きになればなるほど衰退していくと思っています。
回答ありがとうございました。ご意見は大変参考になりました。歴史の深さも知らず、僕の浅はかな知識で軽はずみな発言をしてしまいました。
No.7
- 回答日時:
分割統治案はありましたよ。
それによると、北海道と東北はソ連領に、関東、中部、北陸がアメリカ領、中国地方と九州がイギリス領、四国が中国領、近畿はアメリカと中国の共同統治案になっていたようです。興味深いのは、この共同統治案が採用されなかった理由がいまいちはっきりしないってことですね。まあ当事者からすればアメリカ、ソ連以外は「資源があるわけじゃねえし、爆撃で根こそぎ破壊されているし、メリットねえなあ」ってところだったでしょうね。
もしこの分割統治案が採用されていれば、朝鮮半島やベトナムが南北に別れたように、東北・北海道は社会主義国家になっていた可能性は高いでしょうね。
また、実はアメリカは太平洋戦争前にいずれフィリピンは独立(といってもアメリカの傀儡ですけど)させる予定で、その初代大統領はあのマッカーサーの予定だったそうです。アメリカの政策からすると準州にして国家に直接組み込むより、傀儡政権にして間接統治をしたと思いますよ。そもそも言語が違いますしね。グアムやサイパンも委任統治って形にしていて、決して州に組み込んでいないですよね。
ただ戦後に小学生だったウチの父親の話によると、戦後の占領時代には日本の公用語を英語にしようという動きがあったそうで、そのため父の世代は「将来英語が公用語になるかもしれないから」とかなり熱心にローマ字の授業を受けさせられたそうです。
イギリスが統治していたらそうなったかもしれないですね。イギリス人のやり方は、無理に英語は押し付けないけど英語ができない奴は雇わないというやり方ですから、中国地方、九州がイギリス領になっていたらこれらの地域の大学では英語で授業が行われたかもしれません。
回答ありがとうございました。ご意見は勉強になりました。英語ができないと生き残れないのは今の時代にも当てはまりそうな気がしました。ただ僕は歴史を勉強して気がついたんですけど、自国の言語や文化を頑なに守る気概のない国家はいずれ衰退していく事が分かりました。
No.6
- 回答日時:
ポツダム宣言はアメリカではなく、連合国の作ったものです。
第二次大戦は「平和を乱す国を罰するため」という大義名分がありましたので、戦後に敗戦国を植民地化することは時代の流れでできなかったのです。それよりもアメリカとしては来るべきソ連との対決が気がかりだったので、どうしても日本を味方につけておきたかったのです。武装解除と民主化が進めば、天皇制を残すことにも前向きでしたし、経済支援も大きかったです。大戦中の味方であるソ連が、敵である日本よりも脅威であったということです。No.4
- 回答日時:
この時期には、植民地支配が引き合わないことは周知の事実になっていました。
植民地支配が合理的なのは、
1)先進諸国で供給できない特産物、たとえば地下資源や綿花、ゴム、コーヒー、カカオなど熱帯・亜熱帯農産物の産出
2)東欧諸国や朝鮮・満州のような政治的軍事的緩衝圏の確保
などに限られていました。
アメリカからみれば、日本はどちらの点でも確保に値しません。ただし、ロシアからみれば、樺太、千島、北朝鮮、北海道は戦略的価値があります。
このため、アメリカは非武装化した日本を同盟国化する戦略を選びました。決して普通に存続させたわけではありません。さらに米ソの対立激化は、日本の再武装化を招きました。
No.1
- 回答日時:
当時の日本をハワイやフィリピンなどと同列に捉えることはできません。
数千万の国民を有し欧米列強と対等な大国です。
米国が支配するためには言語・文化の壁を乗り越え、
莫大な費用と人員が必要となってしまいます。
また対日戦争は米国主導でしたがソ連やその他連合国も兵員を送り込んでいます。
そのような状況下では特に日本と国境を接するソ連が、
アメリカの日本領有を簡単に認めるとは考えられません。
1945年2月のヤルタ会談において連合国側首脳陣は戦後の世界秩序の枠組みを決めましたが、
その時ドイツと並び日本に対する処遇も各国の思惑が交錯する中で決められました。
ちなみにソ連は北方四島の一部のみならず北海道までの領有を主張したようです。
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