ここ最近は、浅田次郎の「蒼穹の昴」、山崎豊子の「不毛地帯」、佐藤賢一の「双頭の鷲」、高野和明の「ジェノサイド」、貴志祐介の「新世界より」、など他多数の小説に感動した、いち読者です。
タイトル通り、司馬遼太郎の「燃えよ剣」の上巻、「坂の上の雲」の1巻にチャレンジしましたが、面白さがわからず、挫折しました。
原因を自分なりに分析してみましたが、司馬遼太郎の文章の書き方が、物語というより報告書のように感じられ、登場人物に感情移入できないのだと思われます。
かといって、自分と同じように感じる読者がいないかネットで探せば、司馬の良さがわからないとあると、「それはあなたの感受性が低いからだ」と逆に非難されているので、自分はおかしいのか?とふと心配に思い、質問トピを書いた次第です。
先ほど、司馬の文章が報告書のようだ、と書きましたが、その理由としては、(1)登場人物同士の会話がほとんど無い、(2)登場人物の人柄を、文章でそのまま『この人物は、強情で一徹である。』と説明してしまうことにより、読者に感じさせたり考えさせたりする”遊び”の部分が無い、のこの2点だと考えられます。
手元には、未読の「最後の将軍」があります。この作品を楽しみたいので、どういった読み方をすればよいか教えてください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
単に三人称神視点から三人称個人視点、など小説の視点変更になれていないんではないでしょうか?
歴史物は歴史として残っているものが題材になるので、他の物語より所謂神視点が増えやすいですし。
話の面白さは読みきらないと判断は難しいですし、好みもありますからね。
最近は漫画を含め、一人称ですすめ、違和感を覚えない程度に三人称個人視点を織り混ぜるかたちが多いようなので、慣れるしかないでしょう。
感受性うんぬんは読んだあとの話だと思います。
早速の回答をありがとうございます。
三人称神視点、なんて言葉があったんですね!
人並みに小説を読んできたつもりでしたが、司馬小説の書き方がまさにそれとは知らず、「他の小説には無い、この違和感はなんだろう?」と、ずっとモヤモヤしていました。
たしかに、「A地点にいる太郎は悩んでいた、B地点にいる花子は料理をしている、C地点にいる進は花子のことを考えている」、と上から目線でレポートしている感じですね。(「三人称神視点」で、今ワード検索してみました)
もう少し調べてみます。
取り急ぎ、お礼まで。
No.4
- 回答日時:
既に適切な回答が出ていますからスルーされても結構ですが、私は質問者様とちょうど逆の体験をしたもので、ご参考になればと思って書いてみます。
谷崎、三島などずっと純文学畑バカリ読んでいてから司馬文学に来て、一時はこればかり読んでいた時期がありました。ほとんど全部読んでしまったので今は読むことはありませんが、そのあと評判のたかい藤沢周平のものを読んでみましたが、なんだかべたべたした感じ興に乗らず、たそがれ清兵衛など数編を読んでそのまま読んでいません。やはりひとそれぞれで、楽しめる作品とそうでないものがあるのだろうと思います。仰る首記の小説は山崎豊子のものを数編、佐藤賢一のデビュー作品を必要上から読んだだけです。幸い日本には数多くの文学がありますし、外国文学も相当数がほんやくされて読まれるのを待っていますので、面白いと思われない小説を無理して読む必要性はさらさらsないという論理もあると思います。貴方が趣味でよまれる分にはそれでよろしいのではないでしょうか。
しかしそれでは回答にならないといわれるかもしれませんので、司馬遼太郎の作品の読み方として先の方も仰っておられましたが、どうしてもこれを読むのだ、という使命感を持つ、勉強としての読書をするという読み方で入られたら良いかもしれません。「最後の将軍」などは長くもなく、日本史の転回点の状況を知るなど、そういう意味では最適だと思います。幸い司馬歴史文学は厖大な資料を下地にしてかかれていますので、日本歴史をおおむね間違いなくものにすることが出来ると思います。私も学校で習わなかった日露戦争の流れは「坂の上の雲」で理解しましたw。時代の登場人物の評論などもたちどまって楽しむことが出来る余裕もありますし、ともかくそういう意味では余分なものは彼の小説には書かれていないといっていいとおもいます。
それで日本という国を地誌的に読もうとすれば「街道を行く」もありますし。
ご参考になれば。
丁寧な回答をありがとうございます。
>やはりひとそれぞれで、楽しめる作品とそうでないものがあるのだろうと
そうですよね、私は他に、次はノーベル賞受賞するかもと言われ、面白くないと言えばファンから文学を知らないアホ呼ばわりされる村上春樹の本も受け付けません。
「オーケー、認めよう」ってなんてオシャンティー。
あ、すいません、脇道にそれました。
>どうしてもこれを読むのだ、という使命感を持つ、勉強としての読書をするという読み方で入られたら良いかもしれません
そこまでは・・・(笑。
自分は、人間と人間とのふれあいの中でストーリーが作られる、そういった小説が好きです。って、書きながら思いました。
No.3
- 回答日時:
回答が少ない感じですが国語カテゴリなど再質問されても面白いのでは。
私は基本的に小説嫌いなんですが司馬の小説から小説を買うようになった気がします。報告書ですね。つまり、小説は下らないから読まない人でも、実用書は読むという人がいて、私がそうですが、そういう人にとって垣根が低い小説が司馬の本です。文芸的な読者欲を満たそうという本ではありません。歴史が面白いのです。しかし歴史好きがたくさんいてもわざわざ読みたくなるような歴史小説は少ないのです。馬鹿らしい時代小説はああいう文芸の中毒者のための本です。しかし司馬の歴史小説は面白いのです。要するに垢抜けた歴史小説ですね。私がそう書評したいわけではありませんが定評としては司馬は冷徹な(三人称)視点で歴史を語ると言われます。感情移入できないではなく、司馬も含めて誰の感情移入も排除する文体なのです。しいて貴方に感性がないと言うのならば感情移入させる文体でしか登場人物に共感できないのではとなります。司馬の小説を基準にすると典型的な小説はマンガなのです。しかし司馬の小説は小説というより報告書に近いのです。肉の味と言ってブタとサンマを比較して美味い美味くないと悩むのはおかしいですね。
貴方が読まれたタイトルの物は私にも全く面白くないです。司馬病太郎が誉めてる本だと思います。仮に貴方を浅田文芸マニアとすれば違うマニア同士で話が合うわけないのです。
最後の将軍はまだマシですが面白くはないです。つまり何でそうなったのか、選択ミスしっぱなしに思います。
司馬と言えば、国盗り物語でしょう。これは面白いですよ。これが面白くなければ司馬(の文体)は諦めたら。
基本的に歴史を考えるのが苦痛ではなくそれと物語をご飯味噌汁みたく交互に食べ進め楽しみ方ですね。司馬は元々はファンタジーよりな作品を書いていたのですがね。
意外に、硬派な小説が読みたい人には逆説的にダメなのかも知れませんね。私自身は硬派だからフィクションの文芸はダメで、それとは違う司馬なら読めると自己分析していましたが、それこそ皮膜文芸論的な錯覚だったのかも。司馬の作品は(現在日本否定による)歴史人物ロマンですからね。司馬は近代史をメインテーマにしないのは有名です。
結構フィクションらしいので用心は要りますが、(注釈部分が)歴史の本という事でいいんじゃないですか。
丁寧な回答をありがとうございました。
あれから「最後の将軍」をがんばって読み進めましたが、1/4で挫折し、図書館に返却してしまいました。
個人的に受け付けなかったのが、報告書のように思えること以外に、歴史上の人が都度現れては、主人公の人柄を評して、一瞬で物語から消える、それが「え、名前だけ出して書きっぱなし?」という感じで嫌でした。
司馬の小説は、小説ではなく実用書を読む人向け、というのは納得いきました。
>最後の将軍はまだマシですが面白くはないです。つまり何でそうなったのか、選択ミスしっぱなしに思います。
そうでしたか!amazonレビューが高評価だったので、安易に借りてしまいました。
早速、「国盗り物語」を図書館で予約します。
No.2
- 回答日時:
#1ですが、補足で。
坂ノ上の雲は時代背景がわかっていないと、結構厳しい類いです。
司馬遼太郎はよほど小説を読み込んでいる人じゃないと、今となってはキツいので短編から読むと良いですよ。
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