No.8ベストアンサー
- 回答日時:
「日本人は性に対してオープン」ということの原因は何か?という疑問です。
これに対する答えは存在するのでしょうか?
存在します。
他の方へのお礼でも「キリスト教・イスラム教」に言及されていましたね。いい着眼点だと思います。
さて、日本人が性にオープンなのは「牧畜文化を一切持たないから」です。逆にいえば、イスラム教・キリスト教は牧畜文化の賜物です。
そもそも、人類の文化とか風俗というのは、その地域の気候や産業に影響を受けて発達するものです。牧畜文化を持つ地域は現在でもほぼイスラム・キリスト教文化圏であり、その基本はユダヤ教にあります。
牧畜をする人々にとっては、育てている家畜が増えれば財産がふえることになり、減れば財産が目減りします。ですから昔から、病弱な家畜や遺伝的な問題のある個体は子供が増えないようにし、逆に強く病気に強い個体は、子供をうんと増やして財産が増えるようにしてきました。
つまりそこに「性を管理することによって、家系を有利にする」という発想が生まれるわけです。これが人間に影響を及ぼすと
・男女の交わりを厳しく規制する
・性器の一部を人工的に切除する
・強い男性は、多くの女性を娶ることができるようにする
・性器を切除して、宮廷などで性的な威力を発揮できなくする
などの現象が現れてきます。これらは紀元前からある文化・風俗です。
男女の交わりを厳しく規制するのは、処女信仰とつながり処女を尊ぶキリスト教的な文化につながっていきます。逆に一夫多妻制はイスラム教の改組であるムハンマドの一夫多妻からイスラムでは一般的な文化となっていきます。
性器の一部を切り取るのは「割礼」と呼ばれるもので、ユダヤ人などの見られる特徴で、特に「女子割礼」については一部のイスラム教地域などでも見られます。
性器を切除するのは「宦官」といい、古くはローマやギリシャなどでも見られ、アジアでは中国が有名です。
王宮というのは魑魅魍魎の住む世界で、ラスプーチンのように皇后を性的に篭絡して、人事に口を出すような輩を防止するために、男性器を切り落とした宦官が各地の王宮にはいたのです。
ですから、放牧文化を持つ地域は基本的に「男女の性に厳しい(性をコントロールしたがる)」のです。
しかし、日本は島国であり、まったく放牧文化が入ってきませんでしたので(宦官については、律令を学んだ時代に知っているはずだか根付かなかった)、このように性に厳しくする文化的な動機がなかったのです。
これだけでなく、他にも性的な文化がオープンな国は存在します。特に仏教が伝播した地域の多くは性におおらかです。
たとえばインドにはカーマ・スートラなど古代に大性典があります。もっとも現在では、仏教よりもヒンドゥー経や複雑な階級社会などで、性には厳しい国のひとつになっています。
タイやベトナムなどの放牧文化をほとんど持たない、仏教国は日本と同様性に対して開放的です。
中国と韓国は、元の時代にモンゴルの放牧民族に征服されているので、かなり性的に規制があります。ただし、キリスト教などよりは「建前」であることが多いといえます。
さて、最後に私が一番びっくりした性の寛容さは、エスキモーです。
故植村直美氏の著作によれば、エスキモーであるイヌイット族は、毎日一族で雑魚寝するそうで、その日の相手は、隣に寝ていた誰かだそうです。
子供たちも、実は起きていて夜の営みを観察し、生まれた子供は「一族の子供」として育てられるということのようです。
日本の田舎には戦前ぐらいまで夜這いの文化があり、そこで生まれた子供は「村の子供」として育てられたといいます。
放牧文化を持たない民族の文化的共通性をエスキモーに感じるとすれば言いすぎでしょうか。
まあ、いずれにしても、日本では放牧文化がまったくなかったために、性的なタブーがほとんどない、というのが事実です。
この回答への補足
私自身の頭の中が混乱してしまって、お礼が遅れました。
一番納得できるお答えでしたので、一つだけ遅ればせながら補足質問をお願いします。
確かに牧畜と性慣習には大きな関係があることは納得できます。
しかしどうして、性を悪いこととして規制したのか?つながりがわかりません。
例えば、牧畜業では、出来るだけ多くの子供を作りたいと思うかもしれない、と考えたのですが、いかがでしょうか?
No.10
- 回答日時:
補足ありがとうございます。
以下、回答です。>一つだけ遅ればせながら補足質問をお願いします。
確かに牧畜と性慣習には大きな関係があることは納得できます。
しかしどうして、性を悪いこととして規制したのか?つながりがわかりません。
例えば、牧畜業では、出来るだけ多くの子供を作りたいと思うかもしれない、と考えたのですが、いかがでしょうか?
まず牧畜という視点で考えると、たしかに「できるだけ子供が増える」というのは望ましいことではあります。しかし「病気や欠陥の遺伝を持つ子供が増える」という視点でみれば、そのような欠陥遺伝子をもつ個体が増える、ということであり数が増えれば増えるほど「欠陥がある個体」が増えることになります。
それでは財産としての価値が減って困るので、人間が、そのような遺伝子を自分の群れから排除しようとするとしても、個体数が増えればそれだけ「子供を産ませられない個体が増える」ということになってしまい、かえって一時的にですが財産を減らす結果をもたらします。
つまり、病気や欠陥が遺伝子として受け継がれるなら、そのような遺伝子を持つ個体は少ないうちに摘み取っておくほうが「群れ」としてみた場合、健全な発展ができるわけです。
このような経験が得られる文化圏であれば、人間も当然「社会(群れ)としての健全な発展」を望むようになります。
しかし、庶民だけに任せておいては、人間は欲望のままに子供を増やしますから(現代ですら、知識と教育では人口増加を抑えることができませんね)為政者・指導者と呼ばれる人は、何らかの方法で子供を産むことを抑制することになるわけです。
もし、このときそもそも性交が「善」であるなら、それを抑制する理由を見つけることは非常に困難になります。「良いことをしているのに、なんでダメっていうんだ?」という単純な質問に答えることが難しいからです。
ですから、社会を健全に発展させるために性交をコントロールしようと思えば「性交はよい事ではない」と教えるほうがずっと簡単になるわけです。
さて、では「社会の健全な発展」とはなにをいうか、というと元々、財産としての家畜の価値、から出発した話ですから、結局は財産を一族で持ち手放さないための方法、ということにつきます。
つまり、キリスト教やイスラム教は「性交は限られた条件ですること」と押し付けながら、それを地道に守るのは貴族や王族などの財産をもつ階級だけだったわけです。
もっとも、これらの階級でも奴隷女なら自由に欲望を処理できますし、お忍びで庶民の女と交わっても自分の身元がばれなければいいわけで、結局「性をコントロールされる」のは、良家の女性だけになるわけです。
なぜなら避妊が科学的にできなかった時代に、貴族の女性がどこの馬の骨とも知らない男の子供を産んだら大問題になったからです。
これがキリスト教徒文化圏とイスラム教文化圏で「処女」が大きく扱われる理由です。処女という価値観を大切に扱う以上、性交は「結婚するまでダメ」とするしかありません。男には色々抜け道はあるものの、勝手に子供を増やすことは問題になりますので、結局性交はしないほうがいい、悪いことである、という価値観になっていったわけです。
そうなると、性に関するさまざまな情報や刺激は「劣情を掻き立てる」として禁止になったりするわけで、これがイスラムなら「女性は公共の場では全身を被い、肌を見せないこと」などになっていくわけです。
実際に為政者層・指導者層がどれほど「性は悪いこと」と認識しているか分かりません。「英雄、色を好む」という言葉があるように、リーダーシップをとれる強い男は一般的に性欲も強いものです。
しかし、自分たちはどうであっても、自分に続く家族や貴族が乱れに乱れると国の体制にも影響します。
ですので、実際はそれほどでもないかもしれませんが、日本のようにあけすけに性を語ることはできないような文化になっていくのです。
日本には、性に対するタブーはほとんどなく、世界と比べると「まったくない」と言っていいぐらいです。そういう国は現在でも性におおらかです。
だから結果として、人口の多い社会であっても「混浴」などの習慣が残ることにつながっていったといえます。
No.9
- 回答日時:
日本を含めた南方アジア系の民族が性風俗におおらかな事実は
あるにしても庶民レベルでの性交の「おおらかさ」は世界共通です。
貴族などの上流階級で性交の真面目さについて日本と欧米に違いが
あったとは思えません。違いがあるとすれば性交が恥ずべき行為と
されたかされなかったかで欧米の上流階級はそうとう乱れた性生活
を送っています。
日本人庶民の混浴を驚いたのは欧米列強のエリート士官で日本だって
上流の人々は公衆浴場や混浴の経験は少ないはずです。
※ 欧米の入浴事情
(1)古代ローマ時代..共同浴場で男女別。入るのはローマ市民(=上層)
男女別なのは市民=男なわけで女は男より身分が下だから。
ローマ市民の性の乱れは有名。
(2)ヨーロッパ中世..庶民の共同浴場・混浴。売買春や犯罪の温床で禁止
さらにペストがはやり、人々は水を怖れ入浴しなくなる。
ついでに支配的だったキリスト教会は体臭を落とす事を信仰的には
良くないこととした。
(3)絶対王政期。..入浴習慣が再開(イギリスのエリザベス女王は月1回の
入浴を入りすぎだと家臣にとめられた。当時は体の垢が外界から身を
病気から守ると信じられていた)
(4)そして近代へ..貴族など上流階級の人々の入浴習慣が徐々に徐々に庶民に
広がり始める。現代でもドイツや北欧での男女混浴は日本より普通。
※ 欧米と日本の服装の差。詳しく述べるのはご質問の本旨ではないので簡単に。
少なくとも現代以前は日本より欧米のほうが女性の服装は露出度が高くそれは
男性へのセックスアピールだった、要は誘惑。逆に日本の着物はきわめて露出
が低い。ただ日本女性は僕の幼少時(1960前半ころまで)電車内で授乳のために
平気で胸をだしていた。下半身を隠すのは世界共通だが、胸を見せるのが恥ず
かしいという感覚は欧米の文化でかつ平気で見せればセックスアピールになら
ないから薄い布で胸を被うことでセックスアピールになっているのだろう。
※ 混浴問題は二面性があるように思います。
1つは確かに近代までの日本女性は人前で胸をさらすことが平気=男も見慣れ
ているから隠す必要がなく、自然と混浴。ちなみに江戸期の共同浴場は世界一。
もう一つはやはり男女の裸体は卑猥さをともない日本でも乱交などあった。で
江戸後半期には幕府により混浴禁止令が出された。
混浴=性の乱れは何が問題か?率直に言ってこれは財産相続の複雑化に尽きる。
男親の財産をだれに継がせるかが単純明快でないと紛争が頻発、政府が抑えき
れないから許さない。
No.7
- 回答日時:
性におおらかなのは、日本人だけじゃなくて少なくとも東アジア全体がそんなところがあるんじゃないですかね。
フィリピンだってそのへんはおおらかなところがあるし、タイなんかはオカマ天国で有名ですよね。たぶん、国民におけるオカマの割合は世界一じゃないかと思います。オカマに寛容というのも性に寛容であることのひとつですからね。性にうるさいところをピックアップすると、どうしてもキリスト教国とイスラム教国にたどり着きます。結局、この「一神教」に毒される(あえて毒されるって言い方をしますけど)と性に厳しくなるんじゃないですかね。
外国人が昔の日本人を見て驚くのは、文明水準が高い国なのに民族が「裸族」だからなのではないですかね。現代の私たちも未開の部族というと裸族ってイメージがあります。こんだけ文明レベルが高い民族なのに、なんでみんな裸なんだって思うんでしょうね。
でも、こんな高温多湿な国、裸にならなきゃやってられないっての。
風呂好きに関しては、古代ローマ人に匹敵するレベルですからね。文献に残る限りでは光明皇后がお寺に風呂を作って人々に振る舞ったってのがありますから、少なくとも奈良時代からは続く風呂好きってことですね。
阪神大震災のとき、海外から来たマスコミが被災者に「今欲しいものはなんですか」と聞くと、あまりに多くの人が「風呂に入りたい」というので、えっ、家も財産も失くしてるのになぜ風呂なの、って頭の中が???で一杯になった(取材に来た人たちは日本文化を知っている訳ではないので)という有名な話があります。実際、自衛隊には「移動風呂」ってのがあるのですが、被災地にこれが出動するとものすごく喜ばれるそうですよ。もちろん、私も国内旅行だと泊まるところをまず温泉地で探す風呂好きです。
「性におおらかな国」として日本と東南アジアがあり、厳しい国として、キリスト教圏とイスラム圏、があるということですね。
この二つの違いの要素を取りだすと何か解ることがありそうな気がするのですが、いかがでしょうか?
原因は東洋・西洋にあるのか?それとも宗教の違いにあるのか?
また宗教の違いの原因はどこにあるのでしょうか?などについては、いかがお考えでしょうか?
ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
男系社会の外国人(この場合キリスト教文化圏の人)が女系社会が強く残る日本の風俗を見てびっくりした。
生物学的に見て母親は容易に同定できるが、父親は容易には同定できない。
この現実の中で父親が生まれてくる子供を確実に自分の子供であることを保証するためには、女性を他の男性から隔離する必要がある。
※ 江戸時代の大奥のように。
その隔離のひつの方法として、入浴における男女隔離策があります。
※ 世界に珍しいと思ってしまうのは、キリスト教文化圏の視点で見ているからです。
※ キリスト教と同根であるイスラーム文化圏でも女系社会とぶつかると混浴を禁止します。
参考例
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bit …
盾と矛? : ミナンカバウ社会にみるイスラームと母系制の関係について(<特集>故水野浩一教授を偲んで)
P238
男女 の混 浴 あるいは全 裸で の水浴 びは禁止 され た
※ アダムの呪い という本によれば、生物学的な親子関係(Y染色体の継承)と社会学的な親子関係(名字の継承)が、キリスト教文化圏であるイングランドにおいて10%以上乖離しているそうだ。つまり間男が有意に存在している。
※ おまけ
アメリカ人が風呂に入っていたかどうか
http://www.encyclopedia.chicagohistory.org/pages …
19世紀末になるまで個人の風呂を持たない人は風呂に入ってなかった。
Chicago's government responded by building 21 small and utilitarian public bathhouses in poor and immigrant neighborhoods between 1894 and 1918.
https://journals.ku.edu/index.php/amerstud/artic …
the public bath
movement
in america
上流階級の西欧人(だけが記録に残しますので)に一般庶民の日本の入浴風俗につべこべ言われたくないような気もする。
No.5
- 回答日時:
>江戸時代の公衆浴場は混浴が普通で、外国人がこの様子を見て驚いたようです。
これは、間違いですね。
一般的な「銭湯」は、男女べ別々でした。
入り口から湯船まで、男女別々です。
ただ、洗い場が「男女が一緒」だったのです。
一緒といっても、男女共に裸ではありません。
男は「風呂用ふんどし」、女は「湯文字(赤い腰巻)」着用が決まりです。
※水戸黄門などのドラマで、悪代官が(お銀と)入浴時に「ふんどし姿」ですよね。
※本来は、洗い場だけ「ふんどし」で入浴時は「素裸」が正解です。
まぁ、一部の銭湯では「洗い場が、浴室と一緒の部屋」の場合もあります。
この場合は、混浴ですが・・・。
>日本では、こういう世界でも珍しい習慣があるのか?その原因はどのように説明されているのでしょうか?
宗教的が原因?
仏教・キリスト・イスラム教とも、神・仏は男性ですよね。神道だけ、最高神は女神です。
銭湯の建築が原因?
男用銭湯には、湯上り時の休憩室が存在しました。が、女性用の休憩室は存在しません。
ですから、湯上りの女性は「半裸で過ごすのは日常の事」でした。
屋外での女性の半裸姿が日常的ですから、屋内で半裸で行水をする姿も何ら異常ではありません。
※歌麿の浮世絵の題材にも多い。
まぁ、実際は「日本人は、性(性交を意味しない)に対してオープンだった」のでしようね。
ペリー乗組員などは、「野蛮だ!」と日記に書いていますよね。
が、シュリーマンは「混浴は、日本の習慣だ。何ら、恥じる事ではない」と述べています。
予断ですが・・・。
江戸時代の入浴料は、6文(約100円)。1ヶ月の回数券は、148文(約2220円)です。
ちなみに、かけそば1杯は16文。銭湯の値段が、安いですよね。昔から、日本人は「風呂好き」なのです。
この回答への補足
大変詳しいお答えを有り難うございました。
もう少し教えてください。
「日本人は性に対してオープン」ということの原因は何か?という疑問です。
これに対する答えは存在するのでしょうか?
No.4
- 回答日時:
まず、今のような風呂にはいる前にはどういう風呂だったかというと、現在のサウナのようなものでした。
そこは全裸で入るものではなく、ある衣類をきて室内に入ります。その衣類のことを浴衣というんですね。もっともこのサウナはよほど地位の上の人しか入らなかったようです。てか、そんな設備を作るのには甚大なお金がいりますよね?浴衣を着てるわけですから男女関係無かったのでしょう。室内で入るお風呂がこのようなサウナ形式のもので、浴衣着用だったために混浴が当たり前だったわけで、そのまま今のような風呂桶に湯を張った入り方になっても変わらなかったんだと思います。
もちろん自然の温泉にも入ったと思いますが、それこそ混浴が当たり前でしょう。
No.3
- 回答日時:
諸説というのではなく、あくまでも自説ですが。
そもそも日本人の性に関するモラル、道徳が
極端に低かった。というか、開放的だったと
というのが根底にあると思います。
http://www.douban.com/group/topic/32279174/
それが江戸時代において、徐々にお上によって
取り締まられるようになってきた。
というようなことだと思います。
つまり、営業効率の点から混浴が当たり前だったものが、
徐々に男女分離されていったと。
http://iroha-japan.net/iroha/B06_custom/10_furo. …
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