歴史好きの皆さん、こんばんは。
日頃は雑駁な問いかけにお付き合いいただいて感謝しております。
さて今年も無事に確定申告が終わりました。
ところが税金のあまりの高さに辛く苦しく夜も眠れない有り様です。( TДT)
眠れないので、歴史好きの皆さん相手に質問を投げかけている次第です。
ふと疑問に思ったのですが。
戦国時代と現代の税制を比較するとどうなってくるのでしょうか?
現代と比べて上がっているのでしょうか、下がっているのでしょうか?
消費税も上がり、個人的にはすさまじい重税感があります。
戦国時代の五公五民とかとんでもないなーと思いつつ。
それでも、果たして現代ほど多種多様な種類の税でがんじがらめかと思うと、お米による物納でスッキリしている戦国時代の方が気楽で良いのではないかと思ったりもするわけです。
博学な皆さんのご見解を伺いたく質問を提示いたします。
どうぞよろしくお願い致します。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
いいえ実は現代のほうが高い税金を払っています。
日本には隠れた税金があるので実は税金を取られているということがあります。
例えば、「とん税」という税金があります。とん税とは、船が港に入ってきたとき、その船の大きさに合わせて取られる税金です。外国の船会社が払っているから関係ないと思うかもしれません。しかし、輸送費の一部として、すべての物資に転嫁されています。このように、税金を払っている意識のない税金が数多くあるのです。
法人税も実は社員の給料からあらかじめ引かれていますね。
gdpと政府の消費するお金を計算するとわかりやすいです。
日本のgdpが479兆円。で使うお金が283.8兆円。実に59%
今年からは消費税3%上乗せですからもっとですね。
簡単に言うと6公4民です。
No.6
- 回答日時:
土地土地と時代時代で、まちまちなので、全く一律には言えません。
ただ傾向として、戦国時代は「自治意識」が江戸時代よりも遥かに高く、農地の検地も出来てはいませんでした。
農民自体が武装をしており、また戦の時には戦闘員として働いてもらなわなければならない等の為に、農民の権利は強かったのですね。(第一、農民同士で戦をしていた)
しかし支配力が及ぶ範囲の村々まで自由勝手にさせるかと言えば当然そうではなく、地域別の対応です。
実際に信長の楽市楽座なども、支配地域全土で行いなどはせず、あくまで狭い範囲で行われたものだという事です。
租税を高く設定出来ない村落は、大抵敵対勢力と境を接している場合が多かったので、村自体自治の為にそれ相応の予算を掛けねばならなかったでしょう。
戦になれば田畑は刈り取られ火を付けられたりもしますし。
それと戦国期には夫役(一種の税)として「戦役」もありました。
これ等の戦を逃れる為に、兵糧や軍資金の供出を行い、戦に巻き込まれないよう免状を受けた等もあります。
こういった生活を気楽かどうかは感じる人次第ではないでしょうか?
確かに今の「口を利けない空気」は重苦しいので嫌ですが、代わりに「殺し殺される自由」を貰うのも考え物です。
ただ、今の日本の格差の拡大は確かに問題ですが。
いやー、兵役はキツイものがありますねえ。(笑い)
それでも税が一律ではないってのが面白いなと思いました。
ご回答ありがとうございます。
No.5
- 回答日時:
>戦国時代の五公五民とかとんでもないなーと思いつつ
それがそうでもないのですよ。というのは、太閤検地ってご存知でしょ?豊臣秀吉が全国規模でやった大規模な土地調査です。この太閤検地以前は実測に基づいた石高調査ってなかったのですよ。
じゃあ石高ってどうしていたのかというと、自己申告なんです、自己申告。今の確定申告でいうなら、税務署が「去年の収入いくらっすか?」と聞いて「まあ、300万円くらいっすね」と答えたら「じゃ、それに基づいて税金払ってくださいね」だったんです。
まあそうなりゃ誰だって過少に申告するのは当たり前のことです。300万円だったら、まあ180万円くらいっすねと答えるに決まっています。だから太閤検地ってのは「申告されていない田んぼってのがどのくらいあるかの実態調査」でもあったんですよ。マクロ経済ってのは、統計調査を抜きで語れないじゃないですか。
時代は下って江戸時代も五公五民とか六公四民とかいわれていますが、その江戸時代の確定申告の基礎となっていたのがこの太閤検地だったりしたのです。そう、時代によっては100年も150年も前の資料に基づいて算出されていたのです。だけどその間に新田開発やら何やらあるわけですよ。基本的に江戸時代ってのはインフレの時代で、時代が下がるにつれて新田開発と技術の進歩で米の生産量は増えていたのです。当時の日本は金本位制度ならぬ米本位制度で、お米がお金に替えられたので米の生産量が増えればインフレになるわけで、そうしたら税率を上げないとやってられないわけですね。
本来は検知して実態調査をしなきゃいけないのですが、機械も電卓もない時代に測量ができる人ってのはすごく数が少ないわけですし、それぞれの藩は半独立国家ですから幕府も干渉はできないのです。
幕末の志士勝海舟のお父さんの勝小吉さんという人は旗本、つまり幕府の直接の家臣だったんですね。で、命じられて信州の幕府直轄地の石高の実態調査に行ったんです。だけど小吉さんは江戸生まれの江戸育ちの根っからの江戸っ子だから信州に縁がないし、その調査で自分の給料が変わるとかそういうものでもなかったんですね。だから、ずいぶんといい加減な調査をしたそうで、小吉さんは半生記に「手心を加えてやったらさ、ずいぶん喜ばれたよ」と自慢げに書き残しています・笑。たぶん、関係者から相当袖の下があったと思われます。
自己申告、もしくはいい加減な実態調査に基づいた税率だったのです。だから江戸時代って平和だったんです。つまりね、農民は江戸幕府の支配と税率に大きな不満を持ってなかったということなんですよ。よく徳川家康が「農民は生かさぬよう、殺さぬようだ」と言い残したといいますが、あれはとんでもないウソで、実は明治政府の陰謀だったという話は、また別の機会にしましょう。
そして商人に対する税金なんですが、江戸時代はですね、幕府のお偉いさんがこんな言葉を残してるんです。「商人というやつは、人が作ったものを右から左に受け流してその上がりをとる誠にけしからん奴らだ。そんな奴らから税金を取るのは穢れた商売を認めるようなものだから腹が立つ」
だからね、これから質問者さんが「な、なんだってー!」と叫ぶようなことを書きますが、当時(戦国時代も含む)はいわゆる法人税(所得税)がなかったんです。いくら儲けても、その儲けに対する税金はなかったのです。ただ、座とかがありましてね(楽市楽座ってご存知でしょ?)、その座に参加するときは組合費みたいなのをとられたわけです。それが実質的な税金です。それさえ払えばいくらがっぽがっぽ儲けても全部自分の懐です。
だから、江戸時代の大店ってのがとんでもないお金持ちだったというのも納得でしょう?例えば組合費が年間100万円だったとしたら、年商1億円でも100万円、年商100億円でも100万円です。
あとは関所を通るときに通行税をとられたりはします。それで、戦国時代は京都から大阪まで小規模な領主が林立していまして、彼らが街道に関所を設けては通行税を徴取していたんですね。最盛期には30ヵ所くらいあったんだとか。商人としてはそりゃたまらないわけですから、そこを征服して関所を一掃した織田信長を商人たちはこぞって支持したのです。
織田信長でも、武田信玄でも上杉謙信でも、その地域を統一した政権があると、治安も安定する(合戦が起きない)し、関所も廃されます。いわゆる「御用商人」になれば何かと便宜も図ってくれるわけですよ。だから有力戦国大名の背後には、彼らを支持する商人たちがいたわけです。これでなぜ一介の町人である千利休(博多商人)があんなに大きな力を持っていたかがお分かりでしょ?
ただ商人は、権力者から何かと「無心」されるわけです。江戸時代の大名は返せるアテもないのに「金を貸してくれ」と来るわけで、御用商人であればなかなか断れません。またときには「このへんの治安を守っている、新撰組っちゅう者だ。ご支援頂きたい」なんて輩もやってくるわけです。こういうのは、税金には入りませんが税金みたいなものですわね。
戦国時代も、堺が織田信長から「金を払うか、町を焼き払うか」と脅迫されてお金をとられた話は有名です。
ちなみに、戦国時代はいわゆる「国境地帯」では双方に年貢を納めるというのがありました。例えば埼玉県の秩父地方は関東の北条家と甲斐の武田家の国境地帯だったので、双方に年貢を納めていました。その税率は、交渉で決まっていたようですよ。
戦国時代と江戸時代の税と経済って実はすごく面白くて、「武士の家計簿」の原作者で最近よくテレビで見かける磯田道史氏やそれに近い研究者の人たちは「戦国時代は実は高度成長期だった」と指摘しています。日本史における低い身分からの成功者といえば豊臣秀吉と田中角栄が東西の横綱ですが、田中角栄が戦後の高度成長期に権力者の階段を駆け上がったように、秀吉があの時代に成り上がれたというのは、そういう「時代の熱気」があったのだと思います。
秀吉を始め低い身分から成り上がった人物は枚挙にいとまがなく、かぶき者なんていう前衛芸術をする連中がいて、フィリピンやタイなど各地には日本人街があり、日本人は積極的に外に出ていて、ついでに農民町人クラスでは子供ができた場合その父親が誰かは気にしなかった(本当の話しで、父ちゃんが戦さに行ってる間に母ちゃんが妊娠しても「良かったじゃん。子宝に恵まれて」といわれていたのです)。戦国時代とはそういう時代だったのです。
一億国民みんなが(改正前の)白色申告!
みたいな感じだったわけですね。
昔、重税、今、楽ちんみたいな考え方は誤っていたんだなぁと非常に勉強になりました。
ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
どちらの方が高いかということになると、なかなかに判断できない面があります。
一つは、現代では税金は金銭で支払うのが基本ですが、昔には金銭以外で支払う場合が多かったからです。
主な納税物はお米ですが、お米以外にも農作物でも漁による海産物でも収穫の良い時と、悪い時では状況が変わりますので、収穫の悪い時の納税は厳しく、豊作の時の納税は比較的緩やかという差が生まれました。
また、金銭や物品による納税以外にも、労役・使役と呼ばれる労働による義務(税金の一種と考えられます)があったため、戦乱の多い時期には城や砦の建築作業に借り出され、平和な時でも治水の為の河川の護岸工事や用水路の整備に、天災による街道の破損などの修復工事でも同様に労役として借り出されたため、ただでさえ生産性の悪かった農作業が出来なくなる上に、重労働だったので、労役・使役が多い時はとても大変だったようです。
また、幾らかの報奨金が出たこともあるようですが、徴兵されて、戦争に参加することも納税の一種のように義務であった為、兵役も非常に厳しい税金となった場合も多いようです。特に働き手となる若者が兵士として出征すると、戦死する事もあるわけですから、家族の少ない農家ではかなりの痛手であったようで、昔の農家はとにかく子供を沢山持たなければやっていけない(労働力として)ということもあって、農家では大家族も多かったのです。
しかし、食べる口数が増えるのは、食べ物が納税品だっただけに、生産量>消費量であれば問題はないのですが、収穫量が安定していないので、時に大家族であると口減らしが必要になることもあったようです。
労役や兵役も、富裕な人々は、金銭などで免除されたり、軽減される事もあるようですので、これも一概には言えませんが、底辺の人々にとっては大変なものであったと推察されます。
なるほど!
いちおう、文化系の仕事に携わっているので戦争などの肉体労働系ってのはキツイなあと思いました。
どんな時代にも善し悪し、といったところでしょうか。
ご回答ありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
国によって違うでしょ?
今みたいに庶民が中央に税金を納めていたわけではないですし
その土地の領主に収めていたわけで
領主の政策によって税率も違いました
北条氏康の様に四公六民もあれば
松永久秀の様に六公四民の国もある
けど米による納税のほうが大変ですよ?
凶作で米が不作でも決まった量を収めなければならない
かつ自分たちが食べる分も確保しないといけない…
信長の時代になって緩和されましたが それ以前は他国間での米のやり取りは禁止されていました
米が取れないからと言って豊作だった隣国から貰ったり買い受ける事は出来ませんでした(商人は可能でしたが農民は禁止でしたね)
さらに米だけではありません
反物やその土地の名産 または美人が居ればその女の子まで税金代わりとして納めなければならない
と こんな理不尽な制度が戦国時代はまかり通って居ました
これでも戦国時代の方が気楽だったと言えますか?
No.1
- 回答日時:
私は戦国時代の方が高かったと思います(金額的ではなく国民の負担として)
各国の諸大名が地方を治めている訳で、国税は無くて、地方税です。
庶民の収穫物から物納していた訳ですが、戦国時代ですから、軍備や兵隊への資金や扶持米を維持するためには、通常で20%程度のものが、40%程度まで跳ね上がっていたと考えられます。この%は生産量の割合として書きましたが、実際は絶対値ですから、戦場になって農場が使えなくなったり、不作でも、その量を収めなければいけませんから、庶民に残るものも非常に限られた時期もあると思われます。と言うことは80%に相当する時もあったのでしょう。
また、近代国家の税金は、公共投資や国民サービスに使われる考えですが、当時はこんな見返りは無かった訳で、ただ、搾取されていただけでしょう。
そういった意味では見返りの無い高い税金だと言えます。
現在の税金は、日本の不景気時代の財政赤字、少子高齢化による社会保障費の確保などの要因により、高度成長時代に比べれば高い税率となっています。
しかし、戦国時代に比べれば国民の為に使われる税金であり、税率も消費税以外は所得金額に応じた段階税率です。
社会福祉がないってのは辛いですよね!
受益者負担との全体性を考えるということにまで思いが至りませんでした。
非常に勉強になります。ありがとうございます。
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