No.13
- 回答日時:
#8です。
>「寒」の歴史的経緯は、日本語初心者に対しては混乱させそうなので省きたいと思いますが、…
:
これを省いたらそもそもの意味が通りません。
漢語の歴史において「寒」と「冷」が類語であったことに触れましたが、和語においては次のような流れがあります。
まず奈良時代において「冷(さ)む」は「熱が去る」意味の自動詞でした。
そして次のような強調構文を経て独自に形容詞が生成します。
「肌し、冷む-し(私の肌、それが、何もなくて冷える) ⇒ 寒(サム)シ
大和し、潤(うる)は-し(大和の国、それは、山河緑に潤っている) ⇒ 愛(ウルハ)シ
心し、甚(いた)-し(私の心、その心が、堪え難くいたむ) ⇒ 痛(イタ)シ」
引用:吉田金彦「国語意味史序説」明治書院
ですから、現象の動詞「冷む chill」で齎された事態「冷(つめ)たい cold」が、特に私の肌には状態動詞「冷(ひ)える get cold」となり、そのことを限定的に形容するため生まれた語句が「寒(サム)シ chilly/cold」なのだ、と。
そして、この場合の「肌し、冷む-し」を齎す力は冬という季節のそれであり、延いてはそれに準じた気象条件なのだ、と。
その結果詩歌においては「寒」は冬の季語として既に千年余の歴史を閲しているものです。
このことが総てだという積りではありませんが、「肌冷 ⇒ 寒 =冬の季節」という側面を無視されず日本語初心者にも教えていただだけたらと念じます。
再度の回答ありがとうございます。
相手が日本語初心者で詩歌や古語よりも、日常会話のほうがということも考えて、
今回の説明は二つの形容詞の使い分けだけに限定しました。
もう少し、相手が上達したらぜひ参考にさせていただきたいと思います。
No.12
- 回答日時:
似た言葉の違いを調べるには、類語辞書をおすすめします。
うまくヒットすると、それだけで解決します。ご質問の場合はひと手間かかります。
意外なことに、「寒い」と「冷たい」は類語の扱いにはなっていません。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/12991/m0u …
冷たい(つめたい)/冷え冷え(ひえびえ)/ひんやり
に共通するのは「★物の温度が低く、触れると熱を奪われるように感じる」こととのことです。
解説中に「冷たい」と「寒い」が出てきます。
〈「寒い」が、不快な感じであるのに対し、「冷たい」は、快い場合にも不快な場合にも用いる〉
今度は「寒い」をひきます。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/12988/m0u …
寒い(さむい)/肌寒い(はださむい)/薄ら寒い(うすらさむい)
に共通するのは「★気温が不快に感じられるほど低いさま」 こととのことです。
No.11のコメントにもあるとおりです。
『空気や気体は「寒い」、液体・固体の場合は「冷たい」』ということです。
さらに言えば、「寒い」は不快な場合限定で、快適な場合は「涼しい」になるのでしょう。
ネット上には各種の辞書があります。主な辞書は下記をご参照ください。
【日本語関連のサイト集──辞書・誤用……etc.】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n118359
ありがとうございます。
日本語に訳してしまうと同じでも、元の日本語が類義語でない場合もあるんですね。
(この場合は、「clod」→「寒い」「冷たい」。まあ「寒い」に該当する英語もありますが...)
役に立つリンクありがとうございました。
No.11
- 回答日時:
本質的には、
・寒い=温度の低さが体表面に留まる感覚。
・冷たい=温度の低さが体の内部にまで浸透する(かのような)感覚。
ではないでしょうか。
氷などに直接触ると、その温度の低さが体内にまで入り込んでくるかのような感覚になり、それを「冷たい」と言う。
触らずに、冷気だけを感じる場合は、皮膚感覚として温度の低さは感じても、体内にまで入り込んでくるという感覚ではないように思いますし、その場合は「寒い」。
「冷たい北風」「寒い北風」などは、どちらも言えますが、表現する本人が、その温度の低さを体表面的に感じているのか、体内にまで入り込んでくるほどのものと感じているのか、によって異なるのだと思います。
「寒い水」と言わないのは、水を体表面だけで感じるのは難しい感覚が人間には備わっているからでしょう。
こうした意味で、
『空気や気体は「寒い」、液体・固体の場合は「冷たい」』
というのも、まんざら間違いとは言えないでしょう。
空気や気体は表面的に作用しがちですし、液体・固体はさらに奥まで影響を及ぼしがちですから。
ただ、空気や気体でも、極端に温度が低かったり、強く吹き付けてくるような場合には、もはや空気・気体という表現がそぐわないほどの力を持つことがあり、その場合には、空気・気体という概念とは一線を画した状態で感じてしまうものだ、ということだと思います。
No.10
- 回答日時:
エアコンの冷たい風で部屋が寒くなった。
つまり、全身で感じるのが寒い、体の一部で感じるのが冷たい、です。
エアコンの風が冷たいかどうかは、顔や露出している腕、脚、肩、背中など体の一部で感じ取っています。
外国の方はよく風邪をひくと、足湯をします。
足は熱いお湯で確かに暖かくても、全身の寒気はとれません。
このときに感じている寒気が健康な時に周囲の冷涼な環境からくる感覚と同じですから、この感覚を寒いというのだと言えば分かるかと思います。
足湯を使いながら、薬をのむために、手にもった水をいれたコップは冷たいコップということになります。
暑いと寒いの間の「涼しい」を説明してもわかるかと思います。
「涼しい」はあくまでも全身が受ける感覚にたいするときにのみ使われる言葉ですから、涼しいよりももっと低温に感じる時を寒いという、と説明されてもよろしいかと思います。
「涼しいげな水」という風に叙情的表現で使われることはあります。
これについては、冷たい色、暖かい色、と同じ使い方だと言えば分かるかと思います。
但し、水の場合は、常に冷たいが使われます。
シャワーの水は、常に熱い、冷たい、ぬるい、と使われて、寒いシャワーとは使いません。
「プールの水が冷たい」「冷たい海の中」などと使われます。
寒い水とは使いません。
寒い海は、詩などの叙情的装飾文以外では使いません。
寒い北国の海、寒い冬の海 という使い方となります。
感覚を表現する言葉を言葉だけで説明するのは、至難の業です。
同じ感覚を受けるであろう、状況を説明したほうが、より的確に伝わるかと思います。
蛇足
日本語には寒暖自知という言葉があります。
教えなくても体験すれば分かる、という意味です。
逆に言えば、体験しなければ分からいことを指して使います。
理屈で理解しても理解したことにはならない、体験して初めて理解できる、というようなニアンスで使われます。
No.9
- 回答日時:
NO4です。
ドライアイスの場合も、間違えて触って、まず、手が温度を感じますね?それは「冷たい」なのです。皮膚が感じる感覚、そのものが「冷たい」。対して、「寒い」は、その感覚を心がどう思うかです。
客観的と主観的。これが一番わかりやすい区分でしょうか(日本語初心者にはどうかわかりませんが)。
温度の話から離れますが、「あの人は冷たい」と「心が寒い」。前者は、自分への仕打ちなどから、客観的に、相手の心の温度を探っていいるようなものです。後者は、自分が冷たい境遇にあるのを主観的にとらえて、悲しむ意味で言っているのです。
No.8
- 回答日時:
1)物品の温度(形容詞)
冷(つめ)たい ⇔ 温(あたた)かい
(cold) ⇔ (warm)
2)気象の温度(形容詞)
寒(さむ)い ⇔ 暖(あたた)かい
(cold/chilly) ⇔ (warm/mild)
3)身体の感覚作用(自動詞)
冷(ひ)える ⇔ 温(ぬく)もる
(get cold) ⇔ (get warm)
もともとは「寒(北方での乾燥し物が乏しい氷のつめたさ)」にも「冷(澄み切ったつめたさ)」同様に「つめたい」意味がありました。
・風蕭蕭として易水寒し。
・冰(こおり)は水これを為して、水よりも寒し。
ただ「寒」の方は二十四気の一つとして、わが国では古来「寒の入り・寒の明け」「寒波」など季節の表現としてきた事情から、特に気象での温度変化に関わってきました。
ですから直接的に季節や気象現象に及ばない対象は、物品はもちろん単独での空気や風も「冷たい」と呼びます。
回答ありがとうございます。
「寒」の歴史的経緯は、日本語初心者に対しては混乱させそうなので
省きたいと思いますが、「季節や…」などの説明はよさそうですね。
No.7
- 回答日時:
思い出したことがあるので、これもまた寝言です。
「乾風」とかいて「あなぜ」と読みます。(下記)
http://www.47news.jp/feature/sake/2010/03/49.html
長崎の祖父母から聞いた諺に「さぷか北かじぇ、ちんたかあなじぇ」というのがあり、(寒い北風、冷たいあなぜ」という意味です。なんだかこんな所に二語の区別の原点があるように思います。
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