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よく使われる「~屋」という表現ですが、 基本的に「~屋」は名詞の後に付くのですが、 タイトルにあげた「分からず」も名詞と考えていいのでしょうか???
後、「弄られ屋」「殴られ屋」の「弄られ」、「殴られ」などいろいろありますが… これらも名詞化したと考えていいのでしょうかね~?

A 回答 (17件中1~10件)

#15です。


「大辞林」編集室より回答が届きましたので、以下に要点を記しつつご報告いたします。
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1.「わからず」は、助動詞「ず」の連用形からの転成名詞というよりは、文語の「ず」を使った句としての用法ととらえ、「水入らず」などと同じく『名詞としてのふるまいをする名詞相当句と考えられる』ということでした。
下記辞書の一ではなく二の用法と捉える、ということなのでしょう。
http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?sea …

2.
形容詞は名詞相当の語に接辞が付いて形容詞として活用語となると考えられる。
また副詞は、たとえば「のんびりと」の場合は副詞とも考えられますが、「のんびりする」のようにサ変動詞の語幹となる場合はこれも名詞相当と考えることができる。

3.
以上から、接尾の「屋」の接続について、現行の語釈のように「名詞」にのみ限定するのはご指摘のようにいささか限定しすぎですので、「名詞もしくは名詞相当の語」とすべきかと思われる。
「屋」は活発な造語力を示す接辞と思われますので、引き続き検討してまいりたいと思います。
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質問者さんの素朴な疑問と、#12さんのご指摘によって導かれた回答だと思っており、わたしも大変勉強になった次第です。
改めて御礼申し上げます。
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No.15の方のご発言の中で、わたしに関わっているものについて、いくつか見解を述べておきます。



>次善策として、たとえば格助詞「の」が、≪名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。≫と定義されているようなので、「開かずの間」「遣らずの雨」なども名詞と言えるはずだ、といった観点も持っているところです。
おそらくですが、これも転成名詞ということになるのでしょう。
【動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたもの】につく、という記述を書き忘れた可能性もあるかもしれませんが、どこかの辞書に忘れず書いてあるようなら知りたいものです。

 「などに付く」の「など」には、例示の意味があり、それ以外にもあり得る意味と理解しています。「それ以外」に何があるのか。
 『体言あるいは体言と同資格の語句をうけ、』(日本文法大辞典)とあります。
《名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。》を名詞はふつうなので他を一例ずつ挙げます。「懐かし(の)、あわれ(の)、まさか(の)、ばかり(の)、逢ひ見<て>(の)、昔<ながら>(の)」。さて、それ以外に何があるのか。「開かずの間」「遣らずの雨」などでしょう。これについては別の場所で述べたいと思います。

 「教条主義」とはわたしが持ち出した言葉なので、これが話題になって欲しくはありません。わたしとして分かりきったことを改めて口にするのに、多少のはにかみがあったために、自嘲のつもりで言った言葉で、他の人のことを対象にしたつもりはありません。どうか無視してください。

 No,13でのご意見に関しても多少付け加えます。

>「淋しがり屋」というのは、形容詞語幹「さびし」+接尾語「がり」+屋です。「淋しがる」という動詞はありません。
 
 「がる」はおっしゃるように接尾辞ですが、「がる」そのもに活用はありません。まず、「淋しい」の語幹に「がる」
がついて「淋しがる」という動詞ができ、その動詞の活用したものの連用形が「淋しがり」です。「がる」は動詞を作る接尾辞ということですね。

4.でわたしが挙げた「~屋」の事例を分類していただきましたが、(ア)名詞と(イ)転成名詞とに二分する必要はないでしょう。転成名詞と言えども名詞は名詞ですから。

 (ウ)形容詞語幹(エ)副詞はお説のとおりでしょう。ただ、この時点で「名詞に付く」説は否定されていますが、日本文法大辞典で「の」について言った「体言と同資格の語句」というのはここでも応用出来ると考えれば、(ア)(イ)(ウ)(エ)すべてそこに含まれると考えることは出来ましょう。(オ)については「た」を連体形ではなく「終止形」と考えることも可能で、それは「分からず」「遣らず」「開かず」の場合も同じですので、これに付いては別途意見を申し上げます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
勉強になります

お礼日時:2014/08/09 15:39

#13です。


#14さんの投稿に応じる形でお邪魔いたします。

1.
>ところが#11で引用した小学館「国語大辞典」においては「わからず-や」も「わからず-じまい」も下接語はどちらも同列において「語素」としています。
ですから必ずしも「同じ用法とは限らない」わけではないことをご確認ください。

非常に興味深い情報です。
同じ小学館の大辞泉で、語素は【接頭語・接尾語以外のもの】と明記されていますし、「わからず屋」は接尾語として分類されています。
同じ会社でありながら統一されていないのは困ったものですね。

・・・と、ぼやいていても仕方ないので、両者の違いについて再確認してみましょう。
「語素」に関して、大辞泉の【単語を構成する、意味を持った最小の単位。複合語や派生語の構成要素で、接頭語・接尾語以外のもの】という説明が非常に分かりやすいのですが、いかがでしょうか。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/79458/m1u/% …
また、「接尾語」に関しては、【語構成要素の一。単独では用いられず、常に他の語の下について、その語とともに一語を形成するもの。意味を添加するもののほかに、上の語の文法的機能を変える働きをもつものがある。】という説明があります。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/124781/m1u/ …
これらから解釈すると、「語素=単独で意味を持つ単語」「接尾語=単独では意味を持たない単語」と言えるように思います。(違っていたらご指摘ください)

ここで「屋」の意味を再確認してみましょう。
名詞と接尾語の両方があります。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/220985/m1u/ …
名詞は単独で意味を持ちますから、「一軒家」などの場合は語素であり、複合語ということになると思います。この場合の単独の意味とは「家・建物」でしょう。
一方、「本屋」などは「本の家」という意味ではありません。つまり、「屋」は単独の意味を持たず、そのため接尾語に分類されているのだと思います。
「分からず屋」も「屋」には単独の意味はないと考えるのが妥当だと思います。
接尾語に分類されているから、という理由もありますが、それ以外にも意味的に言ってもそう判断するのが妥当でしょう、という意味。

色々述べてきましたが、要点は、たとえば「一軒屋」と「本屋」では「屋」の用法が違うでしょう、ということです。
ですから、語素と接尾語、名前はどうでも良いのですが、違う用法であることは押さえておく必要があるでしょう。
「わからずじまい」は、語素だから【 動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたものに付いて、(…しないで)終わってしまった、の意を表す】という用法があるのであって、接尾語である「わからず屋」と同列に論じることはできないのではないか、ということを言っているわけです。
「国語大辞典」で語素の意味を確認なさってみてください。おそらくですが、接尾語は語素のひとつとして分類されているのではありませんか。
どちらにしても、分からず屋の「屋」が単独で意味を持っているとは思えませんよね。
これは、やはり接尾語と解釈するのが自然でしょう。名称はどうあれ、「単独で意味を持つ」という意味の語素ではないと思います。

2.
>あえて名詞であると主張するためには、逆に一般に主語になることができるかという説明が求めらます。

「一般外」のケースもおそらく多いはずなのですが、この点に関しては知識不足の当方としては辛いところですね。
次善策として、たとえば格助詞「の」が、≪名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。≫と定義されているようなので、「開かずの間」「遣らずの雨」なども名詞と言えるはずだ、といった観点も持っているところです。
おそらくですが、これも転成名詞ということになるのでしょう。
【動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたもの】につく、という記述を書き忘れた可能性もあるかもしれませんが、どこかの辞書に忘れず書いてあるようなら知りたいものです。

3.
>まず「転成名詞」という用法に不用意な思い込みがありませんか。
「分からず屋」は<合成語>の問題であって<転成名詞>のレベルを直接に論じてはいないということです。

たぶん、わたしの説明不足だと思いますが、わかりづらかったでしょうか。
合成語には複合語と派生語がありますよね。上記の繰り返しになってしまいますが、複合語だとすれば、「わからずじまい」が、語素だから【 動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたものに付いて、(…しないで)終わってしまった、の意を表す】という用法があるように、「分からず屋」も同じ用法である、と言えるかもしれません。
しかし、派生語であるなら、つまり、接尾語であるなら、必ずしも、【 動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたものに付いて】という用法とは限りません。
つまり、名詞である可能性もあるわけで、仮に名詞だとすれば転成名詞である可能性もあるのではないか、ということを言っているわけです。
【 動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたもの】がなぜ(転成)名詞となるのか、については、すでに述べていますから、繰り返しません。
これが、合成語の問題が転成名詞の問題になる経緯です。
ですから、『「屋」は「名詞」でありまた「接辞(この場合は接尾語)」であり、その両義性において「語素(語の造語成分)」とされています。
ですから「動詞連用形+語素(≒接尾語)」という複合語ないし派生語です。』と言ってしまったら、身も蓋も無くなりませんか。^^;
複合語なのか派生語なのか?が論点ではないのですか?

4.
>当該辞書は単に名詞を「名詞」としているだけで、何も「転成名詞」などに限っているわけではありませんが、なかには主語として使えない副詞的な「逆接(に)」や「すりひざ(で)」をも「格助詞がつく点でも他の名詞と同様な性質を持つ。そういうものは、本書では名詞と認めた」と断っている「岩波国語辞典」もあります。
また、「分からず・屋」は動詞連用形としてでなく古語での終止形として名詞扱いされているという見方もあり得ます。

名詞主張者としては、編集部からの回答もこのような内容であることを期待しているところです。
まあ、どちらでも編集部の見解がはっきりすれば良いのですけどね。
貴重な情報をありがとうございます。

5.
>要は辞書は辞書としの役割の範囲を心得て活用すべきであって、手ごろなな文法書代わりにして、それは辞書に載っているかとか、辞書のどの項に該当するといった安易なやり方は無い物ねだりになってはいないでしょうか。

これは、たぶん違うとわたしは思います。
辞書の役割は辞(言葉)について正しい解説をすることでしょう。
紙数が限られますから、論文のように詳細な記述は無理ですが、だからこそ簡潔に要点を示す必要があります。
そして、要点さえ正確に記されていれば、あとは(辞書に限らず何でもそうなのですが)読む側の解釈に委ねられることになります。
辞書はすべてを網羅的に説明する必要はありませんが、矛盾したことを書いてはいけません。
本質部分だけを抽出して記述しさえすれば良いのです。その記述に矛盾が無ければ、あとは読み手の解釈しだいで正しい結果を得ることができます。
人間が作るものですから、間違いもあるでしょう。
それは指摘して訂正・修正を重ねていけば良いのであって、言葉の意味を調べる際には、もっとも有効な手段だと思います。

6.
>このカッコつき「教条主義」はあくまでも相手に向かってのそれでなく、自身への謙遜・はにかみに関わる遊言葉ですが、それでもいとこと言いたい人がいるのだということは以降心します。

相手であれ自身であれ、論理的に自説を展開するに際しては、教条主義であれ、何主義であれ、気にする必要はないのではないか、ということを申し上げただけです。
今回は、わたしもつい辞書に引っ張られすぎた感もありますから、教条主義と言われてもしかたない一面はあったかもしれません。
そのため、「形容詞と形容動詞の語幹+屋」という、普通に使っているはずの言葉に気づくことができませんでした。知識不足なのか、想像力不足なのか・・・。
#12さんの挙げられた「形容詞と形容動詞の語幹+屋」は、辞書の記述を誤りと指摘するに十分と判断して構わない論理的要素を含んだものであり、その意味で画期的と言えるように思います。
いずれにせよ、是々非々が一番じゃないですかね。
   
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この回答へのお礼

私みたいなものは辞書が頼りですからしっかりした要点を載せておいて欲しいものですね~

お礼日時:2014/08/06 08:47

#11です。



#13さんのご指摘に関して。

1.
「語素」とは小学館「三国」で使ったものですが、今では三省堂など他の辞書も採用しています。
http://kotobank.jp/word/%E8%AA%9E%E7%B4%A0?dic=d …

その元となる「造語成分」という言葉を使ったのは、そもそもが三省堂「改定明解国語辞典」1952年です。
「複合語を構成する、上位・下位のことば。例、社会科=社会+科。上位の成分で一番造語力の弱いのが接頭語、下位のそれは接尾語。」としています。

つまり、合成語の内、語基と語基=複合語、語基と接辞=派生語と分けた場合に、その中間ゾーンに位置する造語性の色濃い接辞とみるか、語基性の弱い複合語とみるか分かれるところです。
そのような二傾向の両義性については既に#5で指摘しています。

>「分からず仕舞い」と「分からず屋」の「分からず」が同じ用法とは限らないからです。
 :
ところが#11で引用した小学館「国語大辞典」においては「わからず-や」も「わからず-じまい」も下接語はどちらも同列において「語素」としています。
ですから必ずしも「同じ用法とは限らない」わけではないことをご確認ください。

なお、各社の辞書における「語素」の扱いを研究した次の論文がありあます。
参考:山下喜代「国語辞典における語構成要素の扱いについて」
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/ …

>「かもしれません」と申し上げたのは、仮に同じ用法だとしても、名詞以外の項目に分類されているからといって、必ずしも名詞でないことにはならないからです。
 :
ですから「さまざまな語」です。
#9さんがご指摘のように、あえて名詞であると主張するためには、逆に一般に主語になることができるかという説明が求めらます。
「?ここにも<分からず>がたくさんいます。」「?それが<分からず>の悲しい性ですね。」
そこで<分からず屋>になって初めて名詞として主語となって統語構造が取れます。
「〇ここにも<分からず屋>がたくさんいます。」「〇それが<分からず屋>の悲しい性ですね。」

>『動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」』は転成名詞ではない、と主張する場合、この点に関して明確な説明が求められることになるでしょう。
 :
まず「転成名詞」という用法に不用意な思い込みがありませんか。
「分からず屋」は<合成語>の問題であって<転成名詞>のレベルを直接に論じてはいないということです。

「動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたもの」は、広く括ればこれも一種の「動詞連用形」といえますが、また、「屋」は「名詞」でありまた「接辞(この場合は接尾語)」であり、その両義性において「語素(語の造語成分)」とされています。
ですから「動詞連用形+語素(≒接尾語)」という複合語ないし派生語です。
これが、おなじような複合語でも動詞連用形+動詞連用形の「食わず嫌い(先入観での拒否反応が著しい人)」は複合語として名詞化しています。
だからと言ってどちらも転成名詞となった上で複合語になったと考えなければならないわけではなく、単に動詞同士の複合語が名詞となったケースとみれるでしょう。動詞連用形の畳語の形で生まれた「知らず知らず」場合でも、それぞれが転成名詞あるべき必要もなく、単に動詞の複合語として副詞となった例です。

2.
当該辞書は単に名詞を「名詞」としているだけで、何も「転成名詞」などに限っているわけではありませんが、なかには主語として使えない副詞的な「逆接(に)」や「すりひざ(で)」をも「格助詞がつく点でも他の名詞と同様な性質を持つ。そういうものは、本書では名詞と認めた」と断っている「岩波国語辞典」もあります。

また、「分からず・屋」は動詞連用形としてでなく古語での終止形として名詞扱いされているという見方もあり得ます。
あるいは、「飲まず食わず」などは連用形中止法として、あるいは例えば「見えず、分からず」といった並列・対比用法としてそのまま慣用句化したものもあるといえます。
要は辞書は辞書としの役割の範囲を心得て活用すべきであって、手ごろなな文法書代わりにして、それは辞書に載っているかとか、辞書のどの項に該当するといった安易なやり方は無い物ねだりになってはいないでしょうか。

3.
このカッコつき「教条主義」はあくまでも相手に向かってのそれでなく、自身への謙遜・はにかみに関わる遊言葉ですが、それでもいとこと言いたい人がいるのだということは以降心します。

4.
「現代日本語における[X+屋]型派生名詞の構文的多義性」は大作でもありまだ読みこなしてもいませんので、この辺のコメントは後ほど、直接お話の叶うご質問(http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8699588.html)のほうにて取り上げるのが筋だと考えます。
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この回答へのお礼

なるほど…

お礼日時:2014/08/06 09:05

#10です。


まだ開いているようですので、皆さんのご回答を拝見した感想などを若干述べさせてください。
まず、辞書を批判するのは(わたし自身も良くやりますし)大いに結構だと思いますが、その論理展開には整合性が必要でしょう。

1.
たとえば、「語素」と「接尾語」という違いがあるにも拘わらず同列に論じようとするのも好ましくありません。
「分からず仕舞い」と「分からず屋」の「分からず」が同じ用法とは限らないからです。
もし、批判するのであれば、同じ用法であることの根拠から述べてはじめる必要があります。そうすれば、矛盾点を指摘することができるかもしれません。
「かもしれません」と申し上げたのは、仮に同じ用法だとしても、名詞以外の項目に分類されているからといって、必ずしも名詞でないことにはならないからです。
たとえば、「屋」に関して、『(3)種々の語について、そのような人を軽蔑し、ののしって呼ぶのに用いられる。』のように、【名詞以外】の項目に分類しているように見えても、「気取り(屋)」など、名詞であることが明らかな例が挙げられていることからもおわかりになるでしょう。
この場合、「気取り(屋)」は名詞であるが、「分からず(屋)」は名詞でないことを説明する必要が出てきますよね。(単に用法をわかりやすくするために項目を分けているだけであって、名詞とそうでないものを分けるためではないのだろう、と個人的には思っていますが。)

また、このことから、「未然形+助動詞」は(転成)名詞ではない、とは言い切れないということも明らかでしょう。
端的に言うと「種々の語」に名詞が含まれないとは、どこにも書いていない、ということです。(実際に「気取り屋」という名詞の例が挙がっているわけですし)
動詞連用形でなければ転成名詞と見做せない、とお考えになる方もいるかもしれませんが、ちょっと違うような気がします。
つまり、助動詞が含まれても良いのではないだろうか、ということ。
たとえば、「淋しがり屋」というのは、形容詞語幹「さびし」+接尾語「がり」+屋です。
「がり」は「がる」の連用形ですが、「淋しがる」という動詞はありません。
「がる」は、あくまで、《動詞五(四)段型活用》をする接尾語です。
つまり、動詞連用形でなくとも、それに準じる単語であれば適用可能だと判断するのが自然だと思います。
『動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」』は転成名詞ではない、と主張する場合、この点に関して明確な説明が求められることになるでしょう。
  
2.
とはいうものの、「名詞につく」と限定している辞書は少数派のようです。
さきほど書店で4,5冊だけ立ち読みしてみましたが、「大修館辞典」というのが明記しているだけで、他は見当たらなかったように思います。
「分からず」を名詞と言い切るには、そこそこ勇気の要ることなのかもしれません。
ただ、大辞林や大辞泉などは、勇気があるのか、単なる記載ミスなのか、あるいは勘違いなのか、はっきりさせる必要はありますよね。
「分からず」を名詞と考えるのには、それなりの違和感を覚えるのは自然ですし、納得いく説明が必要だと思うからです。
大辞林編集部と文化庁国語科に問い合わせているところですが、締め切りまでに間に合うようなら、そして、何より回答が得られれば!?ですが、開陳させていただくつもりです。

3.
教条主義という言葉も垣間見えますが、これは、あるものを機械的に信奉する姿勢を意味しています。
辞書に書いてあるからというだけで全て信じる、専門家の言うことだから全て信じる、などの場合。
この逆が、批判するときは批判し、信じるときは信じる、という姿勢。
これは是々非々という立場ですから、信じるときは信じるという場面だけを切り取って、これを教条主義と批判するのは、木を見て森を見ず、ということになるでしょう。

4.
#12さんが挙げておられる例は興味深く拝見しました。
これらについて検証してみるのは重要なことだと感じます。
個人的には、次のように分類できるかと思います。
(ア)名詞
○ぞっき屋・○ばった屋・○ばた屋(ごみ箱の蓋をばたばたさせるところから来ているようだが、擬音語は一般名詞にもなり得るという説を採用)・○トップ屋・・○むっつり屋・○なんでも屋(連語だが、名詞相当の意味もあるようなので)・○かれこれ屋(代名詞と捉える)
(イ)転成名詞
a.<動詞連用形>○担ぎ屋・○運び屋・○呼び屋・○広め屋・○ぱくり屋・○凝り屋・○済まし屋・○見倒し屋
b.<動詞型活用連用形(形容詞+接尾語連用形 & 動詞+助動詞連用形)>○恥ずかしがり屋・○寂しがり屋・○淋しがり屋・○新しがり屋・○分からず屋
(ウ)形容詞語幹
○むずかし屋・○気難し屋・○喧し屋・○有り難屋
(エ)副詞
○ちゃっかり屋(○むっつり屋 はこちらに分類しても良いかもしれない)
(オ)イレギュラー
○仕舞うた屋[仕舞た屋](動詞[+助動詞]の連体形で、連体形=体言=名詞という解釈も可能かも、と思うが、基本的に特殊な例とした)

上記(ウ)(エ)は、下記論文の記述を参考にしたものです。
http://www.ipc.tohoku-gakuin.ac.jp/ghi/kenkyujyo …
論文作成者の野田大志氏は、「~屋」を「構文的意味」で6パターンに分類しています。
興味のある方はサイトをごらんいただくとして、その6番目の「構文的意味(6)」の内訳として50ページに次のような記述があります。
【~、(6)に挙げる例においては前項要素の品詞は、名詞のケース(「お天気屋」など)、動詞連用形のケース(「澄まし屋」など)に加え、形容詞語幹のケース(「気難し屋」など)や副詞のケース(「ちゃっかり屋」など)、動詞否定形のケース(「分からず屋」)もみられる。】
「分からず屋」についても触れられていますが、「動詞連用形」を転成名詞と位置づけていないため、「動詞否定形」に関しても名詞と捉えることが可能かどうかは不明と考えるよりありません。
今はそのことよりも、上記(ウ)及び(エ)が極めて自然な表現であることを考えると、「屋」における大辞林の「名詞につく」という明記は、間違っているとしか思えなくなる、という点に留意すべきでしょう。
辞書の記述を誤りとする論理的な根拠になると思います。
僭越ですが、編集部に修正を申し入れる形で質問しました。
返事が来るかどうかは不明です。
来ても数週間掛かる場合もあるそうで、こちらの締め切りに間に合わないかもしれませんが、そのときは質問の形で結果を開陳させていただきます。(返事があった場合に限ります)
「分からず屋」に続いて追加質問したのでうるさい奴だと思われていることでしょう。
適切な例を挙げていただいた#12さんに感謝いたしたいと思います。
辞書は言い足りない部分はあっても仕方ありませんが、矛盾していてはいけないと思います。
逆に、そうでない限りは、辞書を正確に解釈することによって、大体の問題は解決するはずだ、ということも言えるでしょう。

5.
さて、「分からず(屋)」が転成名詞であるのは辞書の記述文面から当然だと主張した、わたしの論拠は撤回せざるを得なくなりました。
ただ、撤回するのは「論拠」であって、「転成名詞」であるという考えは今のところ変わっていません。
これも編集部からの回答を待ちたいところです。
「全てに返答できるわけではない」と注釈されているのですが、大事なことだけに、仮に返事が無ければ、辞書記述の誤りを自ら認めたと判断するのが相当だと考えている次第です。
  
    
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この回答へのお礼

皆さんの回答参考になります。
あと編集部の回答気になりますね~

お礼日時:2014/08/06 08:34

【辞書について】


 わたしの最も愛用している「大辞林」(書籍版)は「逆引き大辞林」も持っています。No.11の方のご批判には、同感です。「接尾語・名詞に接続する」はちょっと勇み足の感じがします。しかし、驚いたことに「大辞林」と並んでネットでよく見かける「大辞泉」が、申し合わせたように同様の記述をしています。項目ごとの説明の順番は異なりますが、「接尾語で名詞に接続」という括りは同じです。出版社が、「三省堂」と「小学館」と異なるにもかかわらずに。
 因みに「日本国語大辞典」は確か小学館だったと思いますが、No.11の方のご紹介のように、「種々の語について」とあるなら、これはちょっと違いますね。その点では、同じ小学館から出ている「現代国語例解辞典」(林巨樹氏監修)という小辞典は「日本国語大辞典の成立を受けて」と謳っているように、ほぼ同じ解説です。
 「広辞苑」も接尾語といった後、「性向を表す語に添え、そのような傾向の人である意を表す。「わからず屋」「やかまし屋」「がんばり屋」と説明しています。

 関連して、わたしが「逆引き大辞林」で「~屋」の形をもつ語を調べた結果、約560項目の語が存在しました。そのうち至極当たり前の語と思うものを除くと、次のようなものが見つかりました。

◎売りこみ屋・◎拵え屋・○担ぎ屋・○ぞっき屋・◎お天気屋・◎皮肉屋・○見倒し屋・○むずかし屋・○気難し屋・○喧し屋・○済まし屋・◎殺し屋・○分からず屋・○有り難屋・ばった屋・ばた屋・○仕舞うた屋(仕舞た屋)・◎一発屋・◎始末屋・◎技術屋・○運び屋・○呼び屋・◎並び屋・◎だふ屋・○トップ屋・◎はにかみ屋・◎事務屋・○広め屋・○なんでも屋・◎整理屋・○恥ずかしがり屋・○寂しがり屋・○淋しがり屋・○新しがり屋・○ちゃっかり屋・◎仕切り屋・○ぱくり屋・○凝り屋・◎飾り屋・◎当たり屋・○むっつり屋・◎気取り屋・◎頑張り屋・◎締まり屋・◎便利屋・○かれこれ屋(彼此屋)・◎照れ屋・◎気分屋

 これらの中で、明らかに名詞と呼べるものに、◎印をつけましたが、○印を付けたものは何と説明出来るのでしょうかね。
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この回答へのお礼

皆さんの回答に疑問が膨らむばかりですわ~

お礼日時:2014/08/06 08:52

#5です。



#9さんの実にもっともな「教条主義」にわが意を得たりです。

「大辞林」は「接尾語」として全てを名詞に付くとしている点で問題があります。
そのため、次のように活用語尾に付くものを「語素」と分けているようですが、それでは「分からず」を名詞扱いの項目に入れてしまっていることに自家撞着を起こしています。
例)「【仕舞(い)】
1 名詞に付いて、それを終える意を表す。「店―」「仕事―」
2 動詞の未然形に打消しの助動詞「ず」を添えたものに付いて、(…しないで)終わってしまった、の意を表す。「行かず―」「言わず―」」
http://kotobank.jp/word/%E4%BB%95%E8%88%9E?dic=d …

#9さんご指摘のように動詞連用形であれば転成名詞と見做せますが、「行かず―」「言わず―」などは未然形+助動詞ですから主語「が」や主題「」は」の提示できないので転成名詞と一緒にはできません。それは上の辞書自体が「1 名詞に付いて…」と「2 動詞の未然形に打消しの…」と区分していることからも分かります。
これは「接尾語」と「語素」の区分の違い以前に、この辞書で唯一「わからず-」を例に入れてしまったのだけが不用意に思われます

参考までにほかの辞書を上げておきます。
「や【屋・家・舎】[二]《語素》(1)名詞について、…「米や」「」さかなや」…(2)転じて、それを専門としている人…「政治や」「物理や」…(3)種々の語について、そのような人を軽蔑し、ののしって呼ぶのに用いられる。「わからずや」「」やかましや」「気どりや」など。(以下略)」(「国語大辞典」小学館)
「名詞について」の(1)(2)とはグループを分け、あえて「種々の語について」と断っています。
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この回答へのお礼

いや~ 名詞!深いですねぇ~
ありがとうございます。

お礼日時:2014/07/31 13:15

#8ですが、もういちどおじゃまします。



名詞と言っても「転成」という注釈つきですので、主語になる機会が一般的な名詞と同じように多いとは限らないでしょうね。
ただ、重要なことは、「主語には絶対になることができない」と言い切るのは難しいのではないか、ということ。
たとえばですが、『そういったことに関して分からずが問題を複雑にしている』といった表現が絶対にできないわけではない、と思います。

何より、大辞林で「屋」は「名詞につく」とだけ明記されているわけですし、その一例として「分からず屋」というのも挙がっています。
辞書の記述が間違いである、という自信があれば別ですが、そうでなければ、「分からず」は(転成)名詞と判断する以外にはないでしょう。
つまり、辞書の記述は間違いである、と言わずに、名詞ではないと言うのは(論理的に)無理がある、ということになるんじゃないですかね。
そこまでおっしゃっていただければ、質問者さんをはじめとした他の方々も、個人の主観的見解として聞くことができますし、選択肢のひとつになり得るでしょう。
  
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この回答へのお礼

多くの回答ありがとうございます。
辞書はもちろん、みなさんの回答参考にしたいと思います。

お礼日時:2014/07/31 13:26

こんなにこだわると、ある種の人々から「教条主義」と呼ばれそうな気がするのですが(冗談です)、品詞分類の基本に「名詞」は「単独で主語となり得るもの」とありますから、複合名詞の一部であったり、連体格の「の」を伴った修飾句である場合は、「主語」にならなければ「名詞」ではないでしょう。



 回答の中で取り上げられた、「帰り」「遠く」「がんばり」「気取り」などは主語となり得るので名詞と考えられます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2014/07/31 13:20

#4です。



「遣らずの雨」といった粋な例も挙がっていますが、この「の」は格助詞で、大辞泉によれば、「名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。」と明記されています。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/171157/m1u/ …
このことからも、「寝ず」「遣らず」「戻らず」なども(転成)名詞と捉えて良いように思います。
「読み人知らず」のような例もありますが、この「ず」も打消しの助動詞「ぬ」の連用形のはずで、やはり転成名詞でしょう。
辞書に対しても平気で文句をつけるわたしですが、今回の件に関しては辞書を信頼したい気持ちです。
万が一辞書解釈に不備があるとすれば、「語呂がいいから」という説が有力候補として浮上しそうな気もしますが。
  
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
ほんと助かります。

お礼日時:2014/07/29 21:13

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