1つだけ過去を変えられるとしたら?

黒澤明監督の映画「羅生門」は日本人が観ると、録音が悪くてセリフがモゴモゴと聞き取りにくいので、日本ではあまり評価が高くなかったのに、
外国で公開されたときは、外国語の字幕だったので外国人に分かりやすく、
それで外国で評価が高かったのでしょうか。

A 回答 (5件)

No.1の方の適切な回答、エピソードに付いてはNo.3の方の回答が付いていて


もう充分の様な気がしますが、2,3補足します。

当時「羅生門」がウケたのは欧米の映画人の当時の常識を超えていたからです。
1)白黒のコントラストや逆光の効果を巧みに使った素晴らしい映像、
2)登場人物の個性と、異なる視点からの陳述で*、何が真実だったのかに迫るが
  宙ぶらりんのまま残されると云う、特異な構成と余韻、
3)能や歌舞伎を思い起こさせる様式化された所作、
4)敗戦のあの(諸悪の権化の様な)日本からの作品。

これらの点の内1~3)は今でも映画の映像技術の中やストーリー構成や
俳優の所作に取り入れられています。
*英語のWikiにはRashomon effect(効果) と云う項があります。ある事件
(事象)に対する異なる立場からの意見の相克を表すものです。

1~3)は当時の日本人にはまだ受け入れられず、羅生門の代わりに典型的な
日本映画として小津安二郎の作品が推薦されたそうです。

欧米での一般上映は1952年で、当時既に字幕版と吹き替え版があります。
この年に最高の外国映画の賞を得ていますから、日本語とか字幕とか吹き替え
とかに関係なく、映画史上の記念碑的作品としての評価だと思います。

http://en.wikipedia.org/wiki/Rashomon
http://de.wikipedia.org/wiki/Rashomon_%E2%80%93_ …


今から30年以上前に成りますが、留学先で映画研究会主催の日本映画上映
週間が有り、黒澤明と大島渚監督の作品が紹介されていました。
黒澤作品は、「羅生門」、「7人の侍」(合わせてそのパクリの「荒野の7人」)、
「椿三十郎」、「赤髭」でした。フィルムを借りて来ての上映でしたが、
フィルム順番を間違うと、初めてのこちらが気付かないうちにブーイングの嵐
となるくらい皆繰り返し見て居たようでした。
私もそれ以降黒澤ファンとなり、全ての黒澤監督作品を映画館で繰り返し見ています。
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なんか眉唾な話ですね。

なぜ、数ある日本映画の中で「羅生門」だけ録音状態が悪かったという事になるのでしょう?。そうではなくどの映画も聞き取れない?。それが古いからという理由ならチャップリンなんかも同様のハンデになるはずでは?。
仮に現代において聞き取りにくいなら録音状態ではなく保存状態が悪かったのでは?。
公開時に聞き取れないのなら「羅生門」に限らず興行として成り立たないと思いますし。
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ちょっとちがう見方からですが、当時大映はこの映画をスカと見なしていました。

興行収入も評価も、実際日本国内では低かったからです。

そんな中、ヴェネツィア国際映画祭に出品する映画を日本でも選ぼうとしたのですが、昭和25年というのは東宝が争議でメチャクチャで出品を辞退、 (だから本作は黒澤映画なのに大映で撮影されたのです)、大映は本作に価値を見いださずこれもカネの無駄だと辞退したのです。

ところが、イタリフィルムという日本・イタリア映画の興行、交流を行う日本の映画配給会社がありまして、そこのイタリア人社長が、ヴェネツィア向けの映画はないかと日本映画をいろいろみていたら、

羅生門スバラシイ!

内容を理解し、映像美を理解したイタリア人社長は自費で英語字幕をつけました。そしてヴェネツィア映画祭に出品しました。

大映首脳陣はおろか、黒澤明本人すら、出品のことを知らなかった事実が皮肉です。ともあれ、映画の実力で運もよびこみ、羅生門はグランプリをとりました。

おっしゃっておられるように字幕だから受けた面もあるのでしょうが、まずハリウッドのアメリカンではなく、ヨーロッパ人の感覚・感性に内容がうけいれられ、欧州で評価されたのです。あの映画の内容からしても、これがベストのオチだったのではないでしょうか。
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黒沢映画のDVDはだいたい持っていますが


ある書店で
黒沢映画の韓国版DVDが安かったので
ためしに数本買ってみましたら
字幕が韓国語、英語と日本語が入っていまして
たしかに
日本語字幕の入った「姿三四郎」などは
大河内伝次郎のもごもごと聞きにくい言葉でも
日本語を聞きながら字幕で読めますので
耳が休まり見やすかったですね

「羅生門」も日本語字幕の方が見やすかったですね

もともと日本で公開された時から
音響のせいではなく
内容的に地味で
決して今のような評価はされてなく
日本の浮世絵のようなもので
海外で評価されて反対に日本で
再評価されました

ぜひ韓国版を見つけられてください
安いですよ
1本1000円でした
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『羅生門』が外国で日本以上に評価されたのは、黒澤明のダイナミックな演出、そして名手宮川一夫の見事な撮影のおかげと言われています。

いま見ても、森の木漏れ日の中を馬上の京マチ子が移動していくシーンなど、息をのむ映像美です。3人の出演者の演技も、当時の世界水準に比して遜色のないレベルにあると言えます。

たしかに、セリフの聞き取りにくさは外国人にはハンデにならなかったでしょう。ただ、現在発売されているブルーレイでは、デジタル修復のおかげか、それほど聞き取りにくいとは思えません。

日本でそこそこの評価だったのは音響のせいというよりも、『羅生門』に限らず、黒澤の大胆な手法が日本の映画関係者、評論家その他になかなか理解されなかったからでしょう。新しすぎたんでしょうね。

当時(1950年)の日本は、まだ敗戦の痛手から立ち直ってなく、自国の文化に自信を持てずにいました。そのため、黒澤のような独創的な才能も的確には評価できず、外国で評価されて初めて再認識する始末だったのです。

黒澤自身、自伝でそのことを慨嘆しています。現在とは、まさしく隔世の感ですね。
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