最近、学校で酸、アルカリについて教えてもらいました。
水溶液にしたとき、
電離して、水素イオンを発生させるのが酸。
電離して、水酸化物イオンを発生させるのがアルカリ。
酸は、
酸→水素イオン+陰イオン
でした。
そこは、理解できたのですが、
HCl(塩酸)→H+(水素イオン)+OH-(水酸化物イオン)
と、習いました。
ここで、疑問が出ました。
塩化水素を塩酸にすると
H3O+(オキソニウムイオン)+Cl-(塩化物イオン)
になるんじゃないんですか?
となると、H3O+というのは物質を酸にする働きがあるのですか?
先生も教えてくれませんでした。
教えない意味はなんとなくはわかります。
けれども、知りたくてしょうがないので、どなたか教えていただけないでしょうか?
自分の質問がおかしければお伝えください。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
いちおう突っ込んでおくと, 「ヒドロニウムイオン」は古いんじゃないかな>#3. IUPAC の 2005年勧告では H3O^+ に対して
・オキシダニウム: 水素化物命名法に基づく名称
・オキソニウム: 許容される慣用名
を挙げており (錯体としての名称もある), 逆にヒドロニウムについては「許容されない」と明記されています.
ということで「ヒドロニウムイオンはオキソニウムイオンのひとつ」はいろいろ突っ込みどころがある.
No.3
- 回答日時:
まず正確に・・・この段階での間違いが多いのが混乱の原因です。
1) 塩酸とは、塩化水素(HCl)の水溶液です。
2) 塩化水素は水中で、HCl → H⁺ + Cl⁻ と 100% 電離して、水素イオン(H⁺)を生じます。
3) H⁺ は水素原子が電子を失ったイオンで、ヒドロン(元素としての水素の陽イオン)
すなわち、プロトン(¹H⁺ 水素原子の陽イオン)、デューテロン(²H⁺ = D⁺ の原子核)、トリトン( ³H⁺ = T⁺ 三重水素の原子核)を含めたもの
4) 水溶液中では水が配位して、H₃O⁺(ヒドロニウムイオン)、H₅O₂⁺(ズンデルカチオン)、H₇O₃⁺(アイゲンカチオン) として存在しています。
5) 酸・アルカリを考える場合、(4)のヒドロニウムイオン・・などは一切考える必要はありません。
★ 中学校では、酸とアルカリとして学びます「アレニウスの定義」が、その場合は
1) 水溶液中で
酸:水素イオン (H⁺) を含むか、溶液中で生じる物質
アルカリ:水酸化物イオン (OH⁻) を含むか、溶液中で生じる物質
以上を正確に理解したうえで、
>ここで、疑問が出ました。
>塩化水素を塩酸にすると
塩化水素を水に溶かすと
>H3O+(オキソニウムイオン)+Cl-(塩化物イオン)
HCl + H₂O → H₃O⁺ + Cl⁻
すなわち
HCl → H⁺ + Cl⁻
>教えない意味はなんとなくはわかります。
あなたに正確に理解する基礎学力がありませんので、ヘタに教えると「塩化水素を塩酸にすると、オキソニウムイオンになるんじゃないんですか?」などのように、反って誤まってしまうからです。
ヒドロニウムイオンはオキソニウムイオンのひとつですが、この場合オキソニウムイオンと言う言葉は不適切です。
数の拡張を知らない小学生に、計算の順番は変えても良い--2個×10(皿)であって10(皿)×2(個)と同じと教えるとか。
中学校ではあくまで、水溶液の性質として指導します。高校では酸と塩基にかわる。(アルカリは水溶液)。
例えば
HCl は水に溶けると
HCl + H₂O
└―H⁺→┘ HClは水素イオンを与える酸。H₂Oは水素イオンを受け取るので塩基
NH₃ は水に溶けると
NH₃ + H₂O
└←H⁺―┘ H₂Oは水素イオンを与える酸。NH₃は水素イオンを受け取る塩基
CO₂は水に溶けると
CO₂ + H₂O → H₃CO₃ + H₂O→ H₃O⁺ + HCO₃⁻
└― H⁺→┘
水溶液以外を含めて酸については、『ブレンステッド・ローリーの定義』で扱いますが、大きな違いは必ず相手が存在して考える。アレニウスでは「自身が水素イオンを含むか、供給するか」だけが問題でした。
酸とは、相手に対して、H⁺ を与える物質
塩基は 相手に対して、H⁺ を受け取る物質
になります。
HCl + NH₃ 気相反応
└H⁺―┘ HCLは酸、NH₃は塩基・・ヒドロニウムイオンも水酸化物イオンも登場しない
さらに有機化学では『ルイスの定義』となり
酸とは電子対受容体
塩基とは電子対供与体
になり、水素イオンが伴わない反応も扱います。
★このように中学生に酸やアルカリ、塩基の話をしようとするのは無理なのです。「電子対」と言われたって判らないでしょ。
>となると、H3O+というのは物質を酸にする働きがあるのですか?
酸とアルカリの関係は相対的で、かつ同時に起きる反応です。
H₃O⁺ + OH⁻ → 2H₂O
└―H⁺ →┘ ですので、H₃O⁺は酸ですから、相手の物質を【塩基】にする酸です。
>けれども、知りたくてしょうがないので、どなたか教えていただけないでしょうか?
ちゃんと授業を聞いて教科書を読んで正確に理解すること
水溶液中で
酸:水素イオン (H⁺) を含むか、溶液中で生じる物質
アルカリ:水酸化物イオン (OH⁻) を含むか、溶液中で生じる物質
で必要十分なのですよ、それを理解していたら、
「塩化水素を塩酸にするとH3O+(オキソニウムイオン)+Cl-(塩化物イオン)になるんじゃないんですか?」
「H3O+というのは物質を酸にする働きがあるのですか?」
という質問は出てこないはずです。
No.1
- 回答日時:
「単純な H^+」そのものはまず存在しません. なぜなら, 小さくて電荷があるため, ほかのものとひっつきたがるからです.
で水の場合は H^+ とひっついて
H^+ + H2O → H3O^+
となります. この右辺が「オキソニウムイオン」ですな.
ところが, 実際にはこれで終わりではなく, さらに水が増えて
H5O2^+, H7O3^+, H9O4^+
など一連のイオン種を作ります. もちろんこれらのイオン種同士でも
H3O^+ + H9O4^+ ⇔ H5O2^+ + H7O3^+
などなどといった複雑な反応をします.
でも, 酸とか塩基とかを単純に考えればいいような場面では, これらのイオン種は全て同じであると考えてもなにも問題ありません. ということもあって, 「溶媒和 (今の場合は水和) した水素イオン」はしばしば (本当の構造ではないけど) H^+ と書きます.
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