アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

薬値関連の質問です。薬価決定における「加算」(premium)の概念が分かりません。どなたか教えて頂けませんか?よろしくお願いします。何を何に足すのか、なぜそのようなことをするのか、誰が行うのか(厚生労働省でしょうか?製薬会社でしょうか?)?そういった、超初歩的な質問です。よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

なるべく簡潔に解りやすく書いてみます。



薬屋さんが新薬を開発したら、もちろん高いお金と時間をかけて臨床試験をします。
この臨床試験が終わるとそのデータを厚生労働省に提出して、ようやく承認をとる手続きができます。
承認がおりないとまだ単なる化学物質にすぎません。
承認がおりて初めて薬になります。しかし薬になっただけではまだ商売にはなりません。
ここで薬価決定がされて、はじめて商売になります。

薬価の決め方としては、基本的に「類似薬効比較方式」で決められます。
要するに、似たような薬効の既存品と比べて決めるのです。
似たようなモノがない場合は、原価から決める「原価計算方式」がとられます。

さて、この類似薬効比較方式ですが、先ほど申し上げたとおり、効果や効能、薬理作用などが似たものと比較します。
もちろん条件を同じにするために、1日あたりの量に対する価格なども比較対象と同一にして比較します。
ここまで書けば解るかと思いますが、比較対象が重要なファクターになります。
比較対象が高い薬価であれば、新薬も高い薬価になりますし、安ければ安くなります。

しかし、その比較した既存薬よりもずっと良い効果効能・安全性があっても、比較した既存薬の薬価が低ければ相対的に新薬も安い薬価になってしまいます。
製薬会社としてはどうでしょうか。
高いお金と時間をかけて開発しても、薬価が低くなってしまっては商売になりませんし、そもそも新薬なんて開発する意味がありません。
「どうせ作っても安くしか売れないんなら、新薬開発なんてやーめた」となってしまい、より良い薬が世に出にくくなってしまいます。
そこで主に、画期性加算、有用性加算、市場性加算という補正加算がつけられます。
(他にも小児加算や有用性市場にも(Ⅰ)や(Ⅱ)などがありますが、割愛します)
画期性加算は
・新しい作用機序(薬物が、生物に何かしらの影響を及ぼす仕組み)を含んでいる
・既存薬と比較したとき、明らかに高い有効性、または安全性があることが科学的に実証されている
・対象の新薬を使用した際、該当する疾病・負傷が改善されると客観的に示されている
この3条件を全て満たせば、薬価加算は70%~120%くらい。
基本的に類似薬効比較方式で算出した薬価が高ければ低率ですし、低ければ高率になります。
そして上の3条件のうち、2つを満たせば有用性加算(Ⅰ)が認められて、薬価加算は5%~60%くらい。
市場性加算は、その薬の対象となる患者さんが少なくて売上が見込めない場合につきます。
売上が見込めなければ、製薬会社はそういう薬を開発したがりませんから、それを補助して支援する為のものですね。
患者数に応じて、10%~20%ほどです。

これが薬価の加算になります。

>何を何に足すのか
類似薬効比較方式で算出した薬価に、適切な「%」を出し、その価格分が足されます。

>なぜそのようなことをするのか
新薬を開発しても儲からないといった状況を改善し、製薬会社に新しい良い薬効で、安全性の高い新薬を開発してもらうためです。

>誰が行うのか
厚生労働省です。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

非常に分かり易いご説明、ありがとうございます。新薬決定のプロセスが理解できました。本当にありがとうございました。

お礼日時:2015/08/27 11:18

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!