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NHKの高校物理の動画でやっていたのですが、ギターの弦をはじいてスペクトルアナライザーで解析すると、基本振動の周波数のほか、様々な振動数の音が含まれていることがわかりました。その中でも、基本振動の整数倍の振動数の音が多く検出されていました。

 1つだけの腹をもつ弦の振動による音波には、そのようにさまざまな振動数の音が含まれるのが不思議でした。しかしNHKの動画ではその性質だけを示して、何故その整数倍の振動数の音が多く含まれるのかなどの原理の説明はありませんでした。

 そこでいろいろネットで調べたのですが、いまひとつ納得のいく解答が得られませんでした。ある記事によると、その整数倍の音が多く含まれるのは、はじいた弦の周りにある様々なもので反射して、その反射音が整数倍になる、というのがありました。これは本当でしょうか?だとすると、音が反射すると振動数が整数倍になるのは何故でしょうか?

 また別の記事によると、あらゆる万物の音はいろいろな正弦波の合成でできているそうですが、弦を振動させたとき、腹が1つであるにもかかわらず、整数倍以外の振動数の音も含まれているのは何故でしょうか?

よろしくお願いいたします。

A 回答 (8件)

以下は、撥弦楽器の倍音の発生原理、という基本だけについて説明します。

非線形の効果は無視出来る(振動の振幅が小さく、かつ楽器の胴等からの弦の加振も無視出来る)という、単純化した話です。(なので、この考え方だけでは、この楽器の微妙な音色がどうのこうの、というような話までは説明できません。)

 弦の形状を、最初に正確にsineカーブの半波長の形(両端が節)にしてからぱっと離せば、基本周波数だけで振動するんですよ。また、弦の形状を最初に正確にsineカーブの全波長の形(両端と真ん中が節)にしてからぱっと離せば、基本周波数の2倍の周波数だけで振動するんです。(がんばれば実験できなくもありません。)

 ところが、弦の一カ所にツメを引っかけて引っ張ったときの弦の形状は、sineカーブとはまるで違いますよね。だいたい三角形になるでしょ。この三角形は、空間波長が異なる無限個のsineカーブの和として表せます。ただし、どのsineカーブも弦の両端が節で、節の間隔が弦の長さの(1/整数)である(=両端以外に、等間隔に節がある。)
 で、ツメをぱっと離したあと、これらの沢山のsineカーブはそれぞれ独立に(他の、波長が異なるsineカーブとは無関係に)振動するんです。その、それぞれの振動こそが、個々の「倍音成分」に他ならない。

 (なお「無限個のsineカーブの和として表す」という所をきちんと知るには「フーリエ級数展開」を勉強しなくちゃなりませんし、それがどう振動するかをきちんと知るには「波動方程式」という線形微分方程式を勉強しなくちゃ。どっちも大学の理工学では基礎に属することですが、高校生でもがんばれば初歩だけなら分かるかも。)

 さて、この事から、「弦のどこを弾くかで(三角形の形が違うので)倍音が含まれる割合が変わる」ということが帰結出来ます。定性的に言えば、弦の真ん中を弾くのに比べて、端に近いところを弾くと(基音に対する)倍音の割合が多くなる。
 また、「弦の一カ所を引っかけたとき、弦が形作る三角形の角が丸っこいと(弦の形を表すのに、節の間隔がうんと短いsineカーブはほとんど必要ないので)高次の倍音が含まれない」ということも帰結される。すなわち、ピックを使って、三角形の角がくっきり立つようにして弾くのに比べて、たとえば親指の根本の所を使って三角形の角がくっきりとは立たないようにして弾くと、高次の倍音成分が抑制される。
 どちらも、試してみてはいかが。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。頑張って考えてみます。

お礼日時:2015/09/12 08:32

すべての波は、いろんな正弦波を足していけば再現できます。

逆に、すべての波は、究極的には、正弦波に分解できるのです。これをしているのがスペクトルアナライザー。スペクトルアナライザーは、『「正弦波」と言う理想的な波だったら何Hz?』と言うふうにして波を計測するのです。
ギターの弦を人間の指がはじいたときに、弦に現れる波は、その正弦波なる理想的な波ではないのです。人間が適当にはじいてるわけですからね。機械はその波が正弦波ではないことをおみ通し。だから、いろんな正弦波が含まれてますよって、教えてくれている訳ですね。賢いやつ。

弦の両端が固定されていると弦に発生する波の形に制限が・・・(正弦波とややこしい)、波の形に制限ができるのです。その正弦。じゃなくて制限ってのが、「振動数の整数倍うんたらかんたら」というやつです。

それから、スペクトルアナライザーは弦の振動ではなくて、弦の振動で起きた音、周囲の影響を大きく受ける音を計測している訳ですから、弦から発生してマイクに届くまでに起こる誤差がある。これは、ノイズと言えばよく分かるのではないでしょうか。それから、スペクトルアナライザーが波を解析するときに発生する計算誤差などによって、微量にずれたものも出ると。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。いろいろ考えてみます。

お礼日時:2015/09/12 11:15

ギターの弦は一種の空洞共振器なので、基本と倍音以外は


進行波の位相ズレで打ち消されて消えてしまい、定在波
だけが残ります。

基本波が大きければ、倍音が有っても腹が増えたりは
しません。腹ひとつで倍音を含むことは可能です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。頑張って考えてみます。

お礼日時:2015/09/12 08:32

>やっぱり原理となると難しいですね。



整数倍の倍音が含まれる理由(原理)は、上にも書いたように、「弦の特性(弦の伸びと弾く力の関係が比例関係からどの程度ズレているのか(弦の非線形性)など)」であるが(経験からも、弦を強く弾くと(強い力では、バネの伸びが力の大きさに比例しなくなるのと同様に)弦の伸びが弾く力に比例しなくなり、歪みの多い音になることがわかる)、簡略化して数学的に説明すると、以下のようになる。

デバイス(弦)に入力として力Finを印加したときの出力である弦の伸び(振幅)をAoutとする。

デバイスへの入力(力)と出力である弦の伸びが比例するとき(すなわち、入力と出力の関係が線形であるとき)、

Aout=a×Fin(aは比例定数)

と表せる。

ここで、デバイスにFin=cosωtの正弦波を入力すると(すなわち、腹が1つの定在波が生じていると、弦上のある点での内部の引張力の大きさは正弦波振動しているので)、

Aout=a×cosωt

となって、倍音(高調波歪み)は生じない。

デバイスの入力(力)と出力である弦の伸びの関係が非線形のときは、非線形性を、

Aout=a1×Fin+a2×Fin^2+a3×Fin^3+・・・(a1、a2、・・・は定数、^は累乗の記号)

のように表して、この非線形デバイスにFin=cosωtの正弦波を入力すると、

倍角公式cos^2ωt=1/2(1+cos2ωt)、3倍角公式cos^3ωt=1/4(3cosωt+cos3ωt)、・・・から、

Aout=b0+b1×cosωt+b2×cos2ωt+b3×cos3ωt+・・・

となって、基本波(基音)cosωt以外に、2次高調波歪み(倍音)cos2ωt、3次高調波歪み(3倍音)cos3ωt、・・・が生じる。

高調波歪み(倍音)はデバイスの非線形性の指標(入力と出力が比例関係(理想的)から離れるほど、高調波歪み成分は大きい)としてよく用いられる。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。頑張って考えてみます。

お礼日時:2015/09/12 08:32

No.2さんの回答なんかが分かりやすいのかな。


(端の)2点を固定された弦をはじいて音を出すことを考えてみます。固定された2点の間に腹が1つの振動ができることは容易に想像できると思いますが、中心点の動かない腹の2つの振動も”起き得る”ことは分かるでしょうか? 中心点が動かなくても端の2点も動かないので、この振動は”ありえる”んです。同様に、腹が3つ4つの振動も、端の2点が動きさえしなければ”ありえる”振動なんです。
この世は、起こりえることは起こりえるようになっているので、端の2点を固定した弦をはじいたとき、腹が1つの振動だけに見えるのですが、実は腹が1つ2つ3つ4つ・・・の振動が合わさった振動になっているのです。これが倍音が出る理由です。

たぶんw
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。やっぱり原理となると難しいですね。とりあえず基本振動でも倍振動が合成された基本振動というのがあるのだなということがわかりました。

お礼日時:2015/09/09 06:30

音波の腹と節が一致しないと、音は減衰します。

整数倍しかないですね。
これは音と言うより振動全般に共通
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。ご意見参考にさせていただきます。

お礼日時:2015/09/08 21:37

>弦を振動させたとき、腹が1つであるにもかかわらず、整数倍以外の振動数の音も含まれているのは何故でしょうか?



目で見た場合は、1つだけの腹をもつ基本振動のみしか見えていないだけで、実際には、目で見えないだけで、2つの腹を持つ2倍振動、3つの腹を持つ3倍振動、...が含まれている(重なっている)。スペクトルアナライザーでは、縦軸の単位がdB(対数)なので、目に見えない小さな振幅の2倍振動、3倍振動、...が見える。なぜ整数倍の振動が生じるのかは、ネットの説明の通りで、弦の両端で波が反射されることにより、1つだけの腹をもつ基本振動、2つの腹を持つ2倍振動、3つの腹を持つ3倍振動、...の定在波が存在可能だからで、各々がどのくらいの大きさになるかは、弦の特性(弦の伸びと弾く力の関係が比例関係からどの程度ズレているのか(弦の非線形性)など)により決まる。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。ご意見参考にさせていただきます。

お礼日時:2015/09/08 21:37

弦の長さで決まる「基準振動」以外に、基準振動の整数倍の振動数が含まれる理由は、こんな「振動モード」の図を見れば納得できると思います。



https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3
http://www.hi-ho.ne.jp/tadasu/scale.htm

 物理のカテゴリーですので、数式を使えば、

   y = A * sin(B * x + C)   (A)

という振動を考えたときに、弦の長さを L とすると、x=0、L のときに y=0 (振動の節)になりますから、

(1)x=0 を(A)に代入して
   0 = A * sin(C)
 よって、
   C = 0
となります。
(一般解は C= n * パイ ですが、C=0 としても一般性を失わないので、C=0とします)

(2)x=L を(A)に代入して
   0 = A * sin(B * L)
 よって、m を整数として
   B * L = m * パイ
 ∴ B = (m/L) * パイ
となります。

 従って、長さ L の弦の振動は、

    y = A * sin[ m * パイ * (x/L) ]   (B)

となります。

 これより、振動の節となるのは、
  m=1のとき  x=L
  m=2のとき  x=L/2
  m=3のとき  x=L/3
   ・・・
となることが分かります。
 m=1 が基準振動、m=2,3,4 ・・・ が倍音(高調波)となるわけです。

 どうして倍音(高調波)が発生するか、と言えば、「起こり得る条件だから」「発生しない条件がないから」ということです。(B)式では、m=2,3,4 ・・・ となる条件は、m=1 となる条件と全く対等です。
 ただし、現実には、m=1 の基準振動がいちばん振動しやすいので、これはいちばん成分が大きくなります。
 試しに、弦の中心部(1/2の長さ)に軽く指をあてて振動させるとオクターブ高い音が、1/3の長さに軽く指をあてて振動させると「オクターブ+五度」高い音が出るはずです。これが、強制的に「節になる」条件を与えてm=2, m=3 の振動をさせたことになります。(ギターを弾く人は、これが「ハーモニクス」だということが理解できると思います)

 実際の楽器(弦楽器でも、ギター、ヴァイオリン、ハープなど)では、楽器によって「音色」が違うのは、基準振動が同じでも、同時に鳴っている倍音(高調波)の成分や比率が各々異なるからです。
 もし倍音(高調波)がなければ、全ての楽器は同じ「正弦波」の純粋な音しかしません。これではつまらないですよね。


>ある記事によると、その整数倍の音が多く含まれるのは、はじいた弦の周りにある様々なもので反射して、その反射音が整数倍になる、というのがありました。これは本当でしょうか?だとすると、音が反射すると振動数が整数倍になるのは何故でしょうか?

 正確に言えば、「音が反射する」とは、「整数倍の音が多く含まれる」理由ではなく、「そもそもその基準音が定常的に発生する」ことの理由です。ある長さの弦からは、ある高さの音(決まった振動数の音)が出続けるのは、「振動が弦の端部で反射する」ことによる「定常波」という原理だからです。
 「定常波」のビジュアルなイメージは、こんなサイトを見てください。
  ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%B8%B8 …

 数式で書くと、「時間とともに進む波」と「時間とともに逆方向に進む波(反射波)」の合成で、「時間とともに進まない波」(定常波)になるのですが、「波動」をきちんと理解していないと難しいので、詳しくは上のサイトの「導出」のあたりを参考にしてください。
 両端固定の弦では、両端で反射した波が「定常波」となり得る振動数(一種の「共鳴」と考えればよい)だけが継続して振動するということなのです。これで決まる「振動」には、上記で示したm=1 の基準振動と、m=2,3,4 ・・・ の倍音(高調波)とが共存する、ということなのです。m=2,3,4 ・・・ の倍音(高調波)も、同じ長さの弦の両端の反射で「定常波」ができますので。


>また別の記事によると、あらゆる万物の音はいろいろな正弦波の合成でできているそうですが、弦を振動させたとき、腹が1つであるにもかかわらず、整数倍以外の振動数の音も含まれているのは何故でしょうか?

 すべての「振動波形」は、いろいろな「振動数」の正弦波の合成で作ることができます。逆に言えば、すべての「振動波形」は、いろいろな「振動数」の正弦波の組合せに「分解」することができます。
 質問者さんの質問の発端である「スペクトルアナライザーで解析」というのは、この「分解」をして、各「振動数」の比をグラフにしたものです。(数学的には、「フーリエ変換」と言います)

 上に書いたような「両端が固定された弦」では、「弦の両端が節」になることは決まりますが、m=2, 3, 4・・・の節は、弦が固定されているわけではないので、振動の中で「自律的に」決まったにすぎません。特に、m が大きくなって、弦の両端固定から遠くなった部分では、「節の位置」を束縛する条件が弱くなりますので、「弦の長さ L に束縛されない部分振動」も発生し得ます。この部分振動が、「整数倍以外の振動数の音」になります。
 例えば、ギターの弦をはじいた瞬間の「ポコッ」「ボン」という音や、ヴァイオリンが弓で弦を強く弾いたときの「ガリッ」という音は、明らかに「整数倍以外の振動数の音」です。


 物理で習う「サイン・コサインの振動」と、それを応用した実際の「音」「音響」には、かなりの「隔たり」がありますので、物理で習う「原理的なこと」をベースに、実際の複雑な現象に立ち向かうことが必要です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。ご意見参考にさせていただきます。

お礼日時:2015/09/08 21:36

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