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ステンレス鋼板を使用することになったのですが、熱間圧延と冷間の2種類の規格があり、違いが文献ではよくわからずどちらを使用すればよいか分からなくなってしまいました。熱間と冷間の違いと、それぞれどのような場所での使用が好ましいか教えていただけないでしょうか?

A 回答 (2件)

こんにちは。


 機械設計や加工の現場で、材料の熱間、冷間圧延での違いと言ったらおおむね以下のようになります。
・熱間=黒皮材。一言で言えば荒加工のままのもの。厚みもある程度誤差がある。精度が必要な部品として切削加工をせずにそのまま使用することは出来ない。黒皮と呼ぶのは、熱間圧延の鉄鋼において表面が黒っぽい酸化皮膜に覆われることから来ています。
・冷間=ミガキ材。熱間加工された素材を、精度及び仕上がり面の良い冷間圧延機を用いて厚み、幅、あるいは直径について相応の精度と表面粗さを出すように仕上げた素材。詳しくはJISに規定があるはずですが、例えば20mm程度の厚み、幅、径に関しては0からマイナス0.2か0.3程度までだと思います。
 以上が基本的なところ。その上で。
 先の回答にある物性面での考慮は設計段階ではしているかもしれません。しかしながら加工の現場で重要なのは、特に問題が無ければなるべく冷間=ミガキ材を使用して余計な手間を掛けないで済ませるということです。
 ただし冷間材には内部応力があるため、例えば平板の一面(の一部または全面)を削って寸法を出そうとしても、板全体が反ってしまいます。平面度、平行度が必要な品物では全く使い物になりません(旋盤加工で丸棒の外径を削ってゆく場合には問題はそれほど無いはずですが)。
 実はミガキ材の表面精度もあまり良くありません。これは現物を見てみればすぐ判ります。ということで精度が必要な品物の場合には全面削り加工が必要になります。
 
 これ以上はもう少し具体的な使用状況が判らなければ書いても無駄なだけになります。その辺を補足してください。
 別件の質問はこちらでの補足を見てから答えることにします。
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この回答へのお礼

分かりやすく答えてくれてありがとうございました。何とかなりそうになりました。

お礼日時:2016/05/31 10:24

同じ鋼種を使うのであれば、冷間圧延材と熱間圧延材との違いは、断面の一部が塑性化しているかしていないかです。


冷間成型の場合、成型するために曲げた部分が塑性化しています。従って、同断面・同材質で比較した場合、冷間成型材のほうが引張強度(降伏点強度)は低下し、硬さについても、塑性化部のヤング率は低下しているため熱間成型に比べ低下しています。どの程度低下しているかは断面形状によります。
また、鋼材は一般的に、塑性化すると結晶構造に変化が生じ、初期ではオーステナイト(非磁性体)であったものがマルテンサイト(磁性体)に変化します。従って塑性化している冷間成型材のほうが磁性は強いといえます。磁性の強さは塑性化している部分の大きさに比例します。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/05/31 10:24

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