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塾の教師をしています。中学では子房が果実になると教えます。
私は子房を持たない裸子植物には果実ができないとずっと思っていました。(例えば銀杏などは種子が厚い種皮で覆われているだけで果実とはいわないと)
しかし、ナビックスやいくつかの中学の参考書には子房を持たない松などの裸子植物にも果実はあるように書かれていることを最近知りました。(例えばマツカサは果実であると)
ここで、理科としての果実の定義がわからなくなってしまいました。子房が発達したものを果実というのであれば、偽果は果実とはいえないわけですよね。
一般的にいう果実と理科でいう果実が異なるだけに混乱してきました。
教えて下さい。よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

 学者によって,時代によって,とらえ方が違うのかなと思いました。



 岩波生物学辞典第2版(1977年刊)より
「果実」種子植物の花部が発達して生ずる器官の外見的な形態に対する一般的名称で,花部を構成しているいかなる器官から由来してもよい。・・・・以下被子植物の説明が続く。裸子植物の記述はない。
「球果」木化した鱗片葉が集まって球形あるいは楕円体となった果実で,肉質のものをとくに肉質球果(galbulus)という。裸子植物のスギ科・ヒノキ科・ビャクシン科の果実がこの例。・・・・(以下略)。

 岩波生物学辞典第4版(1998年CD-ROM版)より
「果実」【同】実(み)[1]広義には種子植物の花部が発達して生ずる器官の外見的な形態に対する一般的名称。この場合,果実を構成している花部器官の発生的由来は問わない。したがって真果と偽果の総称。[2]狭義には種子植物の子房が発達した器官,すなわち真果のこと。・・・・(中略)・・・・なお,裸子植物の球果や仮種皮果も,形態学的な厳密性を問わない場合は果実として扱われることもある。
「球果」木化した鱗片が集まって球形あるいは楕円体となった果実状の構造。マツ類の松傘(まつぼっくり)や他の針葉樹類のそれに相当するものがこれにあたる。裸子植物のスギ科・ヒノキ科・ビャクシン科のいわゆる果実がこの例。・・・・(以下略)。

 定義や名称にはあいまいなものもあるし,時代によって変わるものもあると思います。そういえば,私の高校時代の生物では,細胞壁のことを細胞膜と呼んでいました。

 ここでおわびがあります。私の回答の中に球果が偽果であると思わせる記述がありましたが,子房を含んでいなければ偽果とは呼ばないようです。申し訳ありませんでした。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
わざわざ調べてまで教えていただいた事に感謝します。

お礼日時:2004/09/11 23:49

wacky2さんの定義は,あの偉大な植物分類学者であった牧野富太郎博士の定義です。

ですから間違いではありません。博士の定義は「実」=「果実」に近いものです。牧野日本植物学辞典等の多くの書物にもそのように記載してあります。

youichi0131さんの定義も間違いではありません。ご紹介したように,最近の植物形態学では果実を狭義に捉えている方が多いのではないかと思います。

youichi0131さんは生徒に教える場合立場です。ですから新しい知識を持っていて欲しいと思います。しかし,こと入試となりますと,広義に解釈した方がよいのではと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2004/09/22 08:52

高校や大学の入試問題は,その性格上あまり専門的にはできません。

もし,教育課程を超えるほど専門的になる場合には,何らかの資料を加え,受験生が理解できるように説明することが求められます。

中学の教育課程は知りませんが,おそらく大多数の先生は,種子植物(顕花植物)は実(果実)を付けると,一般常識的に教えているのではないかと思います。

そのような観点から考えたら,ご質問の問題は,何ら説明がないのなら,答えは種子植物(顕花植物)で良いのではないでしょうか。

「裸子植物は実は本当の果実じゃないんだけれど…」程度で良いのではと思います。今までのような論争は,大学レベルなら理解できますが…
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wacky2さんの回答でご理解いただけたようですが,wacky2さんの回答を少し補足します。



果実の定義は,東大の植物形態の阿部淳先生の講義を参考にあげますと,何らかの形で子房を含んだものを言います。and or not で and です。or ではありません。

「果実とは,狭義には子房のみが発達した真果 (true fruit) をさす.……ただし,一般に果実と呼ばれるものの中には,子房以外の部分が含まれていることがある.これを偽果 (pseudocarp) といい,真果と区別する.真果の下部の花床が肥大したイチゴ,真果の周囲に花床が発達したリンゴやナシ,花軸が壷状になったイチジクなどが,偽果の例である.」

球果ですが,上の説明のような子房を含みませんから球果は果実ではありません。しかし,一般の方は「実」=「果実」と考えている方が多く,果実(球果)と表現したとしてもそれはそれで良いのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

 ありがとうございます。
 suiran2さんの回答によると子房ではなくてもいいけど子房を含むということが必要だということですね。
 実ははっきりと書かなかった私が悪いのですが一般常識としてではなく、入試問題としてどうなのかを知りたかったのです。例えば、下記のような過去問があります。「花が咲いて果実を作る植物を何というか」この解答としては被子植物でなければいけないのか、それとも種子植物でもよいのか・・・。今までは子房がないから裸子植物は果実を作らないと教えてきたが、よく見ると理科の参考書にもマツカサは果実として扱われている・・・。でちょっと自信がなくなったというわけです。

お礼日時:2004/09/08 12:28

 子房が変化して真果。

子房以外の部分(花托・萼・花軸・包片など)が変化して偽果。狭義には真果だけを果実と呼び,広義には真果と偽果を合わせたものを果実と呼ぶようです。つまり,2つの定義があるということです。マツカサ(球果)は,多数のめしべが木化して鱗片状になり基部に種子がついたものです。狭義には果実ではないが,広義には果実ということになります。書物によって解釈が分かれているために混乱することがあるのですが,ふつうは,広義に解釈するようです。
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この回答へのお礼

 ありがとうございます。
2番の方が果実は子房のみからなるものとは限らない・・・そういう意味でマツカサは果実ではないと断言されていたのがどうもよくわからなかったのですがこれで納得できました。
 狭い意味では偽果もマツカサも果実ではないし、広い意味ではどちらも果実といってよいということですね。

お礼日時:2004/09/08 08:05

#2ですが,もう一度前回の回答を良くお読みください。



果実の定義は子房のみから成るものだけではありません。子房を含んだものです。ですから真正果実だけでなく,偽果も果実です。#1さんご指摘のように,リンゴやナシやイチゴも果実です。

裸子植物は,そう言った意味で果実は作れません。これ以上の回答は他の人に譲ります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2004/09/07 22:52

裸子植物は,当然子房からなる果実を付けません。

ですからあなたの考え通りと思います。

ただ混乱しやすいのですが,球果植物(マツ等の松かさを付けるもの)の実は果実ではありませんが果実(球果)と表現する人は大変多いのではと思います。

イチョウやソテツのようなものは,合わせて果実状裸子植物と呼ばれます。これなど一般の人が聞いたら当然果実と思うことでしょう。

質問者さんも少し混乱があるようですが,果実には,子房のみから構成される真正果実と子房と子房以外の器官から構成される偽果に分けられます。偽果も立派な果実です。これらは共に被子植物の話です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
私が知りたいのは理科(生物学)としての果実の定義なんです。学問で使う用語には必ず定義があると思います。表現する人が多いか少ないかではなく定義はどうかなんです。もし、子房からなるものを果実というのであれば偽果は子房が発達したものではないのですから果実とはいえないのではないでしょうか。中の芯こそが果実だというべきではないでしょうか。また逆に子房からなるものというのが必要条件ではないのであれば裸子植物における果実を特に球果という可能性もあるわけですよね。

お礼日時:2004/09/07 18:43

私もインターネットで調べてみて、混乱してきました。


マツカサは果実という記述が多いですね。

「子房が発達したものを果実という」「裸子植物には果実ができない」というのは共に正しいはずです。マツカサは果実ではなく、球果というのが正しいようです。
(下記URLには「被子植物の果実とは意味が違います。」とわかったようなわからないような記述があります。)

中学の参考書には、イチゴや梨はどのように記述されているんでしょう?

参考URL:http://arajisi.cool.ne.jp/yougoka.htm
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
詳しい参考書には真果、偽果という記述があります。また、私立の入試に出題された事もあります。しかし、それが果実といってよいかどうかなどは今まで考えた事もありませんでした。

お礼日時:2004/09/07 18:22

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