No.11ベストアンサー
- 回答日時:
私の回答は「高度」すぎません。
少なくとも、あなた方が展開している議論に比べたら。
説明が下手で申し訳ありません。わかりやすく書くのが信条なので。
どこまでを「物理の」専門用語とか使ってよいのか
難しいので、お許しください。
さて、
>別に力の種類が電磁気力でも良いのです。
そこに線引きが1つあるのですね。
「そこ」というのが、何を指すのかわかりませんが、
F = m a
の = のところに線引きがあります。
左辺が、
各時代の物理の最先端で興味がある話題で、
力の理論です。
つまり、力の種類を明らかにしていく課題です。
電磁気力ならば、Maxwell の方程式を公理とする電磁気の理論。
重力ならば、古典ならば万有引力の法則、発展編ならばアインシュタインの一般相対論から展開される理論という感じになります。もっとも、一般相対論は、運動方程式の右辺にも影響を与えるので、難しいけど。
運動方程式の右辺が、
通常の用語として「ニュートン力学」として語られる内容です。
量子力学や特殊相対性力学なども、右辺の内容を修正した
右辺の内容に関する数学理論と思ってよいです。
(もっとも、量子力学は修正の度合いが大きいので、運動方程式よりは、この前から解説している別の公理を修正したって思うのが妥当ですけど、大雑把なイメージとしては、要は力はやはり与件として与える)
要するに、
力の場(空間を定義域として、そのすべての点の関数として力を与える)と初期条件(物体のある時点での速度と位置)を与えたときの
6N 次元空間上の軌道の数理的性質を初期条件と関係付けるのが
「理論」の内容です。
線形変換によってもとのベクトルと行き先がどう関係付けられるのか?っていうのと似たような感じ。
で、No10. でもちょっと言及したけど、
物体の興味ある形のクラス(複数の原子からなる)や
力の興味深い分類 などを
新たに 解析学における「連続」などのように
定義として導入してやり、
それらに対して定理を作っていくのが、
解析力学理論の課題ですね。
もちろん、純粋数学と違って、
「興味深い」という基準は外的世界とつながっているけど。
ちなみに、万有引力まで公理を固定しちゃうと、
あまりに狭くなりすぎて、
数学理論としてほとんどインパクトを持ちません。
聞いたことあると思うけど、
「保存力」などの言葉(力のひとつのクラス)は、力学理論の肝だと思います。
No.13
- 回答日時:
最後に補足です。
decidrophob さんが巧い説明をしてくださったのですが、
> 既存のゆるく定義された集合の上に新たな基本性質を入れるってこと。
公理をまったく定めず、推論規則のみを定める、NJ系の自然演繹の体系というのは、おそらく上記のような推論体系を念頭においています。
「既存のゆるく定義された集合」というのが、演繹定理のΓ(任意の論理式の集合)にあたるわけです。
ともあれ、物理学にしても数学にしても、大事なのは「形式」そのものに惑わされず、常にその形式の裏側に隠された直観的・具体的な「意味」を推し量ることだと思います。
こちらの皆さんの回答も、みんな字面の上では異なる「形式」の文章で書かれてはいますけど、伝えたい根っこの部分は殆ど同じことです(ぼくの理解の範囲ですけど)。
勉強していて楽しいのも、演繹や実験の手法をマスターしたときではなくて、自分なりの「意味」を突き止められたときだと思いますので。
今回は、自分もいろいろ頭の中の整理がついて楽しかったです。ありがとうございました!
>今回は、自分もいろいろ頭の中の整理がついて楽しかったです。ありがとうございました!
まったく同感です。みなさま本当にありがとうございました。(^○^)
No.12
- 回答日時:
さっきの回答で、
ちょっとおかしいところがあったなどの事情で補足します。
まず、こちらは、No11. で間違ってはいませんが、
万有引力を公理に入れた場合ですが、
すると、
作用・反作用の法則が定理になってしまって、
公理相互の独立性が満たされませんね。
ニュートン理論は、もっとはるかに強力な一般理論だということです。
間違ったのは、
力学理論が運動方程式の右辺だってこと。
基本は、その理解で良いと思うけど、
上記の「作用・反作用の法則」は、
左辺の力のベクトル場の制約を与えます。
つまり、電磁気力、重力などの力の種類によらず、
作用・反作用の法則は満たされるのです。
これは、現代物理でも修正されないすごい法則です。
No.10
- 回答日時:
なんか、論理学主体の議論になっているみたいですけど、少なくとも、数学以外の公理系の議論からはセンスがれています。
お礼のひとつにありましたが、
要は、論理学の公理系の議論に比べて、通常の科学の公理系っていうのは、
既存のゆるく定義された集合の上に新たな基本性質を入れるってこと。
あんまり難しく考えないほうがよいと思うけどなあ。
一番わかりやすい例は、大学の理系の教養でやる線形代数の公理。
なんか、定義と混同するくらいです。
つまり、線形空間の公理っていうのは、
線形空間の定義を与えるわけ。
で、ご質問のひとつに答え忘れたけど、
ニュートン力学の公理としては、万有引力は入りません。別に力の種類が電磁気力でも良いのです。
一言で言うと、運動方程式
F = m a
によって制約される右辺の加速度、速度その他の数理的性質が数学理論的に興味ある対象です。
(位置、速度)の6次元ベクトル空間(これを、物理学的文脈に応じて、業界用語で位相空間とか配位空間とか言ったりする。数学の位相空間と異なるので注意してね。)の公理系です。
もっとも素朴な公理の取り方は、
すでに述べられたような3法則。
これを、線形空間の公理のように、ずらずら並べればよい。
で、たとえば、原子が N こあれば、
6N 次元空間に N この運動方程式と初期条件を入れて議論を展開。
もっとも、ハミルトン系においては、
(位置、速度)のかわりに(位置、運動量)の6次元空間ですけどね。
F には、まあ、ベクトル場というくらいの制約はかかるかもしれませんが、上述のように、「ニュートン力学」にとっては与件になります。
もし、本当に素材としてのニュートン力学に興味があるならば、ぜひここでマニアックな議論を続けるより、解析力学を勉強されるといいと思うけどね。
ちなみに、私の理解では、kahara さんのニュアンスでは、
物理には公理系的な思考はなじまない って感じに解釈しちゃったけど(間違ってたらごめんなさい)、
私の回答でも述べたが、
公理のとり方を縦横無尽に変え、
これまた既存回答にあるけど、
非ユークリッド幾何学を作った要領で拡張させたりするのは、
きわめて基本的な研究手法です。
まあ、あえて、問題があるとすれば、
「どこまでが」ニュートン力学か?っていうことくらいかな。
つまり、初期の samui さんの万有引力関連の質問に尽きますね。
まあ、文献もたくさんあるし、
ここで「物理」の素人の意見を戦わせても仕方ないと思います。
もっとも、ニュートン力学は単なる発端で、
公理系の論理学的議論一般の素材としてしか意味がなく、
今の議論が延々楽しいとおっしゃるならば、それはそれでひとつの取り組み方です。
わたしの回答の出る幕はありません。
脱線・混乱失礼しました。もうすぐ閉じます。
ばっさり、ありがとうございました(^^)
えっと、高度すぎて理解出来ないですが
>別に力の種類が電磁気力でも良いのです。
そこに線引きが1つあるのですね。
>わたしの回答の出る幕はありません。
いえ、とても参考になりました。
No.9
- 回答日時:
【暗黙の過程】
これについては、むかしいろいろ読んだり聞いたりした話を総合したので、出典は特定できません。ただ自分の中では、大体こういうふうに話を詰めていきました。
・ニュートン力学の基本法則には「運動の変化(つまり運動量と時間)」と「力(または作用)」の関係についての記述しかない。
つまり、以下の言葉が単独で定義されていない
・運動(運動量)とは何か?
・力とは何か?
そこで「運動量=速度x慣性質量」と定義すると、今度はまた次の問題が出てきます。
・速度とは何か?
・慣性質量とは何か?
もう限がないので、「速度=位置の差(距離)/時間」 で定義を打ち切ってゴマ化すのがニュートン力学です(人聞きが悪いですけど)。
また同じく未定義の「力」については、ケースバイケースで定義していこう、と言うわけです。
ちなみに、ニュートン力学でゴマかされた、その先の疑問にはこういうものがありますが……
・位置(距離)とは何か?
・時間とは何か?
・慣性質量とは何か?
・力(重力)とは何か?
それをさらに突き詰めたのが、かのアインシュタインなわけでした。
【演繹定理】
うーん。自分の演繹定理の理解も、かなりいい加減なような気がしてきました...。少し考え直してみましたので、取りあえず此れまでの話はゴワサンにして、以下の内容をご検討ください。
■ 演繹定理は記号論理学の前提っぽい
samui さんのご紹介いただいたサイトを読むと、どうやら演繹定理は、形式化の種類によって扱いが変わってくるみたいです。
・ヒルベルト流の述語論理の形式の場合は「公理+推論規則」から導出される定理である
・自然演繹の形式の場合は、演繹定理そのものを推論規則として採用している
(後者については「VII. 自然演繹(その1)」の「1.1 1.1 論理式・公理系・推論規則」の末尾に書いてありますので、具体的な内容はそちらをご覧ください。)
しかし、いずれの形式をとるにしても、記号論理学では演繹定理はアプリオリに与えられていることになります。
(公理と推論規則以外の仮定を含まずに導かれる(or与えられる)ため)
■ 演繹定理の物理学での意味の再検討
― 演繹定理
Γを論理式の集合,φとψを論理式とするとき, Γ∪{φ}|-ψならば Γ|-φ⇒ψ である.
― 前回回答の引用文に当てはめると
“ある前提の集合Γに命題φを付け加えた場合、妥当な推論により ψ が導けるならば、Γを前提として φ⊃ψ を結論する推論は妥当である。”
― これを物理屋さん的に翻訳すると、記号を以下の言葉に置き換えて...
Γ:数学
φ:物理法則
ψ:実験事実
“ある数学Γを基礎として、そのうえに物理法則φを付け足す。もしそれが実験事実ψを説明できれば、基礎とした数学Γを正しいことを前提にして、物理法則φは実験事実ψを一般化したものと見なせる。”
このとき数学Γは「公理」である必要は全くありません。物理法則と同じく「仮定」で構いません。
なぜなら、演繹定理は別に“Γが公理(または公理のみから推論規則で導かれる帰結)でなければならない”とは一言も言っていませんので。
ですので、つまり物理学は、実験事実ψを巧く説明できるような、数学Γと物理法則φを探す学問だといえるわけです。
……結局のところ、この結論って他の方の回答とぜんぜん同じな訳ですけれど。
つまり物理屋さんは、記号論理学が大前提とする「演繹定理」を言葉で明確に意識することはなくても、フィーリングで実践してるわけなんです。
ですので、演繹定理に目をつけて、かつ数学を含めて公理なんかなくてもいいのでは、と思った samui さんの直観は凄いと思います。
【演繹定理】関係でわたしが書いたことで混乱させてしまってすみませんでした。「公理」とかをきちんと定義しておかないと話がまとまらなくなりますね。
【暗黙の過程】造詣の深い方の解説、参考になりました!
もう少ししたら閉じます。脱線に付き合っていただいてありがとうございました。
みなさんのご指摘ありがとうございました^^
No.8
- 回答日時:
■(1つ目)について
演繹定理の解釈については、ちょっと間違ってるような気がします。
演繹定理と、自然科学の推論との関係については、ウェブで良い説明を見つけましたので引用してみます。全文をご覧になりたいときは、参考URLを参照ください。
---------------------------------
ところで、妥当な推論においては、前提にすで含まれていた以上の情報が結論として出てくることはあり得ません。これでは、新しい知識をもたらす推論としては論理(学)はまったく役にたたないことになってしまいます。ところが、はっきりとした結論として取り出すことは放棄して少し結論をゆるめると、面白いことがいえます。
演繹定理:ある前提の集合Σに命題Pを付け加えた場合、妥当な推論により R が導けるならば、Σを前提として P⊃R を結論する推論は妥当である。
少しまやかしのような気もしますが、どういうことかというと、明らかになっている前提群(知識体系)の中でなじみのある命題 R を考えたいとき、未知(真偽が確定していない)命題 P を持ち込んでも R が導けるならば、(いきなり P そのものを結論することはできないものの) P⊃R という推論は妥当だ、といっているのです。
これを、論理を「一歩踏み越えて」利用しているのが、自然科学でおなじみの仮説演繹法です。つまり、ある仮説 P を既存の知識体系に持ち込んでなじみのある(つまり、観測可能な)出来事 R が導かれるならば、P も正しいとみなしているのです。
--------------------引用終わり--------
これを読んでから、演繹定理でいうところの「証明」と「仮定に基づく演繹」の違いを再検討すると、論理式の意味も明確になるかと思います。
ところで、自分もこれを読んで気づいたのですが...
前の回答まではニュートンの3法則を「公理」と呼んでしまっていましたが、記号論理学の用語に忠実に従うなら、物理の基本法則は「公理」でなく「仮定」や「仮説」と言うべきでした。以下ではそう呼び改めます。
■(2つ目)について
力学では、次のような物理量が現れます
# 位置、速度、時間、慣性質量、重力質量、運動量、力、エネルギー
これらの量は、decidrophob さんもお話しされてますように、相互に定義しあうので、どれが物理的に本質的な量かを根本的に決めることは出来ません。
(たとえば、「あほ」で辞書をひくと「ばか」と書いてあって、「ばか」で辞書を引くと「あほ」と書いてあるのと同じ感じです。所詮はコトバですので。喩えがアレですけど)
でもどれかを最初に定義しないと話が進みませんので、とりあえずニュートンの3法則では次の相関関係を「仮定」として採用してるわけです。
・変項(運動量、力、時間)が満たすべき相関
実は上の仮定を与えただけでは、解析学からあまり話を進めることは出来ませんでして...どうもニュートン力学では、以下の相関関係を「暗黙の仮定」としてるようです。
・変項(位置、速度、時間)が満たすべき相関
・変項(運動量、慣性質量、速度)が満たすべき相関
さすがに前者は自明なので、物理屋さん的にはわざわざ言わんでもええやろ、と開き直れると思いますが。後者がニュートン力学の基本法則から抜けてるのは、欠陥だと言う人もいます。
また万有引力の法則は、これまでのものとはまた別に、下記の相関を仮定として与えるものです。
・変項(位置、重力質量、力)が満たすべき相関
(慣性質量と重力質量の違いは...長くなるので省略させてください。すみません。通常は、同じものとして扱います。)
ほかにもバネの力とか、摩擦力とかを考慮するときも、固有の仮定を持ち出します。
まー、物理を勉強するときは、取り敢えず数学の厳密なところは忘れたほうがいいかもしれませんです。身も蓋もないですが。
自分もいろいろ考えて勉強になりました。ありがとうございました。
参考URL:http://www5f.biglobe.ne.jp/~yamadera/jushoku/sci …
こんばんわ。(2つ目)の解答、ズバッときました。
>どうもニュートン力学では、以下の相関関係を「暗黙の仮定」としてるようです。
もしよろしければ、この点について触れている参考書籍、Webサイトお願いします。
>身も蓋もないですが。
いえ、他の方の意見も同様よく心に留めておきます。ありがとうございます。
(1つ目)については考えを整理中です。
過去に書いたことと矛盾しますが、自然演繹では公理がないみたいです。
http://www.math.h.kyoto-u.ac.jp/~takasaki/edu/lo …
を参照してみて気になっているところを引用してみます
(1.3 形式的な証明・演繹の最後の方)
このように論理的公理を明示しないのは,この種の議論では論理的枠組は共通のもの(たとえば述語論理)に選び,その中でさまざまな非論理的公理系を比較しながら考えることが多いからである.
(3.2 演繹の例の最後の方)
これとは対照的に,ゲンツェン流の形式化(特に自然演繹)は推論規則を沢山用意する(その代わり公理は非常に少ない)ことによってはるかに使いやすいものになっている.
(3.3 形式的体系に関する定理の始めの方)
命題論理をヒルベルト流に形式化するとき,以下のようなことが成立する:
演繹定理
Γを論理式の集合,φとψを論理式とするとき, Γ∪{φ}|-ψならば Γ|-φ⇒ψ である.
逆演繹定理
Γを論理式の集合,φとψを論理式とするとき, Γ|-φ⇒ψ ならば Γ∪{φ}|-ψ である.
No.7
- 回答日時:
no.6 の者です。
ご指摘の内容は正しいです。自分、samui さんの質問が良く解ってないかもしれないです。no.6 ではご質問の内容に対してズレた回答をしていたようです。申し訳ありません。
自分は samui さんの質問を、
ニュートン力学の法則は、“解析学の公理系に、「変項の集合(力,運動量,時間)の要素が満たすための条件」を新たな公理として付け足すもの”だけど、「」のなかを述語論理の1階の言語の表現だけで書くとどうなるか?
――と言うことだと思って、それはちょっと難しいです、ということをお答えしたかったのですが...
とんでもないです。私の理解が足りないので表現があいまいなのです。ぜひ私の勘違いを指摘お願いします。
>「」のなかを述語論理の1階の言語の表現だけで書く
ことが難しいのですね。そういうことまで考えが及んでませんでした。参考になります。
さらなる脱線と恥を承知で書きます。2つあります。
(1つ目)
A→Bを証明
と
Aを仮定(公理として追加)してBを証明
は相互に変換可能(演繹定理?)だったような。
ですから、実は公理を追加しなくてもOK、
なんじゃないかとも思ってます。
その代わり全定理の前にA→
が付く?
(2つ目)
こちらは妄想です。。。
ニュートンさんの理論を応用している場面では
さらに問題固有の仮定を追加している
と言えるでしょうか?
「あたりまえ」って言わないで下さい。。。^^
No.6
- 回答日時:
samui さんが挙げられているのは、述語論理の「一階の言語」の基本用語ですよね。
ちょっと話がそれるのですが...
ラッセルとホワイトヘッドという数学者が、1910年代に『プリンキピア・マセマティカ』(いわば、数学版プリンキピア)という本を書いてまして。そこでは述語論理の公理系から出発して、高校以降の数学で学ぶような自然数論、実数論、解析学の諸定理を導出することに成功しています。
ところがこれって、1000ページ以上もある大論文でして。
ニュートン力学の基本法則は、解析学の「用語と文法」で書かれるわけですが、その解析学を1000ページ遡って述語論理の基本的な公理系まで還元しないと、おそらく samui さんの質問に完全に答えることは出来ません。
自然科学のそれぞれの分野は、スタート地点の位置が天と地ほどの差があります。
ですので、本当に自分が興味のある分野をまず絞って、そのスタート地点より前のことは取り合えず気にしない、というスタンスで割り切って学ぶほうが良いのではないかなー、と思います。
(実は僕も、上の話は数学の一般書を読んで、話として知っているだけです)
脱線ついでですが
>述語論理の基本的な公理系まで還元
というのは
述語論理の基本的な公理系から定理として証明出来る
という訳ではなくて
述語論理の基本的な言葉で表現出来る
と理解してよいでしょうか?
というのは、
途中で集合Sを定義して、その集合の中で理論が
展開されたら、その理論は
述語論理の基本的な公理系から全て導かれる
のではなくて
(述語論理の基本的な公理系)+(集合Sの要素である条件)を公理系としてそこから定理として証明出来る
と勝ってに思っています。
No.5
- 回答日時:
確かに、理論とは、
命題同士の論理的なつながりの総体を言います。
しかし、ファインマンがわかりやすくいっていますが、
公理系のようなピラミッド型に理論を整理することが、常に必ずしも望ましいとも限らないのです。
もし、そうならば、たとえば、小学校で、
自然数にはペアノの公理系、
ユークリッド幾何学には原論の公理系などを教えることも可能かもしれません。
でも、こうした公理系などを教わらなくても、
小学生でさえ、自然数や図形に関して、豊かなイメージを持つことが可能なのです。
では、理論をピラミッドでない形で理解するにはどうすればよいでしょうか?
それは、今日はやりのインターネットがもっともわかりやすいですが、
web (くもの巣)やリングみたいな感じですね。
確かに、リンクによって、サイト同士がつながっていますが、どのサイトが別のサイトの上位に来るというものでもないでしょう。
同様に、理論においても、必ずしも特定の命題がほかの命題の上位に来るというものでもないのです。
目的に応じて、A をつかって B を証明することもできるし、 B をつかって A を証明することもできたりします。
理論を理解するというのは、
このウエブのグローバルなイメージを持つことであり、
理解を「深める」というのは、
リンクやサイトの知識を増やしていくことです。
また、適宜自分で適切なリンクなどを張ることも可能になったりします。
では、ピラミッド型理解のご利益は何か?
それは、ある特定の命題群を「基礎」とみなし、徹底的に研究、またこの視点から、命題の条件の一部をいじって新たに理論を作るなんてときに、ピラミッドがたの整理の仕方が役に立つこともあるのです。
なので、no2. にあったのが、もともとのニュートンの principia mathematica にあった公理に近い視点ですが、
その後、力学問題を解く計算の都合上などの理論的ニーズから、no3. のような公理の取り方なんかも工夫され、解析力学として、ニュートン力学が整備されていきました。
で、そうしたニュートン力学の深い理解の延長線上に、相対性理論や量子力学があったといってよろしい。
なので、重要なのは、
理論に関して、過去の人が「これが公理です」っていったのをそのまま鵜呑みにするのではなくて、
自分の問題意識にあわせて公理系的な理解を展開することです。
そうした柔軟な頭を持つのが良い。
なので、小学校では、ペアノの公理系を教育するのは、下手すると有害ですらあります。
小学生には、自然数に関して多用な正しいイメージを持ってもらいたいのです。
ニュートン力学もまったく同様に、
一部の理論屋さん以外は、
素朴に応用などで縦横無尽に理論を使いこなせるようになる、つまりウエブの意味での理解を深めるのが重要なので、
公理に関してはうるさくは教育しません。
ちょっと、脱線しましたが、大体以上です。
No.4
- 回答日時:
なんだかsamuiさんの誤解の正体が見えてきたきがする(笑
応用物理学と理論物理学の混同が根にありまする。
応用物理学は論理学と似た様に基本法則からの拡張を目指す側面があるため、論理学の基本を物理学と同様に捕らえてしまってる様です。
ですが、理論物理学は「基本法則」を探すことに目的があります。
ここで抑えておかないといけないのは
「論理学」において「公理を定める」とは「その定理空間の形状を定めること」に他ならないということです。
そして論理学の目的はその定理空間の形状を認識することです。
論理の空間において、ある論理式が証明が可能か否か、つまり定理であるか否かを求めることです。
幾何学における「ユークリッド空間」は「ユークリッドの5つの公理」により規定される空間を言いますが、この5つ目の公理に異を唱えた「ロバチェフスキー」や「リーマン」がそれぞれ採用した第五の公理により「ロバチェフスキー空間」や「リーマン空間」を規定していたことはご存知のことと思います。
つまり、ユークリッドは平面空間を、ロバチェフスキーは双曲面空間を、リーマンは楕円面空間を規定していたわけです。
同様に理論物理について考えると「現実空間の形状を限定している基本法則を求めること」が目的なわけですから、いわば、「公理を探している状態」です。
ニュートンが求めた法則は物体の運動という古典物理学の運動空間を規定するのであって現実世界を規定する法則の一部にすぎません。
「万有引力の法則もいれてよいでしょうか?」とのご意見の通り、明らかに現実世界の公理としては足りないのです。
ニュートン自身は現実空間を論じていたのであって、ニュートンの法則が規定する空間について論じていたわけではないのですから、ニュートンの理論における公理が「ニュートンの法則」であるとするのは間違いだと思います。
解決済みなのですが、いろいろ参考になるのでまだ閉じていません。
もう完成した理論を使わせていただく立場なので、使う前に「えっと、出発点は?」と逆方向になったのでその疑問が「公理は?」という表現になりました。
ニュートンさんは現実を考察して、現実世界を支配している基本法則を見つけたんですね。
そう思うと(比較的少数の)公理から演繹するのは、利用者としてはぴったりですね。
丁寧な解説ありがとうございました。
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