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中学の理科で粘り気の大きいマグマからなる火山は「激しい噴火」をすると教えます。
そして粘り気の大きいマグマからなる火山の例としてあげられるのが、昭和新山や普賢岳です。
普賢岳では火砕流が起こり、多大な被害がでましたが、あれも安山岩質マグマからなる他の多くの火山が噴火した場合と比較して、「激しい噴火」といえるのかなあと疑問に感じています。
教えて下さい。

A 回答 (9件)

こんにちは。

以前,中学・高校で理科(地学)を教えていました。

本題に入る前に,前置きその1。

>短期間に隆起して忽然と現れた山だと記憶していますが、それと私の質問とはどう結び付けて考えたらよいのでしょうか。
No.1の回答は私も意味がよく分かりません。とりあえず気にしなくていいと思いますよ。
無理に解釈すれば,「新しい山なのだから,噴火過程は克明な記録が残っていて調べることが可能だ。あとは自分で調べろ」とでも言いたいのかなあ。

前置きその2。
火山の噴火の仕方とは別に,ご質問のタイトルの「昭和新山って大噴火してますか?」やNo.1の記述中の「粘り気の強いマグマからなる火山は激しい噴火をする。例、昭和新山」という書き方には違和感を覚えます(時々見かける書き方ではありますが)。
火山活動を論じる場合,昭和新山も明治新山も,大きく「有珠山(有珠火山)」という火山体の一部ととらえたほうがよいと思います。
したがって,こういう場合に例としてあげる火山名は「有珠山」,あるいは1943~45年の活動に絞りたいときは「有珠山(昭和新山)」としたいところです。
まあ,半分は好みの問題ですが。

さて,本題です。
マグマの粘性が低いと,ハワイやアイスランドのような,溶岩がよく流れる噴火のタイプになりますので,それに比べれば,日本のほとんどの火山は「激しい噴火」と言えると思います。

ただ,その日本の火山の中でお互いに比較したとき,安山岩質マグマよりデイサイト質や流紋岩質マグマの方が果たして「激しい」と言えるか…というと,なかなか微妙だと思います。
(中学ではデイサイトという区分は出てきませんが,安山岩と流紋岩の中間に位置すると考えて下さい)

まず,「激しい」という言葉に曖昧さがあります。

たとえば,昔よく理科の資料集に1971年の秋田駒ヶ岳の噴火の写真が載っていましたが(あるいは教科書によく出てくる1986年伊豆大島でもよい),夜空に赤い放物線を描いて次々とマグマが空中に放出されつつ,火口の周りにも溶岩があふれてくるようなタイプの噴火(主に玄武岩質)と,あまり噴石を周りにとばさずにじわじわと溶岩ドームが盛り上がってくる噴火(主にデイサイト・流紋岩質)とでは,どちらが激しいかと聞かれれば,かなり主観の問題になってしまうでしょう。
また,2000年から続いている三宅島の噴火のように,大量の火山ガスを放出するタイプを激しいと言うこともできるかも知れません。

しかし,一般的に,噴火の様式について議論しているときは,「噴煙を上空高く噴き上げたり,遠くまで火山砕屑物をとばすなど,爆発的な噴火になることが多い」ものを「激しい噴火」と呼ぶことが多いようです。
そこで,以下では「激しい」と言わずに「爆発的な噴火」と呼ぶことにしましょう。

噴火が爆発的になるかどうかは,マグマの粘性だけでなく,マグマ中に含まれている揮発性成分(水蒸気などの火山ガスと考えてよいでしょう)の多い少ないにも左右されます。
揮発性成分が多ければ爆発的になります。

さて,本題中の本題,“安山岩質マグマからなる他の多くの火山が噴火した場合と比較して、「激しい噴火」といえるのかなあ”というご質問ですが,正直言って難しいところですね。
ただ,耳目に新しい浅間山をはじめ,雲仙や有珠山,毎日のように噴火している桜島などは,基本はデイサイト質のマグマです。
したがって,ご質問の内容を検討するためには,「本物の」安山岩質マグマの火山の噴火様式を調べる必要があります。
もっとも,一つの火山のマグマの成分が一定と言うことはまずなく,極端な話,阿蘇火山の溶岩は流紋岩から玄武岩までありますが,一応,安山岩が中心と言っていいでしょう。
そこで,安山岩をメインとする火山,たとえば那須火山とか阿蘇火山の噴火の様子はというと,これが結構爆発的だったりするのですね。
有珠も浅間も那須も,水蒸気爆発で始まって噴煙を高く噴き上げ,時々火砕流を出すこともあり,最後は粘性のある溶岩が出てきて終わるというパターンが多いようです。

そんなわけで,一応の結論としては,「粘りけの強いマグマ」を「安山岩からデイサイトを経て流紋岩まで」と広くとらえるのであれば,玄武岩質マグマに比べると「激しい(爆発的な)噴火」と言っていいと思います。
しかし,その中でさらに「安山岩~デイサイト~流紋岩」と変化するに連れて,爆発度もきれいに高くなっていくかというと,そう単純ではなさそうです。
おそらく,揮発成分の量や,水環境の影響(地下水と接触したり地下水が間接的に温められると爆発的になる。海水でも同じ)などが大きく関わってくるのでしょう。

なお,火山噴火の各種の様式については,こちら
「火山における災害現象」(千葉達朗さん)
http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/civil/p2 …
の表1.3を,また,昭和新山を形成した有珠山の噴火の推移については(いずれも簡単ですが)
「有珠火山における過去の噴火の推移の例」
http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/usu/suii.html
「有珠山噴火と地震活動」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/naifuru/vol20/v20p4. …
が参考になろうかと思います。
(参考URL欄には字数の関係で前の2つのみ掲載)
この様子からすると,1943年~45年の有珠山の噴火活動は(私の感覚では)十分爆発的だったと言っていいと思います。少なくとも,「溶岩ドームだけがじわじわと盛り上がってできた」というようなものではありません。

大変長くなってしまって申し訳ありません。

参考URL:http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/civil/p2/volcanic_disaster.html,http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/usu/suii.html
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この回答へのお礼

入試問題では浅間山や桜島は富士山と並んで代表的な安山岩質マグマの例としてでてくるし、有珠山も普賢岳も安山岩質マグマにちかい流紋岩質マグマだと書かれたものを見た記憶もあります。そうだと思っていましたが、そうではない、もしくはそうも言い切れないようですね。
その他にも私自身も知らなかったことを多く教えていただき、随分勉強になりました。感謝いたします。

中学では、事実とは違っても今はこのように教えてたほうがよいということがたくさんあるのはわかるのですが、このことに関してはちょっと荒っぽすぎるように思います。

お礼日時:2004/09/25 02:04

では折角ですので。



>私は、粘り気が強いからこそそれを押しのけて出ようとしたとき爆発的噴火が起こり、ときには粘り勝ちで盛り上がるだけで終わる事もある。というふうに考えていました。
実際そのような噴火もあります。研究者によって火山噴火の分類は様々ですが、だいたい10余の噴火の種類があります。そのうちの二つ、「プレー式」と「ブルカノ式噴火」は、そのような爆発的噴火です。でも、流紋岩の爆発的噴火で一般的な「プリニー式」よりははるかに規模が小さいものです。
また、粘り気(=SiO2量)と噴火の激しさとの対応を考える上では、プレー式やブルカノ式はややこしいです。粘りけは、噴出後にマグマが冷却すると上がります。冷えて固まりかかった安山岩マグマは、流紋岩マグマよりも粘りけは高くなります。実際、これらの噴火は安山岩でも流紋岩でも発生します。

>カルデラは成層火山(安山岩質マグマ)が陥没したものと中学や塾では教えていることがふつうのようです。

カルデラを形作る噴火は、大抵はSiO2の多いマグマ(流紋岩・デイサイト)です。火山のことをよく知っている人だと、「SiO2の多い流紋岩マグマが激しい噴火を起こす」というと、カルデラを作る巨大噴火を思い浮かべます。様々な種類の火山噴火の中で、最も噴出量、噴出物の分布面積ともに大きいのが「カルデラ噴火」です。成層火山や盾状火山と同じ場所にカルデラができる場合が多いですが、「成層火山(安山岩質マグマ)が陥没したもの」ではありません。

蛇足ですが、「世界最大のカルデラ」を検索したら、日本では未だに「阿蘇」と信じられてるんですね。学校でもそのように教えてるんでしょうか?私の知る限りでは、最大なのはインドネシアスマトラのトバ火山なのですが.
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この回答へのお礼

とても勉強になりました。本当にありがとうございます。
以前「近畿に火山はありますか」という質問にもこたえていただいてましたよね。これからもまた教えていただく事があると思います。よろしくおねがいします。
良回答は一人しか選べないので随分迷いましたが、今回は先にご回答いただいたpuni2に入れさせていただきました。これだけ教えていただきながら次点など失礼なのですが、ご理解下さい。

お礼日時:2004/10/04 10:55

補足しますね。


伊豆大島1986年噴火やアイスランド・ハワイでみられるような、玄武岩質の溶岩が吹き上げて火柱が高く上がる噴火ってありますよね。この火柱を溶岩噴泉、噴火の様式をハワイ式噴火と呼ぶのですが、一応マグマがバラバラに吹き上げてるので、これも爆発的噴火の一種です。そして、この噴火は一件激しそうに見えますが、分布範囲・破砕・噴出量などで比べるとデイサイトなどのプリニー式噴火(ピナツボ山1991噴火のような噴火)等よりもはるかに「穏やか」と言えます。

色々問題はあるにせよ、中学生が正しく理解しやすいように単純化して伝えるなら、次の順番で整理すると良いとお思います。
1.噴火には、爆発的噴火(砕屑物の噴出)と非爆発的噴火(溶岩)があり、マグマの組成とは無関係に両方発生する。
2.爆発的噴火では、玄武岩マグマよりも流紋岩マグマの方が激しい(?)傾向がある。

>溶岩の粘り気と噴火の様子や火山の形を3分割の表で示す今の中学理科の指導はやはりおかしいですよね。
大雑把な傾向として間違ってるとは言えないのですが、確かに極端な単純化ですね。玄武岩の成層火山は他にも岩手山などたくさんありますし、日本の溶岩ドームには安山岩のものがたくさんあります。また、この指導だと、火山の形がマグマの粘り気のみですべて決まるような誤解を与えますね。同じ組成のマグマでも、いろんな条件で噴火様式が変化します。だから火山の形がどのように決まるかはかなり複雑なんです。だいたいこの分類だと「カルデラ」火山はどうしたらいいんでしょうね?
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この回答へのお礼

ハワイ式は爆発的噴火だけど穏やかな噴火というわけですか。そういうことは中学では絶対教えないですね。

私は、粘り気が強いからこそそれを押しのけて出ようとしたとき爆発的噴火が起こり、ときには粘り勝ちで盛り上がるだけで終わる事もある。というふうに考えていました。

尚、カルデラは成層火山(安山岩質マグマ)が陥没したものと中学や塾では教えていることがふつうのようです。ちょっとちがうどころじゃないですよね。

ありがとうございます。本当に勉強になります。また教えて下さい。

お礼日時:2004/09/29 19:44

専門ですが、これはかなり回答が面倒な質問です。


「激しい噴火」と「爆発的な噴火」は同義にできません。明確に区別されます。
まず最初に、火山噴火は次のように分けられます。A,Bともマグマの組成・粘り気と関係なく発生します。
A.爆発的噴火 マグマがバラバラの粒子になって吹き出す噴火。噴煙、溶岩噴泉、火砕流、火砕サージなどを生じる噴火。
B. 非爆発的噴火 マグマがバラバラにならず、一続きの流体として流出する噴火。つまり溶岩。

Bの噴火の場合、SiO2が少ない玄武岩マグマではさらさら流れて薄く広がり、SiO2が多い流紋岩・デイサイトマグマでは粘り気が高くて流れにくく、溶岩ドームになることがあります。中学の理科で教えている「激しい噴火」というのは、BではなくAの噴火についてのみ言っているはずです。
確かに「激しい」という表現は曖昧です。噴火の大きさ表すには、様々観点で表現できます。噴出したマグマの量、噴出率、降灰分布面積、爆風圧力、爆発性など、色々な量で表すことができます。どれをとっても大きい値なら、「激しい噴火」と言っても差し支えないでしょう。中学理科で「激しい噴火」と言っているのは、おそらく元々は以下のようなことを表していたのでしょう。

・プリニー式・ウルトラプリニー式噴火:デイサイト・流紋岩マグマでよく発生する爆発的噴火。噴出マグマ量、降灰分布面積、爆発性ともに大きい(激しい噴火)。例:ピナツボ1991噴火。
・ハワイ式・ストロンボリ式噴火:玄武岩マグマでよく発生する爆発的噴火。噴出マグマ量、降灰分布、爆発性とも小さい(穏やかな噴火)。例:伊豆大島1986噴火。

ここまでは、中学理科での説明は言葉足らずとはいえ大枠として間違っていないことがわかります。しかし皆さんお気づきのとおり、色々な問題があります。

まず、普賢岳火砕流の問題。
普賢岳溶岩ドーム平成新山は非爆発的噴火で形成したものです。そこからの重力崩壊により火砕流が発生したので、上のA,Bの分類は難しいです。単純に爆発的噴火といえないので、激しさの比較も無意味です。ピナツボの爆発的噴火で発生した火砕流は、もっと規模が大きいです。

マグマ水蒸気爆発の問題。
爆発的噴火が発生する原因は二つあります。
1.マグマ中のガス成分が減圧によってマグマ中に溶けきれなくなり、マグマが発泡して爆発する。ビール瓶を振って蓋を抜いたときの発泡と同じ現象です。マグマ爆発と呼びます。
2.マグマと水が接触することによって爆発する。これをマグマ水蒸気爆発と呼びます。
上に挙げたプリニー式~ストロンボリ式噴火は、マグマ爆発です。
マグマ水蒸気爆発の場合、噴出量や降灰分布面積が小さくても爆発性が極めて高い場合もあります(スルツェイ式噴火などと呼ばれる噴火)。このような場合、「激しい噴火」と言って良いのかわかりにくいですよね。

補足ですが、「爆発性(explosiveness)」は、どれほどマグマが細かく砕かれるかで計ります。
例えば一枚のガラス板があるとします。小さなエネルギーで破壊すると、数枚の破片にしかなりませんが、大きなエネルギーで破壊すると、数十、数百個の細かい破片に砕かれますよね。
他にもわかりにくい点があるかと思いますので、ご指摘ください。
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この回答へのお礼

puni2さんにも指摘されましたが「激しい噴火」は、やはり曖昧ないいかたですよね。(同様に穏やかな噴火も)使うときには注意したいと思います。
爆発的とは、さいせつ物が飛び出す噴火。非爆発的とは溶岩が流れ出す噴火。(または盛り上がるだけの状態)と解釈すればよいのですね。
規模は無関係ということで、5番の方がおっしゃっていた昭和新山の噴火はたとえ小規模なものであっても(詳しく調べていないのですが)爆発的だといえるし、三宅島のように長期間の避難を余儀なくされるような噴火(アイスランドではもっと激しく溶岩が噴出しているようですが)であっても非爆発的(中学理科では穏やかな噴火)ということになる訳ですね。
安山岩質マグマではそれが交互に起こりやすいということでよいでしょうか。
それにしても、溶岩の粘り気と噴火の様子や火山の形を3分割の表で示す今の中学理科の指導はやはりおかしいですよね。
例えば三原山や三宅島が実は成層火山と一般にはよばれていることや富士山が実は玄武岩質マグマからなることもpuni2さんに教えていただきはじめて知りました。

ありがとうございます。大変勉強になりました。

お礼日時:2004/09/28 21:20

No.3のお礼:


>マグマの性質による噴火の様子については表にまとめられているものが多く
(中略)
>これはちょっと問題ありですよね。

No.4のお礼:
>中学では、事実とは違っても今はこのように教えてたほうがよいということがたくさんあるのはわかるのですが、このことに関してはちょっと荒っぽすぎるように思います。

全くおっしゃるとおりです。
「火山岩3区分表」の話が出ましたので,元の質問からは多少離れるかも知れませんが,少し補足しておきたいと思います。

火山岩を3区分して,それぞれに対応する岩石の色,火山の形,噴火の形態などをまとめた表がよく参考書に載っています。
こんなやつですね。
http://furnace.hp.infoseek.co.jp/science2-2.html
しかし,これは誤解を招きやすいのです。
この表はあくまでも,横方向の関係を示したもので,本来,縦に揃えて読んではいけないのです(特に真ん中,成層火山の項)。
中学生向けのページなのでSiO2は出ていませんが,「SiO2が少ないほど(表の右に進むほど),盾状火山ができやすい傾向がある;噴出直後の溶岩の温度は高い傾向がある」というふうに見るべきものです。

真ん中の欄。
確かに,富士山は成層火山です。
確かに,安山岩質のマグマからできた火山は,大部分が成層火山です。
しかし,それならば富士山は安山岩でできているか。
答えはノーです。
日本火山学会の「日本の第四紀火山カタログ」には,富士山に見られる岩石として,「玄武岩:大部分,玄武岩質安山岩:少ない,安山岩:稀,デイサイト:稀」となっています。
http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/volcano/ …
(トップページはこちら。
http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/volcano/ …
個別の火山に関する情報を知るとき,結構便利です)

実際,富士五湖の湖畔の砂はかなり黒っぽいですし,また日本一長い溶岩流は富士山から流れ出たものです(大月市猿橋まで届いている)。どうみても玄武岩です。

つまり,確かに盾状火山になるのは玄武岩,また鐘状火山(とは今は言わず,溶岩円頂丘,または溶岩ドームという)になるのは流紋岩やデイサイトにほぼ限られますが,成層火山になるのは安山岩に限定されません。
デイサイトを主とする雲仙火山も,普賢岳の平成新山だけを見れば溶岩ドームですが,雲仙全体を見ると(富士山ほど整ってはいませんが)一応成層火山ですし,玄武岩を主とする富士山ももちろん成層火山です。
これを,「マグマの種類は(中学では)3つ,火山の形も3つ」ということで一対一に対応させてしまうのは誤りです。

そのことを知っている著者ですと,安易な3区分表を書かず,

流紋岩    安山岩    玄武岩
溶岩ドーム           盾状火山
  ←----成層火山----→

のように表して幅を持たせたり(うまく画面上で表示されるかな),あるいは他の項目の場合,左端と右端だけ書いて,真ん中の列はあえて言葉を入れず←---→だけですませたりして,単純に3つに(それも同じところで)分けられるんじゃないんだよ,というメッセージを何とかして伝えようと工夫しています。
しかし,受験生やせっかちな読者にしてみると,3対3できれいに対応するんだ,と考えるほうが暗記しやすいので,ついそちらを信じてしまうのかも知れません。
(高校の地学の教科書でも,この種の表はかなりの単純化がなされていました。成層火山が流紋岩や玄武岩の火山にも見られることをきちんと書いていたのは,啓林館ぐらいだったかな)

某社の中学理科の問題集には,富士山は安山岩とか,伊豆大島(三原山)は盾状火山,など,現実と異なった記述がみられました。
富士山は,前述の通り,典型的な成層火山だから,ということなんでしょう。
一方,三原山は1986年の噴火の様子から見ても,固まった溶岩の色から見ても,玄武岩であることは明らかなので,これまた3区分表を縦に見て,盾状火山にしちゃったのでしょうね。
伊豆大島は,多少平べったいですが,成層火山です。日本には盾状火山はごく小さいものが多少ある程度で,名の知れた火山には典型的な盾状火山はないといって良いでしょう。

こういう問題集が学校指定として使われてしまっていたので,ちょっと困りました。
しかたなく,富士五湖の砂とか猿橋溶岩流の話をしたあとで,「地学をよく知らない人が問題集を書いたり入試を作ったりすると,こういう妙な問題や解答になることがあるので,そういうときはイヤだけど,3区分表に当てはめて答えるしかないだろう。
でも,富士山はやっぱり玄武岩だ。富士五湖に旅行に行ったり富士登山をしたら,足下の砂を見てほしい」
なんて説明していました。

話を元に戻すと,噴火の様式については「うんと玄武岩質なマグマ(という言い方はしませんが,要するにSiO2が特に少ないもの)は,さらさらした溶岩を噴き出してどんどん流れていくような,比較的穏やかな噴火のことが多い。それ以外のマグマだと,爆発を伴う激しい噴火になることもある」程度でいいんじゃないかなと思います。

また長くなっちゃってすみません。

参考URL:http://furnace.hp.infoseek.co.jp/science2-2.html,http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/volcano/ …
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この回答へのお礼

とてもよくわかります。こんなに丁寧にしかも素人にもよくわかる説明をしていただけるとは、puni2さんは只者ではないですね(笑)何で一般人で自信なしやねん!と突っ込んでしまいました。
ところで、富士山は玄武岩質マグマで、日本一長い溶岩流があるとのことですが、ではなぜ日本一高い山になれたのでしょうか?また、過去の富士山の噴火の様子は三宅島のそれとはかなり違うように思います(実はあまりよく知らないんですが)
一つわかれば二つ疑問が出てきます。
時間があるときに教えて下さい。

お礼日時:2004/09/26 01:02

昭和新山は1944年6月から10月までで17回爆発を起こし,7つの火口を造っています.キラウエア火山のようにたらたら溶岩を流してい

る火山に比べれば激しい噴火を伴う火山と言ってよいのではないでしょうか.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
17回も爆発(噴火?)してるんですか。だけどそのたびに付近の住民は避難してるのでしょうか?三宅島のほうがまだ激しい噴火をしてるとはいえないでしょうか?
puni2さんにも指摘されましたが、「激しい噴火」は確かに曖昧です。爆発的噴火と言い換えたにしても果たしてその17回の噴火がその形容に当てはまるでしょうか。

お礼日時:2004/09/26 00:47

おそらく中学生理科だと、粘性と噴火について、


●玄武岩質マグマ
 さらさらしているので、激しい爆発を起こさない。例としてハワイ島など。
●安山岩質マグマ
 粘性が高いため、爆発的な噴火をする。例として浅間山など。
●流紋岩質マグマ
 さらに粘性が高いので、“爆発せずに”溶岩のドームを形成する(例として昭和新山など)。
って教えるんじゃないでしょうか???

普賢岳なんかは、噴火というよりも昭和新山と同じで、溶岩ドーム状に盛り上がってきたものです。ただ盛り上がってくる途中で、ドームが崩れ落ちてしまい、中部の高温の溶岩が火砕流として流下しました。
だから、昭和新山だって、もし急激に盛り上がってきたら、同じような現象が起こる可能性は無いとは言えません(それを噴火と呼ぶかどうか別として)。

また噴火というのは、必ずしもマグマが噴出するというものではありません。
マグマが地表近くまで上昇してきて、地下水などに接すると、水蒸気爆発という激しい噴火を引き起こします。熱した油に水滴を落とすようなものです。
2000年の有珠山の噴火は、水蒸気爆発に近いものでした。

だから、昭和新山のような流紋岩質マグマの火山が爆発しないかと言えば、それは嘘です。

いずれにしても、「安山岩質マグマが最も激しい噴火を起こす」と答えは、一般的に正しいと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
「流紋岩質マグマは爆発せずに溶岩ドームを形成する」ならわかるし、わたしもそのように理解していました。しかし、過去の入試問題や参考書をみても、マグマの性質による噴火の様子については表にまとめられているものが多く、「爆発的噴火⇔おだやかな噴火」とかかれており⇔の真上が安山岩質マグマとなっています。(この説明ではわかりづらいかもしれませんが)これはちょっと問題ありですよね。

お礼日時:2004/09/25 01:34

田んぼが短期間で山になった、という事だけで昭和新山は「噴火」とは縁はないと思います。



「粘り気の大きいマグマからなる」というのは確かですが。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
そうですよね。だからリュウモン岩質マグマ=激しい噴火と教えるのは正しくないですよね。

お礼日時:2004/09/24 23:47

昭和新山が出来た課程を調べた方がよいでしょう。


なぜなら、大正時代には、昭和新山が無かったのですから。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
短期間に隆起して忽然と現れた山だと記憶していますが、それと私の質問とはどう結び付けて考えたらよいのでしょうか。
私は中学で、「粘り気の強いマグマからなる火山は激しい噴火をする。例、昭和新山」と教える事が疑問なのですが・・・。

お礼日時:2004/09/24 21:57

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