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高速炉と高速増殖炉って違うものですか?調べてもよくわからないので、教えてくれたら嬉しいです。
カテゴリ違ったらすみません。

A 回答 (3件)

違うものではなく、「『高速炉』は『高速増殖炉』も含む、より広い概念」ということです。

「高速増殖炉」は、「高速炉」の中の分類のひとつ、ということ。

「高速」とは、通常の軽水炉(通常の原子力発電所で使われているもの)が「水で減速した遅い中性子」を使うのに対して、減速しない「高速の」中性子を使うことを意味します。

一方「増殖」とは、プルトニウムを燃料として燃やしながら、一緒に入れている核分裂しないウラン238(天然ウランの99.3%を占める)に中性子を吸収させてプルトニウムにすることにより、燃料として使えるプルトニウムを生成することを意味します。

「もんじゅ」などは、「プルトニウムを燃料として燃やすとともに、核分裂しないウランからプルトニウムを生成する」という2つの働きを同時に行うので「高速増殖炉」と呼ばれます。
「プルトニウム」は、上に書いた通常の「軽水炉」の燃料の中でも生成されていて、それを青森県の六ケ所にある「再処理施設」で再処理してプルトニウムを抽出して新しい燃料に加工します。
ところが、ご承知のように「もんじゅ」は稼働していませんから、このプルトニウムが消費されることなく蓄積されています。北朝鮮の例でもわかるとおり、このプルトニウムは核兵器の材料になりますから、日本が大量のプルトニウムを保有していることに対してアメリカを含む海外から懸念の目が向けられています。

なので、日本では「たまったプルトニウムを消費する原子炉」を開発しますよ、という意味で「増殖」を削除した「高速炉」という言葉を使い始めたのでしょうね。
言ってみれば、海外からの懸念を振り払うための「看板の架け替え」です。

海外でも、燃料の「再処理」をやめたところでは、かなり前から「増殖」を削除した「高速炉」という呼び方をしています。使われている技術は「高速増殖炉」と同じだったり、異なる方式だったり様々です。
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高速炉とは高速中性子を用いた原子炉のことです。

ウラニウムやプルトニウムは誘起核分裂を起すとき低速中性子(熱中性子)と高速中性子を生じます。通常の原子炉で用いられるのが熱中性子でそれも水や黒鉛で速度を落とし他の原子に吸収されやすくしています。これを吸収断面積を大きくすると言います。制御棒というものがあってホウ素などで中性子を吸収して反応を抑え、全部の制御棒を挿し込むと原子炉は事実上停止します。一方核爆弾に必要なのが高速中性子です。ドイツの核兵器開発を指揮していたハイゼンベルクは高速中性子を知りませんでした、そのため侵攻してきた英国軍に捕獲されたあと米軍が日本に核兵器を使ったことを聞き、仲間の物理学者と計算をした結果それはウソだという結論になりました。ハイゼンベルクの考えた核爆弾は熱中性子を用いるもので原子炉を降らす巨大なものだったからです。デヴィッド・キャシディ著「不確定性」白楊社
高速増殖炉はもっぱらプルトニウムの誘起核分裂を用い、高速中性子をウラニウム238に照射してプルトニウムを再生産するというものです、この際高速中性子を用いるため高速中性子を減速させない熱媒体(冷却剤)が必要になります。そのために用いられるのが熔融ナトリウムです。プロジェクト全体が崩壊した原因は余りにもバカバカしく、化学工学に未熟な研究者が温度を測る熱電対の鞘を設計して大田区の町工場に持ち込んだのが始まりです。熟練した工場の主人はこの設計ではテーパーがついておらず、段になっているので必ず折れると設計図を突き返しましたが、研究者が俺が責任者だと言って無理やり作らせたのです。ナトリウムを流しはじめたらすぐ折れてしまい、それ以後直すのかやめるのか延々と議論した結果が今回の結論です。
なぜ今、やめたかは簡単でリスクのかたまりのような高速増殖炉を日本国内に多数設置する意味が全く無くなったので開発自体も無意味になったのです。国際原子力機構も日本は無意味にプルトニウムを国内に積み上げていると警告を出しています。これ以上プルトニウムを増やすことは許されないのです、多分ウラニウムに混ぜるMOx法で処分することになるでしょう。
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違う物です。


ごく簡単に言うと
高速炉は燃料を消費します。
高速増殖炉は燃料が産み出し(プルトニウム239を生産する)ます。
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