原子はとても安定していて、寿命も何十億年だと聞いたことがあります。
とても不思議に思いますので質問いたします。
1.寿命は原子核の数が少ないほど永いのでしょうか?
2.寿命が尽きるとはどういうことをいうのでしょうか?光となり消滅してしまうのでしょうか?それは観測できますか?
3.もし電子がなくなって原子核になったらどうなるのでしょうか?まだ原子として存在できますか。それとも電子と対であるから安定していられるのでしょうか?
4.なぜそんなに安定しているのでしょうか?独楽や地球の自転のように回転しているからでしょうか。
5.原子と原子がくっついて分子になるときエネルギーは失われるのでしょうか?逆に分子から原子になるときにはどうでしょう。
6.陽子、中性子、電子に個性はあるのでしょうか?まったく同じ性質で区別ができないものですか?傷があったり、色があったり、固有周波数が違ったりしますか?
7.ビックバンのとき陽子、中性子、電子の中でどれが最初にできたのでしょうか?順番はわかっていますか?
よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
1.原子核のうち中性子と陽子の数の和が、ある数の場合特に安定している数があります。
それは「2、4、8、20、28、50、82、126」でこの数のことを「マジック数」と言います。2.寿命が尽きるとは、原子核が他の原子核に変ることを言います。しかし、全部の原子核が他の原子核に変ることはありません。徐々に変っていって、元の原子核が最初の数の半分になるまでの時間を「半減期」といいます。他に1/e(eは自然定数)になるまでの時間を「平均寿命」といいます。
3.現時点では、電子は安定していて他の粒子に変りません。(素粒子が質量の小さい素粒子に変ることを「崩壊」するといいます)逆に、陽子は10^32(10の32乗)年以上の平均寿命があるとする理論(大統一論)がありますが、まだ実証されていません。(ちなみに、中性子は単独で存在する時は、約917秒で、陽子、電子、ニュートリノに崩壊します)
4.陽子や電子などの素粒子は、それぞれ「ハドロン族」と「レプトン族」のなかで、一番軽いのでそれより軽い素粒子には崩壊しません。
5.原子同士がくっついて分子になる時は、エネルギーは失われる場合と、エネルギーが生まれる場合があって、その具体的な反応の仕方で、変わります。
6.同じ素粒子同士は、区別できません。したがって
>陽子、中性子、電子に個性はあるのでしょうか?まったく同じ性質で区別ができないものですか?傷があったり、色があったり、固有周波数が違ったりしますか?
の答えは、Noです。
7.の質問には「まだ、よく分からない」が正解でしょう。
丁寧にお答えいただきありがとうございます。
興味深い話ばかりです。
>電子は安定していて他の粒子に変りません。
電子は常に飛び回っているというイメージがあります。運動エネルギーを消費しないのでしょうか?あまりにも小さく軽いために摩擦などもないということでしょうか。重力のない宇宙空間ではもっと安定しますか?
>寿命が尽きるとは、原子核が他の原子核に変ることを言います
水素(陽子1つと電子1つ)の寿命が尽きるとどうなりますか?陽子単独1つというのは不安定ですか?
>中性子は単独で存在する時は、約917秒で、陽子、電子、ニュートリノに崩壊します
中性子が不安定であるのは何故でしょうか?陽子といっしょに原子を形成するときだけ安定するのは何故でしょう。
>同じ素粒子同士は、区別できません。
陽子や中性子の質量と大きさ、電子の電荷量などがまったく同じだとは思えないのですが。多少の誤差はあるのでないでしょうか。
たとえば水素1億個の重さを量ると、何度量り直してもいつもまったく同じ数値になるのでしょうか?
No.5
- 回答日時:
>エネルギー保存の原則は素粒子レベルでも適応されますか?
当然です。
>水素原子が非常に安定しているのはエネルギーを消耗しなからだと考えていいのでしょうか?
まあ、それはそうなんですが、
それはほとんどトートロジーではないですか?
>時間が経っても原子核の相互作用力や電子の電荷が減らないのは説明がつくのでしょうか?
相互作用や電荷の時間依存性は、現在のところ観測されていません。
参考URLはそのへんの話題を扱った本です。
あまり一般向けではないですが。
参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781907 …
No.4
- 回答日時:
>3.もし電子がなくなって原子核になったらどうなるのでしょうか?
>まだ原子として存在できますか。それとも電子と対であるから安定していられるのでしょうか?
エキゾチックアトムというのがあります。
これは原子核に電子以外の負電荷粒子(ミューオンとか)をくっつけたものです。
また、ポジトロニウム(電子と陽電子ペア)も
エキゾチックアトムに入れていいと思います。
これらは例外なく安定的に存在できません。
負電荷粒子が崩壊してしまったり、
ポジトロニウムでは、対消滅してガンマ線になってしまうからです。
世の中、電荷をもっている安定な粒子は
原子核、電子、それらの反粒子ぐらいしかないので
人工原子が寿命が短いのはしかたがないです。
ありがとうございます。
エネルギー保存の原則は素粒子レベルでも適応されますか?
水素原子が非常に安定しているのはエネルギーを消耗しなからだと考えていいのでしょうか?
時間が経っても原子核の相互作用力や電子の電荷が減らないのは説明がつくのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
bttf2003さんの回答で良いと思いますが、ビッグバン後の粒子ができる順番について少し補足させて頂きます。
現在自然界には四種類の基本的な力が知られていますが、宇宙の始め、エネルギーが非常に高かった頃にはこれらの区別はなかったと考えられています。大統一のエネルギースケール~10^5GeVよりエネルギーが下がるとHiggs粒子によって対称性が壊され、強い相互作用と電弱相互作用が分離します。さらにエネルギーが下がって1GeV程度になるとクォークからハドロンへの相転移が起ります。現在陽子の崩壊もHiggs粒子も見つかっていないと思います。しかしこのようなシナリオには変更はないと考えられます。したがって電子と陽子や中性子のどちらが先にできるかと言えば、電子の方が先です。ありがとうございます。
>自然界には四種類の基本的な力が知られていますが、宇宙の始め、エネルギーが非常に高かった頃にはこれらの区別はなかったと考えられています
根本的な質問で申し訳ありませんが、「力」とは何でしょうか?他者に影響を及ぼすものですか。エネルギーとは違いますか?
時間の概念と「力」とは関係がありますか?「力」が存在してはじめて時間が動き出すのでしょうか?「力」がなければ時間もないのでしょうか?
>現在陽子の崩壊もHiggs粒子も見つかっていないと思います
陽子どうしを高速で衝突させても崩壊しませんか?
反陽子というものは存在しますか?(反電子が存在するという話は聞いたことがあります)
No.2
- 回答日時:
外出直前に、思いつくままに書き込みしていました。
再質問が心配でしたが、専門的な事ではなく根源的な質問だったので、気を取り直して再回答します。
>運動エネルギーを消費しないのでしょうか?あまりにも小さく軽いために摩擦などもないということでしょうか。重力のない宇宙空間ではもっと安定しますか?
宇宙空間では、「エネルギーの保存の法則」が成り立っていますので、摩擦などの2次的な力を考える必要はありません。単独の陽子・電子に作用する力は、重力と電磁気力だけです。それも影響は、ほとんどありません。
だから、安定性は変りません。
>水素(陽子1つと電子1つ)の寿命が尽きるとどうなりますか?陽子単独1つというのは不安定ですか?
水素の寿命は、現時点では「無限」と考えて差し支えありません。(大統一理論が、証明されて陽子が崩壊しない限り、安定のまま存在します)
陽子単独でも、「バリオン族」(前の回答では、「ハドロン族」と間違って書いてしまいました)という素粒子の種類の中では、質量が一番軽いので崩壊しません。
>中性子が不安定であるのは何故でしょうか?陽子といっしょに原子を形成するときだけ安定するのは何故でしょう。
中性子が陽子より、ほんのちょっと重い質量を持つからです。(2.3x10^(-30)Kgくらい、重いだけですが)普通の原子で安定しているのは、エネルギーのやり取りがない(「基底状態にある」といいます)からです。
>陽子や中性子の質量と大きさ、電子の電荷量などがまったく同じだとは思えないのですが。多少の誤差はあるのでないでしょうか。
上記にあるように、質量は中性子の方が重いですが、大きさ・電荷量は同じです(もちろん、測定誤差はありますが、小数点以下10桁以上同じです)
逆に「何故、同じなんだろうか?」という疑問は、今でもわかっていません。
素粒子と普通の粒子を比べたら、素粒子の性質(特性)が本来の「性質」で、普通の粒子の性質は、素粒子の性質から2次的に導かれるものと、多くの物理学者は考えています。
(しかし、素粒子が本当に最も「基本的な粒子」かどうか?も研究中です。現時点では、もう一段下に「基本的な粒子」があることは判明していて、さらに二段・三段下がないかを調査中です)
ありがとうございます。
ミクロの世界は不思議な世界ですね。
それにしても水素の寿命がほぼ無限というのにはびっくりしてしまいました。
宇宙の寿命が二百億年程度ときいていたので、それより短いものと勝手に思っていました。
またブラックホールに吸収されるとつぶれてしまうと思っていましたが、どうやらつぶれなさそうですね。
陽子や中性子や電子が精密に「均一」であることも不思議です。
自然界の砂などは「個性」がありますし、量子力学の世界の「ゆらぎ」というものもありますので、さほど均一ではないと思っておりました。
大変勉強になりました。
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