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下記質問において、No.5(shiaraさん)の回答についてです。

質量欠損って何がなくなったの?
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6607947.html

shiaraさん、すみません、他の方が参照しやすいように全文掲載させてもらいます。
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原子核は、陽子と中性子が集まって出来ています。これらはしっかり結びついていてまったく動かない、というものではありません。核力のポテンシャルは井戸型をしていて、陽子と中性子は、井戸型ポテンシャルの中で自由に動き回っていると考えられます。したがって、陽子と中性子は、運動エネルギーを持っています。これを原子核の外から見ると、原子核の質量は、陽子と中性子の質量の他に、陽子と中性子の持っている運動エネルギーから来る余分な質量を持っています。この余分な質量と運動エネルギーの関係は、よく知られているE=mc^2となります。
核分裂によって原子核が2つに分裂すると、それまで陽子と中性子が持っていた運動エネルギーの一部が、原子核全体の運動エネルギーに変わります。原子核全体としての運動エネルギーが増えるということは、温度が上昇するということです。これが原子炉で発生する熱となります。核分裂した後の原子核は、その原子核を作っている陽子と中性子の運動エネルギーが減っているため、原子核としての質量が減ることになります。これが質量欠損です。
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[質問1]
分裂前の原子に対して分裂後生成された原子では、原子核内の陽子と中性子の運動エネルギーが減るのは何故でしょうか?
核分裂生成物は結合エネルギーが強いため、陽子と中性子が動きづらくなるからと解釈してもいいのでしょうか?

[質問2]
下記Wikipediaに、「自由な陽子と中性子を融合させると、その結合エネルギーに相当する約2.2MeVのガンマ線を放出することが知られている。」と記述されています。

これは、結合エネルギーの束縛により減った陽子と中性子の運動エネルギーが、2.2MeVのガンマ線として放出されたと理解してもいいのでしょうか?

質量欠損 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%AA%E9%87%8F% …

A 回答 (7件)

原子と原子核では大きな違いがありあます。



原子は、中心に+の電荷を持った半径が10^-13cm程度の原子核があり、その周りを-の電荷を持った電子が回っている。原子の大きさは10^-8cm程度で、+の電荷を持つ原子核は、点で近似してもかまわない。電子が感じる位置エネルギー(ポテンシャル)は、クーロンポテンシャルで、距離に反比例するということは疑いようもない。

このモデルがいかに正しいかというのは、ボーアの水素原子モデルというものがあります。このモデルは、非常にシンプルで、たぶん高校の数学と物理の知識があれば理解できるモデルであるにもかかわらず、水素原子の電子の結合エネルギーが13.6eVであることをピッタリと計算できます。

原子核のポテンシャルは、井戸型ポテンシャルデ、クーロン力ではなく核力から生じていると考えられていますが、核力に関するメカニズムは、正直言って、まだわかっていないといってよいでしょう。それを研究しているのが、物理学科の素粒子です。大規模な加速器で原子核をぶつけて新しい素粒子を発見して、そのメカニズムを明らかにしようとし、今も現在進行形です。解決したという話は聞いていない。

原子核の井戸型ポテンシャルですが、これは実験的にも存在は確かめられていますから、たぶんそうなんでしょう。井戸型ポテンシャルの中で中性子と陽子が軌道をもっているというのもマイヤー・エンゼンが提唱したシエルモデルがあり、モデルではありますが、実際はそうなっているのだろうと思います。

何故、井戸型ポテンシャルなのかといったことは、まだ研究が続いている段階だと思います。

原子核の中では、中性子と陽子は、個別に存在しているのではなく、中性子同士、陽子同士、中性子と陽子が対を作って、中間子を介在して、中性子が陽子になったらい、陽子が中性子になったりしているとも考えられています。中間子以外にも多くの素粒子があって、それらが介在してもっと複雑になっているのではないかと考えられています。

したがって、[質問1」と「質問2]について、素過程に戻って正確に答えられる人はいないでしょう。私は、こう思うと、想像するのは勝手です。

実験的なものから分かっていることは、鉄をはさんで、鉄より軽い原子核は融合した方が質量は軽くなり、鉄よりも重い原子核は分裂したほうが軽くなるということは分かっています。実際に測定すると、そうなっているのですから。

ウラニウムなどは鉄よりもかなり重いですから、分裂するとかなり軽くなり、軽くなった分が質量欠損で、その分が自由エネルギー(運動エネルギー等)になればエネルギー源として使えるということになります。

「自由な陽子と中性子を融合させると、その結合エネルギーに相当する約2.2MeVのガンマ線を放出することが知られている。」という記述は、核力等の素過程がわかっていて、それからこの事実が導き出されたというよりも、このような実験をして、鉄より軽い原子核は融合した方が軽くなるということがわかったというのが正解でしょう。
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素人の変わった意見



[質問1]
>>分裂前の原子に対して分裂後生成された原子では、原子核内の陽子と中性子の運動エネルギーが減るのは何故でしょうか?
プラスイオン化している為ではと思われます。通常原子は「1」の状態で安定しますが、プラスイオン化した状態は非常に不安定で「0」の状態です。

>>核分裂生成物は結合エネルギーが強いため、陽子と中性子が動きづらくなるからと解釈してもいいのでしょうか?
結合エネルギーが強いのでしたら、動き易いと解釈すべきでしょう。

マーケティングと同じような解釈にすれば、自ずと答えが導き出せます。
メーカー目線、消費者目線。

おまけ
フォトン、エレクトンなどの電子スピンを3D図化し、これに等電位面、ド・ブロイの物質波の仮説をを組み合わせてシミュレーションして考えて下さい。
今まで見えなかった物が見えて来ますから・・・・・・・。
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No.2です。


核子が融合する前の状態として、それぞれの核子が十分離れていて、それぞれの核子はほぼ静止している状態を考えます。このとき、各核子の運動エネルギーはゼロ、ポテンシャルエネルギーもゼロで、トータルのエネルギーもゼロです(核子の静止質量エネルギーは変わらないので、除いて考えます)。これらの核子が引き合って、結合するとします。核子どうしが近づいていくと、ポテンシャルエネルギーは小さくなり(この場合はマイナスに大きくなる)、その分が運動エネルギーになります。全エネルギーは保存するので、ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和はゼロです。この状態で核子が衝突して核子が融合すると、核子は束縛状態になります。束縛状態とは、全エネルギーがマイナスになるということです。衝突前は全エネルギーはゼロでしたが、束縛状態になるとマイナスになりますから、その差分のエネルギーが放出されます。
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この回答へのお礼

ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに転換されるのは、日常体験する重力と同じなのでよく理解できました。

結合後、エネルギー準位が低い位置に落ち着くという現象をよく理解できてませんが、これは自分で調べて勉強してみます。

その過程で疑問点が出てきたらまた質問しますので、そのときはよろしくお願いします。

お礼日時:2011/03/24 06:41

補足に回答させていただきます。



相対論的なエネルギーの式は、質量m、速度v、光速c、ポテンシャルVとして、
E = mc^2 / √(1 - v^2/c^2) + V
となります。
速度が光速に比べて十分ちいさい場合、第1項は、
mc^2 / √(1 - v^2/c^2) ≒ mc^2 + 1/2 mv^2 = 質量エネルギー+(非相対論的)運動エネルギーT
と近似できるので、
E ≒ mc^2 + T + V = mc^2 + (非相対論的)力学エネルギーK
と近似できます。

原子核のような複合粒子の場合、原子核は全体として静止していてポテンシャルも特にないとすれば、
エネルギー保存則より、原子核の質量をm、原子核を構成するそれぞれの粒子(陽子・中性子)の質量をm_i、力学的エネルギーをK_iとすると、
mc^2 = Σm_i c^2 + ΣK_i
となりますが、回答(3)に書いたとおり、結合状態ではK_i<0ですから、
m < Σm_i
つまり、構成粒子がバラバラだったときの質量の合計より、原子核の質量のほうが小さいことになります。
注意していただきたいのは、この等式は反応前後を比較しているものではない、ということです。
これは同じものを、1個の原子核として観測するか、内部構造を含めて観測しているかの違いを表しているにすぎません。

補足質問の形に合わせて反応前と後を比べるならば、
Σm_i c^2 = Σm_i c^2 + ΣK_i + ガンマ線などのエネルギー
で、結合エネルギーΣK_iの分が、ガンマ線などのかたちで放出されることになります。
そして、残ったΣm_i c^2 + ΣK_iの部分が全体として、原子核のエネルギーとして観測されるわけです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
よく理解できました。
相対論的なエネルギーの考え方は勉強になりました。

お礼日時:2011/03/24 06:35

正確には運動エネルギーではありません。

全力学的エネルギーです。
原子核中の核子は束縛状態にあります。全力学的エネルギーEはほとんど
E = 運動エネルギー + 核力ポテンシャル + 静電ポテンシャル
と表すことができます。
ここで、運動エネルギーは常にプラス、核力は引力なのでマイナス、
静電ポテンシャルは陽子どうしの斥力なのでプラス。
束縛状態にあるためには引力が勝って、E<0になっているはずです。
この力学的エネルギーE(あるいはその絶対値)を結合エネルギーと呼んでいます。
自由な状態(E=0)から結合状態になったときに放出されるエネルギー、
あるいは、結合状態からバラバラに引き剥がすの必要なエネルギー(原子中の電子の場合はイオン化エネルギーに相当)という意味です。
質量欠損とは、この負の力学的エネルギーが、外から観測すると質量の減少として現れるものです。
つまり、結合(束縛)状態にあるならば、常に
バラバラの陽子・中性子の全質量 > 結合状態(原子核など)の質量
になります。(これで「質問2」の解答とします)

質問1について
大きな原子核になると、核力は射程距離の短い力なので核子が増えても一つ当たりの束縛エネルギーはさほど変わりませんが、
電気力による斥力は遠くまで届きますから、結局、3つ目の静電ポテンシャルが大きくなってしまいます。
エネルギーEが小さい(負ですから、絶対値としては大きい)ほど安定した(深い井戸にあるかんじ)状態にあるわけですが、
大きな原子核では、静電ポテンシャルの正の項が大きくなり、全体としてエネルギーが高い(結合エネルギーが小さい)状態、すなわち不安定な状態になります。
量子力学では、より安定な状態があると一定の確率で状態の変化が起こります。
大きな原子核にあるよりも、小さな原子核になったほうが安定であるならば、
原子核は分裂してより安定になろうとする、これが核分裂です。
そのとき、
大きな原子核のときの力学的エネルギー>小さな原子核の力学的エネルギーの和
ですから、その差が質量欠損として観測され、その分が別のエネルギーとして放出されます。
核分裂にはほかにもいくつかあります。
代表的なものはアルファ崩壊とベータ崩壊で、
束縛された核子のうち陽子2個、中性子2個が集まってヘリウム原子核(アルファ粒子)となって出てくるのがアルファ崩壊で、これは束縛状態からのトンネル効果による脱出によって説明されています。
陽子と中性子が同数ならば安定するが、個数が違うと不安定になる、という場合もあって、このときは中性子が反電子を放出して陽子へと変わる、ベータ崩壊といわれる現象がおきます。
いずれの場合にも、結局は、
大きな原子核のときの力学的エネルギー>小さな原子核の力学的エネルギーの和
であり、その差が放出されることに変わりはありません。

この回答への補足

詳しい回答ありがとうございます。

[質問2]に焦点を絞りたいと思います。
自分なりに結合前後の核子のエネルギー保存則を適用させてみます。

Em1 + Ek1 + Ep1 = Em2 + Ek2 + Ep2 + 放出されたエネルギー(ガンマ線)

Em:核子の質量エネルギー
Ek:核子の運動エネルギー
Ep:核子のポテンシャルエネルギー
添字1は結合前、添字2は結合後

Ep1>Ep2とのことですが、他のエネルギーの大小関係はどうなっているのでしょうか?

Em1 =? Em2
Ek1 <? Ek2

補足日時:2011/03/23 12:29
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質問1「分裂前の原子に対して分裂後生成された原子では、原子核内の陽子と中性子の運動エネルギーが減るのは何故でしょうか?」について


原子核内に束縛されている核子は、2つ以上の核子が同じ量子状態になることはできませんから、違うエネルギーを持たなければなりません。しかも、束縛状態にあるので、エネルギーは不連続な値をとらなければなりません。核子の数が多ければ、それだけ高いエネルギーを持つ核子もあるということです。核分裂して核子の数が少なくなると、低いエネルギー準位に入ることができますので、不要なエネルギーは放出することになります。

質問2について
核融合の場合は、エネルギーの元は核力ポテンシャルです。核子が遠く離れている時よりも、近づいたときの方がポテンシャルエネルギーは小さくなります。このポテンシャルエネルギーの差が核子の運動エネルギーとなる訳ですが、2つの核子が結合して束縛状態になると、束縛状態のエネルギー準位の低い位置に落ち着きます。そのときのエネルギー差がガンマ線として放出されます。

 なお、上記については、私の推測も入っているので、必ずしも正しいとは保証できません。その点、ご容赦ください。

この回答への補足

ご本人自らの回答ありがとうございます。

>核子が遠く離れている時よりも、近づいたときの方が
>ポテンシャルエネルギーは小さくなります。このポテ
>ンシャルエネルギーの差が核子の運動エネルギーとなる

ということは結合前後で、核子の運動エネルギーは増えているということでしょうか?

>2つの核子が結合して束縛状態になると、束縛状態の
>エネルギー準位の低い位置に落ち着きます

低いエネルギー凖位になるとは、中性子と陽子が持っていた何のエネルギーがなくなり低いエネルギー状態になるのでしょうか?(エネルギー凖位というものをきちんと理解していないため、この質問は的外れかもしれませんが)

No.3さんへの補足にてもう少し詳しく質問しますので、そちらもご参照お願いします。

補足日時:2011/03/23 12:22
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ん~.... 「運動エネルギー」など持ち出さない方がよほどすっきりした説明になりそうな気がするんだが....



p + n = D + 2.2 MeV (ここの D は重水素の原子核)
p + e = H + 13.6 eV (ここの H は中性水素原子)
で「同じこと」と思った方が簡単じゃないかなぁ.

この回答への補足

回答ありがとうございます。

pとnが結合したときに出るエネルギーは、pとnが元々持っていたエネルギーの何が減って出力されたのかを知りたいというのが質問の根本かもしれません。

補足日時:2011/03/23 12:09
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