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Charのムスタング トレモロユニットについて

昔Charが若かった頃、なんでムスタングを愛用するのかと聞かれて「トレモロユニットを使ってもチューニングが狂いにくい」と答えていました。

しかし先日Charが発表したCharモデルのムスタングにはストラトキャスタータイプの板バネのトレモロユニットが装着されています。

この30年でストラトキャスターのトレモロユニットはそんなに進化したのでしょうか?
個人的には、ムスタングのトレモロユニットはダイナミックな変化がつけやすく、決してストラトキャスターに負けるものではないと思うのですが…

A 回答 (1件)

>個人的には、ムスタングのトレモロユニットはダイナミックな変化がつけやすく



 ストラトのトレモロ(シンクロナイズド)に比べ、ムスタングのトレモロ(ダイナミック・ビブラート)は、確かに音程の変化が大きく、作動も軽いですが・・・

※トレモロユニットの最大の問題は『アーミングの大きさ』ではなく、『作動させた後のチューニングの安定性』です。

※あまたのトレモロユニットは、全てブリッジとテールピース(弦のボールエンドを引っ掛けてあるところ)が別部品で、アームを動かすとブリッジ~テールピース間で距離が変わり、ブリッジ上で弦が滑る可能性があります。
 ブリッジ上で弦が滑ったら、当然アームを戻した時に同じ音程に戻りません。

※ダイナミック・ビブラートはブリッジが弦に引っ張られて動きますが、ブリッジとテールピースの相対位置は機械的に固定されてなく、弦がブリッジコマ上で滑る可能性が常にあります。(特にダウンで、弦の張力を緩めた時。)
 これはダイナミック・ビブラートに限らず、『後付けアームの定番』ビグズビィや、ギブソンのオプション、ヴァイブローラも持っている『機械設計上の欠陥』です。

※ところがシンクロナイズドは非常に巧妙な設計で、テールピースとブリッジの距離が完全に固定されており、飛びぬけて『チューニングが安定した』ユニットとされています。ジミ・ヘンの狂った様なアーミングは、周到に調整されたシンクロナイズドでないと実現出来なかった、などとも言われています。

>昔Charが若かった頃、なんでムスタングを愛用するのかと聞かれて「トレ>モロユニットを使ってもチューニングが狂いにくい」と答えていました。

・・・その話は有名ですが、実はこのインタビューには後日談があって。

※アームダウン後、どんなアームでも若干チューニングがドロップしますが、揺動部の摩擦抵抗が少ないダイナミック・ビブラートは、アームを軽く叩いてやると、『元に戻せる』と話しています。

※シンクロなら元々、ダウンしてもダイナミック・ビブラートほどは大きくチューニングが変わりませんが、しかし変わるのは変わります。ティーンエイジャーの頃からムスタングを使っているCharは、当時『どのくらい押したら音程が戻るか、よく知ってる』『ストラトだとよく判らない』などと言ってました。
 ダイナミック・ビブラートは『チューニングが狂わない』のではなく、Charにとって『チューニングを戻しやすい』ユニットだったというワケです。

※実際彼は、ダイナミック・ビブラートが音程的に重大な欠陥商品であることを良く認識していて、例えばユーミンとジョイントライブを行った時は、『ユーミンのバックに混ざって演奏したので、彼らに迷惑をかけない様に、ムスタングでなくチューニングの安定しているストラトを弾いた』と言っています。『自分のバンドなら、バックがオレに合わせればいいから、チューニングなんか知ったこっちゃない』とも。

>決してストラトキャスターに負けるものではないと思うのですが…

 プロの演奏では、もっと音程が正確で、しかしすぐにはチューニング出来ない楽器とも演奏します。特にライブでは、アームの効果よりも音程キープが優先されます。

 故に、自分のギターのボディのザグリを広げ、ネックを削ってボルトで締めあげても『フロイドローズ』のアームを装着するプロが後を絶たないワケです。フロイドローズのユニットなら、事実上、弦の伸び以外で音程が狂うことはありません。またフロイドローズには1弦毎のファインチューナーがあり、ステージ上で『ちょっと狂った』と思ったら、演奏中にチューニングすることさえ可能です。

>しかし先日Charが発表したCharモデルのムスタングにはストラトキャスタータイプの板バネのトレモロユニットが装着されています。

・・・・どれでしょう?Ziccaの『ムスタングCharモデル』ですか?ちなみにストラトのシンクロナイズドは、板ばねでなくコイルの引きばねですが・・・(板ばねは、ギブソンのヴァイブローラです。)

 まぁ、有名な『ファニチャー』は、ダイナミック・ビブラートを装着していたんですけどね。チューニングの安定性を考えて(本人はどうでも、一般ユーザー向けの商品として)シンクロナイズドになったんでしょう。実際、ムスタングにシンクロナイズドが付いたモデルを望んでいるヒトは、結構多いんじゃないかと思います。

 そんなにチューニングが大切なら、じゃあ何でフロイドローズじゃないんだ?っという疑問が残りますが、それにも明確な理由があって。

 シンクロナイズドの大きなメリットの一つとして・・・『シンクロナイズドは音がよい』ということが挙げられます。

 秘密は弦をひっかけている『カンターウェイト』で、あの鋼材のカタマリが引きばねと連結されることによって、独特のトーンが生まれています。

 シンクロナイズドの後ろ側に木のブロックを打ち込んで『作動不能』にしていたロリー・ギャラガーは、しかしばねを外すことはしませんでした。
 一方、スライド奏法の歴史的名手ライ・クーダーは、アームなんか全く不要なのに(アームの効果はスライドで得られます)、しかし『生で弾いても、いい感じのリバーブがかかる』と言って、テスコのマイクを移植したストラトをメインにしています。
 或いはジェフ・ベックは、『フロイドローズはカウンターウエイトが軽いから、音がダメ』と指摘しており、特殊なローラーナットとロック式のペグは使っても、フロイドローズとロックナットは使いません。

 現代では、『装着によって音がよくなる』トレモロの代表がシンクロナイズドとされています。(巨大で重いビグズビィも、良く『アームとして使わなくても、あった方が音がよい』と言われますが、それはグレッチの様なフルアコに関してです。ソリッド・エレクトリックで、敢えてビグズビィを使っているヒトは、皆無とは言いませんが極めて少数派です。)

 アームとして使え、しかも音がよいとなれば、とりあえずシンクロナイズドを装着しておくのが無難、と言うワケです。
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この回答へのお礼

詳しい解説、ありがとうございます。

むかし、フェンダームスタングを持っていて、そのアーミング動作の軽さ、フィーリングのよさに感動しました。どうしてもストラトキャスターの板バネにギシギシ感を感じていたし、アーミングを基準に考えるならあのボディの上空に円筒形のブリッジを置くという形状は天才的な発明です。

ただ「この構造だと、どう考えてもチューニングは狂うわな」と思ったのですが、Charがテレビだかラジオだかでキュワーンと大きなアーミングをして「ほら、ムスタングだと全然狂わないのね」と説明していて、私にとってCharは神様ですからその言葉を疑うなんてことはありえず…(笑)

そのCharが2020年にチャーモデルのムスタングを発表したというのでスペックを調べたら、シンクロナイズドトレモロと書いてあった(裏取りはしてません、この記事の下部の方に情報があります)ので、まあ実質上「ムスタングの革をかぶったストラト」ではないかと思いました(笑)
https://guitarmagazine.jp/gear/char-mustang-2020 …

お礼日時:2020/12/16 20:59

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