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男系の継承こそが基本なのだ!女系はだめなのだ!

と言われますが、考えてみると、では

女系の継承こそ基本なのだ!男系はだめなのだ!

というのと基本的に同質です。男性の遺伝子を継承していく(この場合女性の腹は借り物)ことと、女性の遺伝子を継承していく(この場合男性の精子は借り物)ことと、同じことだからです。

なぜ男系継承と言うことにこだわるのでしょうか?

A 回答 (20件中1~10件)

ちゃんと回答しますが、その代わり長くなります。



で、先に男系・女系の言葉の定義を整理します。

「女系」という言葉がちまたに広がっていますが、ほとんどの人の認識が「男女どちらでも天皇になれる(両系・傍系)」と勘違いしています。

これは間違っていて、本来の「女系」とは《母から娘、その娘とずっと娘が即位していくこと》です。質問者様がこの認識で「父から息子、その息子と即位する男系と何が違うのか?」とご質問されている、という前提で回答します。

男系または女系で家系を継続していく理由はいくつかあります。
①〇系とどちらかの性に偏るのは、確実に自分の子供が後を継いだと保障するため
②どちらかの性に固定されるのは、財産や家業・ノウハウなどを継承するため
③男系に限定されやすいのは、戦争で軍隊を率いるため


①の点について、近代以前の社会では「主君に忠誠を誓う」というのが人間社会の基本で《主君》は代替わりするので「確実に主君の子供が後をついで、忠誠を継続できる」という保証が必要でした。

そのため、古今東西どこの後宮でも「主君と交わった相手」の管理は厳格で、当然に「主君以外は交われないようにする」し「主君と交わった日時を管理」するし、そもそも「主君と確実に交わったかどうか監視している」ものでした。

これはどこの国のどの時代の後宮も同じで、中国などの日本以外の東アジアは宦官を使って後宮を管理していました。イスラムや古代ヨーロッパ・古代エジプトなども宦官を使っていましたが、宦官を使うと「女を管理する側だけにできる」という利点があったわけです。
 (日本では女性の権利が相当に強かったので、大奥の運営自体女性達(御台所と女官たち)で運営されていました)

ここまで厳密に「主君の妻または側室が産んだ子供は間違いなく主君の子供である」と管理していたから、代替わりでもスムーズに家来がしたがったわけです。


②まず、当然ながら「主君が男性の時と女性の時」では管理の仕方が異なります。男子が主君の時と女性が主君のとき、正当な配偶者と側室の管理の仕方は全く別なので、莫大な手間とお金がかかる後宮運営を主君の性別によってやり方を変えるのはかなり難しかったといえます。

また、国家に限らず家系継承で成り立つ社会は、家系で維持してきた財産やノウハウなどが散逸することを極端に嫌います。

たとえば日本では、君主や領主に限らず、原則的に男系で家系継続してきました。理由は「田畑を確実に一人の子供に相続させないと、田畑がどんどん切り売りされて誰も生活できなくなる」からです。

なので、日本は男子それも長子相続が原則で、次男以下は長男のスペアでした。長子が一人で財産全部を相続し、他の親族は田畑の労働を手伝うことで、一族がずっと生活できたわけです。

これを両系にすると、人間関係が複雑になります。長子相続はそのままにするとして、ある時は男、ある時は女だとそこのつながる配偶者の親族関係も整理するのが大変になります。男系に限定しておけば「妻は嫁入りして、原則的に出身家の親族関係とは別に扱われる」でいいわけですし、逆でも同じようなことができるでしょうが、両系入り混じると混乱が生じます。

どういう混乱が生じるのか?をわかりやすく説明すると眞子妃と結婚した小室氏の問題が端的です。つまり「天皇家から離脱して結婚するはずの眞子妃の配偶者の資質だけでも大騒ぎ」になるわけです。男系、または女系に限定して継続させる家系なら「配偶者の資質」は整理しやすいですが、代によって両方ありえるなら、資質管理、それも親族や家来たちが納得する配偶者の資質は相当に大変になるのです。

ちなみに、ヨーロッパ王族は両系になっていますが、これは「戦前までは王室家系同士で結婚できたから」で、故エリザベス女王の王配だったエディンバラ公も順位は低いものの、高祖母が英国女王でしたから継承資格をもっていましたし、ということは「チャールズ現国王だけでなく、男女どちらの子供にも継承資格がある」ということができます。

ちなみに、日本には女系の家系継承法があります。いわゆる女紋といわれる家系継承で嫁いでも「女系」として財産やノウハウなどを継承する方法です。

③さて、ここまでは男女どちらでも家系継承はありえるけど「両系にすると結構大変」という説明をしてきました。この時点で「両系という継承の仕方は、家系継承の秩序に問題がある」ということはご理解いただいたと思います
(ようするに親族や家来など関係者が《この子は正しく家督を継ぐ資格がある》という条件を作るのが大変で、場合によっては争いになる、ということです)

となると問題は男系・女系どちらにするか?です。
最初にはっきり書いちゃうと「女系で継続するならそれはそれで問題なく継承できる」のです。

ではなんで天皇家を含めて世界中男系ばかりなのか?
それは別の要因つまり「戦争に勝つ必要があるから」です。

領主・君主というのは当然ですが「領地や国の中にいる人々(家来)の命と財産を守り、次の世代に継承する義務を負う」わけです。
 そのため戦争が起きた時は軍隊を率いて戦争に勝つ必要があります。負ければ自分は廃位、国家は他国に支配されるからで、ウクライナ戦争を見ても分かるように《隣国から理不尽な戦争を仕掛けられること》は昔はよくあったわけです。

で「男系君主の登場」は実は農業生産が確立した地域が最初だと言われています。②に書いたように主君や家督相続者は「自分や家来・親族の財産を守る必要がある」からで、農地が守るべき財産です。

で、農業生産が盛んになると以下のようなことが起きました。
・生産人口よりも農作物が多く収穫でき、余剰人口が生まれたこと
・余剰人口のかなりの部分が兵士になったこと
・さらに余剰人口が増えても、農作物はそう簡単には増えないので「だったら、隣の国の農地を奪って、奴らを皆殺しにすればいいじゃん」ということになり、戦争が激増したこと
です。

原始時代から古代の移り変わる条件のひとつに「農業生産が始まったこと」があり、なのでギリシャ文明などが戦争ばかりしていたのは「農業で余剰人口が増え、軍隊を組織できるようになった」ことが大きな理由です。

実際、古代=農業社会を境に階級社会と男性君主が各地で登場するようになります。
 それだけでなく宗教も「男性優先」になっていくわけで、キリスト教の登場と発展はヨーロッパにおける君主制の発展とリンクしていて、ローマ帝国崩壊と数々の王国誕生が中世の始まりなのは「農業を封建主義で効率化して、国家=戦争遂行組織になったから」です。

軍隊は当然に男子が中心であり、男子を率いる頂点だけ「女子」というのは非常に難しかったわけで、天皇を始め世界各国で「君主は男性」なのは、近代以前まで2000年以上に及ぶ古代・中世の社会形態の大原則、だったのです。

この点、日本も平安時代までは女帝がでますが、江戸時代の2帝を除き、全部8世紀までです。これは大化の改新で日本も古代の両系社会から、軍隊を背景にした男性権力による社会維持を目指したことが大きく関係しています。
 ちなみに仏教を取り入れたのも「男性中心の宗教」だから、という点も大いにあります。
 
「なぜ天皇は男性でなければならないのか?」という点を回答するなら、「天皇制が現代まで維持されてきた根本的な理由が、男子による国家継承、軍隊組織による国家維持が必要だったから」ということになります。


近代になるとこの原則「男性が軍隊を作り国家を維持し、社会を継承する」というやり方がだんだん崩れていきます。

近代が階級平等・奴隷解放・女性解放という流れになったのは、男性による国家社会維持方式(農本制度による封建制)がだんだん崩壊したからです。

なぜ崩壊したかというと「社会の維持、富の創出が肉体労働や戦争だけじゃなくなったから」です。

特に鉄砲は「女性でも戦闘に参加できる」し産業革命は「女性でも生産に大きく貢献できる」ということになりました。

つまり現代は「男だけが富を作り、国家社会を守る能力があるわけではなく、女も同じことができる」という社会になったわけです。

これが結局女性解放と男女同権に至ることになります。社会のメカニズム変化(この場合は産業革命による変化)とそれに伴う制度変化は大体200年のズレがある、と言われていますから、18世紀後半に起きた産業革命が女性の権利を復権し、その結果20世紀後半に男女平等の流れが顕著になるのは偶然ではないのです。

なのでハッキリ言えば「近代的な男女平等構造が今後も続くなら、天皇は女系でも問題なく継続できる」といえます。


でも個人的には男系で継承すべき、だと私は考えています。

まず最初に書いたように両系はありえません。それは小室氏の騒動を見ればわかるように常に「配偶者の資質」が問題になるからです。

そして③を踏まえれば「近代社会には階級社会が不要なので、そもそも天皇や君主自体が不要」ともいえます。

でも日本は「天皇が作った国家」であり、この国のアイデンティティです。

日本が比較的安定した社会なのは、日本人自身が「日本という国の正統性、日本の政治体制の正当性に疑問をもっていない」からです。

これは敗戦で天皇制を残したときにハッキリわかったことで、天皇は男系で維持することが日本の将来のために非常に重要だと私は考えます。

少なくとも「今」この制度をいじる必要はなく、男系継承の工夫が先です。
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この回答へのお礼

③が決定的ですね。だからこその伝統です。そして昭和の戦争期までは男系男子が君主とならざるを得なかった。
でも考え方を変えると、大元帥が女性でも、もちろん①②の理由から両系は難しいながらも女系男子でもいいことになります。
大変にご丁寧な解説をありがとうございます。

お礼日時:2023/05/16 20:36

「天皇」という地位が世襲である以上、世襲制でない天皇制は有り得ない。


そういう制度を定義したいなら、名称も変える必要がある。
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世襲制でないなら、天皇制とは言えない。


王政も同様の君主制だが、その家系であるからこその天皇(制)であり、それを無視するならそれはもはや天皇制ではなく、選出代表制とでも言うような制度になる。代表を選ぶとすれば通常は選挙になるので選挙制。選挙を行わずに元首の指名制というような制度も可能ではあるだろうけど。(専政独裁とでも呼ぶのか?)

そして、世襲でないなら、お題の男系、女系の差もあまり意味はない。
男性か女性へ限定するかどうかの違いでしかなく、系ではない。
それに遺伝子の継承も関係無くなる。元の前提からどんどん離れてしまう。
何を争点にしたいのか不明。
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この回答へのお礼

世襲制でない天皇制を肯定しています。

お礼日時:2023/05/17 09:02

> ではなんでしょうか?


分からないけど、本当に男系男子であるかの検査をしないということから、自民党がこだわっているのは単に疑問を持つな黙って従えということではないだろうか
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この回答へのお礼

そうか!

お礼日時:2023/05/16 20:26

自民党の爺さん議員がこだわってるだけです。


反対してる議員の顔ぶれを見れば理解できますよね。
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この回答へのお礼

今更男系も女系もない。

お礼日時:2023/05/16 20:27

この問題は、究極的にはどちらが直系を絶やしにくいかということ。


昔は、男性なら妃をたくさん持ったほうが子供を多く作りやすかった。
女性天皇では産めない体質ということもあるし、いくら相手の男がたくさん居ても一度に1人くらいしか産めませんからね。

社会的問題もさることながら、生物的問題としても、できるだけ直系を絶やさないようにするためには男系が必然だった。

しかし、現代は天皇も一夫一婦制だ。
男系にしても女系にしても、どちらか一方では非常に直系を維持することは難しい。

ゆえに、男女に限らず天皇位を継承できるように制度を改めるのが自然であり、当然であると考える。万一に備えて宮家も男女に限らずいくつか持っておけばほぼ天皇制維持は安泰となる。

これこそ正しい男女平等・男女共同参画の指針となる。
政府は男女平等・男女共同参画を長年唱えながら、日本社会ではその進みが非常に遅い。
しかし、国民の模範である天皇家が、自ら男系などという非現代的な時代錯誤な規範を捨て去れば、その影響力は大きなウネリとなって日本社会に浸透し、真の意味での男女平等・男女共同参画が実現していくだろう。

男が正妻のほかに妾を何人も持てた時代に有効だった制度に、いつまでもしがみついても無理がある。女系も同じ意味で無理があるのだから、男系・女系という考え方自体を捨てるべきと考える。
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この回答へのお礼

大変納得いたしました!。・゚・(ノ∀`)・゚・。

お礼日時:2023/05/16 20:28

DNAを無視するなら、それは世襲制の否定なので別問題かと。

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この回答へのお礼

そう。世襲制は要らない。

お礼日時:2023/05/16 20:29

>そんなに鼻が大事ですか?



大事なんです
あの鷲鼻は天皇系の継承の証なのです
昭和天皇も大正天皇も明治天皇も・・・

その前の写真が無いので不明ですが天皇の証とも言われています
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この回答へのお礼

それは全く考えたことがありませんでした!

お礼日時:2023/05/16 08:35

天皇の鷲鼻を継承するため


という説があります

女性の鷲鼻は少ない(愛子さまも鷲鼻を継承していますけどね)
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この回答へのお礼

そんなに鼻が大事ですか?

お礼日時:2023/05/16 08:20

ええ、同質です。

継承であることに意味があるのであり、それを変えるのは望ましくない。伝統とはそういうものです。

もし仮に最初が女系だったら、保守派という人種は「男系はだめなのだ!」と叫んでいることでしょう。

巫女を男にしようみたいなことは誰も言わないからそのような可能性は顧みられることがないだけです。
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この回答へのお礼

Bien(*'▽')!

お礼日時:2023/05/16 08:15

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