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何故最近のアニメの映像は2007年ぐらいのデジタル画初期と違い質感が気持ち悪いんですか?

(眩しくて様々な光の映像エフェクトを加える)
(色を極端に濃く・明るくする)
(無機質な質感を加える)等

質問者からの補足コメント

A 回答 (2件)

作画を補助するCG制作環境が進化して見る人の好みが変わってきているからでしょう。

相当前に分かった事として漫画やアニメの様な線画ではなく3Dポリゴンの様な影が付くものを子供が好むという傾向がありました。どうもゲームの影響があったようです。子供の頃から慣れている質感を自然と感じるという訳です。

以下は長いので興味があればお読みください。

ゲームとは違う別の変化としてイラスト制作において独自の進化があり、絵に生きる人達がこれを無視できなくなっていることもあります。この進化と言うのはライティングを工夫することです。基礎力が足りない絵であっても美しい印象を与えます。これを技法として活用するのがCGの基本にも成っています。

またセル画を作成する時代ではなくデジタル環境で動画を作る時代に成りますと加工処理が簡単に出来ます。これを活用したいと考えるのは当然の成り行きであり、線画で勝負する時代と雰囲気が変わるのは仕方ありません。

光の映像エフェクトは透過光といってかなり昔から使われていました。動きがある動画を作れない場合に「賑わす」様に使われたのは結構前ですよ。この技法と昨今のCGを多用した絵を合成すると違和感が出てくるのは仕方ありません。

ゲームの様に最初から2D絵。最初から3Dポリゴン。と割り切って作られるものは全体の印象を整えやすいです。しかしアニメの場合は線画で描かれるキャラ絵と3DCGで描かれるメカ系が混在してしまいます。3Dポリゴンの場合は計算によって正確に影を描写します。この精度とキャラ作画の陰影判別の感覚が違い過ぎて、二人の作家がいるように見えてしまいます。浮いてしまうんです。

この違和感を消すために画面全体のライティングやエフェクトを使うという発想になっているのだと思います。漫画やアニメの線画は3Dの世界では非常に強い光があたってハイライトが全体を覆っている(飽和)状態に相当します。このため強い影が出来なければならず、そのため画面全体の陰影を強化しないと3DCGで描いた部分と調和できないんです。

「キャラだけ浮くよりはマシ。改善はされている」

この様にアニメ制作の環境変化(3DCG、エフェクトをかけやすいデジタル制作)とゲーム文化、イラスト文化の中で発展してきたライティング技法など複数の理由が考えられます。

「キャラ絵も3Dで描ければ問題ないのか?」

これはその通りなんですが昔ながらの手書きアニメの良さが失われると言われています。3Dで表現できるはずなのですが、ここには問題があります。

「漫画家やイラストレーターがポリゴン系のイラストに
 対抗して工夫をし始めた」

と言う部分があるんです。

簡単に言うとDPIをあげるという方法です。これは写真などのコンピューター画像で良く言われる解像度の事です。実はコンピューター系は解像度をあげる事が苦手です。コストにダイレクトに反映するからです。漫画家やイラストレータ等の絵描きが意図的に「DPIをあげてしまおう」とすれば、それをアニメの線画にするのはとても難しいです。元の良さを残しつつ繊細な線を消さないと行けません。これと同様に3DCGもアニメ原画の方でDPIをあげられてしまうと、ポリゴン数(3Dポリゴンに使う面の数であり、なめらかさや細かい凹凸の表現力に相当する)が膨れ上がります。

「どうやってDPIをあげてるの?」

イラスト系は線の太さに強弱を付けたり、髪の毛の毛先の細かさや乱れなどでDPIをあげています。人間の目の着眼は3Dの計算とは違う認知をしています。髪の毛のうねりを多用し、光の反射を細かい線で一本一本描かれたり、毛先の毛を一本一本描かれてしまうと、相当な嫌味に成ります。

「その細さを表現するのに何ポリゴン必要だと思ってる
 のよ。それを標準にされると困るんだけど」

質問者さんが「線画の味」と思っている部分はDPI表現を高めた効果です。一見して線がかすれただけに見える部分も見る人が見ると「ここに凸の部分があり光の反射で輪郭が消えつつある」と読み取れます。そういう雑に見せかけてDPIをあげてくるという対抗手段を絵描きがやってるんです。これを理科系の3D担当が知らずにハマるわけです。

「なんか手書きと違うんだよなあ?」

という評価が出るのを知っててやってるわけですよ。このあたりは絵を知ってて3DCGのメカニズムを知って、両方やった人じゃないと気が付かないでしょう。私はイラストも描きますが、3DCGの人体ポリゴンも作れます。プログラマーでもあるのでDirextX等で画像変換し、3DCGからイラストに変換することもやれます。画像処理などのデジタル処理は大学院での先行でしたので理論も持っています。

そして気が付いたんですが、現代のイラストやアニメの質感を出すには3D側のポリゴン数が今の100~1000倍ほど必要になるという事です。正直無理ですね。ポリゴン数を増やして3D側を修正し、変換をかけてイラストの方を見る。これを何度も検証しました。どうすれば良いかは分かりましたが、キャラ絵の場合は「手で描くよりローコストだ」と言う話にも成らないと分かりました。

最近は可成り進化していてポリゴンで描かれたキャラ絵も美しく描画されています。しかし、昔ながらの線画の味や現代のイラストの繊細さを表現するところまでは到達していません。

「絵描きの方が敷居をあげてきた」

また一度作ったポリゴンが高価すぎます。何度も再利用できるコンテンツには通用しますが(つまりゲームなど)、原作者の意図にあわせて自由に作画しないと行けないものに関しては未だに難しいでしょう。

それでも頑張って進化しようとしているスタジオは必然的に3DCGを多用するようになりますし、違和感のないキャラデザを模索しますし、ライティングにより調和を考えるでしょう。そう成りますと目に悪い画像も沢山出来てしまうという事です。

ただし、それは画質としては相当進化しています。なのでしっかりと考えて作っているスタジオとそうでないスタジオの差が開いており、質問者さんが不満を持つのは後者なのではないかと思いますよ。

またアニメやイラストと3Dポリゴンの相性の悪さの一つとして、視点からの距離が遠くなる場合はデフォルメが必要になるというものがあります。アップで作った画像をそのまま縮小して距離感を出しますと、全体に細かい印象になります。またぼやけて見えます。そのため遠くの物体は目立つ線を太めに書いて正確に輪郭をなぞってはいけないんです。これは画面距離に対して別のポリゴンキャラが必要になるという事であり「使いまわしを期待していた」方々をがっかりさせたはずです。ダンス動画などは引いたり、アップしたりとカメラの遠近が変わりますから、3Dで作る場合は全CGとしなければ大変な違和感に成ります。

また私たちの目は動かない物と動く物を無意識に追っています。そのためキャラ絵のどこかが微妙に動いている場合と全く動いていない場合を判別してしまうんです。人形の様なアニメ絵であっても髪を少しだけ揺らしたり、アクセサリーを微妙に揺らすことで人間だと感じます。逆にどんなに精緻に人間を描いてもこれらの変化が無いと人形だと感じます。アニメーターの殆どがこれを意識していますが、3D系で頑張っている部門は気が付いているのか心配です。気が付いていても「それの為に時間をかける」とコスト削減の意味が薄れてしまうと思って悩むはずです。

「では解決方法は無いの?」

あると思います。

AIが恐らく活用できると思います。現状のAIの問題は完成品を作ろうとして人間そのものへ対抗していることです。3D計算の問題点は人間の感性とずれがあることです。しかし計算によりパースやデッサンをするのは合理的です。細かい凹凸や模様の射影を人間がやるのは苦痛でしょう。そしてAIも人間と同じ脳の仕組みを持っていますからパースやデッサンは苦手なんです。奇形が描かれるのはそのためです。

そこで3D計算が担う部分を前工程とし、DPIをあげるための線画を仕上げる部分をAIで後工程として使えばポリゴン数は抑えても大丈夫に成ります。また現代のイラストに匹敵するライティングの繊細さをAIが実現するというのはありです。つまり私が3Dモデルからイラストへ変換するプログラムを自作した部分にAIを活用するわけです。先ほど挙げた遠近デフォルメなども覚えさせることが出来ると思います。

いま生成AIの画像作成で彩色だけやらせようとする動きがあります。また動画を作らせようとする動きがあります。動画の方は筋が悪いと思っています。彩色の方はある程度うまくいきます。しかし、実際は3Dポリゴン描画をしたキャラ絵からアニメ線画を作らせる方が経済効果があると思います。メカに関しては従来通り3Dの方が良いと思いますが、遠近デフォルメはAIが担ったほうがいいでしょう。

技術をどこに適用するべきか? かなり昔にアニメ制作スタジオの現場にお邪魔したことがあります。3Dポリゴンの活用が期待され始めた黎明期です。この時はキャラ絵への適用が検討されていました。しかし経営者や投資家が知らないところで各専門分野で戦い(秘密にする)が起きるものです。こういう部分には投資コンサルも歯が立ちません。

AIが誕生したことの本当のインパクトは「自分でやらない人」には何が伸びるのか分からない事でしょう。インターネット黎明期の様な下剋上が起きても不思議じゃないと思っています。

雑駁としました。

以上、ご参考になれば。
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物により違います。

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