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ループ量子重力理論について知りたいのですが、
私は数学科学に疎い一般人なので、
噛み砕いて分かりやすく教えてください。
お願いします。

A 回答 (4件)

 ループ量子重力理論は、空間にはこれ以上


分割できない最小単位、最小の大きさが
あるという理論の1つです。
 
 こういった考えを「空間の量子化」とか
「離散的空間の理論」といって、ループ量子重力理論
以外にも空間の量子化を説明しようという理論があり、
約100年ほどの議論の歴史がありますが、
まだ完成したと言えるところまで行っている理論は
ありません。
 また同じような名前の理論として「量子重力理論」と
いうのもありますが、これはループ量子重力理論
とは少し考え方が違います。
 日本のノーベル賞物理学者、湯川博士も1930年代
ころからこの空間の量子化に取り組んでいて、
その集大成として、1960年代に「素領域理論」と
いうのを発表しました。これは、空間というのは
蜂の巣のように小さな空間が寄り集まったものと
いうモデルです。


 少し前提となる予備知識を説明します。

(回転ついて)
 物質は原子を基本にできているとされています。
原子は原子核とその周囲を運動する電子という
粒子でできているとされています。原子核は
陽子と中性子という粒子が寄り集まったもので、
陽子、中性子の数の違いが、酸素、鉄、銅・・・と
いった元素の種類の差となって人間には認識
されるものとされています。

 こういった粒子の世界では、粒子は種類ごとに
その回転数が決まっていて、プランク定数という
数を基本として、その回転数は飛び飛びの
値を取っていることが知られています。
 例えば、タイヤの回転を考えると、止まっている
こともあるし、ゆっくり動いていることも、早く
動いていることもありますが、粒子の世界では、
例えば電子という粒子は、プランク定数の1/2の
速度で常に回転していて、止まることも回転数が
変わることもありません。
(このこと自体に対する疑問も勿論あると思いますが)

(回転と方向の関係)
 机の上に置いた板の上に、ネジをねじ込むことを
考えてください。時計の回転方向にねじ込むと
ネジは締まって行きます。つまり下方向に動いて
行きます。この原理(右ネジの法則と言います)
を利用して、粒子の回転を
右とか左とか言わず、上向きスピン(回転)、
下向きスピン(回転)と言います。
 ★粒子のスピン(回転)から、方向というものが
 決められるわけです。

(上と下)
 日常生活では簡単に、上とか下とか言いますが、
宇宙空間で宇宙遊泳している宇宙飛行士には
通用しない概念です。
「下のほうを見てみろよ!」
「え?どこ? その方向なら僕の頭の上だよ」
といった感じになるでしょう。

 空間の方向とは何かと考えた場合、空間に絶対的な
基準があるわけではなく、物質のほうに基準がある
と考えたほうが一般論としては理にかなっている事が
分かると思います。
「僕の足の下のほう」
という表現なら、分かりますが宇宙空間で
誰にでも通じる下のほうという方向はないわけです。

 人間どうしなら、どこが足でどこが頭か
分かります。しかし、人間の手足を知らない
宇宙人が
「僕の足の下」
という情報を得ても、方向を特定できません。
 しかし、上で説明した右ネジの法則に従い
電子の下向きスピンの方向だと言えば、
物理、数学の法則、原理を理解していれば
宇宙人のでも説明がつくわけです。


 ★粒子のスピンの方向から、空間の方向を決められる。
 (定義できる)
  わけです。

 1950年代に、このスピンの原理を利用して、
複数の電子のスピンの方向から、空間の各点での方向を
定義するといった「スピンネットワーク」と
いう理論が、イギリスのロジャーペンローズと
いう学者によって発表されました。

 電子を含め、粒子というのは質量も運動量も
回転も、特定の単位を持っているので、この
スピンネットワークで定義される空間も一定の
大きさを持っているんです。
 つまりこれも「離散的空間の理論」の一種
なんです。


 ちょっと話が飛びますが・・・
(アインシュタインの相対性理論)
 アインシュタインの相対性理論によると、重力
というのは空間の歪みだとされています。
歪みに近づくと、空間の方向がある点から急に変わる。
 自転車で走っていて、平らな道から坂道に差し掛か
ると、自転車が加速します。これが手から離れた
ボールが加速しながら落下していく原理だと
相対性理論は言っているんです。

 自転車が下り坂に近づくと、斜め下向きに
傾斜が変わります。大げさな表現をすると大地という
2次元空間の方向に、下向きに歪みが生じている
と言えます。

 ★空間の方向の変化(ひずみ)を計算できると、
  重力の強さが計算できる。


(ループ量子重力理論)
 ループ量子重力理論にも、厳密には幾つか
考え方が違うモデルがあるようですが、
代表的なものが、このロジャーペンローズ
の「スピンネットワーク理論」を広く、物質と
重力の関係に応用したものなんです。

 具体的な方法としては物質を点で表し、
方向性を線で表して、その線に垂直な面を
単位として、点を囲むように配置し、一定の
体積を作ります。これが空間の最小単位(量子)
ということで、
方向を表す線をなぞって一周する(つまりループを
描くと)空間の方向の変化が分かります。これで
(量子化された)重力の大きさが分かるというもので、
★空間、重力、物質を一度に生み出し、表現
 できるとというのも、このループ量子重力理論
 の特徴です。

>時間と空間の概念が変わるかもしれないという記事を目にしました。

 空間と重力を表現する理論として、相対性理論が
があり、物質とエネルギーを表現する理論といして
量子力学というのがあるのですが、いずれの
理論も、No.2のご回答にあるプランク長、体積、
時間というレベル以下では通用しないことが
分かっているんです。
 相対性理論では、リーマン幾何学という幾何学が
通用する4次元空間(ミンコフスキー空間)で
重力を表現していますが、プランク体積以下の
空間ではこの4次元空間が崩壊して計算が
できません。
 量子力学でもプランク長以下のミクロの空間では、
不確定性原理という法則が働いて、粒子の位置を
計算で特定できないとしているんです。


No.2のお答えで
>ループ量子重力理論は一般相対論、量子論を統合しようとする理論です。

 とありますが、この2つの理論では計算できなかった
ことがループ量子重力理論では計算できる可能性が
あるわけです。

>この理論をどこで(HP? 本? 本のタイトル?)

 と聞きましたが、ループ量子重力理論は
 この点と線と面の図を見たほうが分かり
 やすいんですが、図の形が微妙に違う場合
 があるんで、どれを見ているか知りたかった
 わけです。

ループ量子重力理論のスピンネットワークからの
説明については、以下の本などに
あります。

1)(最新号)別冊サイエンス 
 「時空の起源に迫る宇宙論」
2)量子宇宙への3つの道
 リー・スモーリン 著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794211 …

3)世界が変わる現代物理学
 竹内 薫 著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480061 …

参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794211 …
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この回答へのお礼

詳細なご説明ありがとうございます。
参照ページや書籍を読んでみようと思います。

お礼日時:2005/07/05 17:59

(補足要求です)



>ループ量子重力理論について知りたいのですが、

 この理論をどこで(HP? 本? 本のタイトル?)
知ったかお教え頂ければ、その内容にそって
概略を説明できるかもしれません。
 よろしかったらお教え下さい。

この回答への補足

時間と空間の概念が変わるかもしれないという記事を目にしました。それが新しいループ量子重力理論によって科学的に立証されそうだと言う内容でした。

補足日時:2005/07/02 08:55
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ループ量子重力理論は一般相対論、量子論を統合しようとする理論です。

率直にいって、そうでなくても難解な二つの理論、それをさらに統合しようとする理論を数学が苦手な人に簡単に理解できるようなものではありません。ただ私の知っている範囲でご説明します。(私は専門家ではありませんので不正確な表現があるかもわかりませんが、お許し下さい。)

一般相対論と量子論は現代物理学の二大理論です。量子論は今や正しい理論だと認められています。一般相対論は正しいかどうかは確証されていませんが、現在の重力理論ではもっとも正しいだろうとされている理論です。この両者を統合した理論を構築しようという試みはずっと続けられてきましたが、現在まだできていません。


現在の有力な統合理論は次のものです。
超ひも理論 super string
ループ量子重力理論 Loop Quantum Gravity
VSL理論 Varying Speed of Light

ループ量子重力理論というものは、時空の中に小さな閉曲線(ループ)を仮定してします。これをもとに計算をすると、驚くべき世界が出現します。それは、長さ、面積、体積、時間等について、最小の単位があるというものです。量子論はエネルギーには最小単位があるということが理論の基礎ですが、いわばこれを全てのものに拡張する(量子化する)というものです。

私達は時間は連続すると考えていますが、時間も最小単位があり、いわば粒のようなものになっている、というものです。長さもしかり、空間もしかり、最小の単位があり、それ以上は分割できないというものです。

現在の最小の単位は次のようにいわれています。
最小の長さ(Plank length)、10^(-33)cm 10の-33乗センチメートル
最小の体積(1辺がPlank length)、10^(-99)cm^3
時間の最小単位(Plank time)、10^(-43)秒
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Super Stringについてはご存じですか。


LQG理論については下記のURLをご覧ください。

参考URL:http://relativity.livingreviews.org/Articles/lrr …

この回答への補足

残念ながら知りません・・・しかも英文は読めません。

補足日時:2005/06/26 18:43
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