ミシェル・フーコーの権力論に対する一般的批判として、マルクス主義的には「抵抗」の説明ができない、というものがあります。一方で、彼らの「抵抗」が曖昧であるというフーコーの批判があります。
確かにその曖昧さは致命的であり、すくいようのないものです。しかし、私はフーコの権力論では、今の社会の具体的な事件など、権力の具体的な場を何も説明できないように思えてしまうのです。つまり、経験的に応用できないということです。
ドゥルーズはこの議論を発展させました。しかし、彼の議論も認知的には優れますが、同じように具体性をもたないというか、ある種、記号のような言葉を用いて、現実を「説明できないもの」としてごまかしているように思えるのです。
みなさまはこれを聞いてどう思われるでしょうか?ご意見をください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
全く場違いな議論かもしれませんが、所謂共産主義全般を概括すると、国家統治
体制に対して、全く実績という裏づけのないまま論理付けした机上の空論を開陳し
その優劣を競い、その結果として結局武力的手段を行使して革命と言う名の下に権
力を掌握しえた集団のみが、一方的にその集団を拡大組織化しそれを国家秩序とし
てしまう。
このファシズム的要素が、選挙などというものが全く儀礼的官僚体制下で一般大
衆の意見を尊重することなど有りえない状況下で実施され、おごり高ぶった一統独
裁政治にしかならない。 この点がマルクス、エンゲルス、スターリン及び毛沢東
等の政治思想の根底にあり、これが、共産主義が結局のところ一統独裁主義、即ち
日本でいえば江戸時代のような封建主義国家構想と何等違わない点でしょう。
V! NARODO! という合言葉のもとに農民が立ち上がり市民革命思想を根
気よく持続してきた結果、数百年という長い年月を経てソビエトはマルクス・レー
ニン主義の根底に有ったインテリジェンスの思い上がりを打破しロシアという国家
名称の下に市民革命を達成しつつある。
最近の世界の民族独立の流れからすると、共産主義と自由民主主義に取って代わ
る一般大衆という従来からは下層民とされた新たな人々も合せて全ての人々が、そ
の民族の伝統を固持するという世界的な時代の流れが生じており、これが現代世界
の社会機構を根底から支配する自然摂理、即ち普遍的政治形態の進化した姿であり
一握りの政治家が、机上の空論のみにより政治及び経済までもをコントロールする
という旧来の政治思想に置き換わっていく。
こんなことを最近考えるようになりました。 如何なものでしょうか?
この回答への補足
読み違えているかもしれませんが、思うところでご返答したいと思います。
あらかじめ述べておきたいことは、私自身は社会主義体制崩壊以後の人間であり、その意味で実はマルクスらには理論的には把握していても、まったく共感を持たないといいますか、どうも感覚が鈍いということです。
民主主義の勝利といわれると同時に、民主主義体制再考の流れが極めて大きくなってきました。その方法は様々なな学問分野からなされています。とりわけ、分かりやすいのは、一連のマイノリティやエスニシティなどを強調する動き、つまり既存の国民国家体制の意味づけを変えていこうというものです(むろん社会運動は70年代を出発としますが)。
私は近代は国民国家体制の時代であるということに同意します。多くの人がその機能を認めるでしょう。しかし、同時に現代の批判には、国民国家が何をしているかということが十分認知していません。つまり、それを前提として議論ができていません。
例えば、公共的価値、平和などを狂信的に必死に訴える人々は、国民国家が人権の侵害者であると見ていますが、現状はそこまで単純ではありません。むしろ、国民国家が人権を守り、生み出したともいえるのです。
現代は依然として大衆社会と私は見ています。いくら机上の空論で新しい民主制形態を述べてはいても、はっきりいって世界は、専門化と分業があまりに高度に進展しました。そのために、人々はここでは政治というものに一面関わっているものの、その実態は極めて陳腐です。例えば、今回の選挙で自民党支持する理由は、「解散総選挙した小泉がかっこよかった」などと腐った意見で決めてしまう、それが今の世界です。
ですから、あなたよりも私は非常にペシミスティックに世界を見てしまうのです。近年の「市民による政治」といった議論は、この根本的な複雑化し、専門化した社会で市民の民度(広い意味での社会的判断技術・能力)
がいかに不足しているかを甘く見ています。市民は現状でもそうですが、やはりどうしても自らのコミュニティの利益を優先し、あるいは自分が信奉する価値(環境を守る!など)をやみくもに肯定します。ですから、市民自治は一方で非合理性を生むということを了解しておく必要があるのです。
しかし、以上の市民参加型の民主主義というのは、おそらく建前にしかならず、場所によっては政府ないし地方自治体とある意味で癒着関係に陥るでしょう。つまり、政治家とインタビュアーの関係と同じものです。政治家からいい話をもらうためにインタビュアーは彼と仲良くなる必要があります。しかし、インタビュアーは、世論の看板を背負っているにもかかわらず、政治家に情をもってしまったり、悪く書けなくなるのです(インタビュアーからはずされるという恐怖もある)。
世界的に民族の伝統を固持するというのは、ちょっと不正確かもしれませんが、社会の実相の理解としていい点をついていると思います。あらゆる公共的価値の実現を叫ぶ人々の前提に欠けているものです。簡潔にいえば、近代の無視とでもいえます。
現実には、グローバルだ!というのはいいですが、政治的には依然として国民国家体制であり、その機能はますます強力になりつつあります。
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