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合成した[Ni(acac)(tmen)]B(C6H5)4を様々な有機溶媒に溶かし、色の変化をみるという実験を行いました。その結果赤色に変化したものと、灰青色に変化したものがありました。また、溶媒の中にアセトンが含まれていたのですが、アセトンだけ温めた時と冷却した時の色の変化も観察しました。
赤の時が4配位、灰青の時が6配位であるようですが何故このような色になるのか、よくわかりません。d-d遷移による呈色が関係する事はわかるのですけれども…(遷移の時に吸収した光の補色に見えることはなんとなくですがわかります)。配位子の交換によって吸収帯が移動するのですか??
また、アセトンに溶かした時、温度変化によって色が変化したのは、4配位と6配位の平衡状態が移動するからでしょうか。
よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

まず、d-d 遷移 と書かれてますが、錯体になっていなければ、


d 軌道は、同じエネルギー準位です。配位子によって分裂します。
配位子の電子軌道と金属の d 軌道の相互作用です。6配位の場合
dz2, dx2-y2 軌道はぶつかって反発があり不安定になります。
dxy, dyz, dzx は安定化されます。この d-d 軌道のエネルギーは
配位子によって変わります。これは「配位子場の理論」を調べて
ください。本もたくさん出ています。数行では説明できません。
配位力の強い配位子ほど d 軌道の分裂が大きくなります。

質問の [Ni(acac)(tmen)]B(C6H5)4 と有機溶媒では、acac と tmen は
比較的強く4配位してます。( x,y に配位)
エチレンジアミン(en)ではなくテトラメチルエチレンジアミン(tmen)
を使っているのがミソです。有機溶媒に溶けやすくするだけでなく、
z 方向の配位子を少し邪魔して外れやすくしています。適度な配位力の
溶媒では、温度によって外れたり配位したりするのがあるということ
です。


配位子場の理論
http://koho.osaka-cu.ac.jp/vuniv2002/materials20 …

色の変わる配位化合物
http://www.tus-kaken.com/old/02wed.html
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この回答へのお礼

大変分かりやすい説明をしていただきまして、どうもありがとうございます!何故enではなくtmenを使ったのか等も気になっておりましたので、疑問が解消されてとても嬉しいです。
またお礼を書き込むのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。

お礼日時:2005/11/21 04:03

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