No.1
- 回答日時:
>原子の結合が球対称なら
ここの仮定がすでに問題なのではないでしょうか。
原子内の電子分布は球対称とは限りませんし、
p軌道など指向性の強い電子軌道が原子の結合で
重要な役割を果たす場合も少なくありません。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
原子によっては特殊な場合もあるでしょうから、元素を限定して議論したほうがよさそうですね。とりあえず、単体の金属結晶を想定します。
調べてみるとアルカリ金属は水素以外bccのようです。あと、4属、5属がbccです。そのほかBaとFeがbccのようです。温度によっても違うようで、良く分かりませんが。
ダイヤモンド構造などの場合はp軌道が関係していそうですが、アルカリ金属も球対称じゃないんでしょうか?
No.2
- 回答日時:
温度によって結晶構造を変えるものがありますので、エントロピーが関わっているものと思われます。
No.3
- 回答日時:
全くの思いつきですが、隣の原子との対象性が鍵と思います。
体心立方の場合には8ヶの原子が等距離に近接します。ところが、面心立方の場合には、同じ面内の4ヶの原子間距離よりも、1/2格子ずれた位置にある8ヶの原子間距離が長くなります。従って、体心立方の方が結合の対象性が高くなってます。
一般的に、結合の対象性が高いのは、格子の中心が格子の全ての頂点から等距離にある状態と考えられます。
格子の外側の面が正三角形からできている結合がダイヤモンド結合です。
格子の外側の面が正四角形からできてるのが体心立方格子です。
対象性の高い原子は、ダイヤモンド結合か体心立方格子を作りやすいと言えるのではないでしょうか。
ちなみに、格子の外面が正五角形だけで構成されることは有り得ませんが、12ヶの正五角形と20ヶの正六角形を使うとサッカーボールの形をしたフラーレン(C60)ができます。いずれの頂点も中心から等しい位置にあります。炭素フラーレン中に金属原子を入れることができることと、何か関係がありそうな気もします。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
面心立方で、同じ面内の4ヶの原子間距離と、1/2格子ずれた位置にある8ヶの原子間距離は同じだと思います。(格子を1とすれば1/√2)
面心立方と六方では12個の球と近接していて、体心はおっしゃるとおり8個みたいです。
しかし、対称ということで考えると、面心の配置は準正多面体である立方八面体の頂点と中心になりますね。確かに全方向に一様では無いですね。
立方八面体の図↓
http://www5d.biglobe.ne.jp/~MY55029/subA001.htm
ピー玉を接着剤でくっつけてみて分かりました。
でもフラーレン中に炭素原子は入らなさそうですね(たぶん)。
しかし、原子の結合が対称であるなら、対称性がどうであろうと、くっつきそうな気がしますが…
つまり、角度など関係なしに、とにかくくっつけばいいとなったら、最密である面心立方と六方になってしまいそうな気がするのです。
逆に炭素や珪素のように(p軌道などで)結合できる角度が決まってしまうと、決まった構造しか取れないような気がします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
ご指摘通り、私の前回アドバイスの面心立方の原子間距離は間違ってますし、12ヶの正五角で正12面体が形成されます。
前回の回答は撤回します。懲りずに再び考えました。原子間の結合が重要だと思います。
私も、単一原子から結晶ができるためには、
(1)原子が互いにくっついていることが、
第一条件と思います。しかし、最密充填が出現するのは、原子間の結合力がごく弱い場合ではないでしょうか(例えば、ビー玉同士の間のように)。
原子の結合をバネとして単純化すると、(1)の条件以外に、
(2)特定の原子は最も近い格子点群からバネで接続されて釣り合っていることと、
(3)格子群(結晶)を、(2)の特定の原子が別の格子点の位置を占めるよう平行移動させときに、代わりに(2)の特定原子の位置に来る原子の周りで、移動前の(2)と同じ状況が出現すること、
が必要と思います。
結晶となるためには、原子自体よりも、いわば"バネによる保持組織"が最密に充填する構造であることが必要と考えるわけです。
体心立方格子は、(2)"バネによる保持組織"で、その集合体が(3)の条件を満たす最小単位になってます。
最密充填構造は、(3)の条件を自動的に満たしてますが、面心立方格子は(2)の状況で安定しているとは思えません。バネによって支えられる安定な形態は、線状分子ではバネ2本、膜状分子では3本で安定になると思います。三次元構造では、正多面体の各頂点から同じバネで中点が均等に支えられる状況が安定となる。多面体の中で(3)の条件を満たすものは正六面体で、これが体心立方格子にあたります。
最も安定となりそうな正四面体とその中心点からなる原子群は(3)の条件を満たしませんが、それら4ヶ(多分)を平行移動させつつ連結させた立方形(シリコンとかダイヤモンドの単位格子)は(3)を満たします。シリコンとかダイヤモンドでは、s-p混成軌道で結合できる角度が決まると説明されてますが、まず複雑な混成軌道が存在し、その結合枝の方向に原子が繋がっていくという説明は恣意的で力強さに欠けると思います。これらは(共有)結合力が強いために最も単純な4本の結合構造を取るのであって、s-p混成軌道はその手段のような"気"がします。
シリコンや炭素が正四面体を基本要素とするダイヤモンド構造を取り、金属が正六面体にあたる体心立方構造を取る傾向があるのは、原子間の結合強度の違いが原因と予想します。炭素のように(共有)結合が強いと、単純な4本のバネによる支持構造を取り、結合が弱い金属では、比較的緩いバネでも安定する8本支えとなっているように思えます。
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