No.6ベストアンサー
- 回答日時:
#4です。
補足です。私が『笑府』をとりあげたのは、「笑い」が、ある程度の共通の認識にそって発生するものだからです。たとえば、私の挙げた話で、「張飛です」といった時点で、もう聞く人は「あぁ、あの手の話だな」と思うようでなければ「笑い」にならないんですね。
また、清代の随筆の名作『陶庵夢憶』(張岱著)にも、男娼専門の色町があったことが記されています。
よくいわれることなんですが、「儒教」は、ややもすれば放恣に流れそうな行動を戒めるために作られたとのこと。そして、彼等の欲望を最も端的に表したのが、現世の幸福を追求する「道教」ですね。
ここが中国の文化を解く鍵なんですが、「儒」的なものと、「道」的なものの間を、大きく揺れる振り子が、中国人の精神のありかたなんです。「儒」の側面だけ見てたんじゃ、一方的過ぎる、同時に「道」の側面だけ見ててもそうです。
朝鮮は「儒教の優等生」と言われるようにそんな、まあ中国人が放恣過ぎる己を戒めるために作った教えに、忠実に従っちゃったんですね(国民性を考えれば、いかにもですが)。#5さんの朝鮮通信使の話は、いかにもありそうです。ただ、中国人が見たら、また別だったでしょう。
それと、「聖」なるものが、一方で笑いの対象になる、と言うのは、これはどこの文化でもあります。たとえばお寺、お寺もお坊さんも、敬う精神と同時に、川柳や落語では、笑いのめされています。この辺が、文化の複雑さでしょう。
他の回答者さんと、期せずして反対の見解を述べることになりましたが、まあ、どこから光を当てるかの違いでしょう。で、資料に添って、多方面から光を当てた方が、より立体的なイメージを結ぶことになるかな、と考えるものです。
ご参考になれば。
再度お寄りいただきまして、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、「笑い」は共通の認識がなければ、発生しないでしょうね。
同性愛の風習がまったくなければ、笑い話にはならないでしょうし。
笑いの対象になるのは、少数でもそういった背景があるからであって、そうでなければ、
何がおかしいのかすら誰にも分からないでしょうから。
随筆ということはノンフィクションですから、清朝時代に男色のエリアが存在した、と考えて間違いない
ということですよね?
漢民族の王朝でなくても、一般人の多くは漢民族だったと思いますから、中国人の間にも、
同性愛の需要と供給が成立していたということになりますね?
私の中では漢民族も(歴史的な言い方ですが)朝鮮半島の民族も、日本人と比べて、感情表現が豊かだという
印象があります。
日本人があっさりしすぎているだけかもしれませんけど…。
同じ中国文化の影響、と言っても、日本はまた風習も考え方も随分と違っているように感じます。
歴史、民俗学や風俗史等は、様々な視点から光を当てることができる物ですよね。
色々なご回答をいただけて、たいへん助かりました。
皆様の具体的なご回答が、自分で調べてみる手がかりになってくれるでしょうから。
質問を出すまでは、ただ謎で疑問で、ネット上でキーワードを入れて検索しても、知りたい内容は
見つかりませんでした。
まずは教えていただいた本から入ってみたいと思います。
本当にありがとうございました!
もし調べていくうちに、新たな疑問が出てまいりましたら、また質問させていただくかもしれません。
またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。(オークションの挨拶のようですけど…)
No.5
- 回答日時:
ある行為が法で禁じられる背景にはそれを行う者がいる、のは歴史を学ぶ場合の一つの見方です。
(中国で同性愛が「法」で禁じられた背景には・・・)だから無かったのではない事は間違いないでしょうが・・・あ~、「笑府」には確かにそんな話がありました。
だが、中国各地&華僑の住む場所にある関帝廟を思えば、劉備三兄弟をモーホだと考える人は少ないと思いますよ。(それとも劉備x張飛で関羽はあふれた?まさかねw)
日本では江戸時代、雨森芳洲(儒学者)が朝鮮通信使から「貴国(日本)では男性が娼婦のような行為をする。嘆かわしい事だ」と儒学者らしい非難を浴びた時、「あなたはその楽しみを知らないからそう仰るのですよ」と答えたという話が伝わっています。
なので、朝鮮半島では(彼らの性格からして律儀に儒教を守ったのでしょう)同性愛はご法度、そして中国でも多くは無かった(でなくては日本の風習を見て驚くはずが無い)と推測されます。
笑い話になるには「マイノリティ」であるが故という理由もあると思いますけどね・・・
再度ご回答いただき、お礼申しあげます!
儒教の教えというのは、もちろん日本にも影響を与えていたはずですのに、日本は中国の影響を
受けなかったところもたくさんありますね。
「チャングムの誓い」という韓国ドラマを観ていたのですが、ヒゲを蓄える習慣があったのに
ヒゲを蓄えていない宮廷人(男性)たちがいて、絶対に宦官だろうな、と思っていました。
日本には宦官のように自然に反した風習はなかったと思います。
東洋史は専門外なのですが、大学卒業後に興味がかきたてられて仕方ありません。
こんなことなら、(時間にあった学生時代に)もっとまじめに東洋史もやっておくのだった、
と後悔しています(苦笑)。
具体的なご回答、たいへん面白く拝見させていただきました。
本当にありがとうございました!
No.4
- 回答日時:
ありました。
中国の笑い話をあつめた本に『笑府』というのがあります。馬(にすいがつきます)夢龍という明末の文人の編集です。日本の落語などの原話もたくさん載ってます。
これに、「お小姓」「陰間」的な話が、いくつも見られます。また、「義兄弟」といえば、そういう関係を意味したことも多かったそうで、蜀の三兄弟も(事実かどうかは知りませんが)そういう関係の代表格みたいに言われてたらしいです(とくに張飛)。
『笑府』の中の話で、落語の「のざらし」の原話となった話に、こんなのがあります。
あるひとが、野原に打ち捨てられた骨を哀れに思って供養してやる。その夜、戸を叩く音がして「どなたかな」「〈ひ〉です。お礼に上がりました」と入ってきたのは楊貴妃(ひ)。でまあ、お礼される訳です。それを聞いた隣の男、じゃあおれも、というんで同じようにする。夜、戸を叩く音がする。「どなた?」「〈ひ〉です。」で開けると「吾輩は張飛(ひ)である。お礼に吾輩の尻をご用立ていたそうと思いまして」
「ひ」ちがいの笑い話なんですが「張飛」がそういうことの、まあ代表格みたいになってたことがわかる話です。
あと、こんな話も、
ある人がかこってた「若衆」が、いい年になったので、結婚させてあげた。その妻が「あたしの夫には夫がいますの」。とか。
儒教的倫理では「女性」は、「家」の繁栄のためのもので、「欲望」の対象ではないんですね。だから、そのはけ口として、こういう制度を生んだようです。これは日本でも同じですね。
ご参考になれば。
こんにちは!
ご回答ありがとうございます。
「笑府」で検索してみました。
手軽に手に入るような本ではなさそうですので、図書館の端末で探してみます。
面白そうな本ですね!
ぜひ読んでみたいです。
たいへん参考になりました。
どうもありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
No.1ですが補足いたします。
私が中国の女性・同性婚の話を知ったのは、『雲南の妻』(村田喜代子/著)という小説でした。
妻の「妻」は、妻だけの奥さんです。
最初はかたちの上とはいえ、契りを結んだ日本人女性の奥さんを、献身的に支える中国人女性の愛らしさ、ういういしさ。やがてふたりが結ばれるときの愛の感動、そして……。
甘く切ないストーリーで、読み物としても心に残った忘れられない作品でした。
参考にならなくてごめんなさい。
参考URL:http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode …
お礼が遅れ申し訳ありませんでした。
20日からサーバーに接続できなくなっていて、先程復旧いたしました!!
「雲南の妻」面白そうですね。
ぜひ探してみます。
どうもありがとうございました!
No.2
- 回答日時:
同性愛は子孫を増やせないので儒教が広がった時代には影を潜めました。
儒教の本場中国では、同性愛自体は悪習扱いだったのです。(現代中国でも1997年だか98年まで刑法で同性愛は犯罪扱いだったハズ)中国の戦国時代には美少年を愛する君主の例が幾つかあります(有名なのは「余桃を食らわす」の故事で有名な衛の霊公と美少年弥子瑕(びしか)でしょうか)
三国志演義で有名な劉備・関羽・張飛は同じ寝台で休んだとされていますが、それと同性愛を結びつける人は当時も今もいないのです(それくらい中国では同性愛について一般的ではないのです)
よって、昔は結構あったが、儒教の台頭によって下火になった、と思われます。
frisk_blue_love様、ご回答ありがとうございま!!
儒教のために同性愛が悪習扱いだったのですね!
キリスト教でもタブーですが、プロテスタントは多少緩くカトリックでは厳しいようですから、
そういう教えが厳密だったので、一般的ではなかったのですね。
でも、その昔は結構あった…。
少年愛という形であったというのはウィ○ペディアで読んだのですが、それにしても聞いたことが
なかったので、どうにも疑問でした。
戦国時代の君主の例というのは、日本で言う色小姓のようなものだったのでしょうか?
日本でも儒教の影響はあったはずですが、稚児や色子など有名ですので、やはり中国や韓国とは
違うのかもしれませんね。
儒教だけでなく、中国の風習「等」の興味深い本、お奨めの本などありましたら、教えていただけないでしょうか?
No.1
- 回答日時:
女性の話ですみませんが、中国のある地域では
裕福な夫が自分の妻に「妻」を持たせる習慣が今でもあると聞きます。
妻の「妻」は、あくまで妻のパートナーであり、
ふたりは女性同士で常に寝室をともにする性的な間柄でもありますが、
夫はその彼女とは交渉を持ったりはできないということです。
それと、清朝の「ラストエンペラー」溥儀は、宦官との同性愛だったとも云われていますが、詳しくは存じません。
早速のご回答、どうもありがとうございます。
妻の妻? 妻の妻に夫はいるのでしょうか?
漢民族の風習なのでしょうか?
漢民族は北方の民族達のように、親兄弟の妻を娶ったりすることを、歴史的に嫌ってきた、と耳にした
ことがありますので、(酒池肉林はともかく)背徳的?な感じがしなかったのですけど。
「中国 同性愛」や「漢民族 同性愛」などで検索したのですが、知りたい内容は検索できなくて…。
大学で史学科だったのですが、古代マケドニア等を専攻していたため、東洋の歴史にいまいち疎いのです。
調べなくてはいけない必要性はないのですが、一昨年位から中国文化や中国語への関心が涌いていて
気になっていました。
ご回答ありがとうございました!!
また何かございましたら、お寄り下さいませ。
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