最近貧富の格差が拡大していると言われています。お金さえあれば何でもできるという極端な拝金主義やいわゆる勝ち組の人たち、その一方で学校の給食代すら払えない低所得世帯が急増しているとか。経済学者やエコノミストも所詮は今ある経済システムの枠内での議論をしているに過ぎません。
共産主義でも社会主義でも資本主義でもない、これまでの貨幣経済を根本的に変えるような全く新しい経済システムって考えられないものでしょうか?もちろん政治システムとも関係してくると思いますが。
一億総中流時代と呼ばれた時代がありましたが、それこそ全人類総中流世帯になるような画期的なシステムって考えられないものでしょうか?また、最先端の経済学の研究ではどんなことを研究しているのでしょうか?そういう画期的な議論はされていないのでしょうか?
数千年に一度くらいの大天才でも現れないと無理なのでしょうか?
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
最新の経済学でしたら、以下のキーワードで検索してください。
最近、立命館の先端総合学術研究科なんか元気です。
●実証的経済学と規範的経済学●厚生経済学●進化経済学●複雑系
●アローの一般不可能性定理●ゲーム理論●パレート最適●格差原理
●シュンペーター●スラッファ●ガルブレイス●森嶋道夫
注:若干、偏りあり。
それと、ベーシック・インカム論争について少し、ベーシックインカムとは、市民権に基づく個人の権利として、属性や地位に関わりなく、誰にでも無条件で支払われる生活保証金のようなもの。論争自体の紹介は、単に煩雑となるだけで、質問に関係しそうな部分だけご紹介します。
『要するに、多くのエコロジストが、労働時間の短縮が必要であり望ましいということに関心を寄せているが、簡単な計算を行えば、その理由がわかるだろう。100人からなる社会があり、そのうち90人が職についており、10人が失業中だとしよう。私たちは(a)失業している10人のために雇用を創出するよう努力するべきなのか、(b)90人の雇用を再配分するべきなのだろうか。
エコロジストの戦略に従えば(a)は決して実現することはできない。なぜなら、これは「成長へと突き進む」・・・p212
例えばイギリスのような国で、4000億ポンドのGDPが8000億ポンドになったとすれば、以前に比べて2倍ほど裕福になったと一般の人は考えるだろう。このような経済学者による福祉の定義のなかには、「財」が多くなれば多くなるほど必要や要求の充足度が高くなるとの想定がある。しかし、フレッド・ハーシュがかなり前に提示した、物質的財は「位置的である」という論点(Hirsch,1976)、すなわち財の効用は供給量に反比例して減少するという論点をのことを考慮に入れないとしても(ハーシュは通常の再生可能な財と芸術作品のように再生不可能な財を区別し、後者を位置的な財と呼んだ)、この経済学は、経済成長が財のプラス効果を帳消しにするような「不良品」を生み出しているという事実を見逃している。・・・ウルリッヒ・ベックが主張するように、脱工業社会は不良品の生成によって特徴づけられる(Beck1992)。この消費と極貧層の非消費との間の矛盾の結果、犯罪、絶望、依存といつた数多くの社会的なトラウマが生まれる。にもかかわらず、福祉は物質的な富の際限ない拡大によってもたらされると考えられているのである。p214』
以上、『自由と保障ベーシックインカム論争』 トニー・フィッツパトリックより
引用前半の(b)はワークシェアリングですが、日本では、掛け声だけで頓挫した理由を見つけないと。
●ところで、この気合の入っていない回答を書き込んだ本当の意味は、質問の最後の一行にあります。
いったいどんな天才が、自然科学・社会科学等の個別に分化した、膨大な成果を全て理解しうるのでしょうか?
最初のキーワードに載せた、複雑系は、知識分散と計画経済の不可能性を元に、一般均衡理論とは別の理論に挑戦しています、この件に関しては、塩沢由典氏の『複雑系経済学入門』等をお勧めします。
要約・回答全文のキーワードで自分で検索して調べてね。失礼しました。
悲観しすぎることは無いとしても、楽観できるとは言えません。
参考URL:http://www.arsvi.com/0u/0.htm
ご回答ありがとうございます。キーワードを検索したらいろいろ出てきますね。とても参考になりました。塩沢由典氏の著書も興味深いです。一度目を通してみようと思います。
>いったいどんな天才が、自然科学・社会科学等の個別に分化した、膨大な成果を全て理解しうるのでしょうか?
確かにあらゆる学問分野はあまりにも細分化されてしまっています。このように物事を細かく細分化し分析する方法はデカルトにはじまると言っても過言ではないでしょう。それは近代科学として大きな成果を上げたのは事実ですが一方でいろいろな問題点も指摘され今や行き詰まりの感を呈しています。様々な専門分野を横断的に理解し研究することが今後ますます求められることでしょう。そして、広く浅くでも狭く深くでもなく、広く深く物事を理解し各分野の最先端を統合(synthesis)し、これまでにない画期的な理論を構築するようなデカルトに勝るとも劣らぬ大天才が現れて欲しいものです。
No.10
- 回答日時:
> 1.バイオテクノロジーの飛躍的進歩で食料が無制限に生産できる。
> 2.宇宙開発の飛躍的な進歩で宇宙ステーション、スペースコロニー、他惑星への移住が容易に可能になり、人口増加は問題にならない。
> 3.石油に変わる安価なエネルギーの開発が本格的に実用化し無制限に利用できる
> 遺伝子(テロメアの研究など)や再生医学の研究が飛躍的に進歩すれば人間の寿命は飛躍的に延びる
dochiteboyさんの仮定には書かれていませんが、これだけ科学技術が発達していれば、その世界の生産者は人間ではなく、人間と同等以上の知能を備えたロボットであるとも想定できます。それらロボットの開発・生産・保守・管理もロボット自身が行うでしょう。人間が行うよりも論理的、かつ正確であり、休む必要がないので生産性も高いはずです。人間が必要とするものは、全てロボットが用意してくれます。もはや、人間は働かなくても、何不自由なく生活できてしまう環境になります。
dochiteboyさんの言われる「全人類総中流世帯になるような画期的なシステム」「全く働かなかったとしても全ての人が最低限の衣食住を確保できる」の実現のために必要なのは、「全く新しい経済システム」ではなく、未来の科学技術ではないでしょうか?そして、そのような世界では、私たちの考える「経済」という概念自体が成り立たないように思えます。もっとも、仮定的要素をベースにした世界では、生きがいや生死観が現代人と全く異なるでしょうから、私にはその世界をうまく想像できないのですが…。
「無制限」など、都合のいい仮定的要素を付加してしまうと、「最先端の経済学の研究ではどんなことを研究しているのでしょうか?」以外の質問が意味を成さないように思えます。(偉そうですみません)
皆様の様々なご意見にコメントしているうちに議論の方向性が少々ずれてしまったようです。最後にまとめてくださり、ありがとうございます。仮定的要素を加味しすぎるとその後の展開も仮定的にならざるを得ないですね。おっしゃるように科学技術が進歩すれば当然我々の死生観や人生観などにも影響するでしょうし単に経済システム云々の話ではなくなるかもしれません。
No.9
- 回答日時:
> 働きたくない人は働かなくても最低限の衣食住は生まれながらの当然の権利として保障されている世界
働けない人ならまだしも、働きたくない人ってのは補償する対象にしたくないと思いますが。
日本国においてですが、勤労は義務です。
再びご回答をしていただき、ありがとうございます。
>働けない人ならまだしも、働きたくない人ってのは補償する対象にしたくないと思いますが。
ごもっともなご意見だと思います。ただここで私が言いたかったことは怠け者を奨励することではなく、働かない人にも最低限の生活保障を与えることができる程の高度に発達した経済社会の実現性についてです。そして、必ずしも「働かない=遊び人」と言うことではなく、収入にはならないような社会的活動やボランティアに従事することも考えられるのではないでしょうか。
>日本国においてですが、勤労は義務です。
確かに憲法27条は国民の勤労義務を定めていますが、ここに言う勤労義務とは働く意志のない人の自由意志を制約するような義務ではないと一般的に解されています。このことは憲法18条、19条などの趣旨からも明らかです。
もっとも、法律はその時代の政策的判断によって(その解釈も含め)どうにでも変えられるので(現に憲法改正が議論されているように)、ここでは法律論云々ではなく経済システムを中心に考えたいと思います。
No.7
- 回答日時:
(本当の)経済学者は、
経済学の(本当の)目的である、
完全雇用(=みんな能力・嗜好にあった仕事をして、飯を食える世界)
を達成するには、どうすればいいかを日々研究してます。
それでも、結論は出てきません。
なぜかというと、
1.情報の伝達速度が平等ではない。
2.情報の処理能力が平等ではない。
からです。
とりあえず、
1.情報の伝達速度を平等にする。
2.情報の処理能力を平等にする。
3.挑戦する機会を平等にする。
ための仕組みを作ることさえ出来ればいいと思います。
ってのは、すでに経済学(特に情報経済学や労働経済学)では
確立されています。
ご回答ありがとうございます。情報が一つのキーワードになるようですね。情報イリタラシーの問題もその一つでしょうか。経済学の目的が完全雇用であることはそれなりにわかるのですが、私の考える究極の理想は働きたくない人は働かなくても最低限の衣食住は生まれながらの当然の権利として保障されている世界です。もちろん働きたい人が働けばそれなりに報われる世界です。#3で述べた仮定的要素を加味すれば食料、エネルギー、空間は無制限にあるのですからまったく実現不可能でもないと思うのですがいかがでしょうか。なお、もう一つ仮定的要素を組み込むとするなら遺伝子(テロメアの研究など)や再生医学の研究が飛躍的に進歩すれば人間の寿命は飛躍的に延びるものと思われますので、その要素を考慮しても良いと思います。
No.6
- 回答日時:
「最先端の経済学の研究」については知りません。
「これまでの貨幣経済を根本的に変える」というのは、「もちろん政治システムとも関係してくると思います」と考えているように、貨幣の小細工で変わるものではないでしょう。
歴史的に見れば、人類は機械力を手に入れてから大きく『生産力』が変化して変わってきたといえないでしょうか。
もちろん、未来については見えないので、現実から核心となることを考えれば、生産力が大きく変わることでより少数の人間の頭数によって、多くの人間の欲望を物質の面で生産できるということですから、あとは、どのようにしてその生産力の恩恵を多くの人間に行き渡らせるか、という課題でしょう。
したがって、その課題は、個人の問題ではなく、社会的に解決しなければならないことなので、当然のごとく、政治的な問題でもあるということでしょう。
また、公共事業と同じ機能は、戦争によっても作り出すことができます。公共事業費は誰かがもらうことですが、戦費もまた、それを誰かがもらうことです。「誰」は企業であっても、企業の株は、個人にたどり着くように。
まだアメリカはイラクで戦争していますが、こんなことしているようでは、未来の新しい経済システムは未来でしょうね。
ご回答ありがとうございます。国全体としては貧しいのに一部の権力者や特権階級の人だけが巨額の財産を得ている国は結構ありますね。富の極端な偏在、つまり、より多くの人に生産力の恩恵が行き渡っていないのです。これは経済の問題と言うよりやはり政治の問題になりますね。お金を持っていることがそれだけでは価値がないような仕組みは作れないでしょうか。政治における派閥の意味が弱められたように貨幣経済における貨幣の意味が弱められることで極端な拝金主義もなくなるのではないでしょうか。
No.5
- 回答日時:
よくぞきいてくれました!!
では説明しましょう、まず公共投資についてですが現在先進国全体で見ましても失業率は前に比べて上がってますよね?この原因はいろいろあるんでしょうが、IT革命や経済のグローバル化またはアメリカ流の合理主義による生産性の上昇によって余剰労働者がでてきたのがおもな原因だと思います。
さらにその余剰労働者を吸収できる新たな産業がでてこないことと、民間企業は儲けた利益を設備投資に使わず、配当や企業買収に使い経営規模を巨大化あるいは多角化して得た利益をまた企業買収に使うという弱肉強食時代であり、失業者は増えるばかりであります。
つまり現在民間に労働需要はなく、国が需要を作るしかないのです。え、公共事業?と思うかもしれませんが電柱や用水路を地下に埋めたり、公園の整備や植林などまだまだやらなければならないことがたくさんありますし、現在民間が採算が取れずやらないような研究開発を国がやることは非常に重要であります。
さらに付け加えておくと現在のようにメディアが過剰消費を促してメーカーに利益をあげさせ、そしてその利益をもとにメーカーは設備投資をするというスタイルよりも、国が国家事業としてやるなり補助金出すなりして研究開発をしたほうが効率的に技術開発ができ国際競争力が高いのです。これはなぜかといいますと前に書いたモラルや勤勉性の問題と、いままで過剰消費するために生産に投入していた資源や労働力を、技術開発や研究開発に投入できるからなのです。
まあこれをを可能にするためには労働者がいまよりも高度な技能を身に着けなければならないのですが。
あとのふたつのキーワードは疲れたのでまた今度書きますね。
詳しくご説明下さり、ありがとうございます。IT革命や合理化で余剰労働者が増える→それを吸収する新たな産業がおこらない→政府主導の公共事業や研究開発が必要、ただしそれを担う労働者が今より高度な技能を身につけなければならない。ということですね。個々人がスキルアップのためにそれなりの努力をしなければならないのは当然としても、正社員と非正社員の待遇格差の是正やワークシェアリングなども必要なのではないでしょうか。ただそれも既存の経済システムの枠内での話ですが。
現在のシステムを根本的に変える仕組みは無理なのでしょうか?
1.全く働かなかったとしても全ての人が最低限の衣食住を確保できる。いわば既存の生活保護に相当するレベルの生活が生まれながらにすでに保証されている。(ホームレスは存在しなくなる)
2.標準的な労働時間は6時間程度で十分に中流生活ができるので仕事、趣味、ボランティアなどを完全に両立できる。
3.もちろん努力した人はそれ相応に報われ全員が強制的に中流に止まるというわけではない。
ただし#3で述べたような仮定的要素を加味する。
No.4
- 回答日時:
一億総中流や景気循環の抑制と技術革新を両立するキーワードは、マネーサプライ、公共投資、そしてインテリジェント・デザインかな?
実際現在の先進国を見ましても、商品を売って得た利益を元に研究開発をするという民間主導の経済だけでは労働力を吸収できなくなってきているようですし、また現在のようにメディアを使ってむりやり消費
させようとするとモラルや勤労意欲の低下を、まねくようですね。
ご回答ありがとうございます。キーワードを含めもう少し敷衍してご説明いただけるとありがたいです。モラルや勤労意欲の低下をまねかないように人類総中流を実現する方法は不可能なのでしょうか?また、最新の経済学はどの様なテーマの研究をしているのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
考えた人は多分ここに書き込む前にノーベル賞にむけ、論文を書くことと思います。
さて、「貨幣経済を根本的に変える」と有りますが、近代以前から綿々と使われているシステム(金貨から紙幣、リアルマネーを使わない決済と姿を変えているモノの、本質的には同じ)をすぐに改変出来るとは到底思えません。
第2に、全員が中流であることが可能かどうか、という点があります。質問者様が想定される「中流」というのはどの位のレベルですか?
それが、世界の平均値であるならば、それは少なくともパソコンでインターネットを楽しむような余裕のある暮らしではありません。現在の日本の中流とするならば、既に人口は許容量を遙に越えています。
余剰をパージしますか?それとも生活レベルを思いっきり落としますか?
さらに、目指すモノに矛楯が含まれています。無から有を産み出すことが出来ない以上、底辺を引き上げる原資は、当然上の方から巻きあげたもので養われます。たとえば、日本における累進課税だったり、相続税だったりするわけです。
しかし、上から巻きあげて下に配る以上、どうしたって、上にはつねに取られているという意識が付きまといます。反面、下に播く分を手篤くすればするほど、それに対する依存が起きます。社会主義国家での、福祉国家と言われた国々での社会実験の結果からすれば、国家が見える手で行う行為は思いのほか影響を与えやすいものです。ある程度適当な再分配のバランス、というものは有るかも知れませんが、一定のパイを奪い合っている以上、どうしても上が有れば下が出てくるモノと思われます。
#もっともこの様な答えは回答子が凡人であるためであって、大天才であればまた違うことを言えるのかも知れませんが。
ご回答ありがとうございます。大変ご丁寧なご説明でよくわかりました。
私がここで言う中流とは現在の先進国並の中流です。しかし、おっしゃるように、
>無から有を産み出すことが出来ない・・・
>一定のパイを奪い合っている・・・
この前提がある限り到底無理だと思われますね。そこで、次のような近未来の仮定的要素を加味した場合はどうでしょうか。
1.バイオテクノロジーの飛躍的進歩で食料が無制限に生産できる。
2.宇宙開発の飛躍的な進歩で宇宙ステーション、スペースコロニー、他惑星への移住が容易に可能になり、人口増加は問題にならない。
3.石油に変わる安価なエネルギーの開発が本格的に実用化し無制限に利用できる(最近ブッシュ大統領も石油への依存の脱却を目指すことを宣言しています)。
No.2
- 回答日時:
>全人類総中流世帯になるような画期的なシステム
それを「社会主義」っていいます。全ての生産性を国が管理して均等に分配すれば皆中流です。
でも、それではやる気が起きないですよね。やってもやらなくても中流なんですから。
だから、社会主義は崩壊しますよね。
つまり、人間が楽をしようとしている限り、総中流なんて不可能なのです。
ご回答ありがとうございます。
>それを「社会主義」っていいます・・・。
だから全く新しいシステムについて質問しているのです。一億総中流時代にもお金持ちや貧乏人は当然いました。ある程度の格差は当然存在するとしても、そのうえで全人類がほぼ中流でかつ資本主義、自由主義と同程度以上のやる気が起こり、なおかつ努力した者は当然報われるシステムです。そういう夢のようなシステムは可能か?という質問です。
No.1
- 回答日時:
変えるべきポイントは、経済システムじゃないと思うんですけど・・・。
http://www.mgu.ac.jp/~stanaka/sekenron.htm
http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-43. …
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/jidai/0307/ …
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/jidai/0307/ …
http://kyasuhara.blog14.fc2.com/blog-entry-27.html
http://kyasuhara.blog14.fc2.com/blog-entry-30.html
http://kyasuhara.blog14.fc2.com/blog-entry-31.html
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