分光光度計である溶液の濃度を測定しています。
人によって二つのやり方があることが分かり、どちらが正しいかを検討しています。
ちなみにダブルビームです。
(方法1)
・キュベットAとBに水を入れてゼロ補正
・次にキュベットAにブランク、キュベットBにサンプルを入れて吸光度の差を測定する。
(方法2)
・キュベットAに水、キュベットBにブランクを入れてゼロ補正
・次にキュベットAに水、キュベットBにサンプルを入れて測定。
・ブランクとサンプルのそれぞれの吸光度の差を計算する。
どちらでも良いという人と、差があるようだという人と分かれています。どなたか教えてください。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
以前、分光光度計の設計をやっていました(早い話、作る方のプロでした)。
操作上のミスや誤差を抜きにして言えば、装置的には優位な誤差に違いは
ないように思いますが、分光光度計の設計者が想定している使用方法は、
きっと(方法1)ですね(ひょっとして私だけだったらごめんなさい)。
関係しそうなポイントをいくつか挙げておきます。
1.ゼロ補正は、再現可能性の高いものを基準として実施した方が良い。
つまり、今日も明日も明後日も、特別なアクセサリを使用せず、
いつものキュベットで普通の水溶液で吸光度測定をする限り(有機溶媒
系で測定とかでなく)、試料Aを測定するにも試料Bを測定するにも、
いつも0Absの基準は同じものにするのが望ましいです。そのためには、
"常に同じ"蒸留水同士で取るのがベターと考えます。
2.ダブルビームの分光光度計は基本的に、サンプル溶液とブランク溶液
の比をリアルタイムで測定することを前提に設計しています。
(きっとどのメーカーも)
ただし、これは作る側の立場で考えていることなので、使う側の方が
「こちらの方が理屈でも経験上でも良い結果が出る」ということであれば、
決してそれを否定するものではありません。
特に、分光光度計の設計者の多くは物理屋であり、使う方々の多くはきっと
化学屋さんである点は要注意かも知れません。
No.4
- 回答日時:
分光光度計で測定する目的は、吸光度そのものではなく、検量線から、濃度を求めるのが目的でしょう。
検量線には、必ず誤差があり、その方の誤差が大きいので、測定手順や方法をいくらきちんとしても、無駄が多いと感じまず。もっとも、分析の専門家を目指しているねというのなら別の話ですが。一番良いのは、化合物のモル吸光係数は、不動の値なので、適当な化合物のモル吸光係数を、現在思案されている方法で確かめられては。
私の場合は、A、Bにコントロール(ブランクとすると、空っぽのものと間違いそうなので)の溶液をいれ、0補正をします。これで、セル誤差および光路の補正ができている、と考えています。
次に、Bにサンプルを濃度の低い方から入れて検量線を描いています。これが教科書的な方法でしょう。
シングルビームは、光路は1本ですから、光路の安定性の問題は可能性として残りますが、誤差はでません。
ダブルビームは、光路の誤差は、補正されるような回路あるいは方法が、自動的に設定されているように想います。さもないと、使い物になりません。
残るのは、セル誤差ですが、同じ溶液を入れて、ゼロあわせをします。このとき、蒸留水ではなく(可視部を測定するなら、吸光度が0.02ほどあれば『色がついている』と感じるので、蒸留水でもOKかも)、反応のための試薬などが入ったコントロールを使っています。
No.3
- 回答日時:
ダブルビームの補正目的は、1)回路の光の量、2)セル誤差でしょう。
1)光の量は、Aにブランクを入れ、Bに標準液及びサンプルを入れれば、補正が不要では。
2)のセル誤差は、セルにブランクなり、蒸留水なり、同一のものを入れればOKでしょう。
その操作で、何を補正したいのか、を明確にされては。私は、方法1です。
最近の機械は、優秀なので、機械自体の誤差は考えていません。セル誤差は、学生時代に経験しています。それでも、0.02程度でしょう。
ただ、プラスチックセルについては、知りません。1mlのセルも誤差が大きかった記憶があり、使いません。したがって、サンプル量は4ml以上にしています。
ご回答ありがとうございます。
>何を補正したいのか、を明確にされては
と言われますが、とにかく真の値を求めるための最前の方法知りたいのです。
ブランクとサンプルがある場合に分光光度計ではこうするのが当たり前の手順、みたいなのは無いのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
こんにちは
doc_sundayさんの手順はすごいですね。わたしはそこまでやりません (^_^;
1、3で補正してあとは5です。
もちろんセル(キュベット)は必ず同じ物を同じ向きで同じ場所に入れます。
室温が変わったりして怪しい感じがしたら補正はやりなおします。
分光光度計にもよると思いますが、(方法2)よりも(方法1)の方が手間が少ないように思います。
揮発して濃度が変わったり、時間が経つと酸化されたり変色するようなブランクでしたら(方法2)しかないですね。
No.1
- 回答日時:
>どちらでも良いという人と、差があるようだという人と分かれています。
分かれると思います。
ですが私はもっと複雑なことをします。
1.AとBに水を入れ測定する。
2.AとBを交換して測定する。
3.Aに水Bにブランクを入れて測定する。
(なおこのときA側が測定時「ブランク」となる光路である。
4.Aに水Bにサンプルを入れて測定する。
5.AにブランクBにサンプルを入れて測定する。
これだけ全部やらないと気が済みません。
ブランクがきれいか(不純物がないか)、キュベットが汚れていないか、光路のバランスはとれているか。
全部調べます。
時にはAB両方にブランクを入れて測定することもあります。
でも、1回やったらあとは4か5だけを異なるサンプルに対して行います。
くどい人は終わったあとで(時には途中でも何回か)ブランクや水での補正を繰り返すようです。
m(_ _)m
お返事ありがとうございます。
時間をかけて丁寧にやられているようですね。私に関しては仕事でやっているので効率良くすることも大事だと思っています。
分光光度計の原理から考えて、私の申し上げた二つの方法のどちらかが理にかなっていて、もう片方はダメなのでは?というお返事がいただけるとありがたいのですが。
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