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こんにちは。
ピアノの楽譜をいくつか手に入れたいのですが、
図書館に所蔵されている(閲覧可能な)楽譜のコピーは、
「原則OK」と思っていていいんでしょうか?

図書館(音大)のホームページには、
「著作権法で許される範囲内で複写も可能です」
と書かれていて、著作権法第31条なども引用されていましたが、
具体的に、どんな場合はだめなんだろう・・・というのが
わかりにくくて質問させていただきました。

どうぞよろしくお願いします。

A 回答 (5件)

当方、図書館の業務に関しては素人なのですが...



まず、著作物(楽譜・歌詞など)を創作した人=著作者は、その創作の時点で、著作者としての人格的権利と、その著作物の経済的価値を利用する権利を取得します。前者を「著作者人格権」、後者を「(狭義の)著作権」と呼び、これらを合わせて「(広義の)著作権」と呼ぶことがあります。狭義の著作権は譲渡が可能です。したがって、例えば出版社や権利管理団体(JASRAC等)が、(狭義の)著作権を持っていることもあります。

これに加えて、たとえばパフォーマーやレコード製作者、放送事業者などは、著作物の公衆への提供に大きく関わることから、(広義の)著作権とは別に、「著作隣接権」と呼ばれる権利を持っています。これに加え、実演家には「実演家人格権」も与えられます。

で、本題。
楽譜のコピーに関しては、「(狭義の)著作権」だけが問題になります。一般的には、作曲家の著作権を出版社等が買い取り、これを権利管理団体に信託譲渡して管理させていることが多いかと思います。この団体が徴収した著作物利用料を出版社が受け取り、さらにそこから「印税」名目で作曲家等に報酬が支払われます。

図書館でのコピーですが、これは実務上、かなり複雑な取り扱いになっているようです。

まず、原則論でいうと、著作権者はその著作物を複製する権利その他の権利を専有しますが(著作権法21条以下)、同法30条以下に定める例外的な場合には、無許諾で複製等を行うことができます。

よくいわれるのは30条1項の、いわゆる「私的使用のための複製」です。これは、個人・家庭内・その他これに準ずるごく限られた範囲において使用する目的で、その使用をする者が自ら行う複製は、無許諾でできるというものです。
量的な制限は一切ありませんから、レンタルCDを丸ごとコピーしても、もちろん楽譜や書籍でも、上記の範囲を超えない限りは全部を複製して構いません。

他方、図書館(公立図書館・大学図書館など)においては、31条により、複製が許されています。ここで注意しなければならないのは、30条は「使用する者が複製する」行為についての規定であるのに対し、31条は「図書館が複製する」行為についての規定である点です。つまり、同条1号により、図書館に資料請求する場合は、一部分(半分以下)しかコピーがもらえないということになります。

図書館内に設置されたコピーマシンを使って、図書館利用者がコピーする行為は、31条にいう「図書館による複製行為」を図書館に代わって利用者に行わせている、と解されます。それゆえ、図書館内でコピーを取るときは30条の適用がなく、一部分しかコピーできません。

これに対して、一度貸出を受け、コンビニなどでコピーする場合には31条の適用がなく、30条で処理することになります。つまり、全部をコピーすることも可能になります。

31条のケースで難しいのは、図書館自体は「どの範囲で著作権が存続しているか」を把握できないことから、不用意に全部コピーを認められないという点かと思います。例えば、J.S.バッハの著作権はとうの昔に消滅していますが、これを1冊の本に編纂した楽譜集は、編集著作物として権利があるかもしれません。これを逐一調べることは不可能ですから、原則として一部のみコピー可という取り扱いが多いのではないかと推測します。

というわけで、結論的には(結論になっていませんが)、貸出を受けた場合には全部コピーができる場合があり、図書館内でコピーする場合はケースごとに図書館に問い合わせるしかないが、著作権が存続している場合は一部分までしかコピーできないのが原則、となるでしょう。
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個人で使用する分には、どれだけやっても自由でしょう・・・

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「権利者」についてですが、厳密な規定が難しく、必ずしも「作曲者=権利者」ではない事があるので難しい問題です。


(少なくとも、図書館のスタッフ=権利者ではありません。)

一般的には、楽譜を管理する音楽出版会社が権利を所有しています。
ですが、出版会社の許諾のみを取れば解決する話ではなく、著作隣接権を有する権利者の許諾が必要になるケースもあります。
しかし、日本では隣接権も含め著作権全体を一元管理している組織が無いので、音楽の二次利用においては物凄く制限が厳しい結果となっています。

楽譜全体の複写がしたい場合は、まずは該当する楽譜の権利者を調べる作業が不可欠となり、その情報は図書館で即座に分る話では無いので、図書館ごとの判断が異なるのだと思います。

参考URL:http://www.j-gakufu.com/html/message_main.html
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この回答へのお礼

はっきり規定するのが難しい部分なんですね。
リンク先も、難しいお話になってきますが(^-^; 
ひととおり読んでみました。

現実問題としては、たしかに図書館ごとに
判断が異なったりするようだということもわかったので、
こんど、直接問い合わせてみようと思います。
再度のご回答、どうもありがとうございました!

お礼日時:2006/08/08 23:23

実際に図書館で楽譜のコピーを依頼したことがあります。



一般的に、著作権法では一著作物の半分までがコピー可なのですが、図書館によってその解釈が異なるようです。つまり、図書館によっては楽譜類は全部コピー不可というところもあるし、可というところもあると言うことです。

http://bushclover.nime.ac.jp/c-edu/answer.asp?Q_ …

私が複写をお願いしたのは国会図書館なのですが、そこでの経験を元に書きます。

◆作詞者、作曲者、編曲者の死後50年以上経過している作品

→前頁OK

◆作詞者、作曲者、編曲者の死後50年経っていない場合

→その曲の半分までは複写OK
 ただし雑誌に掲載されたものなら、最新号でなければ全部複写OK

例えば、バッハはコピー可ですが、ストラヴィンスキーは不可です。

◆編集著作権について

→図書館(あるいは担当者)によって扱いが異なる

たとえば、あるテーマのもとに複数の作家の作品を集めた「楽譜集」のようなものだと、編集著作物扱いにされることがあります。この場合、前頁のコピーが不可になることがあります。これも図書館によって扱いが異なります。

私は民謡の楽譜をコピーしようとしたことがあるのですが、その際図書館に編集著作権を主張されたことがあります。その後、同じ図書館の他の受付に同じ本を持参したところ、普通にコピーを受け付けてくれました。このあたりの判断は微妙なようで、担当者によって対応が異なるケースがあります。
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この回答へのお礼

具体的なご経験談で、とても参考になります。
著作権法という法律に基づくのだから
基本的にどこでも対応(解釈)は同じなのかなと
思っていましたが、そうでもないみたいですね。

死後50年ということを考えると、
映画音楽なんかは難しいラインかも・・・

やはり、当該図書館に問い合わせしてみるのが良さそうです。
(一斉休暇に入ってしまっているので今すぐは無理なのですが・・・)

くわしいご回答、どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/08/08 22:11

↓の一覧が参考になるかと。


https://library.toda.saitama.jp/riyoannai/copy.htm
「楽譜・歌詞」部分の引用↓
一枚物 複写不可
楽譜集、歌集 一曲の半分以下
歌詞カード 複写不可

楽譜の丸ごと複写は、権利者の許諾を得ない限り不可能だと思った方が無難です。
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この回答へのお礼

アドバイスどうもありがとうございます。
とても具体的でわかりやすいガイドラインですねー。
うちの近くの図書館も、こんなふうに書いてくれるとありがたいのに・・・

しかし、楽譜=1曲の半分以下、というのが気になるところですね。
ご回答にある「権利者」というのは、この場合は図書館で、
現実的には「カウンターでコピー等に応じてくれるスタッフ」
ということになるのでしょうか?
それとも、権利者=著作権を有する作曲者など?
もしよろしければ、また教えてください~。

お礼日時:2006/08/08 22:10

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