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神経質や不安が強い人は扁桃体が常に活発すぎるほどに動いて、どうでもいいことに神経をすり減らしてしまう(セロトニンの濃度の低下も)

そして、神経質だったり不安が強い人は、何も考えずに打ち込んで出来る仕事だったり、趣味をすることが特効薬になると聞きます。

ということは、何かを考えている状態→扁桃体が動いてる?
さらに長期間、常に何かを考えて、とらわれている状態が続く→扁桃体が暴走→神経質・不安になる?
ということになるのでしょうか?

つまり、何も考えない・感じない=(無心・無欲・無我)が扁桃体や他の不安に関わる器官を沈静化→神経質がなくなるということはありえますか?

率直な話、何かを考えている状態では、扁桃体は活動するのでしょうか?

A 回答 (1件)

こんにちは。


まず、「扁桃体」の働きに就いてちょっと整理しますね。
「扁桃体」といいますのは「情動反応」を司る「大脳辺縁系」に属する神経核でありまして、入力された知覚情報に対し「利益・不利益の価値判断」を行うことによって、「快情動」か「不快情動」かのどちらかを発生させるというのがその役割です。
「扁桃体」が価値判断に用いる判断基準を「情動記憶」といい、これは生後体験に基づいて獲得される「学習記憶」です。ですから、入力された知覚情報が「快情動」を発生させる「報酬刺激」であるのか、「不快情動」を発生させる「嫌悪刺激」であるのかの判定は、そのひとの個人体験によって異なります。何か嫌な体験をし、それに対して不快情動を発生させたという記録が残されていますならば、同様の刺激情報は、そのひとにとっては「嫌悪刺激」と判定されることになり、「不快情動」が発生します。
そして、この不快情動が他の中枢や自律神経系に出力されることにより、脳内のNA(ノルアドレナリン)の分泌や、心拍・呼吸・血圧・内分泌モルモンなどの生理状態を亢進させます。このようして発生した身体反応のパターンが「不安」や「恐怖」、「怒り」「悲しみ」といった状態に分類されるわけなのですが、申し上げるまでもなく、このほとんどが「ストレス反応」に属します。
この流れを簡単に整理致しますと、
「知覚入力:嫌悪刺激の入力」
「扁桃体の価値判断:不快情動の発生」
「情動性身体反応:不安状態」
ということになります。

>率直な話、何かを考えている状態では、扁桃体は活動するのでしょうか?

「何かを考える」というのは「大脳皮質」の仕事ですよね。この大脳皮質から入力がありますと、扁桃体はそれに対しても必ず情動を発生させます。ですから、楽しいことを考えれば「快情動」が発生しますが、何か嫌なことを思い出してしまった場合は「不安状態」になります。ホラー映画のシーンなどを想像ますと、夜トイレ行けなくなりますよね。
大脳皮質の意識現象と大脳辺縁系の情動反応は繋がっています。それが我々の「心の動き」です。何かを考えれば、心は必ず動きます。

>そして、神経質だったり不安が強い人は、何も考えずに打ち込んで出来る仕事だったり、趣味をすることが特効薬になると聞きます。
>つまり、何も考えない・感じない=(無心・無欲・無我)が扁桃体や他の不安に関わる器官を沈静化→神経質がなくなるということはありえますか?

ですから、まず「嫌悪刺激」の入力がなければ「不快情動」が発生することはありません。
何か心配事があって、それをくよくよと考えていますと誰でも憂鬱な気分になりますよね。ですが、仕事や趣味などに熱中していれば、それを忘れることができます。また、やっていることに興味があるとか、具体的な成果が得られるといった「報酬刺激」である場合は、扁桃体はそれに対しては「快情動」を発生させることになります。
とは言いましても、これで扁桃体の反応基準そのものが変更されてしまうというのはほとんど期待できません。心配事がある限り、それに対しては必ず「不快情動」が発生しますので、それが解決されない限り、不安の元を消すことはできませんし、扁桃体の反応が変わるということもありません。
ですが、私もかなり神経質な方なんですが、過ぎてしまったこと、細かいことをいちいち気にしていても仕方がありませんよね。私のような神経質な人間は、自分で勝手に扁桃体に嫌悪刺激を送り着けているだけなんです。ですから、このような場合は、仕事や趣味といった気分転換はたいへん効果があると思います。

>さらに長期間、常に何かを考えて、とらわれている状態が続く→扁桃体が暴走→神経質・不安になる?

このような場合は、刺激が入力されるたびに同じ反応が繰り返されているだけなのですから、別に暴走をしているというわけではなく、扁桃体の機能は全く正常です。
このような、不安状態が慢性化するというのはうつ病の症状として良く知られています。扁桃体の反応基準は個人体験に基づく学習記憶ですので、長期間に渡るストレスが繰り返されますと学習効果によって反応が鋭敏になり、あまり良いことではありません。
ですが、これを扁桃体の異常や暴走と呼ぶことはできません。例えば、
「パニック症:鮮烈な体験に基づく反応」
「トラウマ:深層的な体験に基づく反応」
「うつ病:不安状態の慢性化」
といったものがありますが、このようなものは発生する反応が通常と異なるために病症とされるだけでありまして、扁桃体の機能そのものは全く正常なんです。最も強い反応を示すパニック症でありましても、原因はそのひとの体験の内容なのですから、別に暴走しているというわけではありませんよね。扁桃体は、ただ学習した通りに反応しているだけなんです。
念のため、異常と言いますのは、発生する反応が通常と異なるために、それが日常生活に支障をきたす状態に至ったものを言います。ですから、ちょっとくらい憂鬱っぽくても、それは絶対に病気ではありませんから、勘違いしないで下さいね。

また、神経が過敏になるのは、発生する不安状態というのは元々脳内のNA(ノルアドレナリン)の分泌を伴うものであるため、神経系そのものの覚醒状態が更新されるからです。不安が不安を呼ぶ、これも悪循環の原因ですよね。
とにかく、ストレスの原因が排除されれば反応は止まるわけですから、でき得るならば早期に対策を施し、さもなくば気分転換によって学習効果を下げるなど、慢性化を避ける生活リズムを作るべきです。
因みに、原因を排除することができないために慢性化してしまうものを、我々は良く「仕事のストレス」「人間関係のストレス」などと呼びますよね。ストレスとは、上手に付き合ってゆきたいものです。
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この回答へのお礼

返答ありがとうございました

人間の脳ってむずかしいですよね、脳に関する色々な図書やネットを読み続けても、理解することが出来ないし、そもそも脳科学の研究者のような立場の人達でさえ脳の機能がどのようになっているのか完璧に説明できる人はいないし、
早く研究を重ねて精神的な病気(不安・鬱・その他諸々の病)を物理的に破壊できれば、人は薬や認知などの療法に頼らなくてもすむようになるのに・・・と主観的に考えてみる
とりあえず、思考という理性を伴った考えでさえ大脳皮質と共に大脳辺縁系も動いてしまうことがわかってよかったです。

お礼日時:2006/09/16 14:38

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