プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

はじめまして。
ばね座金の用途について教えていただきたいと思います。
これまで、ばね座金は緩み止めという認識でいましたが、詳しい使用場所についてわかりません。
JIS等を調べても、どのような所に使用するかが書かれてありません。
使用場所について教えていただきたいと思います。
宜しくお願いします。

A 回答 (5件)

バネ座金を使う事で得られる効果としては主に二通りあると思います。



(1)バネ座金がナットと固定物との両方に食い込むことでナットが回らなくなる。

(2)緩み始めたナットがバネ座金の反発力で押し付けられ、ネジ同士の摩擦が増すことで、ナットが外れて落ちる時間を稼ぐ事が出来る。

(1)の場合の問題点について
バネ座金と共に平座金を入れた時には、平座金とナットには食い込みますが平座金自体が回ってしまうので、両方に食い込むことで回らなくなるという効果は消滅します。
またボルトはバネ座金とはほとんど接触していないので、ボルトに関しては食い込みによるメリットは全くありません。
ボルトとナットが両方とも回らないように食い込ませるには、平座金は使わずボルト側にもバネ座金を入れる必要があります。

また平座金を入れない場合でも固定物がバネ板などの非常に硬い材質の場合、バネ座金程度の刃先では食い込む事が出来ないため、やはり食い込みによる回り止めのメリットはありません。

(2)の場合の問題点について
(2)の場合にはやはりバネ座金が無いよりも有る方がナットが抜け落ちる時間が長くなると思います。
ただ振動にはかなり弱く、一度緩み始めたナットは食い込んでいない限りあっという間に振動によって取れてしまします。
特に細かくて強い振動は摩擦力を非常に小さくしてしまうので、緩み始めたナットは信じられないほど早く外れてしまいます。

またナットが固定物を押す力はバネ座金の反発力とプラスされる事はありません。
バネ座金の反発力を10、ナットが締め付ける力を100とすると、ナットを100まで締めた場合に固定物が締め付けられる力は110とはならず100のままです。
と言う事は固定物を締め付ける力はナットを締め付けるトルクが同じ場合、平座金もバネ座金も座金無しでも変わらないと言う事です。

以上の事からバネ座金のメリットは食い込むことに於いて発揮される場合が多く、食い込まない時や平座金を使った場合はそのメリットがかなり小さくなると言う事です。
たしか数年前に工業試験場だったかどこかの研究機関だったかが、バネ座金の有効性に疑問を投げかけていた実験番組をテレビで見た事があります。
しかし少なくとも無い時と比べて悪くなる事はほとんどないですし、食い込む場合にはメリットが得られる事もある(平座金が無い場合)ですから、工業製品には広く使用されています。

ただ配管用のフランジを締め付ける場合はバネ座金も平座金も使う事はほとんどありません。
バネ座金等を使わなくても蒸気配管などで起きる振動や温度差による配管の伸び縮み等悪条件下でも緩む事はあまりありません。

絶対に緩んでは困る場合には『ばねナット』と呼ばれるナットに薄いバネが固定されていてボルトのネジ部に直接食い込むようになった物を使う事があります。
この場合はボルトも回りませんのでネジロックなどの薬品を使わずに緩まないように出来ます。
ただネジに食い込みますのでナットを緩める場合にはボルトのネジが傷んでしまうデメリットがあります。
何度も緩める必要があるが絶対に緩んでは困るという場合はやはりネジロック等の薬品を使うか、ナット二つで締める『ダブルナット』と言う方法を用いる場合が多いですね。
あるいはナットとボルトに通し穴を開けて割ピンを通してしまう方法とかもありますね。
数ミリのネジが一つ落ちただけで、そのネジが機械の精密部分を壊して数千万とか数億円とかの損失が出るところもありますから、万に一つも落ちないように数種類の方法を同時に使用する場合もあります。

長々と書きましたが少しは参考になりましたでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。
失礼ではありますが、どのような職業の方なのでしょうか?
もし宜しかったら、教えて頂きたいと思います。

お礼日時:2002/04/26 10:46

>失礼ではありますが、どのような職業の方なのでしょうか?


>もし宜しかったら、教えて頂きたいと思います。

工場向け精密機械です。食品関係なので、ネジ類は全てSUS304です。
M1.5~M50位まで使います。
機械の値段は1000万~20000万位です。

私の担当は、光学、電気、電子、機械です。専攻は物理、化学です。
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 ネジがどうして締まり、緩まないのかというと、同質の雄ネジと雌ネジの噛み合っている面と面の摩擦だけでなく、締め付けることによって変形して、互いに喰い込み合う境界があるからです。

同質でなければ、どちらかが急激に変形して破壊されることになりますし、同質であっても締め付けが過度であれば破壊に至ります。また、締め付ける部材との摩擦等も緩み止めの効果はありますが、本来ではありません。

 これを利用せずに、ストッパーのように部材とネジ頭に食い込ませて緩み止めとするのがバネ座金や菊座金です。これらの欠点は、食い込んで効果を発揮するので、被締結部材を破壊するところにあります。一度締め込んで二度と緩めないのであれば良いのですが、そうでなければ緩めるたびに削れていきます。

 たとえばエンジンの組立には、いっさいバネ座金は使いません。全て、トルク管理です。ネジの一本一本には全て規定トルクが定められています。分解する余地を残すためということもありますが、組立精度が高いので、塑性変形だけで充分な緩み止めが期待できるのです。もっと、簡単な例で示すと、車輪を固定しているホイールナット(トラックなどではボルトもある)は、比較的誰でもご存じかとは思いますが、円錐形状で接触面積を広げています。決して緩んでは困るのに、バネ座金等は使用していません。これも実は、トルク管理されている箇所の一つです。

 厳密にトルク管理するほどでもなく、とはいえ適度な締めを要求されると共に簡便さを必要とされるものとして、たとえばオイルフィルタやスパークプラグ等があります。これらは部材を固定するネジそのものではなく、部材自体がネジとなっているものです。トルク管理をするのには不便性が強いので、その代わり回転角管理をして必要トルクの目安としています。つまり、工具を使わずに手で締め付けた後に、工具により何分の何回転締めるかを規定するというものです。

 トルク管理も回転角管理も、被締付部材やネジを一切損傷しないので、繰り返し使用することができ、締め付け具合も客観的な数値で示されるため、製品のバラツキが少なくなり、歩留まりも良くなるという特長があります。
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当社の機械は全ての、ビス・ボルトに入れています。


入れないのは、高さで問題があり、入らないときぐらいです。
実際に、緩みぐわい、作業性があがります(手作業で締め付けトルク感が良い)。
入れないのは、安価な民生品です。
自動車も主要な処は良く入っています。
高品質な機械のプロなら、全てに入れるようです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。
自動車関係の知人に聞いた所、ばね座金は使用しないと言っていましたが、自動車のパーツで使用箇所の有無があるのでしょうか?

ところで、メールに「当社」とありましたが、どのような職業の方なのですか?
もし支障がなければ教えていただきたいと思います。

お礼日時:2002/04/26 10:49

 ネジを緩ませないためには、本来は塑性変形を利用したトルク管理が重要なのですが、あまり組立の精密さを必要とされない場所の緩み止めが最も最大の用途です。

使用場所は、振動の多い場所、オイルミストのある環境下、増し締めをするのが困難な隠蔽場所または高所、等です。

 緩み止めのための副産物として、バネの端がナットや固定物を引っ掻くので、電気的な接触を有効にするという意味合いも多少あります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。ご参考にさせていただきます。
ところで、ある文献にばね座金は振動には弱いとありましたが、振動が多い箇所での緩み止めの役目をするということなのでしょうか?

もし宜しかったら、どのような職業の方なのか支障がなければ教えていただきたいと思います。

お礼日時:2002/04/26 10:56

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