No.7ベストアンサー
- 回答日時:
ご指摘のように、『中性子寿命 T=1 』で,『過剰増倍係数 △k=1 (つまり k=2)という現象(別の言い方をすれば,1 秒後に 2 倍になる現象) 』であるならば、1 秒間継続すると中性子数は 2 個、同様の現象を 10 秒間継続すると 1024 個になります。
しかし、実際には、1サイクルに要する時間 T は 0.00001 秒ほどで、われわれが秒、あるいは分とかそれ以上の単位でこの現象を観察していれば T は非常に短い時間と考えられますし、また k は、1 に非常に近い値になっているのが普通です。即ち、1 サイクルで中性子がいっぺんに 2 倍、3 倍になるような原子炉は現実的ではなく、その様に設計されないのです。実際の原子炉では k がほんの僅かだけ 1 より大きくできる程度のものなのです。
従って、時刻 t のときの中性子数を n(t)、そして次のサイクルの T 秒の後に n(t)・k になるとすると、増加の時間的割合は、
{(k-1)/T}・n(t)
ですが、既に述べたように、1 サイクルに要する時間 T は 0.00001秒といった非常に短い時間であり、k は、1 に非常に近い値になっているので、この増加の時間的割合は、n(t) の時間微分として表わさなければならないのです。つまり、
dn(t)/dt={(k-1)/T}・n(t)
これから導かれる中性子の数は、それぞれ、e(1)、e(10) となるのです。
明快な説明ありがとうございました。ご指摘の通り,Tは微少な時間ですから,n(t)の時間微分をする必要がありますね。exp(1),exp(10)になる理由が,大変よく分かりました。
あわせて,お正月にもかかわらず,私の疑問に何度もおつきあいくださり,ありがとうございました。
また,私の質問にお答えいただいた皆様にもこの場をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
先ほどの投稿は、ちょっと言葉足らずでした。
1 に非常に近い数の一万乗であるので、
(1.0001)^10000≒lim(n→∞)[{1+(1/n)}^n]=e(1)
という近似が使えたのだと思います。
この回答への補足
何度もありがとうございます。微分方程式で説明していただいたことで,大変よく分かりました。ついでに言うと,ペリオドと呼ばれる数値は,中性子数がe倍(約2.7倍)になる時間としてある理由も分かりました。これまでは,慣例的に自然対数倍になる時間をペリオドと決めているのかな?ぐらいの理解でした。要するに,eの乗数=1 になる時のtがペリオドだったのですね。近似についての補足説明もよく分かりました。
さて,以上のことを踏まえた上で「まだ分かっていないな」と言われてしまいそうな質問ですが,
中性子寿命T=1で,過剰増倍係数△k=1(つまりk=2) という現象(別の言い方をすれば,1秒後に2倍になる現象)を1秒間継続すると中性子数は2個になる気がするのですが,e個 同様の現象を10秒間継続すると1024個になる気がするのですが,exp(10)=約2200個
私はどこで勘違いをしているのでしょうか?是非教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。
No.5
- 回答日時:
この指数函数を導く元の方程式(微分方程式ですが)は、
中性子数を n とすればその増加率が、
dn/dt=(Δk/T)・n
で表わされます。
上の式に現れた Δk は、既に述べた過剰増倍係数、
T は、中性子寿命(核分裂による発生 → 燃料に吸収されるまでの時間)
です。
これを積分すると、中性子の初期値(t=0 における値)を n_0 として
n/(n_0)=exp{(Δk/T)・t}
となるのです。
単に 1.0001 の 10000 乗を求めているのではないのです。
因みに、遅発中性子の効果を考慮すると、最も簡単なモデル(一点原子炉、遅発中性子一群近似)で、二元連立微分方程式が導かれます。
No.4
- 回答日時:
『十万分の一秒後に 0.0001 倍増加する現象』の間違いでしょう?
制御されない原子炉、あるいは遅発中性子の発生しない原子炉で、『十万分の一秒後に 0.0001 倍増加する現象』を数秒間、放置しておくと、とんでもないことになリます。
0.1秒後には、exp{(0.0001/0.00001)・0.1}=exp(1) 倍≒2.7 倍
1秒後には、exp{(0.0001/0.00001)・1}=exp(10) 倍≒2200 倍になります。
今の場合、増加割合は、0.1 秒間に 1.1-1=0.1 倍ですから、
exp{(0.1/0.1)・10}=exp(10) 倍≒2200 倍になります。
因みに、軽水炉(水を減速材として用いる原子炉)の中性子寿命は10^(-5) 秒程度です。
原子炉に当てはめれば、上に挙げた例の、10^(-5) 秒、つまり、中性子寿命間の増加割合 0.0001 は、過剰増倍係数(Δk)で、1 を加えたものは増倍係数(k)といわれるものに当たります。この値は現実的な値です。
この回答への補足
ご指摘の通り,「十万分の一秒後に0.0001倍増加する現象」の間違いでした。ですから「十万分の一秒後に1.0001倍になる現象」と書くべきでした。それから,私が読んだ本というのも,遅発中性子のない条件における原子炉内の中性子数に関する記述の部分です。本の内容については,質問文で一切触れていないにもかかわらず,分かってしまうなんてすごい方ですね。
さて,さらに間抜けな質問で恐縮ですが,要するに1.0001の10000乗を求めているのですが,常用対数と使ってではなく自然対数を使って簡単に計算できてしまっているのはどうしてなのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
回答は既に出ていますが,「簡単な対数の計算で解いた記憶があるのですが」とお書きですので,対数を使って(つまり関数電卓を使わずに)解く方法を書いておきます。
1.1の100乗を求めればよいわけですね。
なお,以下の説明でlogは常用対数(底が10)を示します。
また,aのb乗をa^bと表します。
log (1.1^100)=100×log 1.1 ← log (a^b)=b log aを用いた
=100×0.0413927 ←「対数表」(対数の値が載っている本)をみた
=4.13927
よって,求める数は
10^4.13927
=10^(4+0.13927)
=10^4×10^0.13927
=10000×1.3781 ←対数表を逆に使い,対数の値が0.13927となる数(に最も近い数)をみた
=13781
実際には対数は無限小数ですが,対数表ではこれを適当な桁数(今の場合は7桁)に四捨五入して掲載していますので,どうしても誤差が生じますが,およその見積もりを求めるには十分でしょう。
関数電卓などというものがなかったころ,あるいは何十万円もした頃(だいたい1970年代まで)は,みんなこういう計算をしていました。
No.2
- 回答日時:
0.1秒後に1.1倍
0.2秒後は、1.1倍の1.1倍 つまり (1.1の2乗)倍
0.3秒後は、1.1倍の1.1倍の1.1倍 つまり (1.1の3乗)倍
同様に
1秒後は、(1.1の10乗)倍
10秒後は、(1.1の100乗)倍 で、13780.61234倍になるかと思います。
No.1
- 回答日時:
1.1の百乗で間違いないものと思います。
約13780.9でしょうか?
意外に大きな数になるものですね。
ちなみに、本の記述は「十万分の一秒後に1.0001倍になる」であるはずです。
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