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 かのYS11で一定の成功をおさめたと思うのですが、その後国内の航空機産業が日の目を見ないのはどうしてでしょう。

A 回答 (1件)

YS-11は現在でも、アフリカやそのほか第三世界の国などで、


長大な滑走路が作れない土地等でその特性を生かして活躍しています。

今現在も飛んでいることを考えると、
YS-11を作り続けていれば将来的には黒字になっていただろう、
との分析結果も出ています。

惜しむらくは、百数十機が作られた時点で突然、
政府によって半ば強引に日本航空機製造が解散させられてしまったことです。
この時点でYS-11の生産は止まってしまいました。

理由は赤字だったということですが、航空機は作って売れば黒字になるというものではなく、ボーイング社でさえ、
一機コケたら会社が危うくなる可能性も示唆されています。航空機開発はそれほど費用と時間がかかるのです。
結局のところ今現在の政府と同じで、長い眼で局面を見ることができなかったのが原因の一つです。

もう一つはアメリカの存在です。
次期支援戦闘機FSX(F-2)を国内のみで生産しようとしたとき、
アメリカから異常ともいえるほどの圧力がかかりました。
結局アメリカとの共同開発になってしまったのですが・・・

日本は第二次世界大戦で敗北しましたが、
アジアで初めて自力で航空機を製造した国であり、
その技術の集大成とも言える零戦は世界的にも有名です。
アメリカはその技術を恐れて戦後すぐ航空機製造禁止令を出したほどです。

アメリカはFSXを日本が独自開発することにより航空機技術が再度復活し、
ほぼアメリカの独占市場である民間機の分野に進出することを恐れたのです。
結局FSXはF16をベースとして作られることになりましたが、
F16は既に日本に導入されており、FSXを共同開発することで
アメリカ側に技術の利得はあっても、日本側にはほとんど利のないものでした。

それと「航空機産業不要論」というものがあります。
これは、何も日本独自に天文学的な額の開発費がかかる航空機を開発するより、
ボーイングやエアバスのライセンス生産をしてれば儲かる、
というような非常に後ろ向きな考えです。
現在はこの考えが航空業界全般に蔓延しているようです。
確かに商業的には儲かるかもしれませんが、
欧米に追いつけ追い越せで懸命にがんばった先人に比べると、
なんと矮小に成り下がったものだ、と思います。

しかしながらまだ若干の望みはあるようです。
平成6年頃から国産大型輸送機YS-Xの階開発計画が持ち上がっていますし、
三菱重工は国産ヘリコプター「MH2000」を開発し、既に飛行もしています。

問題は諸先進国、特にアメリカの横槍が入らないかということですけど、
このあたりは政治家の力量によるところが大きいでしょう。

しかしこの政治家達が今はクソの役にも立たない連中ときていますから、
独自開発というのは難しいかもしれません。
ちり紙のほうがまだ使い道がありますねえ。
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この回答へのお礼

 詳しくご説明いただきありがとうございます。結局軍事面での影響や、現米軍需産業が世界中から獲得する利益といった経済面での既得権が背後にあるとしたら残念な話ではあります。

>欧米に追いつけ追い越せで懸命にがんばった先人に比べると、なんと矮小に成り下がったものだ、と思います。

 全く同感です。

お礼日時:2002/05/06 16:49

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