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非防磁型スピーカーのメリットはありますでしょうか?

非防磁型ですと、音楽再生時に磁気が発生し、TVブラウン管等に悪影響を与えるということですが、JBLDD66000やB&W800シリーズ、PIONEERS-1EX等高級スピーカーには防磁加工が施されていません。

防磁加工をすると音質劣化があるのでしょうか。それともコスト面でハイエンドスピーカーには非防磁型が多いのでしょうか。

個人的にはスピーカーから電磁波が放射されない非防磁型の方が、音質的にも健康的にも良い気がするのでふと疑問に思いました。

A 回答 (5件)

> 防磁加工をすると音質劣化があるのでしょうか。



結論から言いますと、「はい」。

ただし高級な内磁型アルニコ/ないしネオジウムマグネットはここでは除外します。

安価なスピーカーの防磁手段というのは、フェライト製のメインマグネットのさらに後方にキャンセリングマグネットを増設して鉄製の防磁カバーでくるむというものです。

しかしこのキャンセルマグネットというのが曲者です。

ハイエンドなドライバー(の一部)は、磁気回路のポールピース/フロントプレートの形状を工夫して磁界の正負対称性を確保しています。特に明示していない場合でも、高級なドライバーではポールピースが単純なI字ポールではなくT字にしたり、あるいはポールやプレートに面取りをしたりして、磁界の対称性を確保しています。有名どころではSCANSPEAKのSD-1 motor、それからJBLのSGF磁気回路などがこれに該当します。AURAのウーファーも確かそういう設計をしています。

しかし特に留意せずに上記のような磁気回路に対して、キャンセルマグネットを付加するような事をしてしまうと、せっかく確保している磁気回路の正負対称性が崩れます。結果、どうなるかというと偶数次高調波歪みが増えたり磁気歪みが増えたりします。

現代では、内磁型のネオジウムが能力的にも漏洩磁束という意味でも理想的と言えますが、これはmotor systemがかなり高価に付いてしまうので、ハイエンドスピーカーでもコスト対効率(実)をとって単純なフェライトマグネットで済ませている場合が多いです。結果、意味のない防磁処理により音質を悪くしても仕方がないので、防磁が採用されることは余り無いのでしょう。
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この回答へのお礼

高価な内磁型(アルニコ/ネオジウムマグネット)による防磁は、音質劣化はあまりないが、
安価な外磁型(キャンセルマグネット)による防磁は音質劣化を招くということですね!
ここにいう音質劣化とは、偶数次高調波歪み・磁気歪みの増加で、それは磁気回路の正負対称性のバランスが崩れることによって生じるのですね☆

大変詳しい説明でとても納得いたしました☆的確なご回答ありがとうございます!!

ちなみに偶数次高調波歪み・磁気歪みが増加すると、具体的には音はどのように変化するのでしょうか。音が一定せず、大げさに言うとビブラートのないところで、ビブラートのようなものが生じるような不安定性が生じるのでしょうか?

時折製品の紹介欄で「磁気歪みを低減しました」等と記載をみるのですが、具体的にはどのようにそれが音に現れているのかとても気になりました。

お礼日時:2007/01/12 14:37

それと、書くのを忘れていましたが、


> 「磁気歪みを低減しました」
という要素のひとつに「渦電流歪み」というものがあります。

これも、先にご紹介したハーマンの解説ページに書いて有りましたので、そちらもご覧ください。「磁気変調歪みの改善」という項目がそれにあたります。
過去、この渦電流歪みに執念を燃やしていたメーカーとして、松下と日立が挙げられます。特に松下は気が狂ったようなウーファーを造っていました。最近の超高級ドライバーでは、ポールピースに銅ショートリング/キャップを被せて簡易的に(しかし十分な効果を持つ)これの対策を行っています。が、市販スピーカーではかなり高額にならないと最近ではお目に掛かれません。
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この回答へのお礼

磁気変調歪みの改善の項目読ませて頂きました!原因や結果どういう音になるか書かれていますね。
磁気回路の違いによって歪みがだいぶ違ってくるとは今まであまり考えたことがありませんでした。とても勉強になりました!
詳細で的確なご回答ありがとうございました☆

お礼日時:2007/01/13 18:42

その後、ネットサーチを掛けたらそのものズバリの解説がありました。

私は「SGF」と書いてしまいましたが「SFG」が正しかったです。
http://www.harman-japan.co.jp/enjoy/tech/jbl_02. …
このSymmetrical Field Geometry というのがSFGです。磁界の非対称性を改善する図も載っていて、非常に分かりやすいですね。中低域~高域にかけての高調波歪みが低減されるグラフも、分かりやすいと思います。

>ちなみに偶数次高調波歪み・磁気歪みが増加すると、具体的には音はどのように変化するのでしょうか。

歪み率を音調で、しかも言葉で置き換えて表現するのは大変難しいことですので、言明は避けますが。一般に低域でも霧が掛かったように不鮮明となり、なんとなくもっさりして見通しの悪い音感になるのだと思います。何となく音に濁りが感じられたり、ピアノの単音などでその不鮮明さが如実に分かるかも知れません。反面、偶数次高調波は人にとって心地よい歪みのため、むしろふっくらしているとか、暖かみがある、などなど、好印象に繋がるケースも少なからず、あるでしょう。

実際、ヴィンテージもののアンプやスピーカーは概して非常に悪い歪み率を持っているのですが、それらを懐かしむ声や依然としてファンが少なからず居る事もあり、低歪が最高と断言できない難しい部分もあります。しかしもちろん、ハイエンドの世界では線形/超低歪みを目標として開発をするのが主流となっています。
スピーカーは特に低域で概して非常に歪み率が悪いものなので、ここの歪みが非常に低いと、聴いてわりとはっきり差が分かりますね。差ははっきりと分かっても、そういう音が「嫌い」という人も、割とたくさん居ます。
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この回答へのお礼

JBLの参考リンク読ませて頂きました!
内磁型(アルニコ磁気回路)と外磁型(フェライト磁気回路)の違いが図解されており、とてもわかりやすかったです☆
(1)内磁型、(2)外磁型、(3)JBLの独自のSFG磁気回路の3つの磁気回路の歪みのグラフもとてもわかりやすいですネ!

磁気回路の歪みは低音において大きな問題になってくることも初めて知りました。とすればサブウーファーなどでは重要な課題ですね!

磁気回路の歪みは具体的には、S/Nが悪くなるような、音の分離がちょっとくもった感じになるのですね!よく言えば暖かく濃厚で、悪く言えば不鮮明という感じの音ですね。

ハイエンドな色々なスピーカーやアンプ等を試聴してわかったことなのですが、「良い音」とは結局自分の好みの音なのかもしれませんね。

私自身は「良い音」とは「原音に近い音」だと考えていたのですが、楽器を目の前で聴くのと、コンサートで聴くのではまた音が違うので、「原音」も再現される場によって様々で、結局「良い音」とは自分の好きな音なのかな、という単純な答えに落ち着きました(笑)

そして人の好みによって音の表現の仕方も変わるのかなぁと。
例えばB&Wを好む人は、「透明度が高い明るい音」と表現しますが、あまり好まない人は「乾いた音」と表現しますね。

少しテーマがそれてしまいましたが、防磁型の仕組み、音質劣化の原因、劣化した場合の音等いろいろな事が具体的にわかりとても納得いたしました。

質問との関係では、結局ハイエンドスピーカーが非防磁型が多いのは、コスト面、音質劣化面、必要性の有無の面の総合衡量ということがよくわかりました☆

大変詳しく具体的なご回答していただきありがとうございました!!

お礼日時:2007/01/13 18:33

コスト面よりもハイエンドスピーカーシステムを購入するようなユーザーは磁気に影響されるブラウン管TVなどをスピーカーシステムの側には置きませんから、


防磁型にする必要が無いのでは?

それに大型のマグネットを使うため外磁型にしてるという事だと思います、
外磁型で防磁させるには反発するように一回り小型のマグネットを後ろに配置し、
漏洩する磁力を鉄製のカバーなどで防止しますが、
このカバーがボイスコイルの熱を逃がすのに邪魔になるのも要素の一つなのかもしれません、
温度上昇はマグネットの減磁の原因になりますし。
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この回答へのお礼

確かにハイエンドスピーカーを使う方のホームシアターはスクリーンですね(笑)
ただHDDには影響を与えると思うのですが、それもやはりハイエンドスピーカーを使う方はかなり距離をとっていると思うので必要がないですね!

逆に防磁型にするメリットは、ブラウン管TV等に磁気の悪影響を与えないことに尽きることになるのでしょうか。
そうであれば、ハイエンドユーザーには特に必要性ないもので、
外磁型による防磁の音質劣化及びコストを考えると特に付加するものではなくなりますね☆ご回答ありがとうございます!

お礼日時:2007/01/12 14:17

>音楽再生時に磁気が発生し、



スピーカーには、強力な永久磁石が使われているので常に磁場が発生しています。
防磁型のスピーカーは、その磁石や筐体に防磁対策(磁力線の漏れを防止)を行っているだけです。
防磁対策のために完全に鉄の筐体に納めたスピーカーと通常の木製筐体のスピーカーとでは音が違いますので、全く影響が無いとは言えませんが、メーカーではそれなりに音作りをしているはずです。

>個人的にはスピーカーから電磁波が放射されない非防磁型の方が

スピーカーからは電磁波は発生しませんので、健康に影響はありません。
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この回答へのお礼

確かに常には磁場は発生していますね!ご指摘ありがとうございます。
以前電磁波測定器で測定した結果、音楽再生時特に大音量にするほど、磁場がかなり発生しておりました。音楽再生時には、大量の電流が流れるので電場が発生し、電磁波の波ができると思っていたのですが…

いずれにしても実際オーディオは離れて聴くので電磁波というものについては健康面は心配なく、音響面で対策が必要とされていますが、スピーカーそのものから発生するものについては、それを抑制する方が音質劣化につながるということかもしれませんね。

お礼日時:2007/01/12 14:03

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