寒冷地で凍結しているような滑走路に旅客機が着陸する場合、何故スリップやスピンもせずに止まれるのだろうと疑問に思い、過去の質問を探したところ、No2642172で良い回答がありました。できる限り、逆噴射とフラップで速度を落とし、後はABS付きの車輪で制動するというものでした。そこでまた疑問は、なぜ逆噴射中にはスリップしないんでしょうか。車輪は接地しているので、左右のエンジンの噴射具合が若干ずれていただけでもスピンしてしまうような気がするのですが。。ずぶ素人なので勘違いなのかもしれませんが、気になってます。お時間が有る時に回答いただければと思います。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
No,1の人も行っているように
タイヤには推進力(動こうとする力)はかかっていないからです。
エンジンの逆噴射という、空気の壁を使って減速しようとしているためにタイヤ自体は、それの支えになっているだけに過ぎません。
タイヤだけでブレーキをかけようとするとバランスが崩れスピンする恐れがあります
また、かかっている力も上から下に押し付けるような力がかかっているのではなく
前から後ろに押し付けるような力がかかっているために余計スピンしにくくなっています。
ごくまれにですが、滑走路全体が凍結しておりオーバーランするという事故もあるけどね。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/ワールド・エアウェイズ30H便大破事故
No.4
- 回答日時:
車でも、たとえばマニュアル車で走っているときにクラッチを切り、まっすぐ走るだけであればスリップはしません。
タイヤに推進力がかかっていないからです。飛行機の左右のエンジンはタイヤを駆動しているわけではないので関係ないのです。
ただですね。飛行機の前輪は方向を定めるものなので、もし飛行機が進んでいく方向と異なる方向に舵を切ると前輪はスリップします。
No.5
- 回答日時:
スラストリバーサはオートブレーキのときは接地後メインギヤが縮むとグランドスポイラーが立ち上がるとほぼ同時にかけるようです。
その速度は12、30kt以上はあるようで主翼はスポイラーで失速してもラダーはまだ失速していないので方向維持ができそうです。80ktくらいでスラストリバーサは戻すようです。この速度になるとラダーも失速しているのでアンチスキッドが効いてくるのだとおもいます。垂直尾翼は後退角効果が機首上げで更に大きくなるようですし翼弦も左右対称ですから翼の中ではもっとも失速しにくいようです。ラダーが効いている間にスラストリバーサや方向維持など高度な操縦技術が必要なのかもしれません。No.6
- 回答日時:
#5さんが書いているように、ある程度のスピードまでは方向舵の力が強いからだと思います。
航空事故で前輪操舵装置が故障して、タイヤがあさっての方向を向いたまま着陸するニュース映像を見ましたが、意外と普通に着陸滑走してました。
それなりに修正舵はかけていたと思いますが。
No.7
- 回答日時:
>寒冷地で凍結しているような滑走路に旅客機が着陸する場合、何故スリップやスピンもせずに止まれるのだろう
まず、スピンはどうしてするのか飛行機の場合に限定して考えてみましょう。
飛行機は、地面に対して、3点で支持しています。主車輪2つと、前輪もしくは後輪です。
主車輪2つと後輪を持つタイプの飛行機を、尾輪式、前輪を持つものを前輪式と呼んでいます。
尾輪式の飛行機は、飛行機の重心位置が主車輪より前方にあります。主車輪にのみついているブレーキを使用し始めると、すぐバランスをくずし180度反転します。一旦回り始めるとなかなか回転を止めることがでず、簡単にスピンしますのでそれを阻止するのに細心の注意を払いながら操縦しています。止まるまで気を抜くことが出来ません。
それと対照的に、前輪式では、ブレーキをかけ始めると安定して通常では決してスピンしません。その面では、気楽に操縦できます。
しかし、滑りやすい滑走路面(スリッパリーランウエイ)では、この現象が逆転します。
というのは、ブレーキのない車輪(前輪とか後輪)が、運動の中心となりますので、後輪式は、主輪が滑れば、安定してきます。
逆に前輪式では、主輪を滑らすことは致命的になります。現在の旅客機のほとんどは前輪式ですから、オートブレーキ、特にアンチスキッドについては、自動車のものとは比較できないほど高度で、複雑かつ繊細な動作がなされ、ホイールロックすることなく最高の減速率を得よう作られています。
それでも横風、機体関係の問題などなど、色々なファクターが関連しますので、スリッパリーの場合、大変に気を使いますし、それなりの技術も要求されます。
そこで、どうするかといえば、この範囲を逸脱すると危険であると予測される場合は、離着陸を取り止めることになります。細かく規定化されています。
そして、毎年、冬季を迎えるにあたり、航空関係官庁、各社とも教育、対策に万全を期しています。
例えば、毎年全操縦士は冬季運航のための教育、訓練を行い、整備は全機の冬季対策(含教育)を実施し、その他の官民の地上のサポートスタッフは、各々の定められた冬季対策(含教育)を実施しています。
また、実運用面では、規定以上の積雪時の滑走路の除雪はもとより、滑走路面の摩擦係数の変化が予測された場合、離着陸直前の滑走路面の摩擦係数の計測がなされパイロットに通報されます。その値を元に風の状況、その他のファクターを勘案して、就航、離着陸の可否を決定しています。これが「凍結した滑走路で旅客機がスピンしない理由」です。
そこまでしても、スピンを含む事故は、完全に防ぐことは出来ません。
水をさすようで申し訳ない気持ちですが、こと人の命、安全に関することなので言わせてもらいます。
皆さんが、車輪には駆動力がないから云々、リバースで減速して...などと言われておりますが、一般の方が考えておられるようなレベルではないと思ってください。
これらの対応には、世界中のトップのプロ技術者がいろいろ検討し、対策を打ち出し、それを全世界のエアラインが採用しています。
簡単に言葉で表されない特殊な操縦能力、訓練もあること、前記したようにパイロット以外の多くの人のサポートの上ではじめてスピンしないで離着陸が出来ていることを知ってください。
プロの世界はそんなもんでは済まされません。
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