No.6ベストアンサー
- 回答日時:
>なぜ、“赤色の光と、青色の光とでは、屈折するときに、入射角が同じでも屈折角が違う”のでしょうか。
はい。これは波長により屈折率が異なるために生じます。
ただご質問者の根本的な疑問は、なぜ異なるのかという点にあるのだと思います。
これは、そもそも屈折率とはなんなのかということを理解しなければなりません。
光は電磁波という波です。この波が物質の中を伝わるときに何が起きているのかを知ることが大事です。
この中で一番重要なのは「吸収」という現象です。光という波は物質に一度吸収されて再放出されるということが起きています。(厳密には少し異なりますが高校レベルで理解するためにわかりやすい考え方で話をしています)
吸収して光が熱になったりすると意味はありませんが、物質がその入ってきた光にあまり吸収されない領域(見た目には透明に見える)では、一度吸収した光を再放出するということが起きます。
さて、波を考えたときに再放出された光の位相は元の光より遅れています。なぜならば入ってきた波により原子・分子が振動し、それにより波が再放出されるためです。
すると光という波全体では元の位相よりも遅れが生じます。
見方を変えると光の進む速度が遅くなったように見えます。
このどれだけ遅れが生じているのかという数字が屈折率です。
そのため物質が一番よく吸収する波長(これを共鳴周波数といいます)より遠いところの方が吸収が小さく、吸収が小さいほどこの遅れは小さくなります。なぜならば光の吸収・再放出がおきにくいからです。
故に波長により屈折率が異なるということがおきるのです。
さて、次にではご質問のはじめにある振動数が大きい(波長が短い)ほど屈折率が大きいという傾向が一般に存在するという理由は何であるかです。上記の説明だと、単に吸収するピークから遠ざかれば屈折率は小さくなるのですから、吸収する位置が問題になります。
たとえば波長600nmで吸収ピークとなる物質であれば、そこの点より短波長でも、長波長でも遠ざかれば屈折率は小さくなります。
(厳密には吸収ピークでは位相の遅れがなくなるため、そこでは屈折率は1となり、吸収ピークを少しずれた点で最大になり、その後緩やかに屈折率が1に近づく)
しかし、通常ガラスにしてもプラスチックにしてもほとんど光の吸収そのものがおきにくい物質の場合ですと、それらの物質の吸収は紫外の領域にあります。
実は原子・分子の結合という物質が形をなす基本的な結合による吸収というものがほとんどすべての物質で存在し、それは紫外領域にあるのです。波長にして100nm~400nm付近に透明な物質も含めて大抵強い吸収が存在します。
そのため、透明なガラスなどでみると、強い吸収は紫外領域にあるので、それから遠ざかるほど屈折率は小さく、近づくと大きくなるため、一般的な傾向として波長が短く(振動数が大きく)なると屈折率は大きくなるという傾向が生まれます。
ただ先に話したように吸収ピークがたとえば赤外に強いピークのある物質では可視光領域で透明であっても逆特性、つまり波長が短いと逆に屈折率が小さくなる領域が存在するなど、必ずしもどんなものでもそうだといえるわけではありません。
ちなみにこの一般的な傾向に一致しているものを「正常分散」といい、それから外れた特性のものを「異常分散」と呼んでいます。この異常分散というものはカメラのレンズなどで高性能なものを作る場合に非常に重要なため、意図的にそういうガラスによるレンズなどが使われています。
では。
ありがとうございました。。
理解することができたと思います。
高校物理では、こういうことは、当たり前として書かれていて、
なぜかなぁということをずっと思っていたので、
それを払拭することができました。
どうもありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
ご質問者はほぼ理解できたかもしれませんが、簡略化して書いた私の回答では、まだ説明が不足している部分もあるようなのでもう少し詳しく解説しておきますね。
光の位相が遅れの話で光の速度が遅れていくことになるのは、光の進行方向で考えてみたとき、はじめの原子・分子層を通過した光は少し遅れる、それによって遅れた光が次の原子・分子層ではまたその遅れた光を吸収・放出するのでまた遅れるというように連続的に遅れが続くことになるので、トータルでみると「元の光からみた位相の遅れは、光が進めば進むほど遅れるという状況が生じるため」、波と波の間隔は縮まるし、光の速度も遅くなるということを意味します。
ちなみに今回説明しているのは双極子モーメントモデルといって、光を吸収・放出するものを仮定したモデルであり、これにより反射や屈折を説明することも出来ます。(実際に計算して求めることも出来ます)
では。
どうもありがとうございます。。
また進学して学習が進んでいくと、もっと理解できるようになるのですかね。。
楽しみにしています。。
ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
No.6さんの回答で詳しく書かれている点にて、色々
正しいことが書かれていますが、「位相の遅れ」と
「位相速度の変化」に関しては、混合されているのでは
ないでしょうか?
>すると光という波全体では元の位相よりも遅れが生じます。
>見方を変えると光の進む速度が遅くなったように見えます。
上の文は「位相の遅れ」すなわち、電磁波の山と山の位置が入射
した光からずれていることを表して、山と山の距離は変わって
いません。一方で、下の文では、電磁波の山と山の距離が
変化(縮まっている)状態を表しています。
No.5
- 回答日時:
物質による光の吸収は、バンドというものの存在により、ある振動数以下では吸収が起こらず、特定の振動数で特に吸収が大きくなるという性質があります。石英といった物質が無色透明である理由は、可視光領域で吸収を持たないためです。しかしこのような物質でも、それよりも振動数が大きい紫外線領域で吸収を持ちます。
一方、屈折率というのは、光の吸収とクラマース・クローニッヒの関係と呼ばれるもので互いに結びつけられています。この関係により、吸収が起こる周波数よりも少し高い周波数に屈折率のピークが現れ、そこから減少するという性質が現れます。
プリズムにおける紫と赤の屈折率の違いは、このせいです。ですから、吸収の起こる周波数によっては、周波数が高い方が屈折率が低くなったり高くなったりします。
No.4
- 回答日時:
一般に可視領域で透明な(光の吸収がない)物質の屈折率は短波長(紫外側)ほど高くなるのは確かです。
ただ、その理由を正確にお話するのには(古典的な説明でも)高校の範囲を超えてしまいますので、ここでは、かなりいい加減な説明で御茶を濁すことにします。より詳しい説明が欲しかったら、例えば「光の物理 小林 浩一(東大出版会)」を見て下さい。 可視光領域の屈折率は、光の電場によって、物質中の電子が揺れ動くことに起源があります。光の電場によって揺り動かされた電子からは、光が放出され、電子から放出された光(を足し合わせたもの)ともとの光の足し合わせで物質の中の光の進み方が決まっていきます。屈折率がより大きくなるためには、揺り動かされた電子から放出されるの光による寄与がより大きくなる必要があります。 ここで、減衰強制振動の話を持ち出したいのですが、確か高校まででは習っていない話ですので、ここでは、振り子を頭に描いて下さい。振り子には共鳴周波数がありますよね。共鳴周波数とは、その周期でなら、外から小さな力で振幅を与えても、振り子の振幅がどんどん大きくなる周期のことです。例えば、お寺の釣り鐘などでも、共鳴をつかうと、指一本で大きく揺らすことが(何度も、同じタイミングで押さなければなりませんが)出来ます。 可視領域で透明な物質でも必ず紫外領域(もしくは、それより波長の短いどこか)に必ず吸収を持っています。そして、この吸収のところが共鳴周波数です。ですから、可視領域の光によって物質中の電子が揺り動かされる場合に、光の波長が短く、紫外に近いほど共鳴周波数に近い光で振動させられることになり、その結果として電子の揺らぎの応答が大きくなります。 屈折率の由来の話に、共鳴の話を組み合わせると質問の答になるでしょう。No.3
- 回答日時:
質問者のために、もう少し補足しておきますね。
私の回答の趣旨はあくまで、質問にある前提となる部分で勘違いがあるようなので、まず、もう一度高校物理の内容を正確に把握し直してほしいという意味です。
そうしないと、高校物理の内容を超える話の理解が出来ないということでもあります。
そもそもかかれている傾向について、#2さんがいわれるように思いあたるものがないわけではありませんが、どういう話だったのが(今回でいえば、どういうときにそういうものが見られるのか)という部分を抜きにして説明は出来ないからです。
間違っていると書いているのではなく、単純な話ではないと書いているのです。
この回答への補足
質問が変で申し訳ありませんでした。
確かに、“白色光の屈折率”というのは変ですね。
具体的に書くことにします。
たとえば、虹が見える現象があると思います。
これは空気中の水滴の中を光が(主虹の場合)屈折、反射、屈折して目に届いてきます。
そのときに、赤色の光と、青色の光とでは、屈折したときに、
入射角が同じでも屈折角が違うので、虹という現象がおきると習いました。
プリズムに白色光をあてたときにも、色によって、入射角が同じでも屈折角が違い、
色が別々に出てくると思います。
なぜ、“赤色の光と、青色の光とでは、屈折するときに、
入射角が同じでも屈折角が違う”のでしょうか。
No.2
- 回答日時:
Walkingdic様へ
ちょっと眠いので、多少失礼なことを書きます。
>>>
振動数が大きいほど、屈折率が大きく、
振動数が小さいほど、屈折率が小さい
<<<
> ご質問にかかれたような単純な話ではありません。
この記述は吸収のない可視光の領域ではほぼ正しいのではないでしょうか?
それをそうでないと言い切る方が「専門家」と名乗られるのが少々不思議に感じられました。
確かに「白色光の屈折率」とは意味不明であることは同意いたしますが。
ただし、この傾向を高校生にわかるように説明せよと言われると、私にはできません。
No.1
- 回答日時:
そもそも白色光の屈折率なるものはありませんので、根本的になにか勘違いをされて覚えているのではないかと思います。
>>>
振動数が大きいほど、屈折率が大きく、
振動数が小さいほど、屈折率が小さい
<<<
とかかれていますが、そもそも屈折率とは光の性質ではなく物質の性質です。光の振動数により物質の性質である屈折率の値が変わるのは確かですが(これを屈折率分散といいます)、ご質問にかかれたような単純な話ではありません。
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